いきなり次回予告 第一弾? |
『 いつもと変わらない朝だった。 しかし、ノラが目覚めると隣には英語教師のリヴァンが! ノラ「何いぃぃっっ!?」 すると突然ベッドの下から隣のクラスの一磨が這い出てきて!? 一磨「…おはようー」 次回「真夏の夜の夢☆」 昨夜ノラの身にいったい何が!?乞うご期待! 』 |
「乞うご期待!―――じゃねぇ!!てめぇら、オレの部屋(?)で何してやがるっ!!」 動揺して叫ぶノラの事など眼中にもないように、二人の視線が絡んだ。 絶対零度の凍てついた空気に少年の薄い肩が揺れる。 反射的に腰から下に蟠る暖かい布団の中に潜り込みたい気もするが、そこには何故かリヴァンが。 いつから居たのかは知らないが、普段と変わらぬ遣る気の無い表情は寝起きで更に酷い。 今ここでノラが布団を肩まで引き上げたところで、別にリヴァンは気にしないだろう。 昔は良くあった事だから。 しかしこの場にいる 過去を知らない男、一磨はきっとその行動を黙認する事はない。 一層体感温度を下げる冷や汗をかきながら、ノラは身動き一つ出来なかった。 「トコロで、貴様等いつから教育現場に所属していた?」 もぞもぞと這い出す作業もそこそこに、一磨が二人を睥睨した。 位置的には下になる視線に、蛇に睨まれたカエルのように硬直したノラ。 「かなり適当に、臨時教員として」 逆に全く意に介さないリヴァンは返事もそこそこに再び布団へと沈んでいく。 ―――ノラの腰を掴んで。 「ギャァ!リヴァンッ放しやがれ!!」 引きずり込まれる暖かな布団の海。 心地良いがしかし、横顔に突き刺さる一磨の無言の責めは痛いどころではなかった。 ノラの身は潔白だ。 たまたまリヴァンが布団に潜り込んでいたとはいえ、それは暖を取る為の身内的行動で。 だがきっとそんな言い訳を一磨が聞き入れる事はない。 早々に逃げ出さなければ、結果として待つのは一磨の『躾』という名のお仕置きだ。 過去のそれらを思い出して 耳まで羞恥に染まる。 許して欲しいと懇願しても許されないのは、快楽を通り越して苦痛である事を知ってしまった身には辛すぎる仕打ちだ。 「馬鹿犬」 ただ、呼ばれる。 一磨は床に腰を下ろしたまま、普段と変わらぬトーンでノラを呼んだ。 それだけの事に、可哀想な程動揺したノラが柔らかく暖かな殻を破り 大慌てで身を起こす。 「起きたッ!」 布団から這い出した 子供のような宣言に一磨が首肯する。 その様子に胸をなで下ろしながら うつ伏せに身を起こし掛けて――― 「ふぎゃ!」 奇妙な声を上げて、再び布団に突っ伏した。 「何しやがるリヴァン!!」 柔らかいとはいえ顔面からぶつかればそれなりに衝撃はある。 一番被害を受けた鼻の頭を抑えながらノラが叫べば、呼ばれた本人は意にも介さぬように布団の中から視線を上げた。 「寒いじゃねぇか」 「はぁ!?」 もう一度同じ言葉を口にして、そのまま再びズルズルとノラを引き吊り込んでいく。 「てめぇ……オイ!放せって!!」 本気で起きる様子のノラを、リヴァンの冷たい手が捕らえた。 水軍に所属する者は皆一様に体温が低い。 それは属性からして仕方のないことなのだが。 そしてそれが平熱なので特に問題はないはずなのだが。 しかし寒いと改めて口に出されれば、お子様なノラの心には細波が立つ。 「リヴァ……ン?」 心配している訳じゃないぞ!と主張するような表情とは裏腹に、体調でも悪いのかと色違いの双眸が揺れる。 応えない大人に、ノラの視線は一磨へと流れた。 無自覚ながらも刷り込まれた『自分よりも強い存在』である一磨へ伺うような気配が向かう。 「何時までも埋まっていないで、さっさと起きろ」 返す一磨の言葉は、先程までと変わらない。 立ち上がり様伸ばされた手を掴めば、腕一本で軽々と引き吊り出された。 それだけでも驚愕だというのに 、完全にベッドの外まで連れ出されてしまう。 まるで縫いぐるみでも扱うかのように軽々と。 人間の腕力では無い気もするが、初対面の時から変わらぬ力具合にノラには既に懐疑心すら浮かびはしない。 「俺は起きる気だったじゃねーか・・・・、って何だよ・・・」 立ち上がらされて、首を傾げる。 それは一磨がパジャマのボタンや掛け合わせに指を走らせているからに他ならない。 所要時間は20秒にも満たなかっただろう。 ノラには知り得ない何かに納得したように、一磨が着替えを促した。 納得がいかないがしかし、どうせ聞いても答えないだろう飼い主を後目にノラは部屋を後にした。 主の居なくなった部屋で二人、空気は酷く冷たい。 先に沈黙を破ったのはリヴァンだった。 「心配しなくても何もしてやしねぇよ」 もぞもぞと布団から顔だけを出して。 「心配などしていない。アレに隠し事は出来んし、俺に隠れて何かを出来るような躾もしておらんのでな」 面倒くさそうに這い出してくる姿を見下ろしながら宣言する。 だが確かに言葉の通り、ノラにはとてもではないが隠し事は出来ない。 単に顔に出やすいだけではない。 一磨を前にして白を切り通せるほど、ノラは図太くは出来ていないのだ。 「あ〜」 その点に関しては生返事を返しつつ、リヴァンは床に足を着くなり室内着から軍服へと服装を転化させた。 「ま。その辺りは魔王様の趣旨に従うさ」 いつものように扇子を弄びながら口にするのは、あくまで主従契約が生きている間限定の停戦協定に過ぎない。 「生憎と返す気はないぞ?期待しないで待つことだな」 返す言葉も冷ややかに。 |
主無き部屋に、冷戦勃発。 ノラの明日はどっちだ!??次週乞うご期待☆ 「次なんかねぇ!乞うなクソボケッ!!」 怒鳴り声は真狩家階下から、お届け致しました。 |