この痛風発作が起きるときは、かならず尿酸が高いと言う訳ではありませんが、何回か調べて高い値が続くようであれば、痛風と診断することが出来ます。
高尿酸血症(痛風) |
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尿酸値(mg/dl) | コメント |
8.5〜 | 治療が必要。高尿酸血症。 |
7.5〜8.4 | 境界型高尿酸血症 |
6.5〜7.4 | 生理的変動域 |
〜6.4 | 正常値 |
【基準値】
男性:3.6〜7.6 mg/dl
女性:2.6〜5.1 mg/dl
以上のように、尿酸には性差があり、基準値も男性が高めになっています。また、痛風の患者さんは、男性99%に対して女性は1%と言われています。
尿酸が排泄されにくいタイプの人が約60%、作りすぎるタイプの人が約10%、その両方の性質を持つ人が20〜30%と言われています。
また、7.0 mg/dlを超えたら、定期的に検査をしたほうが良いですし、8.0 mg/dlを超えるようなら、必ず医療機関で腎臓などのチェックもしてもらいましょう。
尿酸値が高い場合、痛風の痛み発作が出なければそれでいいかと言うとそうではありません。放置すれば、動脈硬化がすすみ、脳・心臓・腎臓などに悪影響をおよぼします。
高尿酸血症・原因は、肥満、飲み過ぎ、食べ過ぎ、運動不足、ストレス、遺伝、体質などがあげられます。以前は、食事の内容が強調されていましたが、現代ではアルコールの過剰摂取が最も大きな原因のようです。
まずは、日常生活の注意です。
1 | 標準体重を保つ | カロリーの多い脂肪は大敵です。特に動物性脂肪は、尿酸の排泄を抑制します。 また、果糖は尿酸の合成を促進しますので、生ジュースや果物をとり過ぎないようにしましょう。 |
2 | アルコールは控えめに | 尿酸の排泄を抑制します。また、ビールには特に多くのプリン体が含まれていますので、飲みすぎは禁物です。 休肝日を作っている人の方が、飲む量は同じでも、毎日飲む人に比べると血清尿酸値は低くなります。 |
3 | 水分を十分にとる | 尿酸の尿への排泄を促進します。高尿酸血症の方は、1日に2リットルの尿量が目安です。 運動すると汗をかいて水分が不足しがちです。しっかりと水分を取りましょう。 |
4 | 適度な運動をする | 散歩、ジョギング、サイクリングなどの適度な有酸素運動は、肥満の防止の面からも必要ですが、 激しい運動(無酸素運動)は逆に血清尿酸値を上昇させるので、注意して下さい。 |
5 | プリン体を多く含む食品はとり過ぎない | 以下の表を参考に。酒の肴にはプリン体が多いものがあり要注意です。 |
6 | 定期的に尿酸値を測定する | 自覚症状は、あてになりません。血液検査で調べてもらいましょう。 |
7 | 必要な場合は医師の指示どうりに服用を続ける | 生活改善だけでコントロールできない場合は、薬が必要です。服薬上の注意などもあります。 |
食品中のプリン体含有量
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食品名と一人前の分量 | 一人前に含まれる プリン体の量(mg) |
たまにしか食べないが プリン体が極端に多い食品 |
アンキモ(酒蒸し)50g イサキの白子50g 牛焼肉レバー120g |
152.8 122.2 |
プリン体の多い 日常食品 |
牛肉ヒレステーキ200g 豚ロースステーキ200g カツオ切身80g クルマエビ80g アジの干物 サンマ切身一切れ80g マグロ切身一切れ80g クラバガニ100g ヒラメ切身一切れ80g マダコ80g |
79.8 72.2 68.6 65.3 54.4 53.8 47.4 46.0 45.8 |
プリン体の比較的 少ない日常食品 |
鶏肉ササミ30g 干し椎茸5個10g 大豆20g かまぼこ4枚0 精白米65g カズノコ60g ウィンナーソーセージ30g えのきたけ20g プロセスチーズ25g |
18.6 16.8 9.8 8.2 6.3 5.9 4.9 0.7 |
アルコール飲料 | ビール大瓶1本633ml 日本酒1合 ワイングラス1杯 ブランデー40ml 焼酎湯割り1杯 |
2.2 1.0 0.2 0.1 |
関節がむずむずしたり、はれぼったいといった痛風の発作の前兆があったら、コルヒチンという薬を使います。ひどく痛むような痛風発作の時期には、痛みや炎症を抑える消炎鎮痛薬を使います。この時期には、コルヒチンは効きません。おさまるまでに1〜2週間かかります。
発作のない時期には、尿酸の合成を抑える薬や、尿からの尿酸の排泄を促すくすりを継続的に飲んで頂きます。尿酸値を下げる薬を飲み始めてからしばらくして、発作が起こることがあります。これは、関節などに溜まっていた尿酸が溶けてなくなる途中だからです。このような場合は尿酸値を下げる薬を飲みながら消炎鎮痛剤をあわせて飲みます。いままで飲んでいた薬を中断すると発作がひどくなる可能性があるので注意しましょう。
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