ただ辛辣なる此の夜に




『……何か用?雨の日には役立たずの大佐』



 辛辣な言葉が突き刺さる。
 出会ったときからずっとだけれど、相も変わらず連れない恋人だと思う―――このお子様は。
 しかしこの言葉にはぐぅの音も出ない。
 事実だから。
 克服しようとしていない自分を見透かされているようだから。
 天才と呼ばれながらも、努力という代価を支払いつづけていたこの少年にはバレていても、それはきっとしょうがない事だから。

 自室に戻ってから、情けなくも寝具へとうつ伏せた。
 布団にこもった自分の呼吸が熱い。
 あぁ、わずらわしい。
 本来ならば、自分も彼等の様に旅から旅へと世界中をしても良かったのだ。
 それが何を間違えたか軍に入隊なんぞした為に。
 ……それは、それは自業自得なのだが。

 国家錬金術師の称号を得て、自分が手に入れたモノ。
 同時に失ったモノ。

 どちらがどうと言う訳でもない。
 逆に云えば『切望するもの』がなかったのだ、自分には。

 ――――今までは



『……何か用?雨の日には役立たずの大佐』


 虚ろに、痛みを堪えた様な顔で、それでもまだ強がって。
 人工的に接続された腕の神経が上げる悲鳴を殊更押し込めて。
 そうやって強がる君が欲しいと言ったら、一体彼はどんな顔をするのだろうか。

 押さえ込んで閉じ込めて。
 それすらも彼の能力から考えるに不可能なのだろうけれど。
 考えるだけで心が踊る……まるで狂人のようだ。
 全ての思考が。
 全ての志向が。

 どうして彼一人に向いてしまうのか。

 羨ましいのか妬ましいのか、それとも憧れて止まないだけなのか。

 あの気高さに。
 あの誠実さに。
 あの―――子供とは思えない真剣さに。

「憧憬も欲望も、全て注いででも繋ぎ止めておきたいと思うのは 私のエゴなのだろうがね……」

 ただただ白いだけの天井に向かって自嘲の笑みを浮かべる。

「次に逢う時が楽しみだよ、鋼の」

 人口の耀きを遮る様に翳した手の平を強く握り込む。

 鋼の錬金術師を掌中に納める心象を描きながら―――





To be continued・・・・・・?



続く………のか!??Σ(゚□゚|||)
今後の展開が楽しみって云うか・・・・大佐って腹黒?
それはともかく、ヘタレ大佐万歳!!(≧▽≦)ノ