2000年のゴールデンウィークはキャンプへ行ってきました。
といっても、毎年のことなのですが。
今年は小豆島へ、4泊5日の長期キャンプ。
今までも3泊4日まではしたことがあったのですが、
カレンダーのめぐりの良い今年は、
念願の長期キャンプを実現することができました。
   
   
5月3日 休みの日はゆっくりと起きればよいようなものだが、遊びに行くとなると体が自然に目覚める。
肉体というものは正直である。
今日はキャンプに出かける。
上の娘は中学2年だが、さすがに親と遊ぶより友人と遊ぶ方がおもしろいようだ。
小学6年の下の娘は、親に付き合ってくれる。
いつまで付き合ってくれるかどうかわからないが、性格的にもキャンプを楽しめるタイプのようである。
アウトドアなどと最近は呼ばれているキャンプだが、性格的に全く受け付けない人もいるようで、
潔癖症と、じっとしていることの苦手な人には向かないようだ。

何度となく行っている家族キャンプは、準備も手馴れたもの。
妻との役割分担も自然にできている。
私が機材班で、妻が食料班となる。
日程は最低2泊の予定だが、何日いるかわからない。目的地の小豆島でさえ昨夜決めた。
もちろんキャンプ場も決めてはいない。
行ってから探した方が立地の良い場所を探せる。
この気安さがキャンプの醍醐味でもある。
すくなくとも私はそう思っている。

とにかく準備を済ませ、出発する。
新岡山港へ向かうまでに、スーパーと氷屋と忘れてはならない酒屋さんで買い物。
我々の荷物の中で、テントの次に重いのが酒類である。
ビール・ワインの白と赤・ボンベイサファイア(ジン)・・・・オイオイいくら飲む気だ!
酒飲みキャンパーも多いとは思うが、ジンのフルボトル持参ってのはきっと少ないはずだ。

フェリーの切符を買うのだが値段に驚く。高松へ行くより高いんじゃないのか?
とにかく乗船して、客室へ向かう。
これまた内装がオンボロ。後でわかったのだが、この航路に就航している中で最も古い船のようだ。
船にも当たり外れがあり、私はギャンブルに弱いことでも定評がある。

とにかく天気が良い。
海の上はさわやかで、デッキに出るとかもめも見える。
客が投げ上げるかっぱえびせんを、奪い合うように飛びついている。
ただし、この情景は私以外の見たもので、私はといえば、ひたすらシートで寝ていた。
小豆島へは、サイクリングやトライアスロンで何度も行っているので特に感慨はない。
身も蓋もないつまらないおやじである。

上陸後キャンプ場を探さねばならないが、既に午後4時を廻っている。
うかうかしていると、食事はおろかテントの設営も暗闇の中で行なわねばならない。
手近なキャンプ場から、しらみつぶしに見ていく。

最近はオートキャンプ場と称して、
まるで舗装のしていない駐車場のような場所でキャンプをさせるところが多くなってしまった。
木陰もない空き地で、車とテントが交互に整然と並んだ場所でアウトドアだそうである。
キャンピングカーのほとんど普及していない日本では、
オートキャンプ場とは、造成だけで手っ取り早くキャンプ場を作ったことの代名詞と考えて間違いないであろう。
経営者はキャンパーを減らすことに貢献したいようだ。

小豆島もその例に漏れず、地図に掲載されているめぼしいキャンプ場は駐車場と化していた。
その中でも特に目立っていたのは、右翼の街宣車オートキャンパー!
たしかにでかいバスだから、中で寝るのは造作もないことであろう。
しかし、バスから出てきた若い女性達は何のグループ?慰安旅行?謎だ。

結局、シルバービーチにあるキャンプ場に決める。
当初から、他に良い場所がなければここにしようと思ってはいたのだが、
「だったら最初からここに来いヨ!」
などと、私の家族は間違ってもそんなことは言わない。
やさしいから。
「ひととおり確かめてみたかったし・・・」
心なしか、私の発言が遠慮がちであったことに、誰も気づいてはいない。

さあ、日も暮れたからタープ(※註:屋根だけのテント。日除けや雨露除けになるがランタンの明かりを反射するので、夜もあったほうが快適に過ごせる。)を張るのは明日にして、ビールとバーベキュー。
屋外でのバーベキューは炭火を使えるので、自宅で作るものより格段に旨い。
ペッパーミル、様々な香辛料やオリーブオイルなど、食うことにかけては我が家は執着があるので抜かりない。
いや、私の執着が皆に伝染したといった方が正しいのかもしれないが。

えび・蟹・鮭・タン・カルビ・フィレ・ビール・白ワイン・ジン・・・・人間フォアグラ化計画の第一夜終了。


5月4日 妻の知人の親が亡くなり、急に一人抜けることになった。
3時のフェリーに送っていけばよいので、寒霞渓観光をすることになった。
絶景というやつを眺めたあと、ついでに銚子渓のさる園へ。

ここのサルはおとなしいそうだが、群でいるとやはり怖い。
ボスざるらしき1頭が2頭のメスざるにノミとりをやらせていたが、あの行為をなんというのか忘れた。

実際にのみを取っているのではないと思うのだが、毛を1本ずつむしっているようにしか見えない。
痛そうである。と同時に、私はやってもらいたくない。
理由は、私に面識のある方ならすぐにわかっていただけると思う。

しかし、野生の動物が腹を上に向けるなど、絶対的な自信を持っていなければできないはずで、
これについては羨ましい。
おまけにメス2匹ともなれば。

昼食後、妻を港に送っていったあとは、娘と2人きりだ。
まずは、潮干狩り用の熊手と、釣セットを購入して近くの浜へ。
昨日、キャンプ場を探してあちこちした為、潮干狩りのポイントと時刻は把握できている。
私のほうは投げ釣をしてみたが釣果なし。
ちなみに私は釣りはやらない。
魚を食いたいだけである。
あさりも小さいのが少し取れただけで、腹の足しにはならないが後で写真をとっておくことにしよう。

収獲したあさり。鍋の中にも残っているはず。少しだけ。たったこれだけ?

キャンプ場へ戻って釣の続き。
釣れたのはオコゼの小さいのとふぐの小さいのだけ。
どちらも食えないが、釣り竿に5センチばかりの膨れたふぐが3尾もぶら下がっているのを見たのは初めてだ。
かわいらしいが逃がしてやった。
大きくなって戻っておいで。
あくまで、食い気優先の私であった。
これが、カレイやアイナメであれば今夜の食卓はにぎやかになったのだが。

夕食の前にと、温水シャワーだと思って行ったコインシャワーは水であった。
つらい。が、気持ちいい。

昨年までの第2夜のメニューはパエーリャであったが、油濃いものが続くとつらいので、今年はしゃぶしゃぶ。
これは正解であった。
ファミリーキャンパーの皆さん、参考にどうぞ。
1に、材料は切るだけ。カンタン。
2に、肉、魚、野菜、うどん、なんでもあり。
3に、材料が余っても火を通さないので、使い回しがきく。
4に、ゴマダレとポン酢で、味の変化がつくから、酒がいっぱい飲める。

第二夜、人間フォアグラ化計画終了。


5月5日 このページをいきなり見た方はいないとは思うが、このページは決して美味しんぼのページではないので誤解いたしませぬよう。

昨夜は早寝したせいか、7時には起きて朝食の準備。
ガソリン2バーナーコンロを使用しているが、ご飯を炊くのはいまだに飯盒を使用している 。
慣れたものが使いやすい。
とか言いながら、なかなか巧く炊けないのも事実だ。
今朝も火から降ろすのが早すぎたようだ。
おかゆに近い。
納豆・味噌汁・海苔・ししゃも・・・・日本の食卓はこうでなくては。
(夕食はなんでもかんでもオリーブオイルを使ってしまうのだが。)

それにしても昨日から、娘が非常によく動いてくれる。
私もめずらしくこまめに動きまわる。
母親が抜けたキャンプ生活で、お互いに気を使っているのであろう。
しかし、悪い雰囲気ではない。
父親と娘というのは、変に甘えがないぶん、こういったときにはスムーズにいくようだ。
照れるほど子供が大きくないのが良いのかもしれない。

朝食の後はサイクリングに出かけた。
小豆島の北海岸は車が少なくて非常に走りやすい。
すれ違うアベックのサイクリストと、軽く会釈するのも気持ちよい。
30分ほど走って、大阪城残石記念館でイベントをやっていたので、ここで往復することとし、休憩にした。

記念館の中は昨日見ていたので、アイスクリームを買って岸壁に腰掛けていたら、釣り人の姿がちらほら。
ここなら食える魚がつれるかもしれないということで、キャンプに戻って釣り道具をとってくることにした。
娘は私が車で戻ってくるまで待っているとの事。
ずるいヤツである。
誰に似たのか、親の顔が見てみたい。

釣り始めるといきなり根がかり。
強引に引っ張っていると竿が折れてしまった。
リールと仕掛け込みで1350円の投げ釣りセットでは、使い物にならん。
私の技量に追いついてないようだ。
竿を立てて地球を引っ張ったから、私が悪いわけ?

仕方ないので、竿のないリールだけの投げ釣りセットで、釣りをはじめた。
いきなりピクピク!
20センチ位の魚が、続けて2匹釣れてしまった。
近くの釣り人に尋ねるとアイナメだそうである。
まったく、どういうことだ。
イヤイヤ、「弘法筆を選ばず」といって、私くらいになると竿なんぞ要らんのですよ。

キャンプに帰って昼食にする。
おかずはもちろん、アイナメのソテー。
完熟トマトとイカでスパゲティーを作るが、これも最高の出来。
レストランで食べると、二人で5000円はきっとかかる。
私って天才料理人?

キャンプ場のハエというのは、魚には非常に敏感だ。
野菜や肉料理のときはそれほどでもないが、
魚料理をすると瞬く間にハエが集まってくる。
昨夜のしゃぶしゃぶの残りも、朝までに猫が平らげていたし、
やはり人家近くの海岸でのキャンプでは、残り物の処分には注意しなければならない。
野良防止のためのマナーである。
気をつけねば。

マウンテンバイク2台

昼からは、しばらくグズグズ&昼寝の後、妻を迎えに港へ。
帰りに再び潮干狩り。
今度は3人分のアサリの潮汁ができるほどに収獲があったようだ。
明朝が楽しみである。
私は例によって釣れない釣に興じていた。

キャンプに帰った後、近くの温泉で汗を流した。
温泉といっても銭湯のようなもので、海水浴向けの施設である。
客は私たちのほかには1組だけ。
でかい風呂を独り占めした上で、お湯で汗を流すとさっぱりする。
気分は上々。

今夜は外食とした。
当初から氷がなくなるため、外食と予定していた。
実際は、氷の補充もできたし食料も残っているのだが。
小豆島の魚も食ってみたい。
寿司を食べに行ったのだが、まあまあといったところか。
生ものを食えるのだけはありがたい。

肉体が疲れると酢が欲しくなる。
出張に行くと決まってすし屋に行ってしまうのだが、
酢というのは疲労回復には良いそうだ。
有森裕子もスペシャルドリンクに酢を入れていたら、あるいはシドニーへ行けたかも知れない。
責任は持たないが。

ボンベイサファイアをロックでやりながら「ローマの休日」を見て寝る。
バッテリー式のカーナビでTVを見ることができるのだが、
ラストシーンで、
記者  :  「世界を旅してどこが一番気に入りましたか?」
オードリー: 「それは、ロー・・・・」・・・・ザーーーーー
この瞬間にバッテリーが切れてしまった。
予感はしていたのだが、こうもシナリオ通りにバッテリーが切れてしまうと笑ってしまう。

キャンプ場から眺める夕陽

人間フォアグラ化計画、第三夜終了。


5月6日 さて、今日はなにして遊ぼうか。
そう、小豆島といえば「二十四の瞳」
岬の分教場と、映画村見学。
観光地の紹介をここでしても始まらないので、詳しくはガイドブックを見ていただくとして、
近くの醤油工場直売店での佃煮の買い物とセットで、半日は充分に楽しむことができる。。

映画村の建物がすべて、何がしかの店になっていて俗っぽいのは免れないが、
安っぽい作りではなく、駄菓子屋があったりしてよく構成されている。
その中にある壺井栄文学館も、立派な展示内容である。


あっという間に時刻は夕方近く。
食料を買い足しに行くが、あまり欲しいものがない。
結局アイスクリーム以外は何も買わず。

夕食は残り物の食料整理をすることにした。
野菜炒めと、あまった鮭と肉を炭火で焼いて夕食とする。
オリーブオイルと香辛料さえあれば、立派な蒸し焼きができる。
キャンプでの食生活は、けっして貧しいものではないのである。
食にこだわるか、遊びにこだわるかの違いである。

我が家のファミリーキャンプで、食にこだわっているのは、
皆で遊ぶことが難しいからに他ならない。
殊に、私が娘と一緒に遊ぼうとすると、どうしてもどちらかが付き合ってやる風になってしまう。
大人はのんびりしているだけでも良いのだが、子供は遊んでいたいのである。
調理をしながら長時間の食事をするのは、遊びのひとつといえるかもしれない。

人間フォアグラ完成の夜。
当分の間体重計に乗ることはないはずだ。


5月7日 サイト全景
天気が崩れるとの予報。
起床後すぐに片付けを始める。
洗い物から始めてゆうに2時間近くもかかってしまった。
雨が降り始めたなら1時間もかからなかったであろうが、
次回のためにと、点検を済ませながら片付けているとなかなかではない。
それでもハンバーガー屋でゆっくり朝食を取り、10時40分のフェリーに乗船できた。
が、天気の崩れる気配なし。
あわただしく引き上げるよりは、ゆったりできて良いには違いないのだが。

当然のごとくフェリーの中では爆睡。
しかし、普段より疲れていないのはゆったりした日程のおかげか。
近場の小豆島であったが、予想よりはるかに楽しめたキャンプであった。

ちなみに、我が家では家族サービスという言葉はない。
今回も、最も楽しんだのは、どうやら私のようである。

テーブルクロスとハンモック