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令和 6年1月31日

 

 第309号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 309号 目次

     あけましておめでとうございます

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

      フリーマーケット、青年部の会、はやぶさの会、クローバーの会 の 報告とお知らせ

      パン作り交流会、水泳教室、癒しのマッサージ座談会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「一生涯にわたる安心を! 障害のある子が受けられる 支援のすべて

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんぴっぴ」、「ぐんぐんタッチ」

     近隣の講演会等のご案内

あけまして おめでとうございます。
のんびりとお正月を祝っていたら、今年は元旦から地震と火事、そして飛行機事故と立て続けに、いろんなことが起こりました。
「一年の計は元旦にあり」なんて言いますが、今年一年が心配になります。不安な気持ちを振り切って、さぁ〜今年も頑張りましょう。
今年は辰年です。実は私は年女。私の年です。
きっといいことあるに違いないと信じることにいたします。

さて、元日の我が家のお話から始めましょう。
哲平は、毎年甥と姪にお年玉をやるということが、定着してきました。
今年中学生になる甥にいくらやればいいか、迷ったのでしょう。
「Kたろう君、お年玉 何円」(「Kたろう君には、お年玉を何円上げたらいいでしょう?」)と聞いてきました。
「Kたろう君は、中学生だからいくらがいいかしらね」
「小学生の時は、いくらあげたの?」と問うと、「1000円です」と答えました。
哲平も色々考えているんだと思うと、嬉しくなりました。
「そうねぇ〜、中学生はいくらがいいかしら?」というと、「中学生、2000円」と決めたようでした。
「Rちゃんにはいくら上げるの?」と聞くと、「小学生1000円!」とのことでした。
お金には結構細かくて少々ケチなところもある哲平ですが、一年に一度だけ、甥や姪にお年玉をあげるということが、できる大人になりました。
時々は、お店でハンカチやかわいいバックがあると「Rちゃん買う」といって買い物するようなときもある・・・、甥や姪には優しいおじちゃんです。
私たち夫婦の子育ての目標の一つに、「就労して、自立して、できたら税金が払えるような大人になってほしい」というものがありました。それに加えて、「きょうだいの結婚式にも参加できるような、そんな大人になってほしい」。もっと望むなら、「生まれた甥や姪にお年玉をあげられるようなおじちゃんになってほしい」と願っていました。現在これらすべてのことが叶いました。
小さい頃は、多動で一瞬でもじっとしていないような哲平でした。今から考えてもこんな大それた望みを持つなんて考えられないくらいの子でした。
でもね、願いは持たなくては叶わない。持ったらそうなるように教え導こうと思います。だから願うことは大切なんだと思うのです。私の座右の銘は、「願いは、叶う」です。
それには、願いを持ち続けることと、それに向けての努力も必要です。何はともあれ、全部かなった私は、次の願いを何にしようか考え中です。
今のところは、親亡き後も彼が幸せに生きていけますように・・・という壮大な夢でしょうか?
「願いは、叶う」ですもんね。きっと彼は幸せに生きていけると信じましょう。

さて、お待たせしました。吉田友子先生のセミナー、「自閉スペクトラム 「自分のこと」のおしえ方〜特性説明・診断告知という支援〜」の開催が近づいてきました。
3年ぶりの吉田先生の講演会ということで、岡山のファンの方(かく言う私も、一番尊敬できて、一番大好きな先生です)の方をはじめ、全国各地から申込みが寄せられています。これが会場開催でしたら、定員数を心配するところですが、オンライン開催ですので、どうぞ安心して、でも忘れないで申込みしてくださいね。
吉田先生も、主宰されるiPEC(子どもとおとなの心理学的医学教育研究所)の「講演会のお知らせ」のページで、今回の育てる会の講演会の紹介をしてくださっています。   https://www.ipec2005.com/
その中で、育てる会とのいきさつなども紹介していただいていますし、なにより提供してしていただいている資料のダウンロードも豊富で、吉田先生自作、サイン入りの「安心タオル」のイラストも自由に使っていいそうなので、まだご覧いただいていない方は、ぜひ訪れてくださいね。

話は変って、先日赤磐市議会の厚生文教委員会の市議会議員さんが、育てる会の事業所見学に来られました。
新しい事業所として4月に開所した「ぐんぐんタッチ」です。興味を持っていただけたことがうれしくて、ご案内させていただきました。市議会議員さん6人と議会事務局の方2名合計8名の方が来られました。はじめにタッチの中でお母さんとお子さんが、PECSでコミュニケーションしているところを見ていただきました。
その後、別室でタッチの児童発達支援責任者の河野が詳しくタッチの取り組みをお話させていただきました。その中でまだ小さいお子さんのコミュニケーションへの取り組み方にウンウンとうなずきながら聞いていただけたこと、よかったなと思いました。
言葉によるコミュニケーションが苦手なお子さんが多い中、言葉だけではないコミュニケーションツールとしてPECSブック を使って、話をすることを教えているタッチです。
保育園や幼稚園でも先生やお子さんたちとコミュニケーションが取れたらどんなに彼らの世界が広がるでしょう。
そもそも自閉症への支援は、どこの市町村でも理解されていないように思うのです。
視覚障害の方には音読サービスや代筆、点字などの支援があります。聴覚障害の方には、要約筆記や手話、筆談などがあるそうです。手話通訳の方や市役所にも手話のわかるスタッフが配置されていて、講演会なんかでは、たった一人でも聴覚障害のある方がいると、手話通訳の方が2人か3人壇上で交替しながら手話で伝えられていますね。
身体障害の方なら、車いすや歩行器、自動車運転用の器具など丁寧な支援があります。しかも小さい子供さんは大きくなるので、車いすなどは都度都度買い替えが必要になり、そのための様々な支援があります。
でも発達障害には何もない。その話を私がさせていただきました。ぜひコミュニケーション支援のためのiPadを提供いただけないかとお話ししました。これには目をキラキラさせてうなずいていただいた議員さんも多く、ぜひ実現していただきたいと思いました。また市役所のほうにもお願いに行こうと思います。

1月25日(木)には、「あきよさんのパン教室」が、おひさまハウスの台所でありました。
朝早くから準備をしてくださって、私たちは、成型の所から参加することになりました。
作り方もとてもよく考えてくださっていたので、パンつくりは初めてという方も楽しく作ることが出来ました。
そしてパンが焼きあがるまでの時間を利用して、自己紹介から始まった座談会は、パンの焼き上がりと同時に中断しつつ、再び成型発酵の間にまたお話、そして焼き上がりを待つ間にまたお話をするというような感じで、お話をする時間もしっかりとれました。
焼きあがったパンを食べながら、学校でのこと、仕事場での話などなど小さいお子さんをお持ちのお母さんから、子どもがお仕事をしているような人までいろいろな人が集まって、わいわいにぎやかな座談会です。
楽しくて、あっという間に時間がたって、解散はお昼をはるかに超えての時間となりました。
「次はピザなんかもいいわね〜」などと次回を約束して、パンのお土産も頂き帰路につきました。
「ここでいろんな話をすることで、しんどい子育てに頑張る力がもらえます」そうお話された方もありました。
しんどかった過去を思い出して私たち年嵩のお母さんたちもうなずきつつ、今のわが子の成長を実感する時間となりました。
そうはいってもまだまだ大変なこともある我が家ですが、頑張る力を私も若いお母さんからいただいているように思うのです。
これからもみんなで支えあえるそんな場になる座談会となることを願っています。お料理やデザートも教わって、お話もできるなんて、いいでしょう?
皆さん次は私が山菜おこわを教えます。2月26日(月)、「ミチコさんの山菜おこわと座談会」にどうぞお越しくださいね。実はこの山菜おこわは、忘年会でも大好評でした。とてもおいしいのですよ。
作り方は詳しくお伝えしますので、どうぞ、おいでください。なんと500円という参加費は、格安ですよ。お誘い合わせておいでください。

さて1月21日から「厨房のありす」というテレビ番組が始まりました。
日曜10時半からなので、うっかり寝てしまう私は念のため録画もしておりました。案の定、寝てしまい見逃しでしたが、録画のおかげで次の日に見ることが出来ました。
門脇麦さんという女優さんと、キンプリに残った永瀬廉さんが出てくるテレビドラマです。
ドラマは、あまり見ることがないのですが、今回は主人公がASDという設定であることと、そのASD監修を、昨年度育てる会で講演をお願いした浮貝明典さんがされていると聞いたものですから、見ることにしました。
今までにも自閉症を主人公にしたドラマがたくさんありましたが、日本では、最近はあまり見ることがありませんでした。「リエゾン〜子どものこころ診療所〜」以来で、久しぶりのASDが主人公のドラマですね。
多くの方に知ってもらう意味でもヒットするといいなと思いつつ、見守りたいと思います。
主人公の麦さんが、とても清潔感のある方なのが、いいですね。見ていて上手にASDが描かれていると思います。私たちの良く知っているこだわりやパニックが、しっかり丁寧に描かれています。また、麦さんが上手に演技されているのにも好感が持てます。
こんなにかわいい主人公が、電柱から電柱へパタパタ触りながら歩くのも面白いですね。
定型発達の人には、わかってもらいにくいASDの主人公が、食堂を営んでいけるのは、周りのサポートやその彼女を不思議だけれど理解しようとする周りの優しい視線が感じられて、とても暖かいですね。ワクワクしながら次の回を待っているところです。
良かったら皆さんにも見ていただきたいです。日テレ日曜日22時30分からの放送です。

最後に、石川県で被災された方がたのことを思い、どうか大変だけれど、頑張っていただきますよう祈りつつ、309号を閉じましょう。
そうそう、最後の「近隣の講演会等のご案内」にある「能登半島地震災害支援 オンラインセミナー再配信」、TEACCHプログラム研究会東北支部主催(来年、即実践の講師をお願いしている、佐々木康栄先生が代表をされています)で、全額を支援、復興に向けて寄付されるそうです。自分の勉強にもなりますので、もしよろしければ協力してあげてくださいね。
皆さん、寒さがまだまだ厳しい頃です。お身体気を付けて、元気に310号でお会いいたしましょう。
(鳥羽 美千子)

令和5年度 現場の先生のための即実践講座

講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
第8回は、前回に引き続き、強度行動障害に関わる支援の変遷や、現状での課題についてお話いただきました。
中でも、強度行動障害の支援において、研修を受けて知識を増やしただけでは、ほとんど実際の現場での支援においては役にたたない・・・というのが印象的でした。確かに座学で、分かった気になっていても、面と向かって支援していくためには現場での適切なOJTが必要になってくるのでしょうね。
まして、資格を取るためのような「強度行動障害支援者養成研修(基礎)」に、どれだけの効果があるのか、今回の講座のような志賀先生の実例紹介の方が、覚悟が決まるだけよほど身につく物が多いのでは・・・と感じてしましました。
座学だけではダメで、即実践に取り組んでいかなければいけないのですね。

  『 第9回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和6年2月13日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「支援現場における具体的な虐待事案から私たちはどう考えればいいのか」 
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)
対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分 
          (途中参加の方には、1回目からの講義をご案内しますのでご安心ください)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
         http://sodaterukai.org/policy1.html
第8回、「強度行動障害者の経過と今」の講座の参加者の方からの感想です。

○ 強度行動障害について続けてお話していただいてきたことで、今目の前にある状況よりもっと過去の色々な出来事や人との経験が、今の行動に繋がっていて、そしてそれが今後の将来像に繋がっていくのだという思いが深くなりました。
強度行動障害支援者養成研修は、こういうものがない時代と比べると良いなと思いつつも、じゃあ実際に「研修を受けたのだから支援できるよね」と言われてもできるものでもないとも思えます(これはどんなものでも机上と実地が違うので当たり前ではあると思いますが)。強度行動障害になってから、さてどうするかではなく、そもそも強度行動障害にならないで済むような支援をそれぞれのライフステージで支援を担う一人一人が、どれだけわがこととして意識していけるのか…。外見だけできても中身が伴わなければ変わっていかない。
また、知的障害が重たいタイプでの強度行動障害はよく聞きますが、知的障害がないタイプのASDのお子さんでも、ある種「このままこの行動が続くと危ういのでは」と思うケースを見聞きすることもあり、今後はこういう問題も出てくるのかなとも思っています。踏ん張りどころだなと思います。いつも気合の入るお話をありがとうございます。
○ 本日もありがとうございました。
強度行動障害の支援施策の歴史から現在の現状を知ると、国から援助は得られるようになったものの支援の人材を確保するまでにはまだまだ大変な状況なのだということが分かりました。
障害のある人を抱える家族の負担は計り知れないことだと思います。
障害者本人の人権もですが、家族の幸せを感じられる生活の確保のためにも、また悲しい事件がこれ以上起きないようにするためにも、厳しい現状ではあるけれど諦めてはいけないんだと、強く思いました。
○ 障害支援区分の認定調査員としてもお仕事をさせていただいております。まさに今日、訪問した生活介護施設で、「区分6の方で自傷や他害があり、こんなに大変な方なのになぜ強度行動障害の対象になっていないのか?」というお声をいただいたところでしたので、私にとっては大変タイムリーな話題でした。
人材不足で、定年後の再雇用の職員も多く、行動障害のある方の対応には迅速さや体力も求められるので、どうしても再雇用の職員では対応できず、その分正規職員の負担が増えているそうです。こうした問題も、全国共通の課題になってくるのだろうと感じています。
「準安定状態」という表現が印象に残りました。その状態をできるだけ長く出来るように、予防的支援をもっともっと考えて実践する必要があるのですね。

令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
第8回は、「通常の学級での合理的配慮と保健室」のテーマで東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹先生と佐藤牧子先生にお話しいただきました。
まず、佐藤先生による保健室での支援ということで、保健室から学校や他の支援者の方までを巻き込んだチームとしての支援をお話いただきました。鈴木先生からは、生成AIを使った授業についての説明がありました。AIを使って、課外授業でお世話になった方へのお礼の手紙を書かせる・・・・という課題で、出来上がった文章の問題点や改善点を考えさせるという授業でした。
事実について間違った箇所を指摘するのはもちろん、感情面でも思いのこもった文をかけるのは私たちの方と、自己肯定感を高める授業でした。また、友達の書いた文は批評しにくいが、AIの書いた手紙なら遠慮無く批判できる、というのは普通学級における興味深い話でした。ASDの子なら、友達の文でも容赦なく指摘してしまうのでしょうね。

  『 第9回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐』

日 時:令和6年2月15日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「通常の学級における必要な支援とは」
講 師: 安岐 美佐子 先生(香川大学教育学部附属坂出小学校)
総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)別途 資料代 各7000円(10回分)
      申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
      http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第8回の鈴木秀樹先生と佐藤牧子先生による「通常の学級での合理的配慮と保健室」の講義に参加された方からの感想の一部です。

○ 佐藤先生が、生徒さんお一人お一人の考えや気持ちを丁寧に聞き出し支援され、その支援の結果どうだったかまた丁寧に聞き出しという中で、生徒さんが安心を実感されている様子が伝わってきました。私も佐藤先生のような養護教諭になりたいです。
保健室に駆け込む生徒さんが「自分以外に味方がいないんじゃないか」という気持ちで駆け込んでこられ、生徒さんに「一緒に作戦会議しよう」と言う言葉を使われる佐藤先生のご対応にとても学ばせていただきました。
○ 手紙を書く時にAIに一度書かせてダメ出しをすることで、体験による感動や感情がビッグデータを上回ることに気付けるというのは素敵な授業だなと思いました。AIがいくら進化しても人間にしかできないことはそこではないか、一般的な授業でいくら伝えてもピンとこないことも、鈴木先生のフォーカスの当て方でAIと共存、人間だからできることについて改めて考えることができました。
○ 大人のマインドチェンジについて、すごく共感しました。
佐藤先生の、「こうしなきゃだめ」をなくしていくという話も、明日、周りの先生に広めようと思います。
学びの入り口について、今知的障害特別支援学級の担任をしているので、広い学びからでも、狭い学びからでも子どもは成長する、という話を聞き、自分のクラスの子どもによりあった方法で生きる学びを提供したいと思いました。
○ 本日もありがとうございます。AIの可能性をたくさんいただきました。
子どものことをどんなふうに理解するか、について同学校内で共有できるか?とても高い壁ですが、頑張らなければ、と思いました。
鈴木先生の実践の「AIのお礼状」、とても興味深かったです。自分たちには感情がある、ということに気付くこと、感情があるから書ける文章に気付くこと、とても素晴らしいと思いました。
私は特別支援学校の校長をしていますが、「チーム学校」の中の管理職が、何ができる?と自分に宿題をいただいた気持ちがします。今回の佐藤先生のスライドには、管理職に吹き出しがなかったのですが、この中で私が何をするべきか? ということを考えました。

支援ツール勉強会のお知らせ

令和5年度の支援ツール勉強会も、いよいよ次がラストの第6回となりました。
次回は「支援ツールの交流会」と題して、今年学んだこと、作ったツールなどを持ち寄っての交流会にしたいと思います。
また、せっかく武藏先生が育てる会にいらっしゃるのですから、来年からの勉強会についても、みなさんの希望を聞きながら考えていきたいと思います。
正会員の方は無料ですので、今年参加できなかった方も、遠慮なくご意見をお聞かせに来て下さいね。

  『 2023年度 第6回 支援ツール勉強会 』

日 時:令和6年2月15日(木) 10:00〜12:00
場 所:育てる会 事務局 1F 大広間 (赤磐市上市355-2)
テーマ:「支援ツールの交流会」
講 師:武藏 博文 先生(ぐんぐんアシスト・エール1担当:元 香川大学教育学部 教授)
参加費:無料(正会員)
申込み:事務局(Tel.086-955-6758、E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp)

育てる会 フリーマーケット 出店者募集のお知らせ

今年も育てる会でフリーマーケットを開催します! 出店者 大募集です!!
例年人気なのは、年齢が上がって使わなくなったオモチャや子ども服、支援ツールや絵本などです。
その他、日用品や食器、手芸品、電気製品やマンガなどなど、どんどん出店してください。出店料は、1ブース(1m×1m)100円です。
出店者の方も、ビンゴ大会やお菓子投げにも参加できますので、楽しんでください。
日時:令和6年4月13日(土) 10:00〜12:00頃 (雨天の場合は、翌4月14日(日))
場所:おひさまハウス 中庭(赤磐市和田194-1:赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 中庭)

青年部 わいわい Holiday 新年会 の 延期について

知的障害を伴っている青年たちにも、街の中で出来るいろんな楽しみを経験してほしいと活動している青年部 「わいわい Holiday」です。
1月21日(日)に新年会として、ランチバイキングを計画していたのですが、なんとその予定していたレストランの、同じ建物で水道の故障が発生し、レストランでも「食べ放題」ができなくなった・・・との連絡がありました。
残念ながら、日を改めて順延とさせていただきます。
でも、さすがお兄さん達、みんな「仕方が無い」と変更を受け入れてくれたみたいです。
今、参加を申し込んでくれた人たちで開催の日取りを検討中です。
興味のある方は青年部のLINEに登録してください。高校生から成人までの男子の会です。基本的に知的のある方で、親子での参加となっています。(正会員限定)
(担当:T & M)

はやぶさの会 の 報告

先日1月7日(日)、7家族・9人の子どもたちで、新年会を育てる会事務局で行いました。
カードゲームやボードゲームをしたり、持ってきたベイブレイドやラジコンやバドミントンをしたり、追いかけっこしたり、カラオケをしたりと大賑わいでした。
この遊びを全員でする!というのではなく、それぞれのブースで分かれて、集まって遊んで、こっちで別メンバーがまた遊びだして・・・と自由に皆がそれぞれで思い思いに過ごしていました。これぐらいの緩さがちょうどいい。
決められすぎない枠の中で、自分らしく無理なくのんびり楽しむ。
その中で少しだけ友達を意識しあえたらそれでいい。
そんなはやぶさらしい時間になりました。
お母さんたちも色々話ができたり、子どもたちと一緒に遊べたりもして、リフレッシュの時間でした。
皆さん、今回もご参加ありがとうございました!
次は年度替わりあたりに、また一つ大きくなった子たちとお出かけしたいですね。

  参加されたご家族からの感想の一部です。

★今日はありがとうございました。兄から参加のはやぶさの会でしたが、いつの間にか弟が行くと楽しみにするようになっていていいなあと感じています。
療育も終わり、気兼ねない親子での集まりも少なくなる中でのはやぶさの会の経験はとてもありがたく感じています。久々に会うのにいつの間にか輪もでき、ルールを守りながら遊べて最後はちゃんと終われる。かたづけもできる。みんな素晴らしいと感動しました。私こそはやぶさの会、もう少しあってくれてもよいのではと感じたりもしています。
★小さい頃は誰にでも話しかけていた長男ですが、「輪に入れていなかった子を誘ってあげてよ!」と母が言うと「人には入りたいとかやりたいとかタイミングってもんがあるやろうから、待っとくわ」と言っていて、そんなこと考えられるようになったんだなと感心する母です(笑)
子供が友達といる場面に同席することも少なくなってきていて、母自身が子どもの成長を感じられる場にもなっております。

  子どもたちの感想

★楽しかった。カラオケまたしてみたい。みんなに会えてめちゃ嬉しかった。
★ベイブレイドたのしかった。帰りに大好きな雪が見られたのも幸せだった。みんな優しくて会えるのが楽しい。
★遊んだことないベイブレイドができたし、同い年の子と話せて楽しかった。久々にみんなと会えて嬉しかった。
★最初は泣いちゃったけど、すごく楽しかった。お兄さんと歴史の話もできて嬉しかった。
★皆がそれぞれらしく、無理したり押し付けあったりせずに、遊べるのがはやぶさらしくて良いなと思う。
決まりやルールも大事だけど、最低限だけ決めてもらえたら、あとは俺らも考えながらやれるから、そのうち母さんたち来なくてよくなったりして。寂しい?(笑)
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

クローバーの会では、先日のカラオケが楽しかった! という声が多かったので、また行こうということになりました♪
日 時 : 令和6年2月・3月あたりの昼間
場 所 : 岡山県内 カラオケ店(参加者には集合時間や場所などLINEで連絡します)
参加費 : カラオケ代を家族分で割らせていただきます。
詳しい内容はクローバーの会LINEで相談しながら決めています。
今回は参加できないかも? という方も是非入ってくださいね。
メンバー大募集中!!
ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹もASD診断が出ている場合には参加可能)。
気になる方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)

あきよさんのパン作り交流会 報告

1月25日(木)おひさまハウス食堂にて、パン作りお話交流会を行いました!!
保護者がほっと一息つける楽しいイベントを企画しよう!ということで始まりましたお話交流会ですが、1月のケーキ作りお話交流会に引き続き、第2回目は、パン作り交流会でした。
今回は、マヨネーズパンとハムロールを作りました! みんなで捏ねて、成形し、トッピング★
パン作りが初めても方もおられましたが、楽しいー!と、笑みがこぼれておられました。
みなさん思い思いのかたちに仕上がり、美味しくいただきました。
子どもの学校の話や、先輩お母さんたちの苦労話など交流もできて、自分だけが大変なんじゃない!と笑い合える瞬間もあり、良い時間となりました。
次回のお話交流会は、2月26日(月)の『みちこさんの おこわ作り』です。お楽しみに!!(正会員限定)

水泳教室のお知らせ

日 時:令和6年2月18日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は2月15日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

癒しのマッサージ座談会 の ご案内

気楽にお話しできると好評の「癒しのマッサージと座談会」第3回を開催いたします。
ご希望の方は、赤磐市内のご自宅サロンMOFを運営されている松嶋さんのワンコインマッサージを受けながら、みんなで美味しいケーキとお茶をいただき、楽しくおしゃべりする会です。
子育て、学校での悩みや相談ごとも、同じASD児を育てるお母さん同士、話しあっているうちに、身も心も軽くなっていくこと間違いなし。
もっとも“身”の方は、マッサージのおかげかも知れませんが・・・。
初めての方も遠慮なく、隣には自閉症関連の本もたくさん揃っている図書室もありますので、事務所の見学も兼ねてどうぞご参加ください。

  『 第3回 癒しのマッサージと座談会 』

日 時:令和6年2月9日(金) 10:00〜12:30
場 所:育てる会 事務局 1F 大広間 (赤磐市上市355-2)     
参加費:300円(お菓子・コーヒー付き) マッサージ希望の方は+500円
申込み:事務局(Tel.086-955-6758、E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp)(正会員限定)

お母さんコラム

中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、息子の三者面談(先生・息子・母)がありました。
普段の様子やテストの結果の話、頑張っていることなども色々教えていただき和やかに進み、
「最後に何かお母さん聞きたいことありますか?」と聞かれたので
「先生から見て、息子の気になるところや直した方が良いところってどんなところですか?」と伺うと
「実は・・・」と少し濁しながらお話されたのが。
「学校の給食中に、放送で色々音楽がかかるんですけど、その中で知っている歌がかかると、唐突に歌いだすんです」
「先日はback numberのアイラブユーでした」と。
ギョギョギョですよね。
その場に息子もいたので「なんで歌うの?」と聞くと
「だって知っている曲だったから」と。
字義通り!(笑)
「いやいやいや、知っている曲でも普通歌わないじゃろ」と言うと
「なんで?母さんも、知っている曲がSpotifyとかでかかってたら歌うじゃろ?」と。
「そりゃそうだけど、さすがに食事中は歌わないじゃろ」と言うと
「そうなん?」との答え。
考えてみると、家庭で音楽をかけている時は、好きな歌なら歌います。
でも、家庭では音楽をかけながら食事をすることはありません。
お店で食事している際に音楽がかかっていることがあっても、学校の放送ほどの音量ではなくBGM程度です。
つまり、曲がかかっていてよく聞こえる→知っている曲だ→歌おう!となったようで。
給食中、大きな声で歌うと周りの人の給食に唾が飛んだりするし、嫌な気持ちになることがあるんだよ、と伝えると
「コロナも大分落ち着いて、給食中に喋ってもいいルールになってきているのになぁ」となんとなく腑に落ちてはいないようでしたが、クラスの皆からも「歌わない方がいいと思うよ」と言われたそうで、「これからは気をつける」と言っていました。
納得したものの、「普通、周りの人って、そういう『こういう時は歌うけど、こういう時は歌わない』みたいなルールって、どこで学ぶんだろう?」と。 確かに。
改めて教えられていないし、ルールとしても決められてはいないけれど、なんとなく給食中は歌わないものです。定型発達の人ってすごいですね。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「調子が悪いってどういうこと?」です。
娘が帰宅した際、「今日ちょっと学校で嫌なことがあったの」と言ってきたので、理由を聞くと「小学校で朝から、ずっとお腹が痛かった」と報告してきました。
「え?先生には言ったの?」と聞くと、「言っていない」とのこと。
「なんで??健康観察とかあるでしょう??」と聞くと「あるけど」と言うので、言いにくかったのか・痛みを自覚しにくかったのかなど、色々選択肢を出しながら聞いていくと
「健康観察では、熱があるかとか咳が出ているとかそういうことは聞かれるけど、お腹が痛いかどうかは聞かれないから、答えるチャンスがなかった」とのこと。
「そういうのも答えたらいいんだよ!」と教えましたが「そしたら、眠たいとかは?」と聞かれたので、「それは・・・言わないかな・・・」と答えながら、自分の子ども時代を思い出しました。
体調を崩すと、病院に行きますよね。
そうすると医師から「どこが・いつから・どんな風に痛むのか」を聞かれます。
「シクシク痛いの?ずきずき痛いの?」と聞かれても、そんな比較が、今この瞬間での痛みでは思いつきません。
お腹などを触られて「ここ?」「こっちが痛い?」「こっちは?」と聞かれても、それさえもはっきりしません。
初めての妊娠の時は、特に困りました。お腹の張りなんて、自分で体験したことがないですもんね。
瞬間的に判断できず、答えられず、そういうことで病院に行くのが苦手でした。
今はどうしているか。
病院に行くときには、自分の中で痛みがいつから始まったのか・どこの部分が痛いのか・「シクシク」「ズキズキ」「チクチク」など例えるならどの痛みなのか・どうなりたいのか・薬の種類(粉薬とか錠剤とか)の希望や苦手があるかを考えておき、メモしたものを診察券と一緒に受付で渡すようにしています。
これ、子どもたちの受診の時もとても助かりました。
本人は説明できないので親が説明しないといけないので、余計に必要で、でもいざとなるとうまく説明できないので。こんなことも、生活上のコツの一つですね。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」と「ぐんぐんタッチ」です。

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

大寒を迎えますます寒い日が続いていますね。
療育が始まる時間になり戸を開けると、冬の冷たい空気とともにお子さんたちが笑顔で入室してこられます。かわいい笑顔に元気をもらいつつ、気が引き締まる瞬間でもあります。今年度もあっという間に残り3か月、1回1回の時間を大切に子どもたちと関わっていこうと思います。
Aくんは笑顔がとてもかわいい恥ずかしがり屋の男の子です。
ある日、支援者に見せるためにお気に入りのミニカーを持ってこられました。支援者に会うと緊張のあまり表情がこわばっていたお子さんの変化に嬉しい気持ちになりましたが、療育に持ってくるべきものではないので「見せてくれてありがとう! 今度からおうちに置いてきてね」と伝えました。
次の週、ミニカーは持ってきていませんでしたが、ぬいぐるみを持ってきて見せてくれました。
支援者としては、ミニカーなどのおもちゃは持ってくるべきものではないものと判断して伝えたつもりでしたが、Aくんは支援者が伝えた言葉を字義通りに受け取っていたことに気がつきました。それと同時に伝え方が悪かったなと反省しました。
そして改めてAくんに分かりやすい伝え方で「ぐんぐんぴっぴに不必要なものは持ってこない」を伝えたいと思い、机上活動の時に、Aくんが療育に持ってきているリュックの写真とおやつや飲み物のイラストを見せながら、「ぐんぐんぴっぴにはこれだけ持ってきてね。他の物は持ってこないでね」と伝えました。(次回来所時に家庭で他の物を持っていきそうになったらお母さんと確認ができるよう、同じ写真とイラストをお渡ししておきました) 
その日以来、Aくんは不必要なものを持ってこられなくなりました。
一連の様子を見たお母さんが、家庭ではなかなか母の指示が聞けないとお話しくださいました。
具体的な様子を聞くと、うがいをする場面でいつまでもうがいをしたり、洗面所のスイッチなどで遊んでしまったりするそうです。
その際に 「いらんことしないで」「迷惑かけたらだめ」とつい言ってしまい、Aくんが泣いたり怒ったりしてしまうことが多いとのことでした。ついつい言ってしまいがちな言葉ですよね。私自身も家庭では大いに身に覚えがあります・・・。
ですが、ASDのお子さんにとっては、うがいをどのくらいして切り上げたらよいのか暗黙的には学びにくかったのかもしれません。
「いらんこと」「迷惑」とは何か、じゃあ結局どうすればいいのか、分かりにくかったかもしれません。
療育の持ち物についてA君に伝えた時のポイントをお母さんと確認しました。
・“見てわかる形“(視覚的・具体的)で伝えた方が分かりやすい
・「○○しないで」と禁止だけを伝えるより、「○○して」とOKを伝えた方がどうするべきか分かりやすい。
以上のことを意識してAくんに伝えることを提案しました。
すると、次週の連絡帳にて「コップの中の水がなくなるまでグジュグジュパしてね」と伝えることで適切にうがいができたと報告していただけました!
うがい以外の場面でも「お口の周りの白いのがなくなるまで洗って」等、見て分かりやすい形で伝えると一人でできることが増えたとのことでした。
今までは言っても言ってもできないことが多く、イライラして叱ってしまうことが多かったけど、伝え方をかえるだけでこんなにもできることが増えることに驚かされたとのことでした。
そしてお母さん自身もイライラすることが減って良かったと話してくださいました。
私もAくんの療育での姿やお母さんからのお話で、「できない」ではなく「伝え方があっていないかもしれない」と捉えて本人に合わせた伝え方をすることで、その子の本来の力が発揮しやすくなることを改めて感じました。
また、お母さんが日ごろからAくんのことをよく観察しているからこそ、Aくんにとって分かりやすい指示を出すことができたのだなと思います。
これからも、ASDをもつ子どもの理解の仕方の特徴を保護者と一緒に確認し、本人にとってもご家族にとっても少しでも暮らしやすくなるような関わり方を考えていきたいと感じたエピソードでした。
(ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ:K)

ぐんぐんタッチ(児童発達支援・放課後等デイサービス)

ぐんぐんタッチが開所して、10ヶ月がたとうとしています。
利用してくださっているお子さんもぐんと増えて、PECSブックの数もぐっと増えました!
増えてきたPECSブックの収納方法に悩んでいたのですが、現在は、壁一面を使って収納を作りました。
今までは曜日ごとの箱に入れて収納していたのですが、重なり合ったPECSブックからカードがはがれ落ちて、「これ、誰の“てつだって”カード!?」と、カード迷子事件も多発していたのですが、それも解決!時には迷子になるカードもありますが、断然便利になり使いやすくなっています。
収納だけではなく、療育部屋も、これからもどんどん使いやすく改良していけるといいなと思っています^^
今回も、療育中のエピソードをご紹介したいと思います。
Aくんは、3歳の男の子です。5月からぐんぐんタッチを利用しはじめました。
大好きなものは、その単語の最後の言葉だけを「・ンダ!(パンダのこと^^)」と元気いっぱいに発話するお子さんでした。
療育開始時、まずは強化子アセスメントから。Aくんは、動物や車など大好きなものがたくさんあるので、強化子になるものを使って、早速、PECSを使った取り組みをスタートしました。
Aくんのご家族も、家でもPECSを使った取り組みをどんどん取り組んでいっていたので、フェイズもどんどん進んでいきました。
フェイズ4の3(文カードに欲しいものの絵カードと『ください』のカードを貼り、1枚ずつを指でタップして伝える段階です)までも進んでいき、いろんな場面、お母さんやいろんな先生にも、PECSを使って自発的に自分の要求を伝えることができるようになってきました。
ある日の療育で、4歳になる男の子Bくんと、あそびのエリアで一緒になる事がありました。
Bくんは無言語のお子さんですが、Aくんと同じく、PECSを使っていて、フェイズ4の3を練習中です。
Bくんは、お気に入りのバスを持っていました。ボタンを押すと音が鳴るバスで、その音がお気に入りのBくんです。Aくんも、バスは好きです。Bくんがバスを持っているのを確認したAくん。以前に、お友達が持っているおもちゃを直接取りに行く様子が見られることもあったので、スタッフはお子さん2人の近くで様子を見ていました。するとAくん、自分のPECSブックからカードを探しはじめました。
そして、『バス』・『ください』と文を作り、Bくんのところに持っていったのです。
お母さんや、いろんな先生に伝える練習は取り組んでいましたが、子どもに伝える練習は取り組んでいなかったので、お子さんに対してもPECSを使ってコミュニケーションをしようとしている様子を見て、お母さんと一緒に小さめな声で喜びました^^ 
発語はまだ単語のお子さんで、お友達と一緒に遊ぶこともまだまだ難しいこともあるのですが、PECSを使うことで、相手を意識し、そして相手に向かって働きかけるコミュニケーションスキルが確実に伸びています。
これは、1ヶ月くらい前のエピソードなのですが、その後、Aくんは発話でのコミュニケーションも伸びてきています。
「パトカー・ください」と、コミュニケーションパートナーがカードを読んでいるのを少しずつ真似して発話するようになってきて、「△○☆(まだ明瞭な発音にはなってない単語も多いですが)くたさい!」と伝えることができるようになってきています。
ちょうどこの会報を書いている日には、スケジュールの移動の時に、自分からPECSブックを持ち歩いて移動していました。
Aくんにとって、PECSブックが、“自分が伝えたいことを伝えるとっても大事なもの”になってきているんだなと思いました。
AくんとBくんのエピソードには続きがあります。
『バス』・『ください』、と、Aくんから伝えられたBくん。どうするかな??と、近くでAくんとBくんのお母さんと一緒に様子を見ていました。すると、大人から促されたわけではなく、BくんはAくんが自分に差し出してきた文カードをじっと見ていました。
「見てるね!」とスタッフはお母さんと確認し、どうするのかな!?と思ってみていると、、、Bくんは、持っていたバスをぐっと自分の後ろに引き寄せて隠したんです!
“渡すわけにはいかない!”と思ったのかなと思います。
つまりは、Aくんからのコミュニケーションが伝わったのかな!?と思う瞬間でした。
バスがほしかったけど貸してもらうことはかなわなかったAくんは、その後、自分のPECSブックに戻り、たくさんあるカードの中から、別のお気に入りの車を選んで、先生に要求を伝え、お気に入りの車をゲットし、とてもうれしそうに遊んでいました。
Bくんも、バスを大事に持って過ごしていました^^ 
“言葉でのコミュニケーション”はまだ難しいですが、でも、伝えたいことはいっぱいあるはずです!
言葉で伝えることは難しいけど、PECSがあることで、ちゃんと伝わる^^ 
コミュニケーションの手段を持っていることは本当に大事なことなんだと、子どもたちの姿から教えられている日々です。
日々、療育の中で、子どもたちの成長を目の前で見て感じることができます。
そして、その姿を、家族の方と一緒に見ることができるので、うれしい瞬間を一緒に味わうことができるのが、家族同室の最大の良さだと感じています!
もちろん、難しいこと、うまくいかないことも日々の療育の中ではたくさんあります。それも家族と一緒にその場を見て、同じことを見ているからこそ、“どうやったらうまくいくかな!?”を一緒に考えていくこともできます。
これからも、子どもたちのいろんな姿をご家族の方と共有し、一緒に考えていくことを大事にしていきたいと思っています。
(ぐんぐんタッチ 療育スタッフ:K)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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