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猫の病気|  

泌尿器の病気
泌尿器は、血液をろ過して老廃物を尿として排せつする大切な器官。
水を飲むことが少なく濃い尿をする猫は泌尿器系の病気が多い。特に寒い季節や高齢の猫もかかりやすい。
尿路感染症(膀胱炎・尿道炎】【泌尿器症候群(結石】【腎不全(急性・慢性)】【尿道閉塞】【尿毒症

尿路感染症
ウイルスや細菌感染による炎症の総称。腎炎・腎盂炎・膀胱炎・尿道炎など。
尿が濃い黄色になりニオイが強くなるのが特徴で、飲み水の量も尿の量も増えますが、変化のない猫もいる。
尿検査により診断後、薬剤投与が中心になるが、短期間で完治するのは難しく、再発や慢性化の恐れもある。
 ◆膀胱炎
細菌や結石などにより膀胱内に炎症を起こしている。
オスの方が尿道閉塞が起こしやすい。尿道閉塞がある場合は、すぐに治療が必要。
  【症 状】
猫のオシッコは普通1日2~3回ですが、膀胱炎になると5~6回に増える。
飲水の増加、排尿の回数が多い、1回の排尿の量が少ない、黄色い尿が茶褐色や赤色になる、尿が出ない、悪臭尿、排尿時の痛み、濁った濃い色の尿、排尿時の終わりに血尿が見られる、白っぽく濁った尿など。
また、今までちゃんとトイレでしていたのに、部屋のあちこちに排尿をするようになることもある。
放っておくと食欲不振、嘔吐、腹痛などもみられ、尿毒症になり死亡することもあります。
  【治 療】
早期治療によって、ほとんどが回復しますが、適切な治療をしないと再発することも多い。
尿検査などをし、主に抗生物質による薬物治療。尿道カテーテルを入れて尿を出すようにすることもある。
手術(結石除去、奇形の整形、腫瘍の切除など)をすることもある。
  【予 防】
発症原因をできるだけ取り除く。
新鮮な水をいつでも飲めるように用意し、トイレを清潔にし、適度な運動をさせるなど、日頃のケアが重要。
排尿困難の気配があれば、すぐに病院で治療を受け、獣医さんのすすめる処方食に切り替える。
 ◆尿道炎
尿道の粘膜が炎症を起こしている。
歯周病など口腔内に炎症があり、外陰部をよくなめる猫に起こりやすい。
膀胱炎や尿道結石など他の病気の影響の場合や、交尾後に感染しやすいので注意が必要。
 【症 状】
尿をする時に痛みがあり、不自然な動作をするようになる。血尿が排尿の最初にみられる。
尿道に違和感を感じるため、オスは陰茎、メスは外陰部をなめることが多い。
炎症が長引くと慢性化したり、まれに尿道狭窄や尿閉を起こすこともある。
 【治 療】
各種原因に対して適切に処置を行えば完治できる。
尿検査などをし、抗生物質や消炎剤などによる治療。
 【予 防】
発症原因をできるだけ取り除く。
新鮮な水をいつでも飲めるように用意し、トイレを清潔にし、適度な運動をさせるなど、日頃のケアが重要。
排尿困難の気配があれば、すぐに病院で治療を受け、獣医さんのすすめる処方食に切り替える。

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泌尿器症候群(FUS・FLUTD)
一般的にFUS(猫泌尿器症候群)と呼ばれてきたが、最近はFLUTD(猫下部尿路疾患)と呼ばれるようになってきた。
尿の中に結晶などの砂粒状物質や結石(ストルバイト・シュウ酸カルシウムなど)ができ、尿道がつまったり、膀胱を傷つけたり、細菌感染する病気。特にオス猫に多いといわれている。尿毒症を起こすと数日で死亡することもある。

【猫泌尿器症候群(FUS)】
 腎臓、尿管、膀胱、尿道に対する症候群。(腎臓疾患までも含める)
【猫下部尿路疾患(FLUTD)】
 猫の下部尿路における炎症または刺激に対する過敏症。
 尿結石・血尿・頻繁で痛みを伴う排尿・尿道閉塞など様々な症状を引き起こす症候群。
 【症 状】
症状は軽度のものから重度のものまで様々
・排尿回数または排尿動作が多くなった。
・排尿動作をしてもなかなか尿が出ない。
・性器をよく舐める。
・少量の尿を少しずつ、頻繁にする。
・いつもと違った場所で排尿する。
・トイレにいる時間が長い。
・排尿の間中いきんだり、痛がっている(鳴き声など)。
・トイレから出てきても性器を露出したまま。
・尿がポタポタと落ちる。
・いつもより尿が臭い
・排尿動作をするが尿がでない(便秘と間違えるので注意)。
・尿に結石が出る(キラキラ光るものがある)。
・尿に血が混じる(膀胱炎が疑われ、早めに対処)。
・全く尿が出ない(尿路閉塞が疑われ、早く排尿させないと危険)。
・元気・食欲低下、嘔吐や脱水などがみられる(尿毒症が疑われ、すぐに対処しないと危険)。
 【治 療】
砂粒・結石の有無、腎不全の有無を検査。結石の種類や症状により治療が異なります。
薬による治療、点滴、食餌療法が行われ、入院が必要な場合もあります。
尿を出すためには、薬の投与、カテーテルを通すなど行われます。
手術による結石除去、尿道カテーテル留置などを行う場合、鎮静剤や麻酔が必要になります。
再発の可能性が高い場合は、手術で尿道をカットすることもあるようです。
 【注 意】
FUS・FLUTD・尿路結石・尿道閉塞が疑われたら一刻も早く病院に行くこと。
治療が遅れればそれだけ治りも悪くなり、慢性化することもあり、腎臓への影響の程度によっては命に関わる。
尿が出なくなると尿毒症になり、痙攣、昏睡状態と進み24~48時間ですぐ危険状態になる。
食餌のコントロールができないと繰り返すことも多い。
 【予 防】
新鮮な水をいつでも飲めるように用意し、トイレを清潔にし、適度な運動をさせるなど、日頃のケアが重要。
ストレスをためさせない。
その猫にあったFUS・尿路疾患対応(低マグネシウム)などのフードを与える。

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 ◆結石
泌尿器系(腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿が流れる経路)の病気で最も多い。
猫の濃い尿により、食事の偏りなどの条件が重なると、尿中でマグネシウムやカルシウム、アンモニア、尿酸、シュウ酸などが結合して結晶になりやすく、それが大きくなって結石になります。
猫の場合、膀胱と尿道にできることが多く、砂粒か金平糖のような小さな結石や結晶。
発症はだいたい3歳から5歳ごろのオス猫によくみられる病気。
 【種 類】
リン酸アンモニウムマグネシウム「ストルバイト 」を主成分とするものがもっとも多くみられるが、フードの改良などで減少しつつあるという。尿のpHのアルカリ化、マグネシウム過剰、低タンパクなどで起こる。
この他にも「シュウ酸カルシウム」尿酸などの成分によるものもみられ、ストルバイト尿石を予防する事により、最近、増加傾向にあるという。 尿のphの酸性化、マグネシウム不足、カルシウム過剰、高タンパクなどで起きる。
 【症 状】
症状は尿石のできる場所や病状などによっても異なるが、トイレに入っても少ししか出ない、尿が出ない、頻繁に行くようになる、別のところでしたり、排尿姿勢をする、排尿時に鳴き声を出す、血が出るなど。
膀胱結石の場合は、主に血尿や頻尿で、腎臓への影響はあまりない。
尿道結石の場合には、血尿や頻尿や排尿時の痛みがみられ、膀胱に多量の尿が溜り腹部が膨らむ。処置が遅れると腎後性腎不全を起こし死亡してしまうこともある。
腎結石の場合は、血尿や細菌尿が長期にわたり、腎機能の悪化が進むので注意する必要があり、手遅れにならないうちに適切な治療をうけることが必要である。
 【治 療】
もし採取できるようであれば尿をとって、病院に持っていってください。
尿検査によって尿中に結石を形成する前段階の結晶の形をみることで、診断できる。
投薬で結石を溶かしたり、管(カテーテル)を通して尿を出す。手術で結石を取り除くこともある。
早く治療すれば投薬や食餌療法で簡単に治ります。
治療後も尿路結石の治療食以外の食餌は与えないほうがいいでしょう。
再発の可能性が高い場合は、手術で尿道(ペニス)カットをする方法もある。
 【予 防】
新鮮な水をいつでも飲めるように用意し、トイレを清潔にし、適度な運動をさせる。太り過ぎに気をつける。
その猫にあった食餌(FUS・尿路疾患対応のフードなど)を与える。
煮干やペット用おやつにも、マグネシウムは含まれているので注意が必要。
人間の食べ物を与えない。(高い塩分や添加物などが含まれているため腎臓に負担をかける)
寒い時期や気温の寒暖差が激しいと、ストレスで結石を発症しやすいので、特に注意が必要。
食餌の与え方にも気をつける。常に腹8分状態になると、ストバルト結石ができやすい。

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腎不全(急性・慢性)

腎臓の機能3分の2以上が正常に機能しなくなると腎不全という。健康時でも3分の1~4分の1ぐらいしか働いてない。
腎臓の主な機能は、体内で代謝され不要となった物質と余った水を排泄する役目と、血液中の構成成分を調節です。
腎不全になると、老廃物を排泄したり、体に必要な液体や電解質を再吸収することはできません。
1度こわれた腎臓の組織は元に戻りません。そのため慢性腎不全になることが多く、年齢とともに機能が低下するので、特に高齢の猫に多いようです。気づかず放置すると尿毒症になるので注意が必要。

 <急性腎不全>
  数日間で症状が現れてきます。 急激に進行し数時間から数日中に悪化し、死亡する事も多い。
  原因は、尿路結石・感染症(レプトスピラなど)・循環不全
 
<慢性腎不全>
  数週間~数ヶ月で症状が現れてきますが、数年かけてしだいに悪化していくので、気づかないことも多い。
  初期の段階から食餌のコントロール(タンパク質・塩分の制限)が大切。
  様々な原因があるが、腎炎等から移行することが多い。

 【要 因】
・普段から塩分の多い食餌を与えている(腎臓が徐々に痛んで機能を低下していく)
・膀胱結石や尿路結石、腎結石を起こした(結石により、腎機能がダメージを受けやすい)
・細菌性の膀胱結石などがある(尿管を通して、腎臓が細菌感染しやすくなる)
・ウイルス感染(猫エイズや猫白血病ウイルスなど)
・腎臓の病気(腎臓自体が小さく萎縮してしまう)
・腎臓に腫瘍がある(腫瘍が大きくなり機能が低下する)
・先天的な腎機能不全形成など遺伝性や免疫低下
 【症 状】
健康に見えるので気づかないことが多く、症状が出るのは、腎臓が悪くなってかなり経っているのが普通。
最初に気づく症状は、よく水を飲む、 尿の量・回数が増えることです。この時点では、猫は健康に見えます。
病状が進むと、水をたくさん飲んでも代謝ができず、体液や電解質のバランスを保つことができなくなります。この状態が尿毒症です。尿毒症になると、多飲、多尿に加えて食欲減退、嘔吐、下痢、脱水がみられます。
更に進行すると体重減少、貧血、口腔内潰瘍、骨の異常が現れてきます。
尿毒症を起こし、体温の低下、けいれんなどが起こると、1日か2日で死亡する事もあります。
急性腎不全の場合は、水を飲まなくなり、食欲不振がみられます。
 ※猫の「BUN」の正常値は元々高く(36mg/dlまで)、多少の上昇では食欲不振や元気がなくなることがない。
 ※水を飲むことで腎臓の機能を補おうとしていて、これにより数値の上昇を抑えたり正常値に戻る事もある。
 【治 療】
猫の全身的な状態、回復能力、原因により、治療法は違います。血液検査と尿検査を行います。

急性腎不全は、点滴を行い電解質のバランスを正常に戻す必要があります。更に状態によっては、感染や嘔吐をおさえたり、失われた電解質を補充する治療も行います。
ほとんどの場合、腎臓機能が回復まで入院治療が必要とされます。

慢性腎不全は、完治はできませんが、病気の進行を遅らせることはできます。
利尿薬、点滴、手術等による尿路の開通などの治療を行う。
できる限り猫に水を飲ませるようにします。(嘔吐するときは、水を制限します)
獣医師による指示と管理が必要とされ、飼い主の看護が特に重要となります。
猫の必要に応じたタンパク質、ビタミンとカロリ-の含まれている食餌を勧めます。
 【看 護】
慢性腎不全の多くの猫は、適切に管理されれば長期間生活して行くことができます。
腎不全の専用フードは、特別毒素を少なく調整されているが、食べたがらない猫が多いらしい。
基本は低タンパクの多水分です。手づくりのフードを与える場合は、獣医師に相談してみましょう。
水道水よりは蒸留水や井戸水がいいです。やかんで15分間、沸騰させてカルキ抜きした水でもよいでしょう。
 【予 防】
早期に初期治療をするためには、若い時(3~4歳位)から年に1~2度、定期的に尿検査・血液検査を受ける、6歳からキャットフードの切り替えをする、多飲多尿に気をつけることが必要。
小さい時からマグネシウムなどをあまり含まないフードを与える。(結石を防ぐため)
塩分の多い食べ物を与えない。人間の食べ物を与えない。(腎臓に負担をかけるため)
清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく。
外出を避け、定期的にワクチン接種を行いウイルス感染を防ぐ。
基本的な健康維持のための生活管理を行うことが必要。

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尿道閉塞
尿路に感染や結石などできて尿道がふさがって尿が出なくなる病気。
メスはオスより尿道が太いので、尿道閉塞になる可能性は低く、尿道が細くて長いオスが発症しやすいという。
 【要 因】
・尿路結石ができて尿道でつまる。
・尿道が先天的に細い。(尿路結石が溜まり易い、炎症で閉塞し易い)
・泌尿器の発育不全やホルモンの分泌異常により尿道の発育を阻害された猫が起こすともいわれる。
・生後6ヵ月以前に去勢された雄猫が尿道発育不全から起こる。
 【症 状】
食欲不振・嘔吐・膀胱の腫れなどがみられ、尿が出なかったり血尿が出ることもある。
排尿が完全に閉塞して尿が全くでないと、治療しなければ3日(72時間)以内に死亡してしまう。
 【治 療】
尿検査や血液検査をしてすぐに治療をする。
閉塞の原因となっている尿道結石を除去しなければならない。尿カテーテルで強制排尿させる。
閉塞がひどく、尿道が肥厚している場合、もしくは再発を起こす場合には尿道切開による手術も行われる。
閉塞を解放し、脱水を点滴によって改善できれば、状態は回復していくでしょう。
症状によって輸血や各種薬剤の投与、手術などが行われるので入院が必要。
腎臓機能などの障害が少なければ回復する可能性は高いといわれている。

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尿毒症
腎機能が低下し尿によって排出されるべき有害物質ものが体内にたまってしまう病気。
腎臓病(腎不全・腎炎)・尿路症候群などの病気の進行が原因。
 【症 状】
食欲不振・嘔吐・下痢などがみられ、すぐに対処しないと体温低下や痙攣、昏睡状態に陥り短時間で死亡することもある。
 【治 療】
詳しい検査を行い、緊急の治療が必要。
入院して、大量の水分補給と点滴を投与し、窒素化合物を尿と一緒に体外に排出させます。
貧血(血液が造られない)がひどければ、増血剤の注射を打つこともあります。
輸血や血液透析を行う場合もありますが、猫の場合は血液自体が少ないので病院により異なるようです。

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(2005年6月2日記載)

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