5,便秘について
- ○便秘とは
- 便秘のには、それほどきちんとした定義がありません。便の量が少ない、または回数が少なくて腹部に不快な感じを覚える状態と言えますが、個人差が大きいものです。便通も3日に1回位までは、正常と言えるかも知れません。
- ○便秘の分類
- 便秘は、腸の通りが物理的に悪くなったもの(器質性)と腸の動きが悪くなったもの(機能性)の2つに分けられます。前者には、腸閉塞・大腸癌などの重篤な病気が含まれます。多くの場合は、慢性の機能性便秘です。これはさらに(1)弛緩性便秘、(2)直腸性便秘、(3)痙攀性便秘に分けられます。(1)は、高齢者や長い間寝たきりの人に見られます。(2)は便意を我慢する習慣のあるひと、また浣腸の乱用による場合もあります。便が溜まっても、出たい感じがしないのです。(3)は若い人に多く、腸があまりにも動きすぎて、きちんと便を前(胃や腸)から後ろ(肛門の方)へ動かさないため、兎の糞のようなコロコロとした硬い便が出ます。ストレスとも関係が深く、ときどき下痢にもなり左の脇腹から下腹がよく痛くなります。
- ○便秘の原因
- 上記の分類のように、様々な原因があり、時には、大腸のレントゲン(注腸)や大腸カメラで検査が必要になります。一番気を付けなければならないのは、大腸癌で、特に思い当たることが無いのに急に便秘になったりした場合は、注意が必要です。
薬の副作用が便秘の原因になっている場合もありますので、薬を常用している人は、一度主治医に確認してみて下さい。自己判断は禁物です。
- ○ 便秘の治療
- まずは、食事です。朝食を抜くのは、胃腸反射(御飯を食べた後に、腸が動いて便意を催す)がなくなるので、良くありません。胃腸反射を促すために、朝食事前に冷水を飲むことも効果があります。規則正しく、バランスの取れた食事を、また野菜などで食物繊維をしっかりとることも重要です。
排便習慣も重要です。朝食後は、便意が無くても一度はトイレに腰を下ろしましょう。出たいときに我慢すると、後で出なくなります。通学や通勤でトイレの時間がとれない人は、頑張って5分早起きをしましょう。適度の運動も胃腸の動きを促し、効果があります。腹部のマッサージもいいでしょう。
- ○下剤について
- 便秘の種類に応じて薬を使い分けします。まず、(1)の弛緩性便秘では、便を軟らかくして出やすくする薬と腸を刺激して動かす薬を使います。刺激性下剤は、常用すると次第に効かなくなり麻痺性の腸閉塞を起こすこともあるので、長期に連用すべきではなく、あくまで頓服で使うようにしましょう。(2)の直腸性便秘では、座薬があり、直腸を刺激して便意を促します。また必要に応じて浣腸も使います。それでも効かない場合は、摘便をしないといけません。(3)の痙攀性便秘は、腸の動きを調節する薬や必要に応じて精神安定剤なども使います。
いずれにしても、出来るだけ薬に頼らずに済むように、生活や食事を常に見直して見ることが大切です。