イイフウフノヒ。
窓際の攻防とでも云うべきか―――
ここ何日かで、教室内では見慣れた光景が繰り広げられていた。
激しい音と、静まりかえった教室にけたたましい遣り取りが響く。
もっとも、けたたましいのは窓からぶら下げられた 一方だけだったが・・・・。
唯一の命綱は真狩の腕、という状況であるにも関わらず 例の用心棒は悲鳴半分に罵詈雑言を口にする。
その物言いに軽く溜息をつくと、真狩は軽く腕の力を緩め脅しを掛けた。
「ほう・・・・では失せるとするか」
「うわっ待て!!放すなボケー!!」
しかしどうにも言葉尻に余計なモノが付くのは避けられないようだ。
気付いていないのか性分なのか―――分かっていてあの真狩にそれだけの言葉を吐けるなら、それは相当凄いことだろう。
何せ相手は あの!真狩だ。
「それが人にものを頼む態度か?」
表情はあくまで冷ややかに。
鉄面皮と称されることもある我らが生徒会長は、どうやらあの用心棒の生死与奪権すら握っているらしい。
「てめー ぶっ殺・・・・」
着席したままでは窺い知れないが、反射的に口にされた言葉は続く悲鳴に掻き消された。
「ぎゃ―――落ちるー!!」
壁際で何かが擦れる音が微かにしたところから察するに、脅しだけでなく実際に腕に力を抜いたのだろう。
それは確かに怖い。
しかもココは3階の教室だ。
嫌がらせにしても酷すぎやしないか?
「大変だな 真狩んとこの用心棒・・・・・・・」
「えー?そうでもないよー」
思わずオレが口にした言葉に、横合いから軽い声が掛かった。
「比良坂?」
振り返れば真狩から受けとったと云うプリントを見ながら、この状況を取り乱す訳でもなく受け止めている。
「アレは痴話喧嘩ってヤツだよ?」
タコさんウインナーを頬張りながら箸で窓際を指し示す。
「放して良いのか?」
「ギャァァァァッ!!」
ある種、テンポ良く繰り返される会話は 状況が状況であれば笑えたのかもしれないが。
とても喧嘩なんて対等なもんじゃない気がする。
特に今の悲鳴なんか、心底恐怖した人間が上げるものだろう?
「・・・・・・マヂで?」
不審気に聞き返したオレに、彼女はコクリと頷いた。
「うん。だってこの間中庭でSPさんが食事してるのを覗き見? してた人達が、会長にお説教されてたもん」
果たしてそれはこの状況の説明として、正しいのかどうなのか。
「・・・・・・・へー・・・・・・」
それにしても、オマエ良く見てるのね、という胆管も込めて相槌を打っておいた。
その間にも比良坂は『二人とも危ないよー』などと形ばかり声は掛けているが 言葉ほど心配している素振りはない。
「大丈夫。会長がSPさん怪我させるなんてミス、するはず無いから」
にっこりと笑顔を浮かべて口にはするが、怪我させなきゃイイってモンでもないだろう。
「アレもスキンシップみたいだよ?ちょっと過激だけどね。悪意もあるんだろうけど!」
「救いがねぇな・・・・」
爽やかに放たれた台詞にやや遠方を眺めたくなりながらも、今日もエスカレートしていく遣り取りを昼休みの出し物のように眺める。
「あぁ。アレって夫婦漫才ってヤツだよ、きっと!」
・・・・・・・・・・・・・。
「独占欲・・・・・ってヤツか?」
食べ終えた弁当を片しながら笑う比良坂を振り返って、オレは少しだけ納得した。
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なんちゃって
『良い夫婦の日』SS
で御座います。
比良坂嬢には同人女かつ理解のある女性で居て欲しい今日この頃。
原作ではすっかりノラのこと餌付けてましたけどね。
取り敢えず、机に靴は乗せないように躾て欲しいものです。
・・・・・・あ。
それは一磨さんの役目でしたね☆
そんなこんなの11月22日.。.:*・゜.。.:*・゜☆
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