13,民間療法は効くのか?


○ 民間療法は効くのか?

 病院・診療所でもらった薬の他に、いろいろな民間療法を試している人は案外多いようです。はたして民間療法には効果があるのでしょうか? 医療機関で「医薬品」として使われている薬は、臨床試験などの科学的な結果から確かに効き目があるものを厚生省が認可して保健適応にしているものです。ですが民間療法の多くは、100人に配っておいてそのうち2〜3人が自然に良くなったり治ったりしたら、その人から体験談を集めてきて「高血圧によい」「肝臓病が治った」「糖尿病も治る」などと宣伝しているものがほとんどです。こうした民間療法には、高いお金を取られるだけでなく、中にはひどい副作用や中毒、アレルギーになるものもあります。

○ 民間療法の宣伝パターン

 こういった、インチキの民間療法には幾つかのパターンがあります。
(1)「体験談」がやたらとでてくる。祈とうや新興宗教などはほとんど「体験談」しか載っていませんね。
(2)やたらと成分名や専門用語がでてくるのも注意。「医学博士」が書いているから必ずしも正しいとは限りません。
(3)あまりに高額の商品は怪しいと思った方がいいでしょう。効き目があるから高いのではなく、儲かるから高いのです。まとめて買えば少し安くなるなどというのは、かなり怪しいです。
(4)医学的科学的に正しい記事がでていても、宣伝している薬とは関係のない話だということもあります。広告をよく読んで、本当にその薬の効果として説明してあるか確認して下さい。マッサージ機の広告に、糖尿病の話が出ていても、肩凝りにしか効きません。
 そもそも、万病に効くような薬はあるはずはないのです。効能がやたらと多いものは、毒にも薬にもならないと思った方が正解です。

○ 医学的に効果がはっきりしないもの

 具体的には、クロレラ、プロポリス、カニトップ、メラトニンなどの効果ははっきりしません。漢方薬には医学的に効果が判明して保健適用になっているものもありますが、成分がやたら多いのはおかしな処方です

○ 健康補助食品など

 カルシウムやビタミン・ミネラルなどを配合したり、線維成分を増やして健康補助食品として厚生省の認可を受けているものも幾つかあります。しかし、それは薬ではありません。普通に食事がとれていれば多くの栄養素は足りています。
 日本人のカルシウム摂取量だけはまだ基準以下のようですが、カルシウムでも取りすぎれば腎臓結石などの原因になる場合もあります。ビタミンも同様で取りすぎると皮膚炎や肝障害などの副作用がでる場合もあります。高価な民間療法の薬や治療機器を買うよりは、新鮮な野菜やおかずなど食費を増やして食生活を豊かにした方が、よっぽどためになります。

○ それでも試してみたいときは

 お金が余って使い道に困っているようなら試してみるのもよいかも知れませんが、安全かどうかは一度主治医の先生に相談をした方がよいでしょう。

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