28,肥満について


○ 肥満はなぜ悪い

 体脂肪が多すぎる状態を肥満といいます。体脂肪は、なかなか正確には測れないので、簡易的に身長から算出した標準体重を元に±10%を正常、+10〜20%を肥満の傾向(過体重)、+20%以上になれば、明らかな肥満となり人口の約1割の人がこの基準に達しています。肥満はさまざまな成人病の元になり、糖尿病は5倍、高血圧は3.5倍、胆石は3倍、心疾患では2倍出やすくなります。 また、肥満には何らかの医学的な原因がある2次性肥満と過食の他には原因のハッキリしない原発性肥満があります。肥満者の95%は原発性です。

 脂肪の分布によって、ウエストとヒップの比が男性で1.0以上、女性で0.9以上の上半身肥満とそれ未満の下半身肥満に分けられることもあります。また、おへその位置での腹部CTで腹腔内内臓脂肪面積(V)と皮下脂肪面積(S)の比(V/S)によって0.4を境に、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分けられることもあります。このように分けた場合は、上半身肥満や内臓脂肪型肥満の方が成人病になり易いと言われています。

○ 標準体重はどのくらい

 標準体重の算出方法には、いろんなものがあり、以前は身長から100を引いて0.9をかける数式が良く使われていました。この計算だと、身長の低い人には、かなり軽めの標準体重がでます。また、身長(cm)から50を引いて2で割るというものもあります。計算が簡単ですが、身長の高い人に軽めの標準体重となってしまいます。最近では肥満学会でも使われているBMI(Body Mass Index)を使い、統計的に最も病気になりにくいBMI=22を基準として、標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22をその人の標準体重とすることがほとんどです。たとえば身長150cmの人では、49.5kg。160cmの人では、56.3kg。170cmでは、63.6kgとなります。この標準体重を元に、肥満の判定を行います。

○ ダイエットのこつ

 減量をするには、食べるカロリーよりも使うカロリーを増やさなければなりません。体重1kgを減らすには、7000kCalを消費しなければなりません。現代人は、1日で約2000kCalを食べていますから、1割減らせば、1日200kCalマイナスとなり、1ヶ月=30日で200×30=約6000kCalを消費することになります。これでほぼ体重1kgの減量ができますから、月に1kgを目標に減量を続けることが大切です。2割で2kg、3割なら3kgとなりますが、そういった極端な減量は長続きしませんし、リバウンド(反動)ですぐに元に戻る場合もあります。
 運動も大切ですが、運動で使うカロリーは、わずかなもので、200kCalを運動で使うとなると、早足の散歩を1時間かジョギングを30分ぐらいしないといけません。脂肪だけでなく筋肉も減ってしまうといけませんから、適度な運動は減量に必要ですが、やはり中心は食事です。
 食事の回数を減らすと、体が食べたものを脂肪にして蓄えようとしますので、減量しにくくなり、軽く3食を食べる・間食をしない・肉、脂などカロリーの高いものを控えて、野菜や海草などカロリーの少ないものを中心にしてゆくことが大切です。
 男性の場合はアルコールがカロリー・オーバーの原因になっていることが多く、アルコールを飲むと気が緩んで食べるものもついつい増えてしまいがちです。女性の場合には、間食がいけません。食卓に付いたときだけ食べる習慣をつけたいものです。
 最近、よく言われる小児の肥満については、成長期にもあり、余り極端な食事制限はしませんが、とにかく食べる量が多いことがよくあるので、中身よりまず量を抑えます。早食いの子供もよくあり、満腹感を感じる前に全てたいらげてしまうようになるので、ゆっくり時間をかけて食べることが大切です。朝食は20分、夕食は30分を目安にします。食事も大皿からいくらでも取れるようなものより、一皿ずつ盛り付けて食べ過ぎないようにします。1口に20回ぐらい噛むこと。現代人全てがそうですが、子供もテレビゲームなど運動不足を起こしやすいので、万歩計を付けて運動をする、おやつはやはり必要ですがポテトチップのようなスナック菓子や清涼飲料水などカロリーの高いものを控えるなどの配慮が必要です。運動をする場合は、子供ひとりにまかせず、家族も一緒に散歩をするといったことも必要になります。家族そろって肥満ぎみな場合もあり、家族の食生活パターンを見直さないと子供だけ治せない場合もあります。



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