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猫の体と習性

猫の運動能力
 猫は抜群のバランス感覚と柔らかい体をもっている

●しなやかな体の秘密
猫は、寝ている時にいろいろなポーズをしています。この体の柔らかさ、しなやかな身のこなしは、関節の柔らかさにあります。また、内臓が犬や人間に比べて自由に移動できることで狭いところも通れ、皮膚が自由に伸び縮みできることで無理なく体をねじることができます。
●猫背はバネとクッション
猫は猫背ですが、歩いているときは背骨をピンと伸ばしています。
猫の背骨は、短い円柱状の骨(脊椎)が連なっています。
弓のようにしなやかに曲げられる背骨が、背骨を丸めて一気に伸ばすバネの働きと、着地時や獲物に飛びついたときの衝撃を吸収の役割をしています。うずくまった姿勢から素早くジャンプができるのも、猫背のおかげです。
●身長の5倍の高さはジャンプ可能
猫は腰の位置が高く、柔軟な関節で背中のバネや後ろ足のキックを使いジャンプします。
テーブルなどの高さは軽々と上がることができ、少し高い棚などに上がる時は、じっと上がる方を見て思い切ってジャンプしています。
ただし、年とともに関節が硬くなりジャンプ力が衰えてくるようです。
●木登りは得意だが、降りるのは苦手
猫は木に登る時は、爪と筋肉を使い、勢いにまかせて登っていきます。
これは自分を守るため、獲物を捕るために、野生時代に身に付けたものです。
しかし、高い所に上がって降りれなくなることもよくあります。木から降りる時は、木にしがみついて、爪を立てながら後ろ向きにズルズルと下り、ジャンプできそうな所になるとジャンプして降ります。
中にはサルか忍者のように下向きでスルスルと降りる猫もいます。降りるのは苦手のようです。
●バランス感覚は三半規管のおかげ
猫が自分の体高の5倍の高さまで飛び上がることも出来るのも高いところから降りても、うまく体を回転させながら着地をして無傷たりするのも、優れた反射神経と平衡感覚のおかげです。
その平衡感覚の秘密は、内耳と目の中にあります。
内耳の
「前庭」と「骨半規管」が平衡感覚をつかさどっています。内耳のリンパ液のつまった前庭は直線方向の動き・重力・遠心力を感知し、骨半規管は内部に「三半規管」と呼ばれる構造をもち回転運動を感知しています。猫は他の哺乳類に比べて、三半規管と前庭が発達しているため、抜群のバランス感覚をもっているようです。
猫が高いところから飛び降り(落ち)たりすると、この前庭や三半規管で感知された体の傾きが前庭神経という神経に伝わると同時に、目の中の水晶体に加えられる刺激による情報を元に脳が体のバランスを保つようにして足から地面に着地することができるのです。
産まれたばかりの
子猫にもある能力ですが子猫の場合は、目の機能が十分に発達していないので、うまく着地できないことが多いようです。
●にゃんぱらりんは高さによってちがう
高いところから落ちても大丈夫とはいえ限界はあります。
大体3〜4階くらいの高さであれば問題ないといわれます。何階から落ちたかによって、ケガのしやすさに差があるようです。高さが低いために、着地時に骨折する場合もあれば、7階以上の高さでも無傷な猫もいるようで、猫の能力によっても違うのかもしれません。
●猫は車酔いをしない?
人間は車酔いをする人がいます。その原因は様々ありますが、乗り物の振動や加速、体の傾斜などを感知する三半規管が弱いからといわれることがあります。
犬は車に酔いやすいが、猫はあまりないようです。これも三半規管が発達しているためかもしれません。
●室内飼いの猫は、猫らしさが失われてる?
最近は、室内飼いで運動不足や肥満または高さに対する感覚が身につかずに高いところから飛び降りてケガをする猫もいるようです。
室内だけで飼う場合は、外でネズミを捕ったり、他の猫と縄張り争いをしたりする機会が少なく、猫本来の運動能力を発揮することが少ないので、飼い主が、子猫のときからオモチャなどを使って遊んであげることにより猫らしさを養ってあげることも必要かもしれません。

(2005年5月18日掲載)


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