20,性に関すること


○ 性の役割とは

 性(セックス)にまつわる話は、色々あります。倫理的・文学的・芸術的な話は、私の技量を超えますので、主に医学的なお話に限定して少し書いてみましょう。

 セックスは、生物学的にいうと、子孫を残すための生殖本能に基づく行為と言うことになります。本能的な欲望としての性は、売春・ポルノなど「性の商品化」を招きもしていますが、 文化をもっている人間は、単にそれだけでなく異性に対する愛情表現の1つとしても大切に考えなければならないものでしょう。

 また、若くして望まない妊娠をすることは中絶という手段があるにしても母児ともに不幸な事ですから、必要な避妊の知識と技術は持っておかなければなりません。

 ですが、夫婦のあるいは男女の間の愛情表現は、セックスだけではありません。会社の役職とか肩書、母とか妻とかの役割の束縛から解放されお互いに一人の男また女として 愛し合うセックスは悪くありませんが、いたわり合う気持ちがあれば、たとえセックスがなくても愛情は共有できるものでしょう。
 夫婦・男女のあり方は個人差が大きいですから、セックスが多くても少なくてもあるいは全くなくても、うまくいくカップルもあればそうでないカップルもあります。  若いカップルはセックスが盛んでも年と共に無理は出来ないと考える場合もあるでしょう。
 双方の希望や要求が噛み合わないときに、問題は出てくるでしょうが、それをよく話し合ってあるいはお互いに遊び触れ合うなかで解決出来るかどうかも愛情の深さに左右されるかも知れません。

○ セックスレスは異常?

 上に書いたように、セックスなしでもカップルが問題を感じていなければなにも問題はありません。片方または両方が問題に思えば問題になります。
 不感症とか潔癖性からセックスを忌避する場合もあり、場合によっては専門家のカウンセリングが必要になる場合もあります。

○ 自慰について

 自慰は、以前は否定的に考えられることが多かったようです。思春期のお子さんの自慰を見つけてもご家族がしかりつけたりするとかえってセックスに対して歪んだ感情を持つ場合があると言われます。
 自慰行為はある意味で、正常なものでそれで頭が悪くなるとか病気になると言うことはありません。あまり耽(ふけ)ると集中力が低下することはありますので、その点に注意をする程度で良いでしょう。

○ AIDS(エイズ)など性行為感染症

 AIDS(後天性免疫不全症候群)はHIVウイルスが原因で起こる病気で、セックスで感染します。特効薬はまだ開発されていません。
 欧米でも一時はフリーセックスなどと言って相手を選ばずにセックスすることが人間解放につながるように考えられた時期がありましたが、 AIDSの問題などもあって、現在ではステディ(決まった相手)とのセックスが安全であると考えられています。
 日本でのAIDS感染者も4500人を超え(H9年10月末のデータ)、不特定多数とのセックスは危険であると考えるべきです。

○ バイアグラは必要か

 勃起不全(EDと言います)の治療薬として、バイアグラという薬が出来ています。生活の質を改善する薬として養毛剤などと同じ位置づけて薬局で売られていますが、心臓病などに影響することもあり医師の処方箋が必要です。
 この薬は、いわゆる強精剤ではありません。性的な刺激により勃起しやすくなり、持続の時間が延びるというものです。EDの診断は、専門の泌尿器科でないと出来ない場合が多いので、他科の医師で処方箋を書かない場合もあり、当生協でも書いていません。 どうしても必要と思われる方は、専門医と相談なさるのも良いかと思います。


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