自分と他人の境界線




どんなことをしても、絶対に目にすることが出来ないものがある。
それは自分の顔なのだと、言ったのは一体、誰だっただろう?

たとえば、離れていくぬくもりに思わず目を開けた時。
繋がれた手を、握り返してみた時。
抱き締められても逃げずに、こっそりと視線を上げた時。
……そんな時の、相手の表情(かお)と言ったら!
(こっちが、恥ずかしくなるっつーの!)
イカレ野郎みたいにニヤニヤ、デレデレはしていない。
それでも、普段の凶悪面を知っているだけにほんの少し目を細めたり、頬を緩めたりするだけでかなり衝撃的だったりする。
(いっつも、こういう面……してたら、気味悪ぃか)
浮かんだ考えを、即座に否定する。
そして、髪や肩を撫でる手に促されるように、一磨の膝に頭を乗せながらノラは目を閉じた。

……どんなことをしても、絶対に目にすることが出来ないものがある。
それは自分の顔なのだと、言ったのは一体、誰だっただろう?

(それなら……こいつのこんな顔を知ってるのは、オレだけだ)

他の誰も知らない。
一磨自身ですら、知らない。

呪文のように、子守唄のように。そんな言葉を、心の中で呟いて。
自分だけの秘密を閉じ込めるように、ノラは今日も目を閉じる。




わ〜〜Vv
渡里様有り難う御座います。感激です!ヽ(*´▽*)ノ
甘やかされっ子ノラちゃんにですが、きっと一磨さんも同じように
「誰も知らないノラちゃんの顔」を知ってらっしゃるんでしょうね〜。
有り難く頂戴致します!
拙文を奉納したら、逆に素敵なものを頂いてしまって……、
本当にあんな粗品で済みませんでした!!(平伏)
感激です!!ヽ(*´▽`*)ノ