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令和 5年 7月31日

 

 第303号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 303号 目次

     酷暑の夏の中で

     自閉症啓発セミナーの報告
          「門眞一郎先生 講演会」

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

      青年部 わいわい Holiday、クローバーの会、はやぶさの会 の 報告とお知らせ

      キッズルーム、スポーツクラブ、水泳教室、癒しのマッサージ座談会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「教えて 発達障害・発達凸凹のこと

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんぴっぴ」、「ぐんぐんタッチ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付 の お礼とお願い

長かった梅雨がやっと明けたと思ったとたん、今度は酷暑の夏がやってきました。
こんなに暑い夏は、初めてです。天気予報でも観測史上初という言葉が、よく出てきます。
地球の温暖化が、急速に進んでいるように思います。
我が家の話をしますと、現在住んでいる家に引っ越して4年が経ちます。
2019年7月に引っ越してきました。その年は、夏にクーラーを殆ど使わずに過ごせました。私はクーラーの風が苦手で、もっぱら扇風機の風で夏を乗り切りました。新しい家は、断熱性能が高いと感激したものでした。
2020年夏は、日中の暑さが厳しい時間帯に家にいるときは、クーラーが必要でしたが、夜にクーラーをつけることはほとんどありませんでした。
2021年の夏もほぼ同じでした。
でも、2022年の夏は、日中は、クーラーが必要になりました。
そして・・・、今年の夏です。
日中から寝る間も、クーラーが切れることはありません。設定温度は高めにしていますが、家に居る時は常時クーラーが稼働しています。居間から寝室へと移動する際の、途中の階段が、もう暑くてたまりません。
こんなに暑い夏は、70年の人生でなかった・・・と思える最高の暑さの夏です。
先日TVで恐竜の話がでてきました。
絶滅前の恐竜は、巨大な隕石が地球に激突するのを知らないでいます。もうすぐ自分たちが絶滅することを知らないで、それぞれの我が世の春を謳歌しています。
それは今の私たち人類のことのように思えて、戦慄を覚えました。
私は古希を過ぎ、もうすぐこの世界からいなくなる人間ですが、子どもや孫世代は、いったいこの灼熱地獄と化した夏をこれからどう過ごしていくのだろう・・・、私たちが呑気に犯してきた地球温暖化への罪を彼らが払っていくのか?? と思うと、申し訳ない気持ちになります。
少しでもそれを補いたいと、太陽光発電を屋根につけた我が家ですが、これほど暑いにもかかわらず、それほどの電力にはなりません。何しろ、日々使う方が多い現状です。
グチをたくさん書きましたね。ごめんなさい。

さてさて、気を取り直して、7月15日に行われた門眞一郎先生の講演会「自発的なコミュニケーション支援について 〜PECSを中心に〜」についてのお話しをしましょう。
門先生のお話しは、何度聞いても、もっと元気を出さなきゃ〜と思わせていただける内容です。
PECSについて、詳しくお話しくださいました。
何年も前から先生からPECSの有効性についてお話しいただいています。それでもなかなか広がっていかないのはどうしてなんだろうと、本当に残念に思います。
高校卒業まで12年間もある学校が、取り入れていってくれたらどんなに子どもたちの人生が変わるだろうと、思わずにはいられません。現状が残念でなりません。子どもたちだけでなく、先生たちもPECSに助けられるはずなのに・・・と思わずにおれません。
でも考えて見ると、TEACCHについては、その物理的な構造化やスケジュールなど、支援学校ではずいぶん取り入れてくださってきているように思います。
息子の通った支援学校に子どもたちがわかりやすい形でスケジュールが登場したのは、息子高3の運動会の時でした。全体スケジュールでしたが、文字と絵で書かれたプログラムが、輝いて見えました。
私は長い息子の学校生活において、先生に「こうしてくれ、ああしてくれ」とはできるだけ言わないようにしてきたつもりです。
学校に期待しすぎてはいけない。色んな子にぴったりのものを準備するのは大変に違いないですもの、息子にぴったりのものは、私が作ればいい。そう思っていました。
学校でのスケジュールについては、全部を親が知ることはできません。でもそんな中で息子は、いつの間にか色んなことを我慢できる人になっていました。
もっともすごいと思うことは、柔軟性を覚えてきたことです。思い通りにはならないことが、人生には、あります。でも、それを我慢して諦めたり、先延ばしにできたり、形を変えて行えたり、そんな風にする力、生活力を、いつの間にか培って来れたのは、やはり家庭だけではできない取り組みを先生方が、してくださったからだと思うのです。
いえいえ、決してイヤミではなく、そう思っています・・・・
息子は、支援学校を卒業して、支援学校の先生方の努力と献身のお陰で就労が叶いました。学校にすべてを期待しすぎてはいけないけれど、うまく連携を取りながら、共に育てていくという姿勢が最も大切なのではないかと思うのです。
横道での話が長くなってしまいましたが、そんな学校に期待しないといいながら、一方で、私は支援学校では、せめて言葉のないお子さんのためにはPECSの導入を検討していただきたいと強く要望します。
時間はかかりそうですが、かつてTEACCHも先生方に理解されない時代がありました。
今でも正しく理解されたとはいいにくいかもしれませんが、視覚的支援が有効ということは常識として誰でも知っているようになりました。言葉で伝えてもわからなければ、書いて伝えればいい。ホワイトボードなんかを使って絵にして伝えることもできています。
そんなことが、学校現場では普通の支援になっている。そう思います。
私の息子の時代とは、ドンドン変わってきているのです。
いつかPECSもそうなってくれないかとの願いを持っています。
でも、今を生きている子どもたちの人生にとって、大切な幼児期、学童期、のんびりと構えていくわけにはいきません。
支援のあるなしに関わらず、子どもたちはどんどん大きくなっていきます。
それで、育てる会では、表出コミュニケーションの力を引き出すために「ぐんぐんタッチ」を作りました。
児童発達支援事業所と放課後等デイサービスとの両方がある多機能型の事業所です。
9月からは、小学生の子も受け入れて、PECSをやっていく親御さんの手助けになりたいと思っています。
幼児期のコミュニケーション力が、少しずつ、あるいはみるみると伸びていく様子をスタッフから聞く度に、PECSの有効性を強く感じています。タッチがんばっていますよ。
育てる会としては、できる限りPECSについての広報をしていけたらと、門先生のお話を聞きながら改めて思いました。
講演の内容については、後のページに詳しいのでご覧ください。

さて、次の講演会が近づいてきました。今回案内チラシを同封していますのでご覧ください。
第124回 育てる会 自閉症啓発セミナー
『障がいのある子とその親のための「親亡きあと」対策』という本を薦められて読んだことから、今回の講師の鹿野佐代子先生を知りました。
講演会のメインテーマは、「親亡き後・・・」という衝撃的な内容で、まだ若い親御さんにとっては、実感がわかないかもしれませんが、私のようにある程度まで年を取ると、まもなく子どもを残して逝かなければならないということを実感しています。
親が現在行なっている支援を誰が担っていくのか、誰に託していけばいいのか、大きな問題です。
そして、その役割は兄弟たちに押しつけてはいけないとも思っています。彼らには彼らの人生があり、親としては本人もきょうだいたちも同じ大切な子どもですので、どちらも共に自分の人生を満喫してほしいと願っています。
一人っ子の方の場合は、余計不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
若い世代の方たちにとっては先の話と思われるかもしれませんが、早くから準備しておくに越したことはありません。少なくとも知識として、知っておいていただきたいと思います。
以前にも書きましたが、昔と比べ社会保障や支援制度は、ドンドン良くなってきているように思います。
でもこれまでとは違い、子どもたちの数が増えていません。それはいろんな制度を支える納税者が、将来は減ってしまうということです。
少子化の波の中で、私たちの子どもたちの為の支援、障害者への支援は、この先これまでのように増え続けると期待するのは甘いかもしれません。
一方で自閉症児の学びはゆっくりです。
教えられたことは律儀に続けますが、応用が難しく般化がしにくいため、たくさんのことを急には学べません。
それに比べ、お金の使い方のこと、身辺自立のこと、健康のこと、身につけなければいけないことは、多岐にわたっています。
こちらも待ったなしです。
ではどうするのか? 自立して、一人で行えることを着実に増やしていきたいと考え、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」を育てる会は作りました。現在12名が、そこで暮しています。
今、世の中ではグループホームがたくさん作られているようで、心配することはないかもしれないと思ったりもするのですが、どんな風にそこで暮していくのか気になります。
最近は、新しく「日中支援型」というグループホームが作られているようですが、それが今後継続するのでしょうか??
すでにたくさんの税金が投入されていますが、それ実際続くのかしら? 彼らが一生恩恵を得られるのか? 
心配の為はつきません。
昔は職住分離というのがグループホームの原則でしたが、日中支援型の中には昼間の仕事も同じ法人の中でまかなわれ、一つの大きな施設、コロニーみたいに、地域から分離され時代に逆行しているのでは、と思えるものもあります。
私たちは、重度な自閉症の人であっても、できる限り本人が持っている力を伸ばして、少しの支援で自立的に暮しが成り立つようにすることで、もし今後税金の投入が減るようなことがあっても、暮しは支えていけるようにと願って、グループホームを運営しています。
(奥が「ほっぷ 1」、手前が「すてっぷ 1」です)
実際に「ほっぷ1」から「すてっぷ1」に移り、彼らは自分のことは殆ど自分でできるようになっています。身辺自立や掃除(自室とトイレやお風呂)、洗濯は、毎日自分でやっています。
スタッフの丁寧な指導と本人の頑張りが、自立という形で現われていると思います。
ただ、やっぱり自閉症です。できないことも多いのが支援してみてわかります。
例えば、セールスや詐欺に注意ができるでしょうか? クーリングオフなんて、私にも難しいでしょう。
グループホームでは世話人さんがいて、怪しい人は入ってきませんが、通勤途中にキャッチセールスに誘われるかもしれません。頼まれたらすぐにサインとハンコは押してしまいそうな子どもたちです。
今は、お金の管理については、親御さんがされていますが、将来その親御さんがいなくなられた時にどうするか。
現在の成年後見制度については欠点も目立ちますが、やがては視野に入れての検討も必要なのか? とも感じています。
また、子どもの為に親はどういう形でお金を残してやれるのか? いったい幾ら残せばいいのか、彼が安心して生きていくには、今何をすることが大切なのか、知りたいと思います。そして、もし制度の中に不備な点があるとしたら、若い世代の親の方にこそその制度を変えていくための行動を共に働きかけていく必要があるのではないでしょうか?
親亡き後は、先のことと私も思っていました。でも、現在もう目の前に親がいなくなる瞬間が近づいています。
鹿野先生には今回そういったことについてお話聞かせていただく予定です。
若い方から、私のようにその時期が迫ってきている方まで、多くの方に聴いていただきたい内容です。
ZOOM開催ですが、ZOOMなど使ったことがないという方もいらっしゃると思います。同時に会場での視聴も用意しますので、一緒にお話を聞いていただける方は、事務局会場までお越しください。
今回は後日配信がありませんので、リアルタイムでしかお話は聞けませんので、ご注意ください。

さて、学校も長い夏休みに入り、お仕事をお持ちの親御さんは、大変でしょう。
保育所に行ってくれていた間は、長時間預かってもらえてよかったけれど、今はどうしていますか?
学童保育に行っていますか? 少し大きくなると学童も卒業です。中学生になると、もう預かってはくれなくなりますよね。
日中一時とか、放課後等デイサービスもそんなに多くの時間を預かってはもらえなくなってきているようで、働くお母さんは大変です。
子どもの自立度を高めるというのは少しずつの取り組みが必要です。子どもとの毎日に目標を持って取り組んでもらえたら、と願わずにはいられません。その日その日暮らしにならないように、将来を考えた取り組みを、と願うのは、老婆心でしょうか?
学童保育や日中一時、放課後等デイサービスのような、預けられる所が何もなかった私たち世代の親は、子どもを育てることは、自分の仕事と考えていました。誰も頼れなかったからこそ、どうにかせねばと思っていました。
少しでも息子ができることを増やしたいと思い、夏休みを過ごしました。
預けられる場所があるからと、そこをおざなりにしてしまってはいけません。ツケは、18歳の春にまわってきます。
18歳以降は、放課後等デイサービスはありません。
就労系事業所に通う場合、早いところでは3時、4時には帰ってきます。
同日に2つの事業所は利用できませんから、帰宅後は家で見るしかありません。その時、一人で過ごせないとなると、お母さんのお仕事もフルタイムでは続けられなくなる、ということになるのです。
だから、できれば子どもが小さい内から一人でできることを教えてください。親にしかできないこと、教えられないことはたくさんあります。
親が仕事を続けたいと思っているなら、まず一人でお留守番はできるようにしておきたいですね。
できたら、家事なんかもできることはしておいてもらいたいというところでしょう。
洗濯の取り入れや洗濯たたみ、お米洗い位はできるはず・・。ゲームやYouTubeばかりに時間を費やさず、家族の一員として、できることをやって欲しいと思います。だって大人なんですものね。
でも、そこに至るまでは、親が教えなければ身につくことはありません。
お母さん、夏休み子どもには時間がいっぱいあります。できれば、小さい内からコツコツと教えていってほしいです。
今月は、説教じみた会報になってしまいましたね、ごめんなさい。
夏休みになると、四半世紀前の、哲平の小学校時代の夏休みを思い出してしまいます。大変だったけれど、あの夏休みがあったからこそ、今の哲平の暮らしがあるように思えます。 
では、また来月お会いしましょう。
(鳥羽 美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和5年7月15日(土)、令和5年度第2回目のセミナーとして、フリーランスの児童精神科医の門 眞一郎先生をオンライン(Zoom)にお迎えして「第123回 育てる会自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回は「自発的な表出コミュニケーション支援について 〜PECSを中心に〜」のテーマで、発達障害児・自閉症児にとって、自分の思いを伝えるために最も有効とされるPECSについて、分かりやすくお話しいただきました。
それではセミナーに参加したスタッフからの報告と、みなさんからのアンケートが届いていますので紹介します。

門眞一郎先生のコミュニケーション支援のお話を、昨年度に引き続き今年も拝聴しました。
まず先生は、自閉スペクトラム症の方の得意なこと(ハリ)と不得意なこと(メリ)についてのお話や、自身の「自閉スペクトラム」と「自閉スペクトラム障害」の使い分けについてのお話をされました。これらの話は、先生のお人柄やスタンスが表れており、それが初めて参加した方にもすぐに伝わる内容だったのではないでしょうか。
今回の講演は、コミュニケーション支援として特にPECS(Picture Exchange Communication System)に焦点を当てて展開されました。
人とのコミュニケーションややりとりにメリがあるのが自閉スペクトラム症の方。それならば、コミュニケーションの方法にも工夫が必要となってきます。つまり、通常の“音声言語を使ったコミュニケーション”よりもコミュニケーションを取りやすい別の方法を考える必要があります。
PECSは拡大代替コミュニケーションの一つであり、言語での意思の表出に課題がある方に効果的な手段です。具体的な効果や実施方法については、公式のWebサイトで確認していただくことをお勧めしますが、今回の講演では「自分の意思を相手に伝える」という表出コミュニケーションに焦点を当ててお話しいただきました。
まず、PECSの対象になる人はどういう人でしょうか。
次の3つの条件のどれか一つでも当てはまればPECSの対象になるそうです。
1. 音声言語、いわゆる言葉でコミュニケーションが十分に取れない人
       ⇒ 代替コミュニケーション手段としてPECSが役に立つ。
2.言葉を話すというスキルはあるけれども、自発的なコミュニケーションが難しい人。
        ⇒ こういった方には自発的に伝えることを教えるためにPECSが有効。
3. 自発的に言葉を喋ることができるけれども、ちゃんと伝えるべき人に伝えられない人。
        ⇒ そばに誰もいなかったら、誰か人を探して伝えに行かないといけないけれど、それができない。
            (対人接近ができない)そういう場合にも拡大コミュニケーション手段としてPECSが役に立つ。
以上の条件から、コミュニケーションに課題のある全ての方にとって有効な手段だということが分かりました。
先生のお話が進む中で、カードを手渡すことで要求を伝え、即時にそれを得る経験を繰り返すことで、その行為の意味とメリットを経験を通じて学ぶことができる、ということが、紹介された動画を見ることでもよく分かりました。
また、カードを手渡すことで、自然と人に近づくようになり、独り言のような自己中心的な表出ではなくなるというメリットも教えられました。
さらにPECSは自分から相手にカードを手渡すという流れから、自発的な表出を促す仕組みになっているため、プロンプト依存(手添えや声かけなどの手助けがないと動けない状態)になることを予防することができることも分かりました。
PECSでは、TからYまでのフェイズごとに教える内容が詳細に決まっている点も特徴的です。自発的な要求、対人接近、カードの選択など、それぞれのフェイズでどのようなことを目的に教えていくかが分かりやすくなっています。
PECSによって意思の表出ができるようになることは、言語での表出を妨げるのではないかという疑問についても、実際には言語での表出を促進する、という結果を示した論文があることも先生から教えられました。
これらの情報は、PECSの導入を考えているご家族や支援者の方にとって後押しになるのではないでしょうか。
PECSをはじめ、そのほかの拡大代替コミュニケーション手段も活用して、より多くの方が自分の意思や要求を周囲に、そして社会に発信していくことができるようになる。
そうなるように我々も活動をしていきたいですね!
(スタッフ:N)
以下、当日の講演会に参加された方からの感想です。

○ 現在、PECSを使用して発語のないお子さんの療育をしています。使用する以前、またうまく使用できていなかった頃は頭をぶつけてうまくいかない気持ちを表出したり、ぶつかってきて伝わらないもどかしさを知らせてくれたりしていました。
現在も言葉は発していないけれどもPECSで伝わる喜びを互いに感じているように思います。出だしが四苦八苦したので今日のお話でPECSの始め方が良くわかりました。また、応答のみになっていなかったか、自発的表出を促せていただろうかと振り返る機会にもなりました。
PECSを使用することでの発語への影響も感じていましたが、影響があるとしても言葉の抑制ではなく促進であるという言葉があり、今後もPECSを使用していきたいという励みにもなりました。ありがとうございました。
○ たくさんの実践事例が見られて参考になりました!学校の先生が理解しやすく、もっと興味がでる内容だったと感じました。支援学校の12年間は長いな・・・と、改めて感じましたし、アメリカの教育機関ではPECSがスタンダードだということなので、日本の教育機関でもっとPECSが身近になる世の中になったらいいなぁと感じています。
保護者として非力ですが、学校の先生方に素晴らしさを伝えて行けたらいいなぁと感じています。
○ 強度行動障害は、「問題提起行動」であるということ、不適切な支援の継続によりつくられた状態であるということを改めて思い知りました。申し訳なさでいっぱいです。
現在担任しているお子さんは、保護者との学習によりフェイズWまで来ているとお聞きしています。保護者からは「極刻みのスモールステップで」やってこられたことを教えていただいています。今回たくさんの事例を拝見し、どれほどたくさんのステップを積み重ねて、今があるのかについて少し知ることができ、本人と保護者の努力に頭が下がります。また、成人された方たちの姿を拝見することができたのも参考になりました。担任である自分への般化、学校生活への般化、表出コミュニケーションをどう教えていくのか、どう視覚的支援するのか、たくさんの課題をいただくことができました。貴重な機会をありがとうございました。
○ コミュニケーションが困難で、困っておられる方々や支えておられるご家族の方がPECSを使って、意思表示をされておられるお姿に、心打たれ、涙がとまりませんでした。自分の思いを伝えることが難しいことは、想像できないくらいの苦しみであり、周囲の(私の)無知は、罪になると、改めて感じました。
お一人お一人の自立生活を日中のある時間預かる身として、より良く勉強しないとだめだと、改めて、気がひきしまる思いをいただきました。
PECSへの、捉え方を、根元のところから、お話いただいて、よかったです。自立を妨げないように、身体プロンプトや言語指示に、今一度、自分の接し方をみつめ直さなきゃと思っています。ありがとうございました。
○ PECS使用の動画を実際に見ることが出来、カードの使用方法、言葉を添えるポイント、絵カードを交換することにより、コミュニケーションが成立することがよくわかりました。
また動画でそれぞれの思いが伝わる瞬間、伝えたいと自発的に行動する瞬間に感動しました。支援者として多くの利用者の方がこの瞬間を味わえるように、サポートしたいと強く思いました。
○ PECSのワークショップ1を受講してみたものの色々な方を対象にした説明でしたので、自分の子どもに合ったやり方が掴みきれていませんでした。質問しようにも何から聞いたらいいのかもわからず本当に途方に暮れていました。
ですから今回の講演は私にとってとても有難かったです。
中でもビデオが特に良かったです。カードもなんでもいいという事は頭では分かっていたのですが、手先が不自由なお子さんにペットボトルのキャップをカードとして使っているのを見て、まさに目から鱗が落ちました! そして門先生が失敗とおっしゃっていたところ、でも完璧にできなくても大丈夫と分かって肩の力が抜けました!
今までPECSを受講したのにちゃんと使ってあげられなくて焦り申し訳ない気持ちでしたが、PECSはいつから始めても大丈夫だということも分かりほっとしています。
今日の講演で学んだことを早く子どもにさせてみたくてワクワクしています。本当にありがとうございました!!

令和5年度 現場の先生のための即実践講座

講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
今回は「乳幼児期の特徴的な行動とその理解」のテーマでしたが、印象に残ったのは、これまで自閉症の療育で常識とされてきた「早期発見・早期療育の有効性」に“ゆらぎ”がでてきているのではないか、というお話でした。
現在は青年期・成人期になってから、二次障害などから診断されるASDの方の方が多くなっている・・・とのことでしたが、確かに高機能の方の中には、乳幼児期にASDの兆候があっても、学習により特性が水面下にいったん隠されたまま、学童期・思春期を過ごしてしまうことが多いのかも知れません。
だとしたら、本当に“早期”に表面に出たその兆候を見つけ、適切な療育につなげてあげる技量が求められることになります。
そして、それを担うのが、今回の講座にもたくさん参加していただいている、保健師や保育士さんだと思いますので、ますますこの講座の役割が大切になってきますね。
「早期発見・早期療育」をゆらぐことない常識に戻すためにも、これからも一緒に勉強していきたいと思います。
みなさん、頑張りましょう!

  『 第4回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和5年9月12日(火) 19:00〜21:00  ( 8月は夏休みのため、お休みです )
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「知的障害の程度と社会生活力」・「知的発達症の就労支援と障害者雇用の現状」
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)
対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分 (途中参加の方には、1回目からの講義視聴あり)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
         http://sodaterukai.org/policy1.html
第3回、「乳幼児期の特徴的な行動とその理解」・「知的発達症(知的障害)について考えてみよう」の講座の参加者の方からの感想です。

○ 最近は早期から診断が可能な時代であるが、早期に診断されれば安心というわけではないことを改めて感じました。理解され、自分に合った支援や関わりを得られることが豊かな将来に繋がるということ、理解されず本人に合う支援や関わりを得られないと2次障害に繋がるリスクがあるということを改めて学び、現在診断間もないお子さんたちの療育に携わってるからこそ、保護者支援の重要さを感じました。
支援者として、保護者の方がお子さんを理解し、お子さんに合った支援や関わりが日常的にできるように一緒に考えていけるようにしたいなと思いました。
○ 色々な事例をもとにお話されているのを聞く中で、同じような状態像にある方でも、その子の周りの環境や家族の考え方などによって、将来像がこんなにも多様なのかと思い驚きました(毎回思うところですが…)。
自分が今関わっているお子さんやご家族に対して、私たちが今現在良かれと思って行っている支援がどのように将来に影響を及ぼすか、もっともっと考えていかなければとも思いました。「人」と関わるということは、人生にもかかわるということ。怖いことだなとも思ったりもします。恐れ多いというか・・・。
でも、この「怖いな」「安易に判断できないな」という考え方が自分の中になくなった時が、慢心というか、本当に怖い時なのかもしれませんね。ありがとうございました。
○ 今回も興味深くお聞きしました。学齢期の15 %程度の人達に支援が必要な現状であるなら、支援という考え方でいいのだろうか? 根本的に学校教育の見直しをする時がきているのだろうと思いました。次回も楽しみにしています。ありがとうございました。
○ 『誰も正常ではない』(ロイ・リチャード・グリンガー:みすず書房)、読んでみたいと思いました。なぜジュホアンシ族の社会は平和なのか? 「それぞれが持つ能力を認める」ことを自然にやっているからなのかなと思いました。「違い」に優劣をつけるのではなく、認め合って補い合っていく社会にしていくべきだと思いました。
また、「二次障害」という言葉の意味、内容についてもっと考えていきたいと思いました。自分の認識が狭義だったことを感じました。

令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
第3回は特別支援学校での支援について埼玉県立所沢特別支援学校で指導にあたられている鈴木 潜(ひそか)先生に、Finger Board やPECSなどを授業に取り入れられている実際の映像なども交えてお話しいただきました。
後のアンケートにもあるように、途中で坂井先生からの、実践の意図や目的などへの質問などもあり、研究発表に立ち会っているような、緊張感もある講義となり、参加者の方も得るところが大きかったのではと思います。
8月は夏休みのため一ヶ月空きますが、次回は大学における合理的配慮のお話しになります。
いろんな現場でのお話しをお聴きできる貴重な機会ですので、今からでも多くのみなさんのご参加をお待ちしています。

  『 第4回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 』

日 時:令和5年9月14日(木) 19:00〜21:00 ( 8月は夏休みのため、お休みです )
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「大学での合理的配慮」
講 師: 日高 幸亮 先生(香川大学バリアフリー支援室)
総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)
     別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
         http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第3回の鈴木潜先生による「特別支援学校でのコミュニケーション支援」の講義に参加された方からの感想の一部です。

○ 特別支援学校でのいろいろな実践をきくことができてよかったです。
支援学級で支援員をしていますが、保護者も支援担も、学習のことを重視していて、コミュニケーションのことや自分で選択することの大切さを後回しにしてしまっています。
支援している中で、自分から表出できる機会をつくっていきたいなと、改めて思いました。
○ 小学校の自閉症・情緒障害のクラスの担任です。隣の知的障害のクラスに場面緘黙の児童がいて今日のお話が参考になるかなと思いました。
聞かれたことに答えるだけでなく自分の伝えたいことが自分でつたえられることが大切だと思いました。
「おかわりください」が給食の時に伝えられるといいなあと思いました。ありがとうございました。
○ フィンガーボードは面白そうです。子どもたちにも提供してみたいですね。
最近では、高機能の子たちも、とった行動に対しての理由であったり、何がやりたい、してみたいこと、何が必要だと聞いても答え難そうにする子も増えてきていますので、フィンガーボードみたいに明示してあると楽しく答えれると思いました。
○ 実践の具体例を数多く紹介してくださったので、イメージを持ちやすかったです。
講義の中で坂井先生ともお話しされていましたが、現場で1対1で指導する環境を作るためには、自分の技術はもちろんのこと、周囲の理解や協力が不可欠だろうな、と感じました。
自立活動の時間の使い方(指導計画)を十分に考えて、チームプレイをしていかないと実現できないな、と思いました。
○ フランクな感じで、聞いていて楽しかったです。特に前半、積極奇異型、受け身型、孤立型のそれぞれの人に関わるときの接し方が、参考になりました。今関わっている人たちがどのタイプか思い浮かべながら聞きました。
日ごろから、PECSはしっかり勉強してからでないと使ってはいけないと聞いているので、私も勉強したいなと思いました。改めて、技術と知識と経験のいる仕事だなと思いました。
○ 坂井先生が時折質問を切り込んでくださったのが、支援者としても注目、気に掛けるポイントとして意識出来て良かったです。鈴木先生としては、坂井先生に切り込まれたのは結構プレッシャーだったのではないでしょうか? お疲れさまでした。

2023年度 支援ツール勉強会 開催決定!!

みなさま、お待たせしました。
9月より、「2023年度 支援ツール勉強会」が始まります。
昨年まではオンラインで行なっていましたが、コロナも第5類となりましたし、何より支援ツールは実際に子どもに合わせて作っていくことが大切ですので、今年から現地で開催することにいたしました。
講師は、育てる会でも長年支援ツールづくりを指導していただいている 武藏博文先生 です。
武藏先生は、香川大学教育学部教授を今年の3月まで務められておられましたが、4月より岡山に転居され「ぐんぐんアシスト」で保育所等訪問支援の事業を担っていただいています。
詳しくは、同封のチラシをご覧いただきたいのですが、今年は全6回の予定で、毎月木曜日の午前中に開催予定です。
育てる会正会員の方は無料で参加できますので(ぐんぐんグループ利用者・賛助会員の方は、全6回 3000円です)、どうぞ申し込んでください。会場の都合で、先着15名の予定です。

  「2023年度 第1回 支援ツール勉強会」

日時:令和5年9月21日(木) 10:00〜12:00
場所:育てる会 事務局 1階広間(赤磐市上市355-2:ゆめタウン山陽店 東隣)
第1回テーマ:「支援ツールによる支援の概要」

第2回 わいわい Holiday の お知らせ

育てる会 青年部の「第2回 わいわい Holiday」 のご案内です。
第1回は大阪USJまで出かけたのですが、今回はぐっと身近で長船町のコーシンボウルで、ボウリングのイベントです。
今は災害級の暑さが続き、一月先もどうなるかわからないため、室内でのゲームを企画しました。
青年部は育てる会 正会員の家族で、高校生〜成人の方なら、どなたでも参加できます。
詳しくは、正会員の方にはチラシを同封していますので、気軽にお申し込みください。
日 時:令和5年8月26日(土) 14:00〜 3ゲーム終了まで
場 所:コーシンボウル(瀬戸内市長船町長船1245-1:国道2号線吉井川沿い)
申 込:育てる会LINE、acz60070@syd.odn.ne.jp 、Tel.086-955-6758 (正会員限定)

クローバーの会 報告

7月16日(日)、「スイーツを食べに行こう」を開催しました。
今回は4組の女の子の親子さん(小1〜5)が参加してくれました。
大人気のお店で映えまくりスポット!
ピザとパフェとを満喫し、その後は外で子どもたちはアスレチックに大喜びでした。
母たちも近況や女子あるあるを色々情報提供しあって、将来についての話もちょっとできたりもして、リフレッシュでした。
参加してくださった方からの感想です。
〇 皆が手助けしてくれて本当助かりました。娘も「楽しかったーまた行きたい」とのこと。母も楽しかったです。
〇 子どもたち、ドキドキの初対面でしたが、何とか無事に終了して良かったです♪
〇 楽しかったです。おいしいピザとスイーツを楽しみ、外でも遊べて、私も娘もリフレッシュになりました。本人なりにとても嬉しかったようです。今後もよろしくお願いします。
〇 楽しかったし可愛かったですね! 娘は「楽しかった」「次もまたやりたい」「次はカラオケとかどう?」とのことでした。
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹にもASD診断が出ている場合のみ参加可能)。
気になる方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

はやぶさの会 お知らせ

 夏休み企画!

8月27日(日)の午後からプール&晩御飯に行くことになりました。
夏休みの話や部活の話など、色々子ども同士で話ができると良いなと思います。
日 時  令和5年8月27日(日) 午後
場 所  岡山県内 室内プール(参加者には集合場所などLINEで連絡します)
持ち物  水着・水泳帽・タオル・プール利用料金・晩御飯代
     ※小学3年生以下は、水着を着た保護者の付き添いが必要
     ※浮き輪やビーチボールなどは持ち込みできないそうです
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合のみ参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪  (正会員限定)
(担当:M)

キッズルーム の 報告

7月9日(日)に岡大の体育館で、キッズルームを開催いたしました。
暑い中でしたが、14名のお子さんと、27名のボランティアさんが参加してくれました。
キッズルームのリトミックでは最近、「とんでったバナナ」がおなじみのダンスになってきましたが、今回は、大学生が「このゆびとまれ」の、新しいダンスも考えてきてくれました。
見本を見てから、みんなで2回通り踊りました。小さい子にもわかりやすいダンスにしてくれていて、リズムに合わせて、みんな楽しく取り組めました。
また、コロナ感染対策でスカイバルーンの中に入るのを禁止していましたが、今回からバルーンの中に入れるようになりました!! 
“中では座るよ”の約束もよく聞いていました。
参加人数も増えてきて、活気がでている、キッズルームです。
次回は、10月21日(土)に予定しています。 (正会員限定)

サッカー&ドッジ スポーツクラブ の 報告とお知らせ

7月22日(土)に岡大の体育館で、本年度第2回目のサッカー&ドッジボール スポーツクラブを開催いたしました。
リレーを経験したことがないお子さんもおられましたが、ボランティアさんに誘導されながら、トラックを一周することができました。
ラジオ体操では、Jr.ボランティアのRくんが、少し恥ずかしがりながらも、前に出てお手本をしてくれました。
みんなもお手本をよく見て、体操でき、「ラジオ体操がこんなにできるとは思わなかった」と言われていたお母さんもいらっしゃいました。
新しいマイクスピーカーで音がきれいに響き渡り、みんなの集中力もUPでした☆☆
(追いかけ玉入れの様子です)
「前よりもできることが増えています!」「楽しそうにしていてうれしいです」といった声もいただいています。
お母さんたちにもご協力いただき、たくさんご意見もいただき、視覚支援も増やしていけたらと学生さんたちとも相談しています。
新しいお友達も募集中です。体験・途中参加可能です。
興味がある方は、育てる会 事務局までお問い合わせください。
次回は、9月23日(土)です。 (正会員限定)

水泳教室のお知らせ

8月はお休みです。
次回は9月になります。
日 時:令和5年9月17日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
(担当:I & S)

癒しのマッサージ 座談会 の お知らせ

育てる会のキャッチフレーズの一つに「勉強するなら育てる会!」というのが、あったような、なかったような・・・ 確かに、ASD児の子育てにおいては、親が勉強していくことが大切ですが、四六時中勉強していくのは大変ですね。
たまには心と身体をリラックスすることも必要ですね。
と、言うことで、育てる会初めての試みとして、お母さんのための「第1回 癒しのマッサージ 座談会」を企画しました。
参加費 300円でお茶・お菓子付きです。子育ての悩みから余暇や美容の話などなどまで、気軽にお話ししましょう。
ご希望の方には、「癒しのマッサージ」(10分 500円)で、首肩こりほぐしも準備しています。
お帰りの際は、心身とも軽くなっているような座談会です。時間内なら出入り自由で、隣には正会員用の自閉症図書室もありますので、お気軽にご参加ください。
詳しくは、正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください。
日時:令和5年10月5日(木) 10:30〜12:30(予定)
場所:育てる会 事務局 1階広間(赤磐市上市355-2:ゆめタウン山陽店 東隣) (正会員限定)
(担当:MA)

お母さんコラム

中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
兄(中1)の最近の様子。ソフトテニス部ネタです。
先日の練習試合で1年生は基本的に見学する中、コートが空いていたため、同じ中学の先輩と対戦する機会をいただけたようです。
息子は基本的にボーッとして見える(そして事実ボーッとしていることが多い)ので、「ちゃんと声出して!」「しっかり前見て!」「走って!」などよく先輩や顧問の先生から指摘されています。
その試合中もそんな調子だったのでしょう、先生から「ほら!もっと『かかってこいや!』ぐらいの感じで!」とアドバイスを受け、すぐに「かかってこいや!!」と先輩に向けて叫ぶ息子。
先生が「違う違う!『かかってこいや!』ぐらいの気持ちでってこと!言わなくていいから!」と言われ、先輩からも見学の保護者からも、ひと笑いいただきました。
もちろん、先輩からはしっかり試合でご指導いただきまして、反省していました。可愛すぎる。
また、先日の県大会でおしくも敗退した際、三年生・二年生・一年生で横列に並んで、顧問の先生が最後の挨拶をしていた際。
「悔しいね。でもこの悔しさは、きっと後輩の二年生・一年生が晴らしてくれるはずだから!ね、後輩たちそうだよね!」と話しておられると、ピシッと一人挙手をする息子。
息子的には「任せてください!俺が仇を取ってやりますよ!」ぐらいの気持ちだったそうで。
顧問の先生が「え?ここ、挙手制?」と苦笑いされて、先輩たちが一斉に振り向いて「あ」と皆と目があったそう。
近くの一年生たちが「ここ、手挙げるとこじゃないって!そういう空気じゃないってよ!!」と慌てて手を下ろすように小声で教えてくれたそう。
もう本当に毎日毎日ネタだらけで、母は毎日大笑い。
先生にも先輩にも同級生にも恵まれて、ありがたいことです。
息子は「母さん、最近新しく発見したことがある」としんみり言うので「どうした」と聞くと「たとえば、練習で『9時集合』って言われるとするじゃろ。それで9時に行ったらもう遅いんよ。せめて8時50分には行かないといけんの。コート準備とかもあるしね」
「でも俺ボーッとしてたら道間違えるし、坂道とかあるとへたばるから、そういう時間も考えて早めに家を出発せんといけんのよ」
「気づいた俺、偉くね?」
…えらいぞ!!笑
妹(小1)の最近の様子。
先日、岡山の表町商店街でお祭りがあり、そこで「こどもカラオケ大会」があると知りまして。娘は元々カラオケ大好きっこなので、本人に聞くと「やってみたい!」と乗り気。
でもなー人前で歌うの初めてだしなー大丈夫かなーと心配する母。
本人も一度「やっぱりやめとこうかな」と少し迷ってもいましたが、当日「大丈夫!」と本人が何度も言うので、それならと申し込んでみることにしました。
当日は朝も早くから起きて、浴衣も来て、大張り切り。
エントリーシートも書いて、さぁいよいよ!となった瞬間、「無理」「やっぱりやめとく」と言い出した娘。
ええええええ?
「恥ずかしくなってきた」「上手に歌えないと思う」「歌(歌詞)も全部は覚えてないし」「こんなに人が来るって思ってなかった」と半泣き。
じっくり話を聞いていくと、いきなりの二番手はドキドキすること・皆がどんな感じで歌っているかを見てからにしたいこと・どんな流れなのかを知りたいこと・質問されるのはどんなことかを聞いて自分なりに答え方をイメージしておきたいことなどが分かったので、順番を後に変えてもらい、八番手で準備。
歌詞がモニターに出ること・質問は「どうしてこの曲にしたのか」「学校で楽しいことは何か」「夏休みどんなことをする予定か」などであることが分かってきた娘は、四番手ぐらいから「早く歌いたい!」と気持ちを切り替えていました。
とはいえ、実際歌う番になってくるとドキドキしていたようで、しかも娘の一つ前の子が大人顔負けの上手さで、親の方が「うわぁ、ハードル上がる!」とドキドキ。
娘に聞くと「全然」「そもそも、誰が前だろうと緊張してるから、前の人がうまいとか関係ない」と。
そりゃそうだ!笑
声が少し小さかったけれど、ナイスチャレンジでしっかり頑張りました!!
いい思い出になりました。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「曖昧さをルーティンやパターンで補うということ」です。
皆さんは、近所の人と出会った時・職場の人と街中で偶然出会った時・PTAの人と出会った時、どのように振る舞いますか?
色々な振る舞い方があると思いますが、私にとっては、すごく曖昧です。
例えば、職場の人と出会ったとします。
相手や自分が一人だった時・家族連れだった時・友だち風の人と一緒だった時はそれぞれ違いますし、相手がこちらに気付いている時・気付いていないけどこの後確実に気付く距離である時・距離がありこちらから近づかなければ気付かれなさそうな時はそれぞれ違いますし、天気が晴れや曇りの時・豪雨や雷がすごい時も違いますし、こちらや相手の忙しそうにしている素振りによっても違います。
これをありとあらゆる場面において「臨機応変」が求められるのが人間関係の難しいところ。
そういう時、私はどうしているかというと、基本的に「ルーティンやパターンを活用する」です。
過去のやりとりでうまくいった方法や振る舞いを参照し、それを思い出しながら実践しています。
例えば、職場の人とお互いに一人でスーパーで出会った時、基本は会釈や手を振る程度でOKです。
相手が近づいてきたら5〜10分程度、その場で立ち話をします。その時、相手のショッピングカゴの中身やエコバッグを見ることはNGです。また、自分が何を買いに来たか・この後どこに行くのかなども話す必要はありません。
仕事の話はお店の中では守秘義務都合で難しいので、会話のテーマは「天気」「暑さ」「会うと思わなかったからびっくりしたー」ぐらいです。基本相手が質問してくれる内容に沿って答えて「〇さんは?」と返すので十分です。
そして、予定がなくても「あ、ごめんなさい、今日早く帰らないといけない日で」などと言い、会話をあまり長引かせないようにすると良いです。お互いのために、です。
こんな風に自分の中のルーティンやパターンを駆使しながら苦労してやりとりをしています。でも上手くいく時ばかりではない。
自分が先に気付いた場面では心づもりができるのですが、たいていの場合、買い物に集中しているため、相手から声をかけられた瞬間に「誰だっけ?!」とテンパってしまって、結局いらんことまでお喋りしてしまって落ち込む日々です。
難しいことです。もう少し周りを見ながら生活せんとなぁとしみじみ思う今日この頃。
一番のコツは、職場や家の近所で買い物をしない!買い物はネットや宅配に頼る!大きい買い物は郊外で!なのかもしれませんね(笑)
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 

   先月から「赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ」 と 「ぐんぐんぴっぴ・ぐんぐんタッチ」が交替で、療育の様子を説明しています。
   今月は「ぐんぐんぴっぴ・ぐんぐんタッチ」の番です。

ぐんぐんぴっぴ (就学前)  

新年度が始まって早いもので、4か月になります。足元の悪い時期も多かったように思いますが、通ってきてくださるぴっぴご利用の皆々様には、この場をお借りして感謝と敬意をお伝えします。
今日はお子さんの可愛いエピソードと保護者方とのやりとりを通して気がついたことついて紹介したいと思います。
Aくんは4月から通い始めた、とっても明るく、元気いっぱい、几帳面な一面も持ち合わせたかわいらしいお子さんです。
どのくらい元気いっぱいかというと、遊んだあとはスタッフも全身汗ばむくらいの元気さです。
どのくらい几帳面かというと勉強でできた課題や遊びで使い終わった玩具を終わり箱に入れた時に斜めになるのが嫌で、どうにか真っすぐに入れられるように試行錯誤するくらい几帳面です。
Aくんはぐんぐんぴっぴで過ごすことを楽しんでくれていて、帰る際にはまだ遊びたい気持ちから後ろ髪を引かれる感じが伝わってきます。楽しいことを終え切り替えることは誰にとってもしんどいことです。
だからこそ、Aくんが少しでも切り替えしやすい方法を見つけていきたいなと考え、いろいろと試す中で、Aくんは急に帰ることを伝えられるよりも「勉強が終わったら帰る」といつ帰るのか見通しがある方が、スムーズに帰りに移行できることが分かりました。
それでもまだ遊びたい気持ちが強い時には、課題をあえて違うように取り組み、少しでもぴっぴに居られるように粘ることもありました。このAくんの小さな抵抗がとてもかわいらしく、帰りたくないほど楽しみに通ってきてくれていることを微笑ましく感じました。
それでも、時間になるとぴっぴを終わりにして帰ってもらわないといけません。
そこで、Aくんの几帳面さが発揮されるように、マス目に具材を並べる課題を用意してみたところ、きっちり正確に並べて課題を完成させ達成感を感じ、渋々かもしれませんがぴっぴでの活動を終え帰ることを受け入れるAくんの姿がそこにありました。
このエピソードから、支援者として大事にしたいと思うことは、お子さんの強みを見つけ、その強みを生かせる工夫を考えていくことだと思いました。それを保護者の方とも共有して実生活の場でも生きるようにする架け橋のような存在になれるよう努めたいと思いました。
Bくんは言葉もあり玩具を指さすこともありますが、伝える時に誰に伝えているか、何が欲しいのかが少し分かりにくいこともありました。
そこで、カードを渡すことで「誰に」や「何が」がはっきりしてコミュニケーションの質が高まるだろうと考え、Bくんのお母さんにカードを使ったコミュニケーションをご提案させていただきました。
すると、Bくんのお母さんから「カードを使うことで言葉はなくならないんですか?」という質問を受けました。
これを聞いて「どういう理由でカードを使用するのかはお伝えしたけど、お母さんが気になっている部分についてお伝えできていなかった」と思ったのと同時に「質問していただけたからこそ、保護者の方が気になっていた情報を伝えられてなかったことに気づくことができ、その部分について確認することができた」とありがたく思いました。
常々、スタッフが療育の中で行っている支援や新しく始める支援について保護者の方にしっかりと説明していきたいと思っているのですが、まだまだ今回の様に反省することも多くあります。しかしながら、日々努力しながら保護者の方にしっかりとお伝えできるようになりたいなと心新たにしました。
療育のスタッフとして、保護者の方にお伝えして終わりにするのではなく、それについて疑問に思うことはないのか、どう思われているのかを確認することで、よりその子に合う支援に繋がっていけたらと思いました。
(ぐんぐんぴっぴスタッフ: I)

ぐんぐんタッチ(児童発達支援・放課後等デイサービス)

ぐんぐんタッチは開所して4ヶ月が経ちました。
ぐんぐんタッチは児童発達支援事業と放課後等デイサービスとの多機能型事業所です。
通ってくるお子さんも少しずつ増えてきています。1歳児さんから、小学校4年生までのお子さんが通ってきています。
ぐんぐんタッチでは、コミュニケーションの支援としてPECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)を取り入れています。
家族同室型の療育を行っているので、保護者の方に毎回療育の様子を見ていただき、家でもPECSを取り組めるように日々実践を積み重ねています。
今回は、年中のお子さんのエピソードを紹介したいと思います。
年中さんのOくんは無言語のお子さんです。3月までは育てる会のもう一つの事業所、ぐんぐんぴっぴに通っていました。
PECSを取り組み始めていて、フェイズ3(絵カードの弁別の段階)まで進んでいました。
週1回通ってきているのですが、お父さんとお母さんが交代で療育に来られています。
フェイズ3も、場面が変わっても、相手が変わっても、自発的に自分のPECSブックから欲しいもの、やりたいことを選んで、その絵カードを渡して要求を伝えることができるようになってきていたので、フェイズ4(文カードを使う、“ください”のカードを使う)の練習をはじめることにしました。
PECSのフェイズ4の練習をはじめたとき、お父さんは、「難しそうだからできるまでには時間がかかるんじゃないかな・・・」と言われていたのですが、フェイズ4をスタートして3回目の療育の時には、フェイズ4を自立して行うことができたのです。
Oくんは、フェイズ3のA(好みのものと、好みではないものの絵カードの弁別)とB(好みのものの絵カードの弁別)ができるようになったことを確認した後は、お家でもPECSでのコミュニケーションの取り組みをはじめていました。
最初は、ご飯のおかわりが欲しいときに伝える、“ごはん”のカードや、飲み物の要求からはじめていました。
いくつかのカードは自分で選んで伝えに行くことができていると家庭での様子もお聞きしていたので、限られたカードだけで続けるのではなく、どんどん要求のカードを増やしたいと思い、毎回の療育の時に、お父さんお母さんから聞き取りをしながら要求のカードを増やしていきました。
「これは難しいかも、、、」と思っていたことも、やってみよう!と話し合い、要求のカードを作りました。
白いご飯にふりかけをかけて食べるのが好きなOくんなので、ふりかけのカードも数種類作りました。家で取り組んでもらったところ、自分が好きなふりかけのカードを選んで伝えに来ることがすぐにできたようでした。
フェイズ4の取り組みを療育で始めたときも、次に療育に来るまでの1週間、家でも同じ取り組みをしてもらうことにしました。
療育の様子を、お父さんもお母さんも見てもらっているので、家で実践するのもスムーズに行えました。家でも同じように取り組んだからこそ、3回目の療育でフェイズ4もクリアすることができたのだと思います。
Oくんは、フェイズ4の“文カードに”ください“のカード貼って伝えることができるようになった後、家で、文カードに、“ください”カードだけを貼って伝えに来ることが増えたようです。何かが欲しいことを伝えようとしているのだと思います。
その様子を見て、お父さんやお母さんからは、“こんなカードがあるといいかなと思っているのですが、作っていただけますか?”と頻繁に依頼が来るようになりました^^
PECSがあることで、Oくんが何かを伝えたいということがわかるようになってきて、コミュニケーションが取れるようになっていることを、お父さんもお母さんもとてもうれしく思っている様子が伝わってきます^^
Oくんが伝えたいことのカードを、OくんのPECSブックにどんどん増やしていけるように、お父さんとお母さんと一緒に強化子アセスメントを行いながら考えていけたらと思っています。
ぐんぐんタッチでは、家での取り組みがスムーズにはじめられるように、使う絵カードの作成のお手伝いをしています。
パソコンなどの機器に強い保護者の方の中には自分での作成を始めている方もいらっしゃるのですが、“絵カードを作るのは大変そうだから家でははじめられないかも、、、”と躊躇していると、子どものコミュニケーションの機会を奪ってしまうことになります。
家庭での取り組みがスムーズにスタートできるように、はじめは絵カードづくりもサポートしています。今後は、絵カードづくりをご家族の方も行えるように、絵カードを一緒に作る時間なども計画していきたいと思っています!
次回も、家庭と療育で取り組んでいる子どもたちのコミュニケーションの様子の報告ができたらと思っています。(Oくんのエピソードにはまだまだお伝えしたいことがたくさんありますのでまたの機会にお伝えできたらと思っています^^)
(ぐんぐんタッチ 療育スタッフ:K)
*PECSについての詳しい情報は、ピラミッド教育コンサルタントオブジャパンのHPをご覧ください。
https://pecs-japan.com/ ワークショップも多数開催されています。
PECSをはじめたい方、PECSをはじめている方で、まだワークショップを受講されていない方は、PECSレベル1のワークショップをぜひ受講してください★

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R5.6.26-R5.7.25)

○ I.M 様(赤磐市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座   中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
               岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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