- ◆猫の血液型は3種類
- 犬には9種類、猫には3種類の血液型があり、A型、B型、AB型の3つに分類される。
多くの猫はA型で、B型は猫の種類によってときどきみられ、AB型は非常に少ないようです。
人間と違い動物の血液型は、すぐには調べられません。(検査できる動物病院が少ないようです)
健康な時に調べておけば、もしも輸血が必要になった時などに役立ちます。
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- ◆輸血はどのように行っているか
- 手術や病気のため重度の貧血の際、輸血が必要な場合があります。(特に猫は貧血を起こしやすい)
しかし、人間のようにすぐに取り寄せられるシステムはなく、血液確保は大変なようです。
動物病院では、健康状態の優れた6歳位までの犬や猫を、供血犬・供血猫として飼育し、輸血血液を確保する方法がとられています。
大学付属の動物病院や大きな動物病院では、どんな血液型にも輸血できるよう複数飼っていますが、小さな動物病院では、飼っていなかったり少ないため輸血したくてもできないことも多いのです。
つまり、動物病院での輸血は、行なっている病院と、行なっていない病院があるのです。
ちなみに、供血犬・供血猫の登録制度を取り入れ、もし輸血が必要になった時に協力してくれる飼い主さんに登録を呼びかけてい動物病院もあります。登録して供血をすると、特典もつくこともあるようです。
供血する側は、健康診断を受け採血を行います。
受ける側の採血をし、2頭の血液を混ぜ合わせて凝固しないかをみるクロスマッチ検査を行います(血液型判定は行われていないようです)。結果が出るまで2時間ほどかかるようです。
検査で一致すれば採血され、輸血が行われます。
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- ※供血犬・供血猫(きょうけつねこ)
- 供血犬・供血猫といっても普通の犬・猫と変わりありませんから1回に供血する量には限りがあります。
(採る量は犬で体重1kgあたり22cc 、猫は1kgあたり10cc〜12ccぐらいでしょうか)
犬の場合は、血液型がバランス良くいますし、大型犬もいるので不足することはないでしょう。
猫の場合は、A型が全体の7割で、B型・AB型は少数なので、適合する血液を探すのが困難になります。また、体格差があまりないので多くの供血猫が必要となりますが確保が難しいでしょう。
輸血用の血液を提供する供血猫は、健康はもちろんですが、性格のおとなしい猫が適してます。
採血を手の静脈か頸静脈からするときに、おとなしくしていることが必要だからです。(通常、無麻酔で行う)
また、ワクチン接種済みで、室内で飼われている猫に限られます。体重は4kg以上。
体調がよければさほど負担にならないようですが、疲れたりストレスを受けるでしょうし、最低1ヵ月以上は供血の間隔をあけることも必要になるようです。
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- ◆異なった血液型では副作用が出る
- 人間の場合と同じで異なった血液型の輸血を行った場合は、重篤な副作用が発生します。
輸血の時、A型の猫にB型の血液は輸血することはできません。溶血が起こります。
しかし、逆にA型の猫がもつ抗B型抗体は弱いので、もしB型の血液が必要でも、どうしてもA型の血液しかない時は、B型の猫にA型の血液を輸血することは可能なようです。
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- ◆抗体の関係で避けたい組合せ
- 抗体の関係で、特定の血液型の組合せの交配をした場合は、問題となることがあります。
猫は、自分の血液型以外の抗原に対して、自然抗体をもっています。
特にB型の猫がもつ抗A型抗体は非常に強力なので「B型」と「A型」の組合せには注意が必要です。
B型の母猫に、A型やAB型の子猫が生まれると、生まれたときはとても健康なのに、母猫から母乳を飲むと、生後2〜3日で突然死するという「新生子溶血」が起こってしまいます。
これは、母乳に含まれる抗A型抗体を、A型(またはAB型)の子猫が吸収してしまい、子猫の体内でA型血液と抗A型抗体が激しく反応して、赤血球が破壊されてしまうからです。
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