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加工貿易と製品輸入を資料から考える



小川晶子(TOSS☆JHS関西)

教科書の資料を利用して日本の工業の特色を考える。その際,たくさんある資料から必要なものを生徒が選択できるように発問を組み立てた。


1 本文からキーワードを見つけさせる
教科書は『社会科 中学生の地理』(帝国書院)である。

指示1 教科書P168を開きなさい。

「開きました。」

指示2 ノートの新しいページを開きなさい。

この指示で生徒は日付やページ,タイトルを書くことになっている。

黒板にもタイトルを書く。

指示3 タイトルを一緒に読みます。さん,はい。

「3. 世界のなかの日本の工業」

指示4 このページのキーワードを1つ見つけてマルで囲みなさい。

教科書の太字の語句である。「とっても簡単だよね」などとヒントを出す。

「できました」

指示5 答えをみんなで,さんはい。

「”加工貿易”です。」

発問1 加工貿易とはどんな貿易ですか。

指示6 その内容がわかるところに線を引きなさい。 

ミニ定規を使っていたらほめる。

「14文字です」などとヒントを与える。正解は本文5行目,キーワードの直前にある「原料を輸入して製品を輸出する」のところ。

指示7 (発問をもう一度くりかえしてから)正解をみんなで言います。はい。

「原料を輸入して製品を輸出する貿易です

線を引いたのは”原料を輸入して製品を輸出する”のところだけである。

問いに対して正確な答え方を身につけさせる必要がある。

”貿易です”の部分をうまく付け加えて答えられたらほめる。できなかったら正しく言い直させる。

(ここまで5分)


2 必要な資料を探す

指示8 資料の3を指で押さえなさい。

隣同士で確認させる。

発問2 資料のタイトルは何ですか。

「”日本の貿易品目の変化”です。」

発問3 出典は何ですか。

「”通商白書 平成12年版,ほか”です」

指示8 輸出のグラフは右左,どちらですか。

「右です。」

発問4 1999年の輸出額トップの品目は,大きな分類で言うと何ですか。

「機械類です。」

説明1 加工貿易の特色ですね。できあがった製品を多く輸出しています。

指示9 輸入のグラフを見なさい。

発問5 1999年の輸出額トップの品目は何ですか。

「機械類です。」

ここで”あれ?”と思わせる。加工貿易ならもっと原料の項目の割合が大きく書かれているはずだ。

発問6 加工貿易が特色の日本で,これだけ多くの機械類を輸入しているのはどうしてか。その理由がわかる資料を教科書見開きから探しなさい。

指示10 探せたら指でおさえなさい。隣同士で確認します。

P169の資料4「海外に進出している日本の電気機械企業」が正解。タイトルと出典を確認する。

(ここまで5分)


3 資料から考えさせる

指示11 資料からわかったこと,気がついたこと,思ったことをノートに箇条書きで書きます。2つ書いたら見せにきます。

持ってきた順に1人1つずつ黒板に書かせる。このとき,数人が同時に書くことができるよう縦書きに書かせる。

自分の意見には名前も書かせる。

黒板に書いてある順に発表させ,他の意見があれば発表させる。

ここでは

※日本企業が海外に工場をたくさんつくっていること

※海外から多額の”製品”を輸入していること

の2点を必ず押さえる。

説明2 このように,海外でつくった製品を輸入することを「製品輸入」といいます。加工貿易とならんで,現在の日本の貿易の特色になっているのです。

(ここまで30分・計40分)

教科書の本文を読んでまとめる。


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