短歌の小径

たんかのこみち

短歌への誘い
  全国規模の受賞作が有りましたら、
ご希望により掲載いたします。




撮る吾に
 五年は居ると胸を張り
  老人一人
 畦を行き去る

           

宮本 邦男

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遙かなる
山谷越えて渡る世は
苦楽在るぞと
 撮る吾がいう

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  雪夜には
子の温かさ
  身に沁みる。
急げまた降る
 爺(jじじ)待つ家路

「渡り」

「収穫の秋」

漂いし
  水面恋しい
初夏の日は
  川霧濡れて
 撮るぞ立つなよ

「川霧」

曇天が
  去って鮮やか紫陽花の
 傘うとましい
持つ手あきなし
              邦

「早春譜」

雪消えて
 野辺に咲き増す白木蓮
日だまり求め
 老いが杖つく
               邦

咲き誇り
 散るあてない桜花
立ち去り難し
静けさ故に
            邦

「紫陽花」