■猫の引っかき傷
猫の歯や爪には、パスツレラ菌という激しい炎症を起こす細菌(ウイルス)がついている事があります。猫に、咬まれたり、引っかかれたり、なめられたりした場合、軽く見ないで、すぐ水で洗い流してよく消毒するようにしましょう。放っておくとリンパ節炎を起こし、熱を出したり、化膿する事もあるので、ひどい場合は、病院で処置をしてもらいましょう。
- <ネコひっかき病>
- 猫によりリンパ節の腫れをきたす感染症疾患で、「ネコひっかき病リンパ節炎」という。2種類の病原体の混合感染と考えられていて、これらの病原菌に対する血清診断法が開発されつつあるという。ネコひっかき病を起こす猫にはノミが多数寄生していて、病原体が猫ノミにより媒介される可能性も。
【感染経路】
- 菌を保有する猫にひっかかれたり、咬まれたりだけでなく、なめられるなどの接触でも感染する事があり、人の場合は、20歳以下の男性に感染することが比較的多いと言われてる。感染は、特に生後12ヶ月以下の子猫からが多く、犬からも感染する事もある。
- 【人の症状】
- 猫にひっかかれたり、咬まれた部位が5日〜2週間後に何らかの症状を出す。
軽傷では、赤くなったり、水ぶれができたり、硬くなったりする。
約半数の人に、発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、食欲不振などの全身症状が出る。
リンパ節の腫れは、受傷部位が上半身に多い為、脇の下、首、肘の関節部が多い。
重症では、発熱が長引き、体重減少、全身性のリンパ節や肝臓や膵臓が腫れ、胸の中に水が溜まったりする。しかし、これらはほとんど治ります。
- 【予防】
- 特にない。猫は健康で問題もない。ノミの駆除と、定期的な爪切りと、清潔に保つことが大切。
- <パスツレラ症>
- 犬や猫の口の中や爪などにいる、パスツレラとう細菌が原因で感染する。
【感染経路】
- 咬まれたり、なめられたり、引っかかれたりする直接感染と、細菌がホコリなどに混じり空気中を漂っているのを吸い込んで感染する間接的な飛沫感染がある。
- 【人の症状】
- 傷の腫れ、疼痛、化膿。空気感染すると、副鼻腔炎、咳など風邪に似た症状。
この細菌が体内に入ると、わずか数時間以内に傷口が赤く腫れ、ズキズキと激しく痛み出し、ひどくなると傷の部分が化膿する。
傷が深い場合、骨にまで炎症を起こし、骨に穴があくこともある。
いつまでも治らない鼻炎の場合は、この病気の疑いがあることもある。
- 【予防】
- 外出から帰った猫や犬の足を洗い、歯磨きをしていること。
動物に触れたら手洗いと、うがいをする。
引っかかれたり、咬まれたりした場合、小さな傷でも流水で良く洗い消毒する。
猫の爪は常に短くする。
|