25,紫外線と日焼け


○ 紫外線とは

 人間の目に見える可視光線は、プリズムで7色に分けられます。「紫」が最も波長の短いものですがそれよりもさらに外側の波長の短いものが紫外線(Under Violet)です。紫外線は、目には見えません。その中でもやや波長の長いものがUVA(400〜320nm)で皮膚の深くまで届いてしわやたるみの原因になります。これは、生活紫外線とも呼ばれ、曇りの日でもガラス窓からでも入ってきます。波長の中くらいのUVB(320〜280nm)は強い日焼けや皮膚がんなどの原因になり、海や山での日焼けの原因になるので、レジャー紫外線とも呼ばれます。波長の最も短いUVC(280nm以下)は、DNAを破壊するので、殺菌灯としても使われるものですが、幸いオゾン層で吸収されてしまうので地上にまで届きません。
 紫外線が1年のうち最も強くなるのは6月の夏至の頃で、梅雨の晴れ間などは強力な紫外線が降り注いでいます。

○ 日焼けは健康的か

 小麦色の肌は「健康的」と言われていますが、日焼けで赤くなるのは皮膚がやけどを起こしているのです。メラニンと言う色素が増えると黒くなってきます。紫外線は、シミ・ソバカスのみならず皮膚がんやその前駆状態とされる「日光角化症」の原因にもなり、特に白人には恐れられています。日本人などの黄色人種はさほどの危険は無いかもしれませんが、オゾン層の破壊などによって紫外線がさらに強くなると表皮の細胞の遺伝子に傷がつき皮膚がんになる可能性も増加してくると考えられます。また、紫外線は細胞を酸化させる「活性酸素」を発生させ、免疫力も低下させる働きもあり、単に皮膚の老化が早まるだけでなく、寿命にも影響する可能性があります。「人間は18歳までに生涯に浴びる紫外線の半分近くの量を浴びる」と言われています。子供は特に外で遊びたがりますが、若い女性に限らず子供の時からの紫外線対策が必要と考えられてきているのです。

○ 紫外線対策はどうする

 紫外線の多い午前10時〜午後2時は特に注意が必要ですが、まったく外出しないわけにも行きません。簡単で確実なのは紫外線をブロックする日焼け止めクリームを塗ることです。UVBの防止効果を表す数値がSPF(Sun Protection Factor)です。例えばSPF30ならば、何も塗らないで1時間たって赤くなる程度と、塗った場合の30時間とが同じくらいだと言う意味になります。一時期この数値で商品の競争になりましたが、今年からメーカーの表示は「50+」(50以上)が最も高い表示になりました。
 また、UVAの防止効果を示すPA(Protection grade of UVA)というものもあり、これは、「+(プラス)」〜「+++」までの3段階で表示されます。
 日焼け止めクリームは汗で流れることもあり、2〜3時間おきに塗りなおす事が必要です。不幸にして、日焼けを起こした時は、軽い時には水で冷やしたり、焼けた肌用ローションなどで処置が出来ますが、水ぶくれになった場合は、皮膚科などで適切な強さの副腎皮質ステロイドホルモンの軟膏をもらってつけた方が無難です。1週間以内の使用であれば副作用の心配のありません。
 普通ならなんでもない程度の日光にも過敏に反応する日光過敏症は、体質的な病気や、さまざまな飲み薬や塗り薬の副作用の場合もありますから、あまり程度がひどい時には一度、医師の診察を受ける方が安心です。
 最後に、日焼けをしやすい人と、そうでない人が、どのような種類の日焼け止めクリームを使えば良いか表に示しますので、クリームの使い分けの参考にして下さい。

神戸大学 皮膚科 市橋 正光 教授の著書より
スキンタイプ 紫外線の程度と浴びる時間
日常的な洗濯など 買い物・散歩など 野外スポーツ・海水浴
〜1時間 1〜3時間 3時間以上
赤くなりやすく、黒くなりにくい 10
30
+++
50+
+++
ほどほど赤く、ほどほど黒くなる 〜10
20
++
30
+++
黒くなりやすく、赤くなりにくい 〜5
10
20
++


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