―――正直なところ恋なんてした事は無かったから。

 気がつけばいつもあげ足を取っている。






「ぎゃぁぁぁっ!!」

 些細な言い合いの原因は忘れたが、ぎゃあぎゃあと喚くのが煩いと思ったので口を塞いでみた。

 ―――口で。


 塞ぐといってもほんの一瞬だ。
 触れるだけの其れに、けれど突き飛ばす腕の対応は早かった。

「……っ何しやがるクソボケ!」

 絶叫してゴシゴシと手の甲で唇を擦るが感触は消えないのだろう。
 うえーっと嫌そうな声を上げる反面顔色に変化は無い。
 それは恐らく、先の行為を『キス』とは認識していないせい。

「五月蝿い奴だ。もう一度口を塞いで欲しいのか?」
 更に文句を口にしようとしていたノラが、その言葉に慌てて一歩下がった。
 下がった後に ハッとしたような顔で悔しげに舌打ちするのは、逃げを打った自分自身を忌々しく思うからだろう。

 じぃっと、その顔を凝視してやる。
 一時逸らされた視線が絡まって、それから緩やかに 頬が朱を刷いた。

「ぁ、な……っ あぁ!!」

 鈍い。
 致命的なまでに反応が遅くは有るが、今更のように口元を手で覆って目を白黒させている。
 この場合、赤金の双眸でもこの形容詞は使えるのかなどと思考が飛ぶ辺り 自分でも取り乱すことが有るのだな、と第三者的に納得をしてみせる。
 全く駄犬と居ると発見が多い。

「てめ……今……っ!?」
 劇的に変化を遂げた顔色は、茹蛸のようだと表現しても語弊はないだろう。
 俄かにワタワタし始めた姿に至極楽しげな ニヤリとした笑みを見せて、

「あぁ。キスだな」
「ッギャァァァァッ!!」

 一際大きな絶叫があがった。


 最近になって漸く知った、同世代の心の機微。

 成る程―――


『好きな子ほどいじめたい』











一磨さんだってお年頃ですもの!(胡散臭い笑顔で)
そしてノラ様が鈍い子なのはデフォルトです☆
―――当サイトは時々暴走します!

そしてこちらは 『NORA - ノラ - 題』様の所からお借りしてきました
『ノラ受派さんに10のお題』10番『不意打ち』でございます。


と、言い訳をして逃亡〜〜ヽ(*´∀`)ノ




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