11,予防接種は受ける?受けない?


 89年から導入されたMMR(麻疹・水痘・おたふくかぜ)ワクチンが副作用が多く、わずか4年で使用を中止されたことなどもあり、 94年の予防接種法改正に伴って、従来、集団接種で行われていた予防接種の多くが、医療機関で個別に接種されることになりました。新見市で現在、集団接種されているものは、ポリオだけです。以下の6種のものは、公費の負担で「ただ」ですが、保護者の責任で個別接種となります。個別接種については、市からの通知は来ません。

 自治体の補助の受けられる予防接種の範囲や、受けられる年齢制限が拡大された反面、 システムが変わったことや予防接種の効果と副作用についての情報がいまだに住民には周知徹底していないということがあり、行うべき時期を逸する例も多くなってきていますし、一部の予防接種では、接種率の低下も起こってきています。

 予防接種は、伝染病に抵抗力のある強い体を作るために行うとされているものです。
ここに、予防接種を、それぞれのお子さんが、どういう時期に受けるかのモデル・スケジュールを示しておきますので、参考にして下さい。概ね、母子手帳の予防接種の欄を左上から順番にしてゆけば良いようになっています。
 ここでは、基本的に厚生省の示している、予防接種を推進する立場でのスケジュールを示してありますが、予防接種による健康被害などから、接種に慎重な立場もあります。

ワクチントーク全国などが慎重論に立っており、参考になる情報が得られます。 また、ワーキング・マザーのなんでも相談室でも、ワクチンに付いての賛否両論の意見が交わされています。 参考になさるのも良いと思われます。

 ちなみに、MMRワクチンは、当時、義務接種であった麻疹ワクチンを打つ際に、「保護者が申し出ればMMRを接種できる」とされていました。群馬県前橋市医師会の調査では、無菌性髄膜炎の副作用が217人に1人。厚生省の報告した資料によると、統一株MMR接種者143万0072人のうち1564人が無菌性髄膜炎(933.5人に一人)あり、わずか4年のうちに5人が死亡。てんかんや麻痺などの重度の障害を残した子どもも二桁以上と見られています。副作用の主な原因は、おたふく風邪のワクチンと考えられています。


[ポリオ] 国内での発症は、ほとんどありませんが、東南アジアでは流行がありますから、早めに受けておきたいものです。新見市では集団接種で春と秋に行います。生後三ヶ月過ぎたら、服用します。春・秋と続けてでなくても良いですから、必ず2回服用して下さい。でないと十分な免疫が出来ません。

[ツ反・BCG] 新聞でもたびたび記事が出るように、結核は再度流行のきざしを見せています。阿新管区でも毎年数人の新規患者があります。これも、できれば1歳までに終える様にしましょう。生後三ヶ月から受けられますので、タイミングが良ければ、早めに受けて下さい。ただし、科学的に効果が証明されているのは、乳児の粟粒結核の予防だけです。

[三種混合]  そのあとは、三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)の接種開始です。生後三ヶ月からできます、このワクチンは、接種回数が多いので、早めに始めませんと、四歳までに一応完了するという目標が達成できませんし、また、2歳以下での百日咳は重症になることがあります。最初は、ほぼ4週(3〜8週)間隔で3回受けます。これで基礎的な免疫ができますから、ひと安心です。次に1年後にもう1回1期の追加を受けます。接種の間隔があいてしまった場合、やり直しをしないといけないかどうかは、担当の先生とよく相談してみて下さい。

 あとは、小学6年で、二種混合(ジフテリアと破傷風)として集団接種で第二期を受けます。

[麻疹] 誕生日がきたらすぐに、麻疹の接種を考えて下さい。1〜2才ではしかにかかる子もおおく、我が国でも年間30〜50人の子が重症化したはしかで死亡しています。最も重要な予防接種であり、一歳の誕生日が来たころが最適で1回で済みます。誕生日がきたら麻疹、と考えておいて下さい。この予防接種の必要性に関しては、多くの医師が認めています。

[風疹] 麻疹の接種後、一ヶ月をへれば、風疹の予防接種ができます。従来は、中学二年生の女子に対して、集団接種でありましたが、それはもう廃止されています。ただし、移行措置として、H15年9月30日までは、昭和54年 4月2日から昭和62年10月 1日までに生まれた「中学生」は個別接種で行うことができます。新しい考えでは、集団生活の始まる前に免疫をつけて流行を防止しようとするもので、男女とも行うことになっています。

◆[日本脳炎]◆  最後に日本脳炎ですが、もっとも賛否の分れる予防接種です。年間の発症は、10例以下ですが、脳炎を発症すると重症となりえます。1期の予防接種3回は、医療機関で個別に行います。3歳未満では副反応の頻度が高く、3才を過ぎてからが標準的接種時期です。1〜4週間隔で、2回続けて接種し、1年後にもう1回で約4年有効です。あとは、小学4年生頃と、中学2年生の頃に追加接種をします。99年以降は、これらも個別接種となりました。医療生協 阿新診療所では、病気の発生頻度と予防接種の副作用の頻度に鑑みて、現在、日本脳炎の予防接種は受け付けておりません。


★ BCGは4才まで、その他の5種類は、いずれも生後90ケ月までとなっています。つまり、七歳半です。では、それまでにやればいいのだ、ということではありません。 なるべく、この指針にそって、きちんと接種をしてあげて下さい。法の定めた期間内に行われた予防接種については、入院するほどの副反応による被害が生じた場合には、自治体が責任をもって救済することになっていますが、期限を過ぎますと、それも無くなります。

★ なお、上記の予防接種の実施主体は、自治体です。どれを個別接種、どれを集団接種としていくかは、自治体と医師会とが話し合って、体制の整ったものから、個別接種に移行しています。ですから、ある町では集団接種でまだ行っているものが、となりの町ではもう個別接種になってる、というものもあります。ご注意下さい。

★ 流行性耳下腺炎(おたふく)、水痘(水ぼうそう)、インフルエンザなどは「任意接種」として個別に医療機関で行います。これらは、公費の補助がなく、有料となります。
 おたふく風邪は重症化する場合がありますが、ワクチンの効果は比較的弱く、MMRで起こったような無菌性髄膜炎などもあり得ます。思春期以降であればおたふく風邪からまれに睾丸炎を起こす事もありますがめったになく、どうしても、心配だという場合だけで良いと思われます。
 水痘は、治療薬もあって、軽くて済む場合が多いので、どうしても学校や保育園を休ませたくない場合などに限られるでしょう。
 インフルエンザは、受験生や体力の低下したお年寄りなどの他は、特にお勧めしません。流行するインフルエンザの型の予測は、以前よりかなり正確になってきていますので、社会での流行防止は出来ませんが、個人防衛には、一定の効果が期待されてはいます。13歳未満では2回、13歳以上は大人も含めて、1回の接種で良いと考えられます。
 詳しくは、かかりつけの医療機関にご相談下さい。


予防接種対象年齢

予防接種対象年齢の表
(注1)
BCG:小学校1年生、中学校1年生でツ反検査で陰性の人はBCGを受けます。小学校1年生、中学校1年生でBCGを受けた人は、小学校2年生、中学校2年生で ツ反検査で陰性の場合、再度BCGを受けます。
(注2)
風疹は、平成7年度から11年度までの間、小学校1年生の人も接種を受けます。

接種間隔について

ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
具体的ワクチン ポリオ、BCG、麻しん、風しん DPT、日本脳炎
つぎの接種まで 4週間以上あける 1週間以上あける

参考資料

予防接種健康被害認定状況

小児感染症の年齢別死亡者・患者統計(国内)

予防接種を受けに行く前に

(1)一般的注意
予防接種は健康な人が元気な時に接種を受け、その病原体の感染を予防するものですから、 体調のよい時に受けるのが原則です。 日ごろから保護者の皆さんはお子様の体質、体調など健康状態によく気を配ってください。 そして何か気にかかることがあれば、あらかじめかかりつけの先生や保健所、市町村担当課にご相談ください。 以下の注意を守って、安全に予防接種を受けられるよう、保護者の皆さんもご協力ください。

  1. 受ける予定の予防接種について、通知やパンフレットをよく読んで、必要性や副反応についてよく理解しましょう。わからないことは会場で接種を受ける前に質問しましょう。
  2. 受ける前日は入浴(又はシャワー)をさせ、体を清潔にしましょう。
  3. 当日は朝から子どもの状態をよく観察し、ふだんと変わったところのないことを確認してください。 接種に連れていく予定をしていても、体調が悪いと思ったら、やめる勇気をもちましょう。
  4. 清潔な着衣をつけさせましょう。
  5. 接種を受ける子の日ごろの状態を知っている保護者の方がつれていきましょう。
  6. 予診票は子どもを診て接種をしてくださるお医者さんへの大切な情報です。 責任をもって記入するようにしましょう。
  7. 母子健康手帳は必ず持っていきましょう。



(2)予防接種を受けることができない人
  1. 明らかに発熱のある人
    一般的に、熱のある人は、接種会場で測定した体温が37.5℃を超える場合をさします。
  2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
    急性の病気で薬をのむ必要のあるような人は、その後の病気の変化もわかりませんので、その日は見合わせるのが原則です。
  3. その日に受ける予防接種によって、または予防接種に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことのある人
    「アナフィラキシー」というのは通常接種後約30分以内に起こるひどいアレルギーのことです。 発汗、顔が急に腫れる、全身にひどいじんましんが出るほか、はきけ、嘔吐(おうと)、声が出にくい、息が苦しいなどの症状に続きショック状態になるようまはげしい全身反応 のことです。
  4. ポリオ、麻しん(はしか)、風しんでは妊娠していることが明らかな人
    お子さまには直接関係ない規則ですが、任意で受ける人のことも考慮したものです。
  5. その他、医師が不適当な状態と判断した場合
    上の<<1>>〜<<4>>に入らなくても医師が接種不適当と判断した時はできません。


(3)予防接種を受けるに際し、お医者さんとよく相談しなくてはならない人
これに該当すると思われる人は、主治医の先生がある場合には必ず前もって診ていただき、 その先生のところでうってもらうか、あるいは診断書又は意見書をもらってから接種に行きましょう。

  1. 心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などで 治療を受けている人
  2. 発育が悪くお医者さんや保健婦の指導を継続して受けている人
  3. 未熟児で生まれて発育の悪い人
  4. カゼなどのひきはじめと思われる人
    こういう時は体の状態がはっきりするまでなるべくやめておきましょう。
  5. 前に予防接種を受けたとき、2日以内に発熱、発しん、じんましんなどアレルギーを思わす異常がみられた人
  6. 薬の投与を受けて皮膚に発しんが出たり、体に異常をきたしたことのある人
  7. 今までにけいれんを起こしたことがある人
    けいれんのおこった年齢、そのとき熱があったか、熱がなかったか、その後おこっているか、受けるワクチンの種類はなにかなどで条件が異なります。 必ずかかりつけの先生と事前によく相談しましょう。 原因がはっきりしている場合には、一定期間たてば接種できます。
  8. 過去に中耳炎や肺炎などによくかかり、免疫状態を検査して異常を指摘されたことのある人
  9. ワクチンには抗原のほかに培養に使う卵の成分、抗生物質、安定剤などが入っていますので、これらにアレルギーがあるといわれたことのある人
  10. 家族の中で、または遊び友達、クラスメートの間に、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)などの病気が流行している時で、まだ、その病気にかかったことがない人


(4)予防接種を受けた後の一般的注意事項

  1. 予防接種を受けたあと30分は、接種会場でお子さまの様子を観察するか、先生とすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。急な副反応の出現に注意していきましょう。
  2. 接種後生ワクチンでは2〜3週間、不活化ワクチンでは24時間は副反応はこの間におこることがあります。
  3. 入浴は差し支えありませんが、わざと注射した部位をこすることはやめましょう。
  4. 接種当日はいつも通りの生活をしましょう。はげしい運動はさけましょう。


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