『イヌハダ』



 肌を撫でる風が、季節の変化を告げる。
 冷水が身体にくすぶる熱を癒す夏は、気がつけば去っていた。
 そろそろ庭先のホースで水洗いをする気温でもない。
 一磨はノラの丸洗いをどうするか考えこむ。
 風邪でもひけば困るし、な。
 ノラの沐浴方法を思索する飼い主様はやけに楽しげだった。

 夕刻、一磨自ら風呂の仕度をし、湯をはり終えたところでノラを呼ぶ。
「今日からは内風呂に入れ」
「へ。だって、いつもは庭で……」
 予想もしてなかったことを告げられ、ノラが呆気にとられる。
「もう水遊びをする時期でもなかろう。それとも、風呂の入り方をしらないのか」
「そんなわけねェ」
「だったら、さっさと行ってこい」
 ノラに向かってタオルを放り投げ、一磨は脱衣所の方向を指差す。

「湯加減はどうだ」
 風呂場の外から一磨が声をかけると、ノラはまだ洗い場で己と格闘をしていた。
 ノラの豊かな髪は、手際のあまりよくない当人には持てあまし気味なのだ。
「手伝ってやろうか」
 一磨が珍しく思いやりに満ちた発言をすれば、キモチワルイとばかりにノラはすぐさま拒絶する。
「ヤ、いい。来んな、絶対に来んな」
 そして、慌ててシャワーを全身にかけ、頭に泡を残したまま即座に湯船に飛びこんだ。
 一磨の思惑通りとも気付かずに。

「ぎィやぁーっ。アッチィ、アツイ、アヅイーっっ」
 露出した肌を真っ赤に染めて、ノラが悶える。
 はぜる熱湯、あがる絶叫。
 その声を聞き届ける一磨は満足げに口元を上げた。

 ペット本によれば、『猫の舌が熱い食べ物を拒むように、犬の肌は熱湯が苦手』とのこと。

 ノライジメの趣味と、記述内容の実証を同時に楽しむ一磨だった。
 ご愁傷様なのは、ノラの犬肌――。

『犬を洗うときは水かぬるま湯で洗いましょう』





戴いてからUPまで有り得ないほど期間が空いてしまい、大変恐縮です。。。(;´Д`A
なんと!このカズノラ炸裂無節操でスミマセン(滝汗)サイトに、
ノラカズ派の大御所よりご参加戴きました☆。

確かに熱い風呂とか苦手そうでね.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆
きっと一磨さんは平気で40度以上の風呂に長風呂とかしちゃうような人だったりするんでしょうけれども!!(妄想)
恐らく皆様 頻度の高い更新にホクホクされているでしょう
多彩なストーリー展開にメロメロVv サイトこと
『メッチャ・クッチャ』の管理人であらせられるメチャ様から頂きました、
『犬丸洗いフェスタ』第五弾作品公開です☆
掲載の可否検討どころか、狂喜乱舞で歓待させて頂く所存で御座いますよ!!
ご参加本当にありがとうございました!

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