TOSS作州教育サークル 藤本 康雄

 
 1、ゲームを始める前の準備の指導のポイント
 初めてのことなので全員自分がすべきことを理 解できるように1つの指示を出し、
できたことを確認しながら進める。(一時一事の原則)

札を半分 半分にして10枚 10枚に分けます。
 
 

札を自分の前に5枚ずつ2段に並べます。
 
 文字が大きく書いてあるほうが表であることも確認する。

札を相手に近い机の端まで動かします。
 
 お互いさまだから 相手に近いようにする。
 

よろしくお願いします。といってお互い握手しましょう。
 
 
 2、ゲームを指導するポイントその1
 
 最初にすべてのルールを教えると混乱する。そこで、
札を1つ読み、ゲームを進めながら基本ルールを教えていく。
 
百人一首は上の句と下の句に分かれています。
下の句 取る札を2回読みます。
先生がゆっくり読みます。
さびしさにやどをたちいでて ながむればー
 いづこもおなじ あきのゆうぐれ

いづこという札を取ります。
 
いづこもおなじ あきのゆうぐれ

取れた人、手を挙げます。
 
 取れた人を確認する。
 
 
 次の札「あしびきの〜」

取るとき「はい」と言いなさい。
 
 
「はい」ということで教室が活気づく。
次の札「めぐりあいてー (以下略)」
 

 同じ札に手が出た時は、手が下にあった人が取ります。全く同時だったら、じゃんけんです。
 
 
次の札「きみがためー (以下略)」

札をさがす時は、手はぶらさげず、体の一部につけておきます。
 
次の札「きりぎりすー (以下略)」

取った札は、右か左端におきます。

 
次の札「 〜(以下略) 」

声を出した人は、おてつきとして一枚、札を場にだしてもらいます。
 
 これでぴたっと静かになります。
 ○○君、声を出しているのでおてつきです。
 

間の時間にうらを見ていいです。しかし、
次の札を読み始めてからはだめです。
 
このルールで、子どもは試合中に上の句を覚える
ことができる。

まちがえた札を取ったら、自分が取った札を場に出します。
 
 

今、札を取った人は、場にでている札を取り
ます。
 
次の札「 〜(以下略) 」
 
 
 
札を17枚まで読む。17枚終了時点で札の枚数を各自で数える。
 
 
 3、試合後、対戦相手を変える指導のポイント
 
 五色百人一首では、勝敗に応じて席を移動して、
次の対戦相手を決める。するとお互い強さが同じ者同士の対戦となり、試合が白熱する。
 

取った札を数え終わったら、机の上に札を
置きなさい。
 
 札をもったまま席を移動すると、札が混ざってしまい、試合にならなくなってしまうので、まず
「札を置く」ことである
 
 
 
あらかじめ、黒板にネームプレートが貼れる枠と
机の番号を書いておくとわかりやすい。
 
 
 
 4、その他、より百人一首が面白くなる指導の ポイント
 
 「ゑ」、「ゐ」など現代仮名遣いにはなくなってしまった文字は、
出てきたらその都度「こう読みます」と教えることで、子どもは読み方を覚えることができる。
 試合中に声を出した人は、おてつきとして1回お休みとして、
立って待つなどすれば、ざわつきをなくすことができる。
 
 
 5、五色百人一首指導にみる原理原則10
 
向山氏が主張されている2つのポイント
 
原則1 教師が札を読む。
 
原則2 自己流でもいいので朗々と読む
 
 
指導の原則  基本編(小松博明氏)
 
原則3 手引き書通りに行う。
 
原則4 一時に一事でやり方を教える
 
原則5 短い時間でたくさん行う
 
原則6 読み方を工夫する
 
向山氏は、百人一首の読み方について次のように述べている。
 
下の句を2回いや、3回ゆっくり読んであげてください。
 しかし、下の句を3回読むのは、2試合で大丈夫です。3試合目からは、
下の句も1回読めばとれるようになります。少し慣れてきたなと思われたら、
1回にしてゆっくり読みます。2〜3秒ほど間を置いて次の札を読みます。
次に普通の速さで読みます。そして、速く読むようにします。
 また、上の句と下の句との間をあけて読むときもあります。こうしますと、
覚えている子どもが有利になります。自然と子供たちは覚えてくるようになります。
 読み方の工夫で、子どもは乗ってきます。
 
原則7 ゲームのシステムをつくる
 
 勝った人は、上位のレベルにあがるシステムを作る。
 
指導の原則  発展編(小松博明氏)
 
原則8 すごく強くする。
 
原則9 覚えさせる。
 
原則10 流行させる。
 
 
引用
「向山型五色百人一首実践から見えた
  最初の指導10の原則」
 
「五色百人一首で学級づくり 高学年編」
小宮孝之 宮崎京子  明治図書