22,基準値(正常値)について


○ 基準値と正常値

 皆さんは、健康=正常値、病気=異常値と簡単に考えていないでしょうか?血液検査など、病気のあるなしを判断するために行うことが多いのですが、 どこで線を引くかは、実はかなり難しいのです。
 健康診断などのおおむね健康な人のデータを元にして、平均よりあまりにかけ離れていれば、病気を疑います。 この基準を非常に平均から離れたところにとって線を引けば、それを超えた人はほぼ間違いなく病気かも知れません。しかし、軽い病気で、データが平均から わずかしか離れていない軽症の異常者を見落としてしまうことになります。
 逆に平均に近すぎれば、見落としは減るでしょうが、間違って病気の疑いをかけられてしまう人が増えることになります。
 また、正常値という言い方は誤解を招きやすいので、現在ではそれに代わって、「基準値」「基準範囲」という言い方がされるようになりました。 1992年3月にアメリカ臨床検査標準協議会(NCCLS)が、健康な人100人の内95人が入る範囲、統計的に言えば平均±2SD(標準偏差)の範囲(全測定者の95.4%を含む)を 基準範囲(従来のいわゆる「正常値」)とするようにガイドラインを出しています。ですから、100人に5人は何ら異常がなくても基準値からはずれてしまうことになります。
 こうなると20項目の検査を正常なひと100人にした場合、全てが基準値の中に収まる人は、わずか35人になります。(0.95の20乗は0.358)

○ 検査結果の読み方

 検査結果が少し基準からずれていたとしても、余り心配のない事が多いのは事実ですが、100人の端っこの5人に入っているのですから、 どうしてその様な値になったのか、少し気をつけた方がよいでしょう。場合によっては精密検査が必要になります。
 たとえば、白血球数などは、個人差が大きいので、集団の基準値は幅が広く4000〜8000 程度です。ですから、これから少しぐらいはずれてもあまり心配はいりません。
 ですが、理想をいえば、集団の基準値よりも個人の基準値を元に判断をした方が正確です。毎年の検査で白血球が4000だった人が7000になれば、集団の基準の中ではあっても何か変化があったと見た方がよいということになります。 ただし個人の基準値を知るためには、何回も検査をしないと解りませんから、とりあえずは集団の基準値を使って判断をすることになるのです。
 

○ よく解らない時は

 検査は、健診や日常診療に使われているものだけでも数百種類もあり、その意味や解釈は専門家でなければ解りにくいものも多くあります。 自分が受けた検査で、結果の解釈がよく解らないものは、遠慮せずに、医師・看護婦・保健婦などに尋ねましょう。
 あまり心配しすぎるのもどうかと思いますが、無頓着で放って置いてはいけません。
 検査結果の伝票などをもらったときは、ノートへ貼ったりしてファイルしておくと、あとで比較でき役に立つこともあります。
 
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