SWEETCAT ささねっと

メールメール

トップ ねこ情報 猫の病気

内部寄生虫
猫の体の内部をすみかとする内部寄生虫には、「回虫」や「フィラリア」などの線虫。瓜実条虫や猫条虫などサナダムシと呼ばれる「条虫」、消化管に吸着する「鉤虫」「鞭虫」などの吸虫。「トキソプラズマ」や「コクシジウム」などの原虫など、さまざまな種類がある。
※寄生虫の種類により薬が違うので、病院で検査して駆虫しましょう。(市販薬のほとんどは回虫用)

回虫(かいちゅう)症
回虫は、小腸に寄生する白いスパゲティーのような形をした寄生虫で、小さい順に犬小回虫、猫回虫、犬回虫。これらは、猫にも犬にも人間にも感染します。
名前の通り、腸の外にでると丸く回るような形になり、成虫の長さは2〜15pにもなります。
便中に排泄された回虫の卵は、5〜10日で感染性を持つ虫となり、猫の口から体内に入り、ふ化して胃、肝臓、肺へと移行し成長します。これが咳によって吐き出され、再び入り成長して小腸内に移行し、卵を産み便中に排泄されます。
【感染】
卵を猫が口から摂取して感染する。
卵を摂取して体中に幼虫を持っているネズミなどを猫が食べて感染する。
母乳を通じて幼虫が子猫に感染する。
【症状】
子猫の場合は元気がなくなり、下痢や便秘になります。成猫の場合はほとんど症状が表れません。
腸の閉塞(へいそ)や腹痛、下痢、消化不良、食欲不振といった消化器症状や栄養不良にもなります。
子猫の場合、4〜6週から腹部の膨大・下痢・便秘・脱水・神経症状・貧血など。
成猫の場合、元気消失・瞬膜の露出・腹部の疼痛・腸管の肥厚など。
【治療・予防】
検便で虫体の確認する。回虫を吐いて発見することもあります。
回虫は幼猫で特に被害が大きい為、子猫を飼ったら病院で健康診断をかねて検便をしましょう。
ただし、回虫は猫が3歳位になるとその体内で回虫が卵を産むような成虫になることが出来なくなり、検便しても回虫卵は検出されにくくなります。
駆虫薬によって腸内の回虫を除去します。(子猫は4〜6週で駆虫)
嘔吐や下痢の症状がある場合はそれぞれの治療も行います。
回虫の卵は生命力が強い為、日光や熱湯消毒で猫の生活環境を清潔にしましょう。
まれに、人に感染する事もあるので気をつけましょう。

△上へ


条虫(じょうちゅう)症
別名サナダムシ。猫に多いのは、猫条虫、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)、マンソン裂頭条虫など。
小腸に寄生する平べったいひも状で、無数の体節を持った寄生虫。体長50cm以上になるものもいる。
猫が排便後に肛門の周りについた動く白い粒状の体節や、便の中で白くて小さな片節(米粒状)を見つけることがあります。
直接感染はなく、猫条虫はネズミから、瓜実条虫はノミから、マンソン裂頭条虫はカエルやヘビから感染することが多い。
【症状】
条虫がいても元気で症状がないことが多い。中には下痢や嘔吐を起こすこともあります。
大量寄生の場合は、嘔吐・下痢・・胃腸障害・貧血・栄養不良などを起こすこともあります。
【治療・予防】
検便で虫体(片節)を確認し、駆虫薬を与えます。
瓜実条虫は検便では卵が検出されずわからないとされ、その他の条虫は検便で卵が検出されるが、どの条虫かは体節や本体を見ないとはっきりしません。

家の中を清潔にし、ノミやネズミの駆除もおこないます。

△上へ


鉤虫(こうちゅう)症
白色あるいは灰白色の線虫で、1〜2p位(成虫の長さは8〜15p位)のミミズの様な形をした寄生虫。
猫犬の小腸の粘膜について吸血し、卵を産みます。
卵は、犬猫のウンチといっしょに外に出て、他の犬猫の口から体内に入り小腸に寄生します。
幼虫は、肉眼では見えないほど小さく、土の中にいて動物の口や皮膚から体内に入ります。
体内移行で小腸にたどり着きますが、妊娠もしくは授乳していた場合、子猫に感染することもあり、妊娠時に感染した子猫は1ヶ月以内に死亡する場合が多い。若い猫に多くみられます。
【症状】
主な症状は、下痢・腹痛・貧血・血便・皮膚症状・脱水症状など
皮膚が炎症を起こしたり、腹痛になったり、血の混じった便が出ることもあります。
鉤虫は、鞭虫よりも吸血が激しい為、貧血を起こしやすくなります。元気もなくなります。
【治療・予防】
検便で卵・虫体を確認し、駆虫します。
おかしいと思ったら検便してもらいましょう。また寝床やトイレをいつも清潔に保って予防しましょう。
●我が家の場合
他の検査と一緒に直接法の検便(\500)で、発見されたことがあります。顕微鏡の画像をテレビ画面でみました。駆虫は注射(\1200)を1本打って終わりでした。
貧血や脱水症状があるのが血液検査でわかったのですが、他の病気をもっていたので鉤虫だけが原因というわけではないと思いました。

△上へ


鞭虫(べんちゅう)症
腸管に寄生する小型の寄生虫で、盲腸の粘膜に頭を突っ込んで吸血し卵を産みます。
白色または乳白色の線虫。体長4〜8p位のムチに似た形をしているのが特徴。
便と一緒に出た寄生虫の卵が、何らかの経路を経て口に入り、他の猫に感染。
比較的年齢の高い猫に多くみられます。
【症状】
主な症状は、下痢・腹痛・貧血・血便・皮膚症状・脱水症状など
盲腸炎や大腸炎を起こしたり、ひどい時は貧血を起こす事もあります。
鉤虫は、鞭虫よりも吸血が激しい為、貧血を起こしやすく、元気もなくなります。
【治療・予防】
検便で卵・虫体を確認し、駆虫します。
便などの処理をきちんとしていつも清潔に保って予防しましょう。
また、卵は日光に弱いので、動物を日当たりの良いところに置くようにするのも予防になるでしょう。

△上へ


トキソプラズマ症
トキソプラズマという原虫が、体の様々な組織に感染し症状を起こす病気。
この原虫は猫に限らず、ネズミ・ブタ・鳥類・爬虫類・両生類・魚類などにも感染するために、その感染した生物を捕食した場合は感染します。汚染された便などからも感染します。
猫科動物だけが便の中にオーシスト(卵のようなもの)を排泄する為、特に重要視されているが、現在は、猫からの感染はきわめて少ないようです。
妊婦の場合は危険性が心配されるが、それは抗体のない人の場合で、多くの人は抗体を持っているのであまり心配はないとされてます。
【感染】
感染後の1〜2週間、便の中にオオシスト(卵のような物)を排泄。オーシストは土中で数ヶ月生存して、その間に他の動物の口から感染。便の中のオーシストは2日以上経たないと感染力を持たない。
トキソプラズマは多くの猫が持っていますが、感染型を排泄するのは生まれたての子猫か、以前感染して体内にいた原虫が、体が弱ったために活動し始めた場合くらい。
【症状】
すぐに症状を表すことは少なく、ほとんどが慢性化に移行した状態で症状が出し始めます。
主な慢性症状としては、長く続く下痢、嘔吐、食欲不振、元気消失など。ひどくなると、発熱、肺炎、黄疸、痙攣、呼吸困難、肝障害、神経症状、眼症状などですが、他の病気との区別はかなり難しい。
子猫や弱った猫の場合、急性の高熱・肺炎等の症状を出し、治療しないと死亡することもあります。
【人の場合】
豚の生肉を食べたり、感染猫の便を触った手から口に入って起こりますが、大人では免疫抑制状態以外では症状は出ることはありません。
妊娠中に、生まれて初めて感染した場合、胎盤を通じて胎児に虫体が移行し胎内感染を起こしてしまい胎児の流産・死産の原因や、水頭症という奇形の原因になるといわれています。
【診断】
検便と血液検査(抗体検査)をします。猫も人間も抗体検査をする1回でははっきりしないこともある。

人(陽性)、猫(陽性)→

まず心配ない

人(陰性)、猫(陰性)→

今は心配ないが、かかる恐れがあるため充分な注意が必要。妊娠前・妊娠中は猫トイレの処理をしない

人(陰性性)、猫(陽性)→

今は心配ないが、かかる恐れがあるため充分な注意が必要。妊娠前・妊娠中は猫トイレの処理をしない


【治療】
内科的治療をおこないます。おもに抗菌薬としてサルファ剤などを使用します。
オーシスをなくす薬はありません。(猫・人・他の動物とも)
猫の初感染予防薬はあるが毎日服用が必要。(妊婦のいる時に飲ませる等の非常用として使用)
治療が必要なのは、急性で激烈な症状が出ている危険状態の時で、それが治まってしまっていたら必要ありません。症状がない場合や、ごく軽かったりした場合は必要ありません。
人が気づかず、あるいは他の病気と区別できずに、治療せずに自然に治る方が圧倒的に多い。
【予防】
感染力を持つまでには2日かかるので、その日の間に便を処理していれば問題はない。
猫の便は、毎日片づけ、ゴム手袋をはめ、猫砂を吸い込まないように注意する。(特に下痢の時)
病気の猫が使った食器、便器等は塩素漂白剤で消毒する。熱湯消毒も良い。
ネズミやハエ・ゴキブリの駆除をする。
豚・牛・鶏・ラム肉など食肉は、十分な加熱調理か、−10度以下3日間以上の凍結保存をする。
肉を調理したまな板・包丁・二次汚染の野菜からも多いので注意する。
動物を触った後は手洗いする。土中にもいるので園芸作業の後も手洗いする。
猫への食べ物の口移しをしない。

△上へ


コクシジウム症
コクシジウム原虫は、小腸などの上皮細胞に寄生し、オーシストと呼ばれる卵のようなものを便と一緒に体の外に出てきます。猫が舐めることでオーシストを口から摂取すると感染してしまいます。
また、オーシストをネズミなどが食べ、それを猫が食べることで感染する経路もあります。
成猫よりも子猫や弱った猫がかかると重症になりやすいので注意しましょう。人への感染は知られていません
【症状】
一般的には無症状や、軽い下痢を起こす程度ですが、子猫やストレスなどで免疫力が低下している猫だと重度の感染を起こして、ひどい下痢や嘔吐、血便を起こして衰弱することもあります。
感染後3〜6日の潜伏期の後、血の混じった水様(泥様)の下痢をしたり、食欲不振、発熱。重症の場合、粘血便となり、貧血、脱水、衰弱が起こるようです。
【治療・予防】
便検査で便の中のオーシストを確認し、駆虫薬を使って駆虫します。
コクシジウムと診断されたら便は速やかに始末し、熱湯で消毒しましょう。
駆虫した後も2〜3ヶ月くらい生存するので注意がひつようです。
予防は環境を清潔に保つこと。特に便の片づけや、ケージの消毒などに気を付けてください。

△上へ


フィラリア症(犬糸状虫)
フィラリアは、感染子虫を持った蚊の吸血により心臓内に寄生して体内で約21cmにもなる糸状虫。
犬に寄生することで知られていますが、最近は、猫のフィラリア症もみられるようです。
猫の場合は、主に肺に障害を起こすといわれていたり、心臓病の原因ともいわれています。
【症状】
症状は、しつこい咳、呼吸困難、元気消失、疲労、嘔吐、食欲不振、体重減少、うつ状態とされてます。
猫の場合は、フィラリア症の特徴的な症状はなく、検査でも検出不能のことが多く、特定が難しいため、健康そうな猫でも何らかの症状を出た後、急速に衰弱し急死することが多いようです。
【治療・予防】
猫のフィラリア症の診断は難しく、診断できても、猫には安全な(成虫を殺す)治療法がありません。
猫のフィラリア症は、屋外でも屋内でも感染がみらるので、家の中にいるから安全とはいえません。
また、蚊取り線香では予防できないようなので、フィラリア予防薬で予防をしましょう。
猫用のフィラリア予防薬があるので、病院でご相談をしてみてください。

△上へ


(2005年5月27日記載)

ねこ情報 > 猫の病気 > 内部寄生虫

Copyrigt(c) 2003-2006 sasa-net. All rights reserved.