クラッチ交換
                                                   125,782q
                                                  2007,10,20

 走行距離も10万qを過ぎ、いつ来てもおかしくないクラッチ損傷による交換作業が
いよいよやってきました。

 今回のトラブル症状から修理箇所の特定、そして交換と、一連の作業には
シルベロッサーUSAさんと、師匠T氏の協力をおおいに頂いて、なんとか無事終えることができました。
 お二人には感謝&感謝でございます。

 44乗りの方のメンテナンス時のお役に立てるかどうかわかりませんが、お二人に感謝の意味を込めて今回も作業の様子を掲載します。
 なお、今回の作業は、あくまで個人で楽しんだ、個人の見立てによる作業順序でありますから、あくまで参考程度と考えてください。もっとよい交換方法があるかもしれませんから。
 

1,普段の乗り方はどうだったか?
  (1)毎日通勤に使っています。また土日もドライブ、買い物などに乗っています。
  (2)いわゆる「おとなしい運転」を毎日しています。
  (3)週末の早朝ドライブの時に、少し回して楽しんでいます。

  こういう乗り方を、購入以来6年半で約6万5千qを走行しました。

  おそらくクラッチ交換は、前オーナーの時にはやっていないと予想しています。
  つまり振動の軽減や乗りやすさなどを考えた純正のゴムラバーダンパークラッチディスクが
 入っていると予想しています。


2,トラブル症状
  (1)クラッチが繋がりにくくなった。
  (2)特に1速とバックギアが入りにくい。
  (3)峠を走った後、シフトがどこにも入らなくなった。ちょっと時間をおいたら入ったが、精神的に苦     痛を感じるようになった。
  (4)クラッチのミート時に下回りから、カチャカチャ音が発生。最初、ミッションケースから聞こえるた    めデフかミッションのOHが必要なのかと心配した。  
     ミッションは、アウディ製らしく、44についてはほとんど壊れないとのことを聴いて、疑いは、2点   に絞られた。クラッチかプロペラシャフト(トルクチューブ)か? 
  (5)エンジンオンで、ジャラジャラ音。クラッチを踏むとカラカラ音。


 以上のトラブル症状(1)(2)(3)から、まずクラッチの交換が必要だろうとの結論に達する。


3,部品の調達
   シルベロッサーUSAさんに依頼。
   注文部品内訳
    ○クラッチキット<プレッシャープレート、ディスク、レリーズベアリング>・・・・$620
    ○クラッチ・アライメントツール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・$ 10
    ○シフトフォークベアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・$ 21.36
    ○リアハッチロック・ラバーシール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・$  5.2
    ○クラッチ&ブレーキペダル・カバー                                  
                                                合計$656.56


  ここで、いろいろと部品のことでシルベロッサーUSAさんとメールで話をしました。
  通販大手?のZimsさんのSachs製のキットは$680で、これよりも安くて、性能的には見劣りしない
 ものをいろいろと探してくださいました。
  聴くところによると、アメリカでは944の草レースやポルシェカップ?などのレースがあるそうで、部  品もメーカー純正に劣らない、いわゆるOEM品などがいろいろとあるそうです。
  今回のクラッチキットは、ディスクがイタリア製で、これが安かったようです。そのほかは、Sachs製  つまりドイツ製です。ディスクについては、Sachs製と比べて、同じかそれ以上の性能とのことで、このキットを購入することにしました。
  これからクラッチ交換を考えられている方は、このキットがおすすめです。


4,交換作業
   今回の作業を書いてみます。作業の様子を思い出しながらの記述ですから、中に違ったことが
  あるかもしれませんが、整備書ではないので、よろしくです。
   作業される場合は、あくまで個人の責任でお願いします。当方は一切合切責任を負えません。
   
  (1)車をリフトアップ、左リアタイヤを外します。
  (2)バッテリー端子(+)を外します。
  (3)ボンネットからアクセスできる各センサー類を外します。
  (4)運転席に入って、シフトレバーを外します。レバーを止めているクリップをなくさないようにしてください。
    シフトレバーの根元は、トルクチューブについているレバーの受けとと繋がっています。
  (5)下に潜って、マフラーに付いているセンサーを外して、マフラーを外します。
     けっこう固着しています。
  (6)遮熱板などを外すと、トルクチューブが見えます。
      この時点で、クラッチカバーに付いているスターターモーターとスレーブシリンダーを取り外す。
       
  (7)トルクチューブを外します。
     前側は、クラッチケースに4本のボルトで留まっています。
     後ろ側は、ミッションケースのふたといっしょに外します。
     このとき、ミッションに繋がっているシャフトを分離させるために、2本の12角(6角だったか?)     を外しておきます。
        
  (8)ドライブシャフトを外します。12角レンチ使用。
  (9)ミッションを外します。
     このとき、必ずミッションを支えるために、ミッションジャッキをかませておきます。
    ミッションをつっているバーも取り外して、トルクチューブとミッションを傾けながら、分離させます。
    ミッションを後ろに下げてやればいいのですが、なんと後ろのスペアタイヤにケースに当たって、
     ミッションが後ろに下がらないのです。
     そこで、斜め方向にシャフトが曲がらないように慎重に下げます。
      
 (10)クラッチケースを取り外す。
     ここの上の方のボルトを外すのが少し手間取りました。やはり工具の準備が必要です。
     ケースに付いている?シフトフォークを取り外す。
     また、クランク角センサーがカバーを貫通しているので、それを上にずらしながら、外す。
 (11)プレッシャープレートとディスクを取り外す。
     
 (12)フライホィールのチェック
 (13)新品に交換
     六角レンチを使用する。
       
      トーションラバーがボロボロです。ディスク部分と上のプレート部分はもう
     ぐらぐら状態でした。さらに、プレッシャープレートの中に、ラバーのかけらが
     ちぎれて、たくさん詰まっていました。
      こんな状態でよく走れていたものだと思います。交換してよかったです。
 (14)シフトフォーク取り付け後、カバーを取り付ける。
      シフトフォークの爪がやや削れていましたが、このまま装着しました。
 (15)トルクチューブをクラッチカバーに取り付ける。
 (16)ミッションとトルクチューブのシャフトを繋ぐ。
      ミッションのシャフトとトルクチューブのシャフトが直線上に並ぶようにジャッキの位置を調整し     ながらジョイントをかませて、2本のボルトで留める。ここも、けっこうな作業です。
 
 (17)ミッションの固定をする。
      この時点で、スターターモーターとスレーブシリンダーを取り付ける。
     そして、ここでスレーブシリンダーのエア抜きをしっかりしておく。
      実は、ここの部分の作業がもう一つだったために、思わぬ心配事があとで起こりました。
     必ず、ここで「エア抜き」を!!(必須です)
 (18)遮熱板を取り付ける。
 (19)各センサー類を取り付ける。
 (20)マフラーを取り付ける。
 (21)後輪タイヤを取り付ける。
 (22)各センサー類を取り付け、確認をする。
 (23)バッテリーの端子を取り付ける。
 (24)エンジン始動
     しばらくアイドリングをして、学習をさせる。

 以上が、作業内容です。
 こうやって書くと、一つ一つこなしていけば、簡単に感じられるかもしれません。
 でも、実際にやってみると、ひとつの作業に大変な労力がいりました。
 何回もさわった経験のあるDラーさんや専門店さんなら短時間でできるかもしれませんが、
 はじめてさわる作業ですから、予想以上の作業時間をとられました。
  朝6時半スタート、夕方6時完了。11時間半、昼飯抜きの作業でした。

 聴くところによると、13とか15時間とかかかるようですので、「11時間半は速かった。」と言われると、
へぇ〜〜って感じです。 
 作業された方の中には、「もう2度としたくない!」らしいです。気持ちはよ〜〜くわかります。
 

5,交換後の走った感じ
   (1)シフトがストレスなくスムーズにダイレクトに繋がっていく感じがします。
   (2)とりあえず気になっていた異音が、しなくなりました。
   (3)安心して、走ることができます。(←これが一番だったりします・・・。)
   

改めて、今回の実際の作業をしてくれた師匠T氏と、部品の調達や作業に関する相談にたいへん
力を注いでくださったシルベロッサーUSAさん、たいへんお世話になりました。


付録の作業
  (1)リアハッチロック・ラバーシール交換
     これは、もうぼろぼろでしたので、いつかは交換してやろうと思っていた部品です。
    このゴムだけ注文となると、送料などの関係でもったいないので、今回のクラッチ交換
    の部品注文にあわせてお願いしました。交換して、心配事が減ってよかったです。
     
  (2)クラッチ&ブレーキペダルラバー交換
     新品に交換すると、やっぱり滑る感じがしませんね。
    もしかすると、走りに一番関係する部品かもしれませんね。


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