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令和 5年12月31日

 

 第308号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 308号 目次

     奈良のひとり旅

     自閉症啓発セミナー の 報告
          「金本拓也先生 セミナー」

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の お知らせ

      青年部の会、クリスマス会、はやぶさの会、クローバーの会 の 報告とお知らせ

      水泳教室、マッサージ座談会、ラジオ出演、料理教室 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「自閉スペクトラム 「自分のこと」のおしえ方 増補版」

      ぐんぐんだより
         「赤磐ぐんぐん」、「ぐんぐんキッズ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付 の お礼とお願い

師走というのに暖かい日が何日か続きましたが、やっぱり12月、ここ数日の寒さは、厳しいものがあります。
ここ赤磐市は、四方を山に囲まれた土地です。冷たい冷気が山に囲まれた土地にとどまり、余計寒さを増幅させるようです。
粉雪が舞い冷たい風が吹いて気温もぐんと冷たくなりました。
夏の暑さがいつまでも続いたので、もう冬は来ないのかもしれない・・・なんて思ったのは、ついこの間のことのようですのに、今朝は初めて我が家の庭にある備前焼の甕(かめ)に氷が張りました。
やっぱり冬だな〜なんて、思っています。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
先日私は念願だったひとり旅に行くことが出来ました。奈良への3泊4日のひとり旅でした。
あまりに楽しかったので、この巻頭文の最後に奈良旅行のことを書きますね。
さて、今年もあっという間に過ぎていきました。
一年、色々なことがありましたが、そのほとんどがあっという間に過ぎていったという感じです。ある方がテレビで、「何をしたか忘れてしまうので、日々の出来事を日記のように書き残しておくと、何をしたのか、どんなことがあったのかが思い出される」と言われていました。確かにそうかもしれません。
あっという間に一年がたってしまいました。私は、この育てる会の巻頭文でいろんなことを書かせていただいているので、いくらか読み返せば、「そうそう、そういうことがあったわね〜」と思い出すことが出来ます。ありがたいことですが、これからは、自分の為の日記を書くのもありかなと思いながら、このお話を聞いていました。
沢村貞子さんが、「朝目が覚めた時、今晩の夕飯を何にしようかと考えるんです」という風に本に書かれています。
いい習慣ですね。私なんか家に帰ってから、さて晩ご飯、何にしようかと考えるような日が結構あります。夕方6時くらいから夕食のことを考え始める日があるということです。これでは準備も間に合わず、冷凍のものを使うのにも解凍からしなければなりません。
家事の手間が後手後手で、そういう日は夕食のできあがりまで遅くなってしまいます。
先手先手で家事をこなしていく、沢村さんのお手並みを拝見しつつ、楽しく読ませていただいています。
そういえば、私は長らく自閉症に関する本しか読んでこなかったように思います。
ずーっと昔、「読書が趣味」などと言っていた時期もありました。けれど、それどころではない日々を過ごしながら、読む本は自閉症関連ばかりとなりました。
今やっと、改めて読書を落ち着いて楽しめるようになってきました。
それで沢村貞子さんというわけです。
懸命に生きた明治生まれの女性のお話です。素敵でちょっと考えさせられるエピソードの数々を、昭和生まれの女の私が、令和の時代に読んでいます。

さて、年間5回の講演会を行ってきた育てる会ですが、後の報告にもあるように、4回目の金本拓也先生による講演会が、滞りなく終わりました。
今年度の講演会も残り1回となりました。
その育てる会発足から数えて126回目の講演会は、吉田友子先生にお願いしました。
先生の講演会は、育てる会でも今回で11回目になります。先生が「その子らしさを活かす子育て」を出版されて、すぐから先生の大ファンとなった私と夫でした。中でも夫はHPの中のお薦め本のコーナーに早速感想を書き、それを先生が見られていてお便りをいただきました。それからのおつきあいが先生とのあいだで始まりました。
最初に岡山まで来ていただいたのは平成15年ですから、もう20年になるのですね。
いつもいつも育てる会を応援いただいて、感謝感謝の想いです。
今回の講演会は、先生のご本「自閉スペクトラム「自分のこと」のおしえ方」の増補版の出版にあわせてお話し伺う予定です。
先生は東京で成人期のASDの方が通われるクリニックを開業され、また各大学で学生相談にもあたられていらっしゃいます。
そういった方々との臨床の中で、今回の著書にも「小学生から大学生まで」と、成人になって相談に来られた方にも対応してあげなければとの想いで増補版の出版になったのではないかと思います。
先生はこれまでも、ご自分の著書「その子らしさを活かす子育て」についても、そのままにせず、最新の情報や知見を加えて、改訂版を新しく出版し直すということをされてこられています。誠実な先生のお心が現われているようで、感動します。ぜひ多くの方に参加いただきたい講演会です。
講演会は2月25日(日)13時からZoomで行なわれます。詳しいことは同封のチラシをご覧下さい。
第126回 自閉症啓発セミナー参加申し込みフォーム (google.com)

ここで、来年度の二つの即実践講座の講師が決定したことの報告です。
四国愛媛、ライフサポートここはうすの桑原綾子先生と、よこはま発達クリニックの佐々木康栄先生にお願いすることになりました。
素晴らしい講師の先生方に恵まれて、新しい年度も即実践講座にご参加いただける方を募集いたします。
来年度で18年目を迎えるこの講座です。
毎年講師の先生が、素晴らしくて協力いただけて感謝です。

先日は育てる会の忘年会を行いました。物価高で財政厳しき折、今年はお料理は事務局スタッフで分担して作ることとなりました。
私が作ったのは、おでん・山菜おこわ・豚肉の紅茶煮・ロースハムと玉ねぎのドレッシング和え・高野豆腐の含め煮・こんにゃくのピリ辛煮・ポテトサラダ・マカロニサラダ・ケーキ3種・ゼリー2種でした。家で何度も作っているものばかりですから、家庭料理の延長のおかずばかりです。
ピザ2種・パン・アヒージョに・チーズケーキをKさんが、フライドチキン・フライドポテトはNさんとMさんが、そしてお刺身をYさんが切ってくれました。
2階の事務所で作ったお料理を1階の大広間に運ぶのはM先生、我が家で作った料理を何往復もして運んでくれたのは夫でした。
みんなで準備した忘年会は、参加職員にも大好評。バイキング形式にして好きなものをお皿にとって来て食べました。おいしいおいしいと好評で、褒められてうれしくなりました。
みんな一人一つずつ持ち寄ったプレゼントを交換したり、ビンゴの景品をもらったり、100円じゃんけんもしましたよ。なんと私が勝って、全額もらったのですが、どこへ置いたか、お金をどこへしまったのかわからなくなってしまいました・・・。ぼんやりしていたせいでしょう。そのうちどこかから、出てくることでしょうね。
楽しく夜は更けていき、最後には、恒例の来年度の人事の発表でした。みんなドキドキ何処へ配属になるのかしら?? と思いながら発表を待っていたことと思います。

さて、最初に書いた通り、12月1日〜4日に念願だった奈良へひとり旅をしてきました。
ひとり旅は、なんと数えると52年ぶりのことでした。
ここからは、私の奈良旅行記の始まり始まり・・・・。
奈良への旅行の第一日目が始まりました。
昨夜は旅の準備で寝室へ下りたのは、12時過ぎ。忘れ物はないつもりだけれど、ちょっと不安。
アメリカのノースカロライナの研修の時は化粧品を忘れて空港で買ったっけ・・・。
その前のスペイン旅行の時は、歯ブラシ忘れて、大きな歯ブラシしか売ってなくて、それで毎日おちょぼ口の私の歯を磨きました。またいつだったかは下着のパンツを忘れて、買ったこともあったっけ・・・。
今回は何度も確認したので、大丈夫の・・・・はず。リュックサックにすべての荷物を詰め込んで、さぁ〜今日から奈良の旅3泊4日のスタートです。
思えば結婚してから50年、初めてのひとり旅。旅はいつも家族や友人と一緒だったけれど、今日はひとり旅。宿だけ決めての予定さだめぬ旅の始まり始まり・・・。何をしたか忘れるので、都度々々メモをしながらの旅です。
と、このメモを書いていると電車が止まりました。奈良に着いたかと思って大慌てで降りたらそこは宇治。
「え〜、宇治??? 奈良にしては小さい駅だと思ったわ〜」
そしてこれも縁かなと思って、平等院へ行くことにしました。
確か、お札に宇治の平等院ってあったよな〜。
そうそう、1万円の裏の鳳凰は確か平等院の屋根のものだったし、10円硬貨の裏は、平等院の鳳凰堂でした。
阿弥陀如来も、雲に乗っている雲上菩薩さんたちも素晴らしく・・・建設時期は1052年らしい。今から970年も前。
紅葉の盛りは過ぎたとはいえ、まだ散りゆくというほどではなく、松や針葉樹の緑の中の紅葉はいと美しく、なかなか良いのでした。
お天気快晴。吹き渡る風も冷たくなくて、気持ちいい場所に陣取ってこれを書いています。
お昼過ぎて奈良へ到着。
駅前にある今晩から宿泊予定のホテルに荷物を預けて、いざゆかん奈良の旅。
大好きな春日大社の参道を自分のペースでゆっくり歩きます。杉の木立の大木たちが手つかずで残されています。
参道のわきには、たくさんの鹿、鹿、鹿。人待ち顔に佇んで鹿せんべいを待っています。
途中の茶店でせんべいを買って、人まち顔の幸薄そうな鹿を見つけては1枚、2枚とあげていると、悪そうなのがササッと横取りします。
子どもの鹿にやっているのに母鹿(父鹿?)がとる。なんてこった!!
春日大社〜若草山〜二月堂〜大仏殿前の池のベンチで一休み。
今日はたくさん歩いたな〜。普段あまり歩かないので、大腿骨と骨盤の間がちょっと痛い。
だいぶ陽が傾むいてきました。大仏殿に入っていたら、楽しみにしていた仁王像が暗くなって見えなくなってしまいそう。今日は大仏様には合わずに、素通りすることにします。
さて南大門の仁王様は、なんとライトアップされているではないか!素晴らしい!!
仁王の憤怒の表情が迫力に満ちて魅せられる。
「仁王像は、二つの像が相対しているのはどうしてか」と、ガイドの方がツアーのお客さんに説明しているのが聞こえてくる。
「これはね、悪い人が入ってこないように見張っているのよ」とのこと。
  
仁王様の前を行ったり来たりして、眺めいります。
やっぱ運慶快慶すごい仏師だわ〜・・。しばらく真ん中の柱にもたれて見入ってしまった。
これが鎌倉時代の作。この二人の仁王様、どれほど多くの人をこの南大門で見張ってきたことだろう。
そうこうするうちに、日もとっぷりと暮れてきて、さぁ〜帰ろう。
奈良の旅2日目は、念願だった薬師寺と唐招提寺、西ノ京の旅。
近鉄奈良駅からICOCAを使って切符売り場で切符を買う。あちゃ〜、そもそもICOCAは改札でピッとするだけでよかったはず・・・。いろいろミスする田舎者の私です。
近鉄は表示が分かりづらく、どこから乗ればいいのかウロウロしていると、先ほど「薬師寺に行くのは、どこの駅まで買えばいいのですか?」と私が尋ねた駅員の方が、改札の向こうから、こっちこっちと指さしてくれる。反対の列車乗り場へ行こうとしていたらしい私を見かねてえてくださいます。なんか頼りないばあさんが気にかかって目で追ってくださっていたのでしょう。
おかげで反対の列車に乗らずに済みました。
みなさん、年寄りには親切で、バスでも小さい中国人の子に席を譲られたりしました。ありがたく座ることにします。以前はバスや電車の優先座席も座らなかったけれど、今回は堂々と座ることにした。いいね!
薬師寺では金堂の樹齢千年の円柱形の柱にふれてみます。ジーンと柱の悲しみが伝わってくるよう・・。
この金堂や西塔を再建された西岡棟梁の本を読んだことがありますが、千年かかって育った木は、千年の間保(も)つと言われていました。千年の時を思い、じわ〜と涙がにじみます。
千年の木材に槍鉋(やりがんな)の筋のような削りあとが刻まれていて、人の手の温かさが思われます。
再建された絢爛たる西塔と金堂などの薬師寺の建物はすばらしいけれど、私はなんといっても東塔が好き。
1300年の時を耐え抜き年月によって創り出された奈良の良さ美しさは、古さにこそあるように思います。薬師寺には、修学旅行生もあまり来ないらしく、静かな中で何度も、仰ぎ見た東塔を忘れまい・・・と目に焼き付けてきました。
薬師寺へは、学生時代の友人と一度、また哲平も一緒に家族でも一度来たことがあります。
3回目の今回は、一人でゆっくり薬師寺を堪能しました。薬師寺の境内を行ったり来たり、何度もウロウロ。
一人旅は、好き放題。
薬師寺では写経が出来ると、前に聞いたことがあってぜひぜひと思っていました。一人旅だからこそ、時間を気にせずじっくり写経が出来ました。
写経堂にて教本を下敷きに、一心に般若心経を写します。
私の他に7〜8人の方がいるのに、誰一人、咳一つ聞こえない
。自ずと気持ちも落ち着き、いちずに拙い筆を動かします。
一生懸命に願い事を念じながら書いていると、ふと字の上手下手は気にならず、ただただ、息子の幸せを思って書き綴っていました。
そう、私の願いは、世界平和でも、自分たちの健康でもなく、息子が幸せでこれからも生きていけますようにということでした。子どもの中で哲平のことだけが、やっぱり心配です。他の子どもたちは、自分の力で、なんとかやっていってくれるでしょうが、私たちがいなくなった後、彼が幸せに生きていけるか、やっぱり心配してしまう私です。しっかりお願いしたので、これで大丈夫でしょう。写経は、心まで清められたような清らかで静かな時間でした。
私の書いたこの般若心経は、永代まで薬師寺に奉納されるとのこと。これはすごいこと。
「そのうちこの膨大な写経は世界遺産に認定されるかもしれない」と、僧侶の方が言われていました。そうなると、私の書いた写経も世界遺産の一部になります!
薬師寺の北門を出たすぐの道をまっすぐ北へ進むと唐招提寺があります。
50年前に、この道を友と歩いたはずなのに、道の記憶がありません。50年の歳月は、色んなものを忘れさせています。
建物の交響楽に例えられるこの寺は、鑑真和上の建てた寺。建物が離れては重なる様子は、まさに不思議な音楽という感じで、女学生の私は、いたく感動した・・・のを思い出します。
唐招提寺は、敷地も狭く建物同士が近いため、すぐ隣に建物があり、その建物同士が折り重なって見えます。少し歩くと軒同士が重なって、互いが物語っているような景色となります。いいなぁ〜。
薬師寺のきらびやかさと違い、唐招提寺は静かで上品なたたずまい。鑑真和上の精神をどこか宿しているようで、心まで清々とします。
奈良3日目は、法隆寺。
明日香に行こうか法隆寺に行こうかと迷ったけれど、明日香に一人で行くのもためらわれ、ここは奈良を代表する法隆寺に行くことにしました。
小学6年の修学旅行に来たのが初めで、今回は3度目の法隆寺。そしてたぶんこれが生涯最後の法隆寺。
図書館で借りた本で事前に色々学んできたせいか、一つ一つの仏像に意味を感じつつ見ることが出来ました。
秘仏の公開は殆ど逗子の中で見ることはできませんでしたが、「仏像をしっかり見たければ、『○○展』というような美術館で公開された展示を観るのが一番」と、係の人に教わりました。
「たとえ逗子の中が見れたとしても、暗くて狭くて良くは見えんからなぁ〜」とのことでした。
そういえば私が初めて仏像に興味を持ったのは、17歳の時の万博美術館でした。
ピカソのゲルニカや、ツタンカーメンの仮面など素晴らしい展示物の数々の中、仏像も多く展示されていました。
どこのなんという仏像だったかは忘れて、全く覚えていませんけれど、一つ一つの仏像の前で、ジンとした厳かな気持ちになったことは今でも覚えています。
そして今、当時の17歳が、71歳になりました。法隆寺の1400年の歴史の前では私の54年はちっちゃい時間。
出来るだけこの感動や思いを残したいと、ビデオに写します。それにしてもビデオカメラを持っている人は皆無。みなさんスマホで撮影です。
時代は大急ぎで流れて行っています。五重塔で釈迦が入滅して、50億年後に生まれ変わってこられる・・・・との話を聞きました。でも、その時にたぶん人類はいないと思うな。ああ〜、刻よ〜。静まれ〜。急ぐな〜。
法隆寺の夢殿の扉も槍鉋でした。これは世界最古の鉋の跡と思うとまたまたジンと涙が噴き出しました。
古い歴史の厚みの前で、涙腺が緩んで止めどない私。
ああ〜、よい旅でした。一人旅はいいなぁ〜。好きなだけ留まり、好きなだけすっ飛ばし、食べたいものを食べ、ゆっくり景色を堪能し、疲れたらゆっくり休むことが出来ました。
次の日は、妹と約束して大阪でショッピング。
金属アレルギーのある私の為に、18金とプラチナのイヤリングを捜してくれました。まるでピアスのように見えるこのイヤリングは、前から欲しかったもの。妹とも久しぶりに色々話ができて楽しかったです。
次は、京都か九州へ行きたいと思っています。
元気なうちに、歩けるうちに行きたいところへ行っておこうかな・・なんて思う私です。
子育て大変な皆さんに、こんな気楽な旅行の話を書いているのは、いつかそうなるときがあるよ・・・って伝えるためです。
今は、しんどい子育てでも、いつかは私みたいに気楽に一人旅なんて出来るときが来るよって、伝えたいからです。
今の私はとっても幸せなんです。息子はグループホームに入って、支援者の方がキチンと支援してくださるし、お仕事にも行っているので経済的にも充分やっていけるはずです。彼は自立して私は殆ど安心しているのです。
親業はそろそろ卒業の時が来つつあるようです。後は、夫と仲良く暮していければいいなと思っています。
でも以前「一緒に旅行に行かない?」と聞いたら、「二人で旅行してどうするん?」と言われました。
いつも哲平と一緒が普通だったせいか、夫は哲平を置いて夫婦二人で一緒に旅することにさほど魅力を感じなくなってしまったようです。
それで、夫を誘うことはせずこれからも一人旅を楽しみたいと思う私です。
一人旅で困ることは、写真で自分が撮れないことです。人の良さそうな方にお願いして、一枚だけ写真を撮ってもらいました。平等院での写真です。
私が旅行中、息子は、気にもしなかったようでした。いなくても平気というのは、ちょっとさびしいけれど、私がいなくても困らないということでしょう。
長々と書いてしまいました。ご迷惑様でした。
そんなこんなで今年も最後の会報となりました。
今年は、色々お世話になった方、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
どうぞ、皆様よいお年をお迎えくださいませ。
(鳥羽 美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和5年11月25日(土)、令和5年度第4回目のセミナーとして、社会福祉法人ライフサポート協会が運営する児童発達支援・放課後等デイサービス事業所「じらふ長居」で支援員をされている金本 拓也 先生をオンライン(Zoom)にお迎えして「第125回 育てる会自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
じらふ長居では、大阪市発達障がい児療育相談事業として専門療育も行われています。今回は、主にこの専門療育について「〜じらふ長居の場合〜」と題してお話しいただきました。
それではセミナーに参加したスタッフからの報告と、みなさんからのアンケートが届いていますので紹介します。

2023年11月25日じらふ長居の金本拓也さんの講演会に参加しました。
テーマは「家族や支援者に役立つ話〜支援の立案から実践まで〜」です。
今回の講演会は5つのテーマに分けてのお話でした。
1つ目は、法人概要の説明でした。
じらふ長居は、大阪市にある社会福祉法人ライフサポート協会の中の障がい事業部で、児童発達支援と放課後等デイサービス、大阪市から委託を受けている、専門療育を行っている事業所です。
社会福祉法人ライフサポート協会は、障害事業部だけではなく、高齢事業部もありとても大きな法人ですが、金本さんは、以前は成人期の支援の事業所におられたということでした。
2つ目は、専門療育についての説明でした。
専門療育というものは、岡山県では行われていない事業ですが、大阪市が独自に行っている事業とのことで(詳しくは大阪市HP「発達障がいのあるお子さんのための専門療育機関の利用希望登録について」をご覧ください)大阪市には、じらふ長居を含めて6つの事業所が委託を受けてその事業を行っているとのことです。
“発達障害のある子どもがその家族とともに、地域社会の一員として自尊心を持って自分らしく自立した生活を送ることができるよう支援していく”ことを目的としていて、1年間という期間の定めがあり、2週間に1回の利用で、専門療育が20回、保護者研修が10項目と決まっているそうです。
保護者の研修は、“保護者が子どもについてより理解を深めるため、発達障害の特性や支援についての研修を原則として月1回受講することが、専門療育を受ける条件となっているとのことでした。
大阪市が独自に行っている専門療育は、子どもへの支援だけではなく、家族の支援についても具体的に枠組みがある取り組みです。
3つ目は、じらふ長居の実際の取り組みの紹介でした。
専門療育で何を目的にするかが定められているということもありますが、じらふ長居の実践は、保護者が 療育で身につけたことを日常生活の場で実践できるような 療育内容を設定するようにしているとのことです。
支援をする上で大切にしていることは、視覚的・具体的・肯定的の3つであり、共感的にかかわることを大事にしているとのことでした。支援内容である3つ、“伝わる” “わかる” “できる”について、具体的な事例も交えながら、実践の紹介がありました。
意思表出“伝わる”では、支援の方略の一つとして、PECSとコミック会話を実践の中で取り入れていて、PECSの実践については動画での紹介もありました。PECSの実践は、講演会の後半部分でも、環境設定の工夫の紹介などもありました。
“子どもの自発的なコミュニケーション”を引き出すために、選好アセスメントも取り組まれています。PECSを家庭でも取り組んでいただくために、実際の療育の時間に家族の方にも入ってもらうなどの取り組みや、PECSのコミュニケーションブックの作り方を紹介する家族支援も行っておられます。
指示理解“わかる”では、 環境設定と視覚的支援を取り入れていて、子どもに分かる環境設定をしていることはもちろんですが、この環境設定をご家庭の中にも取り入れていくことができるように、ご家族とやり取りすることも大事にされています。
視覚的支援は、スケジュールで予定を伝える、ルールや振る舞いを、可視化して伝えていく工夫も取り入れています。このことについても、療育での取り組みを参考に、ご家族がご家庭での支援を取り組まれていて、それらの実践もたくさん紹介していただきました。
新しいスキル獲得 “できる”では、認知言語促進(NC)プログラムを取り入れ、各個人のスキルをアセスメントして個別な課題設定を行い実践し、小集団での活動では、認知・言語運動(CLM)プログラムを取り入れている。そのほかにも、家族やお子さんのニーズに合わせて、ビジョントレーニングも取り入れているとのことでした。
じらふ長居での家族支援は、LINEやGoogleフォームなどのツールを取り入れていらっしゃいます。
公式LINEアカウントでは、保護者勉強会の内容も共有しいつでも見られるようになっており、療育で取り入れている支援の参考になる書籍も検索できるようになっているそうです。
LINEの活用の仕方もアイディアがたくさんでしたが、もう一つ、じらふ長居での家族支援の特徴的な取り組みが、“じらふノート”を使って家族とのやり取りを行っている点だと思いました。療育中に書いてもらうシートと、家庭での様子を書いてもらうシートに分かれているのですが、書いて整理することで、子どもの様子を客観的にみることができます。そして、相談事を、困っていることをただ書くだけでなく、気になる行動の前後も書くシートになっていて、その行動が起こった理由を考えることが、支援の手立てを考えていくためにはとても重要になってくるので、そこを家族の方と一緒に考えることができるシートになっています。その他にも、療育相談の中で、支援グッズの作り方のサポート、2か月に1回じらふクラブ、保護者交流も行っており、家族の取り組みを紹介する会などもあって、保護者同士のつながりにもなっているとのことです。
非常勤のスタッフからの提案で、子育てサロンも開催し、“手を抜いてもいいよ、完璧でなくてもいいよ”をテーマに家族の集まりも行ったそうです。
4つ目は 「支援の立案〜実践 家族side」ということで、実際の家族支援としてどんなことを取り組んでいるか、事例を紹介していただきました。
支援の実践は、個別に確認した家族の方からの相談内容に対して、“子どもに何を教えるか”を整理して考えていく仕組みが数多く使われていました。
Googleフォームを使って、困った行動がいつ起こっているかデータを取ってその行動の機能を探り支援を考えていく取り組み。
家庭の環境設定を、写真での確認や、図で書いてもらって確認し、支援のアイディアを一緒に考えていく取り組み。療育で取り組んでいる、ルールを可視化するアイディアを、家族の方が考えて家庭での支援に取り入れていくためのアイディアを一緒に考えていく取り組み。その他にもたくさんの取り組みを紹介していただきましたが、どの取り組みも、エビデンスのある支援のアイディアを取り入れている実践でした。
最後の5つ目は、「支援の立案〜実践 支援者side」ということで、実際に支援者間で支援についての話し合いをどのように行っているのか、情報の共有をしていくためにどのような工夫をしているかのお話でした。
子どもたちに提供する支援については、まずはスタッフ間でロールプレイを行い、実際の療育の進め方を確認することも大事にされているそうです。
PECSの練習もスタッフ間で行われていました。子どもたちに関わるときのアイディアを、だれか一人が提案するのではなく、スタッフがやってみて、そのあと、どう改善していくのかを話し合いアイディアを出し合える環境を作られていました。
支援者間でのロールプレイの様子や、PECSの練習の実際の様子も動画で紹介していただいたのですが、“支援の確認をすることで、実際に子どもに関わるときのやり取りもスムーズになる”のだと思います。
スタッフが不安に感じていることも事前に確認することができると思うので、とてもよい取り組みだと感じました。
今回の講演会では、数々の具体的な実践事例を紹介していただき、自分たちが取り組んでいく支援に向けてのアイディアもたくさん得ることができました。
金本さんは、自分自身の強みは“行動力”だとおっしゃっていました。それは、とにかくやってみるということ。そして、5つ目の、「支援者side」のお話の中でも、スタッフ間でのやり取りや、スタッフ育成についてもお話をされていましたが、一緒に取り組んでいるスタッフのことをとても大切に考えられているということが伝わってきました。
“この仕事をしたい”と思い、一緒に歩んでくれる仲間を増やして仕事ができるよう、日々奮闘されています。そのために大事にしていることは、話し合いを十分にすることだそうです。
その人が課題と感じている部分に合わせて一緒に考え、できることを模索するようにし、その中で みんなが楽しく携わるために、感謝の言葉をきちんと伝えることを心がけるようにしているとのことです。これは家族の方と伴走しながら支援していく上でも大切のことだとおっしゃっていました。金本さんの思いも伝わってくる講演会でした。
実際に取り組まれている動画を交えながらの講演会で、あっという間の3時間、私自身も療育に携わっているので、自分の実践にもぜひ取り入れてきたいと思うお話がたくさんでした。金本さん、本当にありがとうございました。
(療育スタッフ:K)

○ このような素晴らしく専門性の高い実践をされている所は他にはないと思います。ABAもTEACCHも、個々に合わせてされていて、さらに保護者支援やスタッフ育成も。四半世紀この業界に携わっていますが、最も優れた実践と報告だったなと感じます。もっと広く、今回の講義を知っていただきたいなと思いました。
○ 学校で養護教諭として、またチーム支援として、子どもにできることは何かを模索しています。学校の子どもたちが通っている、療育の内容を知ることができ、参加してよかったなと思いました。これからも子どものために学び続けたいです。ありがとうございました。
○ 講義の中の幅広い取り組みの他にも、あらゆる支援者に寄り添い、育み、引き出し、活かしていくという視点がとても参考になりました。目の前の支援に忙殺されるだけに終わらないよう、明日からまたできることから取り組んでいきます。

令和5年度 現場の先生のための即実践講座

講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
第7回は、「自閉スペクトラム症の理解と支援 Z 中年期以降の自閉症スペクトラム」のテーマで、日本の強度行動障害者支援施策の歴史の前半部分、1965年〜1990年まで、と、1990年〜2010年頃までに分けて、自閉症者がおかれた実情と行政の対応、初期の強度行動障害の判定基準などの解説がありました。例えば・・・と紹介しようと思いましたが、保護者の方にはかなりショックな判定基準だと思いましたので、ここでは割愛します。
それでも、途中でお話しいただいたTEACCHのトレセミが始まった経緯は救いと感じました。
次回は、後半部分2010年頃〜現在まで、そして今も残る課題についても学んでいきましょう。

 『 第8回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和6年1月9日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「行動障害・強度行動障害にとって必要なことは」・「強度行動障害者の経過と今」 
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)
対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分 
          (途中参加の方には、1回目からの講義をご案内しますのでご安心ください)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
      http://sodaterukai.org/policy1.html
第7回、「強度行動障害者支援施策の歴史」の講座の参加者の方からの感想です。

○ こんなに丁寧に自閉症支援の歴史について学ぶことは今までなかったので勉強になりました。時代の流れとともに、尊重されることが変化していることが興味深かったです。支援者のためのトレーニングセミナーは私自身受けたことがあり、自閉症の人たちの自立を念頭におき本人の強みを生かしPDCAをくり返しながら支援を考えていくことを学んだことを日々の療育でもよく思い返します。将来に繋がる今の支援において少しでも自閉症の人達の役に立てるように学び続けていきたいと思います。
○ 先生のお話を、障害を持つ方の支援にかかわった自分の歩みを重ね合わせながらお聞きしました。しんどい思いをしておられる強度行動障害を持つ方にどう支援してよいかわからず、手探りでさまざまに失敗も重ねながら進んできたことを思い出しました。
その方の特性を理解し、自立的に行動できることを目指して、ワークシステムなどの手法を活用し、具体的計画を立て、支援を実施するうえでは支援者が“約束”を守ることが大きなカギであること。私たちが学び支援力を身につけることで一人でも多くの方が“自尊心”をもって力を発揮できるようになることを再確認し、今後も支え続けていきたいと思います。
○ 制度や歴史の話からトレセミの話まで、毎回志賀先生が知っておられるたくさんの知識を噛み砕いてお話してくださるので、とても興味深く感じます。
今自分がしている支援も10年後に振り返って「何やってたんだか」とならないよう、しっかり知識をインプットしてブラッシュアップさせねば!と毎回背筋を伸ばす時間になっています。
ありがとうございます。

令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に
当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
第7回は、「特別支援学校における構造化と合理的配慮」のテーマで香川大学教育学部附属特別支援学校の三宅泰治先生にお話しいただきました。
実際に、特別支援学校で三宅先生が取り組んでおられる構造化の写真をたくさん紹介いただき、子どもたちが安定して学んでいくためには合理的配慮としての構造化は欠かせないものだと実感いたしました。
次回は、鈴木秀樹先生と佐藤牧子先生による小金井小学校からの第2弾「通常の学級での合理的配慮と保健室」のテーマです。
前回は通常学級におけるデジタル教科書などICT活用のお話で、鈴木先生の実践がメインでしたが、今回は保健室でのお話ということで、佐藤先生が中心になるのでは・・・・と、これまであまり知らなかった、保健室での合理的配慮について、貴重なお話しをお聴きできるのを楽しみにしています。
『 第8回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』
日 時:令和6年1月18日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「通常の学級での合理的配慮と保健室」
講 師: 鈴木 秀樹 先生・佐藤 牧子 先生(東京学芸大学附属小金井小学校)
  
総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
      http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第7回の三宅泰治先生による「特別支援学校における構造化と合理的配慮」の講義に参加された方からの感想の一部です。

○ 構造化について、具体的な事例を写真と一緒に紹介してくださってとても分かりやすかったです。構造化のメリットだけでなく、注意点も意識しておくことが必要だとわかりました。
小学校でも、生かせそうなことがたくさんありました。合理的配慮や構造化は、学習の前の土台づくりに欠かせないものだと思いました。子ども一人一人にあった支援をすることで、挑戦するためのスタートラインに立てるようにしていきたいです。
○ 特別支援学校での取り組みについて、具体的にTEACCHの用語を絡めてお話くださったのでとても分かりやすく理解できました。
岡山の支援学校でも通常の学校でも、ぜひ取り入れてほしいと思う部分が多くあり、幼児期の支援者として私自身もっと柔軟な発想を取り入れていかねばと感じました。
ITの活用は自分が使いこなせないと、目の前の方に合うかどうかも分からない。しっかり学んでいきたいと思いますし、まずはアシストガイドを自分で使ってみたいなと忘れん坊の私は思いました。ありがとうございました!
○ 構造化のアイデアを写真で丁寧に紹介して下さり分かりやすかったです。構造化のメリット注意点は常に意識して支援していきたいと思いました。一人ひとりに合わせた構造化でないと意味がないということはすごく納得がいきました。日々の支援を振り返る機会をいただけました。ありがとうございました。

支援ツール勉強会の報告と次回のご案内

12月21日(木) 武藏博文先生による第4回目の支援ツール勉強会を開催しました。
前半は、「自助具とは」「ICT 活用・役立つアプリの紹介」についてお話しいただきました。
自助具とは: 身近にある便利な道具。
そのものを使うことで、うまくなって上達でき、成功にたどりつく。
長所(本人の好きなもの・慣れていること)を探りながら、長所を使って自助具を作って(使って)いくことがポイント?道具をうまく使っていくように援助していく中で、“援助を調整する”というお話も印象的でした。
できないから、援助してあげよう!と、思いがちですが、そうではなく、失敗してやる気をなくす前に援助をする。前もって援助するのがよいということです。例えば、道具を使う前に、先回って見本を見せてあげるとか、使う前に使い方を教えるということです。そうすることで、スムーズに自助具を使って成功体験を積むことが出来ます。教えて、やってみて、やったら振り返る。という途中評価をすることも大事で、“やったら振り返る”クセをつけるといいということも教わりました。なるほどー。
ICT活用・役立つアプリのご紹介では、 絵カード作成アプリや、コミュニケーション、スケジュール提示のためのアプリをご紹介していただきました。
後半は、それぞれで支援ツールを作っていきました。
作った支援ツールを持参してこられた人もいました。作った支援ツールを実際に使用してみて、先生に相談される方もおられました。先生にアドバイスしていただいて、すぐに改善して作り直せるなんてすごいですね!
また、作った支援ツールを見せ合って、「すごーい!」「どこで買ったものを使ったの?」「いいですねー」などコメントが飛び交いました。
他の人が作っている支援ツールを見ることで、新たな支援ツールを思いついたり、触発されたり、改善してみよう!と考えられたりするところが、とてもいいなーって思っています。
次回も楽しみですね。
次回は、令和6年1月18日(木) 10:00〜12:00
育てる会 事務局 1F 大広間にて

青年部 わいわい Holiday 新年会 の お誘い

知的障害を伴っている青年たちにも、街の中で出来るいろんな楽しみを経験してほしいと活動している青年部 「わいわい Holiday」です。
今回は新年会として、ランチバイキングを計画しました。
場所は、岡山市内のレストランで申し込まれた方に連絡します。
みんなで新年をお祝いしましょう!!
日 時:令和6年1月21日(日) 昼食
対 象:高校生以上で、療育手帳を持たれている程度の方
申 込:086-955-6758、acz60070@syd.odn.ne.jp
申込締切:1月17日(水)  (正会員限定)
(担当:T & M)

クリスマス会の報告

12月16日(土)に、岡大体育館にて、クリスマス会が開催されました。
23名のお子さん、21名のボランティアさんが参加してくださいました!!
当日は、12月なのにとってもあったかい日で、走り回ると汗ばむくらいでした。
クリスマス会を毎年楽しみにしてくれているーなんて声も聞こえてきました♪
岡大体育館でキッズルームやサッカークラブに来られているお子さんたちは、慣れた様子で、ボランティアさんのお兄さんお姉さんと遊んでいました★★
初参加のお子さんも、戸惑いながらも色々な遊びに挑戦していて、また参加してほしいなーと思います。
場所に慣れ、人に慣れ、子どもたちの、“楽しいー♪”“行きたい♪”場所になるといいなーって思っています!

はやぶさの会 の ご案内

はやぶさの会は小学生以上の男の子たちの「友達作りの会」です。
大体学期に一回ずつぐらいのペースで集まっています。
冬休み企画!
年始の1月7日(日)の午後から新年会!
皆で集まってご飯を食べたり遊んだりすることになりました。
冬休みの話・年末年始の過ごし方など、色々子ども同士で話ができると良いなと思います。
日 時  令和6年1月7日(日)午後  約2時間ほど
場 所  赤磐市内(参加者には集合場所などLINEで連絡します)
持ち物  自分のご飯や飲み物・皆で遊びたいと思う遊び(switchなどのゲーム機は不可)
     ※親御さんもご飯や飲み物は各自でご持参ください
     ※スマホなどはカバンから出さないようにしましょう
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

先日12月16日(土)にクローバーの会でクリスマス会を開催しました。
当日は育てる会のクリスマス会もある日だったため、「皆でお昼を食べてクリスマスプレゼント交換をしよう!」と集まりました。
プレゼントは、「相手の気持ちや立場を考える」「予算内で良いものを探す」などを駆使する必要があります。
しかもプレゼント「交換」なので、誰に当たっても喜んでもらえそうなもの・・・難しい!
親が手伝いながら、一緒に色々考えるのもまた良い経験かもしれないですね。
参加された方から感想をいただきましたのでご紹介します。
〇 2回目の参加です。お友だちに影響されてかポテトではなくキッズプレートを頼み、カレーまで完食してびっくりしました!普段は「もういらない。食べて?」と言うことが多いので、全部美味しく食べられて母も嬉しかったです。プレゼント交換は初めてで、自分のプレゼントを相手に喜んでもらえて嬉しそうにしていました。また、自分が貰ったプレゼントも興味がある物で、帰って嬉しそうに眺めていました。3人お揃いのヘアゴムも気に入って、早速つけています。「またクローバーの皆と遊んだりご飯食べたりしたいな」と言っているので、次回も楽しみにしています。今回も貴重な経験をさせていただきありがとうございました♪
〇 昨日はありがとうございました。いただいたプレゼントも早速嬉しそうに使っています。プレゼント交換のプレゼントを買って、見えるところに置き、毎日ワクワク、当日を心待ちにしていました。当日は素敵なプレゼントをもらって、また、渡したプレゼントを喜んでくれて、嬉しそうでした。次の機会も楽しみにしています。今回も、素敵な時間をありがとうございました。
〇 クリスマス会をとても楽しみにしていたわが子。「これもこれもいいなー」「迷っちゃう!」「えー、これは私がほしいぐらいじゃわ」などとキャッキャッしながらプレゼント選びをして、それを渡すのを心待ちにしていました。今回は「もらう」のも同時にするため、「プレゼントをもらった時どう言えば良いかな?」なども考えておいたため、花丸な受け取りっぷりになり、母もほっとしました。実際に嬉しいプレゼントだったため、帰宅して兄に自慢しまくっていました。クローバーの会は、「THE★女子!」って感じのことを親子で楽しめるので、ありがたいです。次も楽しみにしています。
皆さんご参加ありがとうございました!
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹もASD診断が出ている場合には参加可能)。(正会員限定)
気になる方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪
(担当:M)

水泳教室のお知らせ

日 時:令和6年1月21日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は1月18日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

第2回 癒しのマッサージ座談会 の 報告

12月8日(金)に、第2回 癒しのマッサージ座談会が事務局1Fの大広間で開催されました。
希望された方は赤磐市内のご自宅サロンMOFを運営されている松嶋さんにワンコインマッサージを受けながら、子育てから少し離れ、美味しいケーキとお茶をいただきながら、楽しくお話する時間となりました。
とはいえ、同じ自閉症児を育てるママとして、子育ての話ももちろんたくさん飛び交っていました。
同じ境遇のお母さん同士だからこそ、分かち合える話、笑える話も多々、みなさんありますよね。
次回も、楽しみにしていますー!と、言いながら帰られました。
以下、感想です。
・ 子どもの話だけでなく、みなさん自身の話も聞けてよかったです
・ 毎回美味しいお菓子嬉しいです!マッサージもうれしい!!
次回は、2月9日(金) 10:0〜12:30  事務局1F 大広間にて
参加費:300円(お菓子・コーヒー付き)(正会員限定)
マッサージ希望の方は+500円

ラジオ出演 の 報告

令和5年12月12日(火)午後、RSKラジオの「あもーれ! マッタリーノ」に育てる会理事のKさんが出演されました。
公益財団法人マルセンスポーツ・文化振興財団様より、サッカー・ドッジ スポーツクラブ゙に助成をいただき、室内用サッカーゴールなど備品を購入して活動に活かしていることの報告でした。
番組ではサッカークラブの活動以外にも、育てる会全体の様子なども紹介させていただきました。
それらのインタビューの中から、面白かったやりとりを一つ紹介します。
―(新しいサッカーゴールを見て) どんな感じですか? 子どもたちはどんな反応?
(K) 子どもたちは遊ぶのに夢中であまり気にしないし、気づいていないですね。
   でも保護者の方は喜んでくださっていますね。
番組的には、子ども達が新しいサッカーゴールを見て、大喜びした反応を期待したのでしょうが、全く気付いていない様子は、いかにもユニークな自閉症児達らしくって笑ってしまいました。
それはともかく、公益財団法人マルセンスポーツ・文化振興財団様、ありがとうございました。

あきよさんのパン作りお話交流会

日 時:令和6年1月25日(木) 10:00〜12:00
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194−1:赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズのある建物です)
参加費:500円(材料費+飲み物代込)(正会員限定)
パン作りをしながら、みんなでお話しましょう!!
メニュー:クリームパン・マヨネーズパン+ホットドリンク
講師紹介:あきよさん
   高機能自閉症+ADHDの中2(男)・高機能自閉症+ADHD小6(男)・兄弟児高1(女)の3人の子育てママ
   自宅のパン工房でパン作りの趣味
   育てる会の正会員で理事(会員担当)、ぐんぐんタッチ スタッフ

 2月26日(月)には、「みちこさんの美味しいおこわ作りとお話交流会」を開催しますお楽しみに!!(正会員限定)

お母さんコラム

中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日のことです。
息子が中学校から下校している際に自転車同士で事故を起こしました。(本人に聞いた話なので、伝聞なのですが・・・)
息子はぼんやり考え事をしながら自転車を漕いでいて &相手の学生さんも「避けるだろう」と思ってそのまま漕いでいたようようで、気づいた時はガッチャーン!
お互いにコケてしまいましたが、お互いに少しの擦り傷と自転車のカゴに傷が入ったりするぐらいだったようで、不幸中の幸いでした。
問題はここからで・・・・。
息子が「大丈夫ですか!?」と相手に聞いて、「大丈夫」、「そっちも大丈夫?」と答えてもらってホッとした息子。
相手の学生さんが「中学生?」と聞いてくれて「はい」と答え「たぶん、お互い怪我もそんなにしていないから問題ないと思うけど、一応連絡先とか教えて?」と聞かれても、自分の名前は伝えられても、母の携帯番号などはとっさに思い出せず。
何とかカバンの中をあさって、生徒カード(証明書)に中学校の電話番号を見つけた息子は、「連絡先は○○―○○○○です」と中学校の電話番号を伝えたようです。
相手の学生さんが帰宅後、家族に事故をしたことを伝えて、相手のご家族が伝え聞いた連絡先に電話をしたところ「はい、○○中学です」となり。
「連絡先として中学を伝えるとか、どういうこと? わざと教えなかったのか?!」
「もしかして名前も嘘かも!?」となったようで、仕事中の私のところに中学の先生から電話がかかってきたというわけです。
「息子の名前を名乗る学生が、自転車事故を起こした」「相手は怪我をしている」「相手は警察に連絡するなど対応を検討しているようだ」と言われてプチパニックな私。
夕方は、娘を学童に迎えに行かないといけないし、大慌てで祖父母に娘の送迎をお願いして、息子の安否の確認。
ちょうどその騒ぎの中、「ただいまー」とボロボロの息子、帰宅です(自転車のチェーンが外れてしまっていたようで、3キロほどを歩いて帰宅してきました)。
すぐに中学の先生に電話をして「息子を名乗るではなく、息子本人でした!」と伝え、何があったかをスピーカーホンにして先生にも聞いていただき、生徒カードを見ながら伝えていた際に、『親の連絡先が分からないので、これ、中学の連絡先ですけど、一旦それでもいいですか?』と伝えなかったために起きたトラブルだということがようやく判明。
すぐに相手のご家族にも連絡を取り、今後のこともあるため、一応警察に現場検証していただき、お互いに大きな事故ではないし、ということで収まるところに収まりました。
落ち着いてから息子と話をして、今後同じようなことがあったら(スマホは学校に持っていっていないため)、相手にすぐ警察を呼んでもらうこと・母の携帯番号がある場所(カバンにつけていることは知ってはいましたが咄嗟には思い出せなかったよう)を再度確認し、そこに電話をすることを確認した上で、相手に「大丈夫ですか?」と先に声をかけたのは紳士的で良かったことなどを褒めました。ひとまず良かった!
娘をフォローしてくれた祖父母、その日の晩御飯を弁当にしてもOKしてくれた夫などに感謝したいと思います。
「おれおれ詐欺か!?」と思ったり、混乱した中でも何とか頑張って対応した私も偉いなと自分を褒めている私です。
小さい時と違い、大きくなってくると、親から目や手が離れるため、びっくりするような事件が起きますね。しばらくはこういうこと、こりごりです。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「七五三、忘れていてショック!」です。
今年は仕事であれこれと大きな変化があり、娘の七五三のことをすっかり忘れていた私。
厳密には、頭の片隅に9月ぐらいからずーっとあったのですが
・息子の部活や試合やテスト期間ではない日
・娘の習い事の予定がない日
・夫や私の仕事や予定のない日・・・
など、いくつかの条件をクリアしないといけないのを整理して考える余力が、全くなかったんですよね。
11月になり、少し落ち着いてくると、今度は写真館が「七五三シーズン真っ最中!」になり予約がなかなか取れません。
こうなるのが分かっていたから、もっと早く動かないといけなかったのに・・・と落ち込む私。
ASの私にとって、「暗黙的な理解の難しさ」や「他者視点の取れなさ」や「注意の固着」よりも、自己肯定感を下げるのが、「実行機能(計画して実行して振り返る)」がうまく回っていない時です。
計画が難しいし、実行が難しいし、反省して振り返ることも難しい。
特に、疲れている時・余裕のない時は、余計にダメです。
こういう時にありがたいのは夫の存在です。
「写真なんか撮らなくてもいいじゃん」  極論!(笑)
「いや、絶対撮りたい!」
「じゃあ、いつにする?」
「11月中は七五三シーズンで予約取るのが無理そうだから、12月になりそう」
「いいじゃん。空いてそうだし」
こんな風に私のダメダメっぷりを責めたり怒ったりせずに「じゃあどうしようかな」を考えてくれる。毎回この前向きさに助けられています。
12月のしかも夕方に行ったので、空いている上に衣装も選び放題で、余裕を持って写真撮影をし、じっくり写真選びもすることができました。
災い転じてなんとやら。
次こそはもう少し計画的に!と思いながら、年賀状作成で、またしてもうんうん唸りながら実行に移せずにいる私。
「年賀状なんて、出さなくていいんじゃね?」「便りがないのは元気の証拠ってことで」という誘惑声に逆らっています。
きっとこの会報が皆様のお手元に届いて、1月年始の仕事はじめギリギリのタイミングで、慌てて投函することでしょう。
あー。学ばない!笑
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐん便り」、担当は「赤磐ぐんぐん」と「ぐんぐんキッズ」です。

赤磐ぐんぐん (就学前)

毎日朝夕と日中の気温差が大きくて「今日は何を着ようか?」と天気予報で気温のチェックをする日々です。
例年なら、かじかみながら窓ふきをしている記憶があるので大掃除をするには暖かい方がいいのですが、なかなか重い腰を上げられずチャンスを逃しそうな予感がします。ともあれ冬休みならではの行事や予定があるご家庭も多いと思うので、体調に気を付けながら元気に新年を迎えたいものですね。
さて、今回のテーマは「教えることで『分かる!』『できる!』」です。
赤磐ぐんぐんは幼児期のお子さんたちが通う事業所なので、年齢的にも知らないことや分からないことが色々あって当たり前の年代です。
まだまだ小さな社会(家庭や園、習い事など)の中で子ども達は色々なことを学んでいると思います。
でも、定型発達のお子さんなら「なんとなく」「周りを見て」分かることでも、ASDのお子さんにとっては分かりづらくて上手くできないこともあります。
ご家族にとっては「これができるのに、なんでこれはできないの?」「これはできないのに、どうしてこっちはできるの?」と不思議に思うこともあると思いますが、もしかしたら「なんで?」と思った時は教えるチャンスかもしれません。療育では「分かって当たり前」ではなく、「そもそも分かるように教えたかな?…教えてないかも!」と視点を少し変えながら、ご家族と支援者で話し合いながら療育をしています。

  【エピソード@】

年長のAくんは、やり方がわからない時や上手くできない時に「どうやってやるん?」「ママやって」と大人に伝えることができるお子さんです。
すぐそばにいる時であれば気付いて手伝ってあげられますが、他のことをしていて気付くのが遅れると「なんでやってくれんの!」と怒っていました。お家でも、離れたところにいるとお母さんが気付いてあげることが遅れてしまって、本人がその場で大きな声で言ったり怒ったりしてしまうとのことでした。お母さんとお話をしている中で、Aくんはその場を離れて相手に伝えに行くと良いことや相手がそもそも気付いていないこともあるよ、ということを知らないのかもということが分かりました。
そこで、まず療育でAくんに『相手が気付いていない時もある』ことを教えることにしました。
Aくんにとってよくあるシチュエーションをイラストや吹き出しを使って教えると、相手が気付いていないことに「え!?そうなん!?」という反応がありました。そんな時は呼名をしたりトントンしたりすると良いことを教えて、実際に練習をしてみました。
また、離れたところにいる場合は相手に近づいて言うことも教えました。すると、支援者とは怒らずに呼名したり近づいて伝えたりすることができるようになりました。
ところが、お母さんとでは「ママ!」と大きな声を出してイライラしていました。
そこで、改めて『ママも気付かない時があるんだよ』と教えると「え!?そうなん!?」(毎回新鮮な反応です)となって、お母さんとも同様に練習をしました。
家庭でも勉強で使ったイラストを持ち帰って練習してもらったところ、「ママが気付かない時もあるから、返事がない時はこうしてね」とAくんにイラストを見せて伝え、意図的に気付かないフリをして練習してくれました。
怒りそうになる時もあるようですが、「ママ気付いてなかったんよ」と伝えると「そうなんかぁ」と怒らず納得してくれることが増えたそうです。

  【エピソードA】

年中のBちゃんは、玩具を取りたいけれど人がいて通れない時に「邪魔なんだけど」と相手に言う癖がありました。
相手はその場をすぐに避けてくれますが、お母さんは「お店に行った時も知らない人に言っちゃうんです。悪気はないんだけど、感じが悪いからやめさせたいです」とのことでした。
Bちゃんが相手の視点から物事を考えるのが難しいことをお母さんと確認し、「邪魔なんだけど」に代わる言い方をお母さんと考え、「通らせて」を教えることにしました。
まず、人がいて通れない時に支援者が「通らせて」と言うと相手が避けてくれるというモデルを見せ、同様の場面で今度は支援者が小声で「通らせて」とセリフを促すとBちゃんも「通らせて」と言うことができました。
何度か経験して、同様の場面でBちゃんが立ち止まり「・・・」と考えた後、支援者のところへ来て「どうしたらいいの?」「あれ取りたいの」と伝えに来る姿がありました。
どうやら「邪魔なんだけど」とは言わない方が良い、ということは分かったようで、お母さんも「今、言いませんでしたね!」と驚かれていました。
その後、Bちゃんは「通らせて」より「避(よ)けて」の方がピンとくるようで、今は自分から「よけて」と言えるようになっています。

  【エピソードB】

年中のCくんは、遊びが大好きなお子さんです。お医者さんセットに興味を持ってくれ、聴診器を耳につけて「どうしましたか?」とお母さんのお腹に聴診器をあてました。お母さんも「先生、お腹が痛いんです」と答えます。
すると、一瞬間があり、Cくんは再び「どうしましたか?」と繰り返し言います。
遊びはなかなか発展していきません。
お母さんからは「病院で自分がしてもらっているから聴診器をあてることはできるけど、遊び方が分からないみたい」とのことで、どうやって遊びを発展させていくかをお母さんと一緒に考えました。
Cくんはモデルを見てよく理解できるお子さんなので、大人が簡単なやりとり(熱を測る、注射をする、薬を出すなど)をして見せました。すると、言葉や物などの促しがあることで、少しずつお母さんや支援者相手に、モデルを参考にしながら同じようにして遊ぶことができ始めました。
Cくんは以前にも、ままごと遊びで似たような姿があり、その時も療育で遊び方を見せて教え、ご家庭でも兄弟の協力を得て取り組んでくださり、楽しく遊べたことでやりとりがとっても増えた経験がありました。
お母さんはご家庭でも取り組んでくださり、回を重ねる毎に遊び方に変化があり、今では注射をする時に「痛くないですよ」と言ってから射してくれたり、診察券を返してくれたり、何かメモをとるフリをしてみたり、診断名が「オムツかぶれです」となったり、やりとりがとっても増えて一緒に遊んでいて楽しくなっています。

週1回の療育場面だけで学んだスキルを定着させることは難しいのですが、皆さんご家庭で積極的に取り組んでくださるので、スキルの定着・習得が早く、お子さんの変化に支援者も驚かされることがよくあります。
お子さんの「分からない」「できない」には、同じASDの診断名でも「暗黙的に学ぶことが苦手」だったり、「相手の視点にたって物事を考えることが苦手」だったり、「細部を見ていて全体を見落としている」だったりと、お子さん一人一人によって違います。同じように、「分からない」を「分かる!」に、「できない」を「できた!」に変えるためには、お子さん一人一人に合わせた取り組みが必要になります。
お子さんの様子や今できているスキルを活かしながら、ご家族と支援者とが一緒に考えて、家庭や園で取り組めるきっかけを療育で教えてあげることができたらいいなと思っています。支援者もご家庭や園での様子、ご家族の思いなどたくさんお聞きすると思います。どうぞ色々と教えてくださいね。
それでは皆様、来年もどうぞよろしくお願い致します。良いお年をお迎えください。
(赤磐ぐんぐん 療育スタッフ:A)

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

寒波到来!本当に寒くなりました。元気に野球やバスケ、ドッチボールなど外で遊ぶことが多かったぐんぐんキッズですが、さすがに室内活動へと移行しつつあります。
ぐんぐんキッズの個別支援計画では「自分のことを知る」を目標に取り組まれているお子さんもいます。
今の自己認識(自分のことをどれだけ知っているのか?)を確認するために、今回は『得意・苦手なこと』、『気になること・そうでもないこと』に分ける課題への取り組みを紹介します。
『気になること・そうでもないこと』を分ける課題では、感覚的な特性(聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚)等や人、状況などを取り上げています。
『気になること』とは見てしまうもの、嫌だと思うもの、『そうでもないこと』とはあっても気にならない、平気なもの等として定義しています。
 (左側が「きになる」、右側が「そうでもない」)
この課題の際には、本人から「僕は情報がいっぱいあるとわからなくなる。」と教えてくれることもありました。
これまでの支援の中で、自分に合ったものを知って工夫することが本人の中に育っているのをとてもうれしく思えた場面でした。
また、『得意・苦手なこと』では、『得意』とはできること、自信があること、『苦手』とはあまり好きではない、することに苦労すること等の定義づけをした上で、学校での教科や活動、作業について分ける課題に取り組みました。
この課題結果はご家族にもお渡ししています。課題結果を見て頂くと、ご家族の認識と本人の認識がずれていることが多々ありました。
ご家族が見て「計算が苦手なのに、得意にある?なぜだろう?」と、すぐに気づかれます。「なぜだと思いますか?」とご家族に問いかけると、「今の算数はわかるみたいで、自分はできてると思ったからかな?」とお子さんの判断の理由をすぐに推測されていました。
懇談の際には、学校の担任の先生にも見て頂いて、お子さんの認識のずれについて話し合うことができたようです。
逆に、あるお子さんの得意と苦手にわける課題の結果を見られた親御さんが「本読みが苦手? え? だって出来てるし。」とお子さんと親御さんとの認識にズレがありました。
親御さんはすぐにお子さんに「本読みが出来てるのに、なんで苦手なん?」と聞きました。すると、お子さんは「わたしはすごい頑張って読んでる。本読みは本当に苦手なんよ。」と答えてくれました。
ご家族にとっては、予想もしなかったことで、びっくりされていました。
お子さんは本当に精一杯に頑張っていたのでしょう。
結果的に出来ていたので、得意と思われたかもしれません。でも、取り組む過程を見ると、お子さんがどれほど苦労して本読みをしているか、わかるかもしれません。
お子さんがへとへとになるぐらい頑張って出来る状況を当たり前にしていては、いつか息切れしてしまうかもしれません。私たち支援者もご家族も、お子さんの特性を理解することの大切さを改めて実感した出来事でした。 
お子さんが少しでも工夫やサポートで困ることが減り、学ぶ喜びを感じてもらえたらと願う出来事でした。
(ぐんぐんキッズ 療育スタッフ:T)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】 (R5.11.26-R5.12.25)

○ T.S 様(玉野市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座   中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
               岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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