NEXT☆LEVEL 中四国ブロック
レフェリー部心得

１．準備

レフェリー・ジャッジの服装および持ち物は以下のとおり。

�@NEXT☆LEVELのロゴ入りシャツ（支給品）
シャツの裾はズボンの中に入れること。

�A黒のズボン
金具や装飾が出来るだけ無いもの。ベルトは使用しない（ゴム紐は可）。
「コーチングパンツ」「スポーツスラックス」がベスト。

�Bシューズ
出来るだけ、黒一色で、選手に怪我をさせないよう底が薄く、柔らかい
もの。
試合中に脱げたり、紐が解けたりしないように工夫すること。

�Cイエロー（減点）カード、レッド（失格）カード

�Dポリ手袋（一般クラスの試合のみ。支給品あり）

�E赤／青のリストバンド（任意）

休憩中を含め、ジム名などが入ったものは着用不可。
また、ジャッジは寒い時は上着を羽織ってもよい。

２．試合の種類

クラス	試合時間	延長Ｒ	蹴り本数規定
一般Ｃ	１分ｘ２Ｒ	あり（１分、マスト判定）	なし
一般Ｂ	（男子）２分ｘ２Ｒ （女子）１分30秒ｘ２Ｒ
一般Ａ	（男子）３分ｘ２Ｒ （女子）２分ｘ２Ｒ
ジュニアＣ	１分ｘ２Ｒ		６本／１Ｒ
ジュニアＢ	１分30秒ｘ２Ｒ		８本／１Ｒ
ジュニアＡ	２分ｘ２Ｒ		なし
タイトル決定戦	１分30秒ｘ３Ｒ
タイトル防衛戦		なし（ドロー防衛）
統一王座戦	２分ｘ３Ｒ	あり（１分、マスト判定）


※一般クラスの女子はミネルヴァルール

３．試合開始

�@選手がリングに上がり次第、以下を確認する。


【全試合（目視のみでよい）】

・肘パッド、膝パッドを正しく付けていること
　空手着などで膝パッドが目視できない場合は触って確認する。
・レッグガードをテーピングで固定していること
・シャツの裾をトランクスの中に入れていること
・シャツ、パンツともにポケットやボタンが無いこと
・セコンドが２名以下であること

※ヘッドギアとグローブについては、
　専任の用具係が居るので問題ないはずだが、不審な点があれば
　確認すること。

※ジュニアのファウルカップ、女子のアブスメントガードについては、
　目視では確認できないが問題なく付けているという前提。

【ヘッドギア無し および 面無しヘッドギアの試合】
・マウスピースを付けていること

【一般クラス男子の試合】
・鉄製のファウルカップを付けていること

�A両選手をリング中央に呼び、諸注意（内容は任意）をしてグローブを
　合わせる。

�B両選手を各コーナーに戻す。

�Cジャッジ３名の準備が出来ていることを確認する。
　ジュニアＢ・Ｃクラスの試合ではキック本数係の準備も確認する。
　いずれも目視のみでよい。

�D本部に合図を送り、ゴングが鳴った後「ファイト」をコールして試合を
　始める。


※１Ｒは、レフェリーが合図して初めて開始ゴングが鳴る。
　２Ｒ以降は、開始ゴングに合わせてレフェリーが「ファイト」を
　コールする。

４．試合中

４−１）ダウン

１Ｒ中２度のダウンでT.K.O.。 全てのラウンドでゴングには救われない。


�@選手が倒れた時は、相手にそれ以上攻撃させないことを最優先とする。

�A倒れた選手の状態を見て、即K.O.か、ダウンカウントを数えるかの
　判断をする。

�Bダウンカウントを数える場合、「ダウン→１→２」までコールした後、
　ダウンを奪った選手を遠い側のニュートラルコーナーへ行かせる。
　この指示に従わないときはダウンカウントを中断してよい。

�Cダウンした選手が立ち上がっても、「８」までは必ずカウントを
　続ける。
　この間、ダウンを奪った選手もニュートラルコーナーから離れない
　ように気を配ること。

�D続行可能かどうかを判断し、可能なら「ファイト」をコールする
　（迷ったら止める！）。
　「８」まで数えた後、出来るか尋ねる・選手を歩かせる等の "時間
　稼ぎ" をしないこと。

　選手が自らファイティングポーズを取らない場合は続行不可と判断
　するが、「８」までに「構えろ」等の助言は与えてもよい。
　選手の腕を取って構えさせるのは不可。

�EK.O.（T.K.O.）により試合をストップする時は、両腕を大きく振る
　などしてはっきりアピールする。



４−２）首相撲

頭を完全に下げられた場合や、腕でガードし続けている （目安は５秒）場合、１回目は口頭注意、２回目でダウンとする。 胸と胸が付いた時、押し合いや投げの体勢になった時はブレイク。




以下はルールに明記されていないが、厳密には反則となる。 ・脚を絡めて相手を倒す ・首相撲を嫌がって相手の腰をホールドする


首相撲の口頭注意は、試合を通じて１回のみとし、同じ選手に２度注意
しない。
また、ダメージがあると判断した場合は１回目から口頭注意でなく
ダウンを取ってもよい。

口頭注意の手順は以下のとおり。

�@本部にタイムストップの合図をし、相手選手を遠い側のニュートラル
　コーナーへ行かせる。

�A本部に対して説明をする。
　「首相撲の対処が出来ていないので口頭注意」

　⇒本部がアナウンスする

�B選手に対して口頭注意を行なう。
　「自分から頭を下げるな、次はダウンを取るぞ」など。
　『何がいけなかったのか』を具体的に注意し、選手本人に理解させる。

�Cタイムストップを解除して試合を再開する。



４−３）キャッチからの攻撃

相手の蹴り脚を捉えた状態での攻撃は、原則不可だが、瞬間的で
止め切れなかった打撃一発のみは流すものとする。
脚を離した後は通常の攻撃を認め、「ストップ」の必要はない。

ただし、以下は怪我に繋がるので、「ストップ」をコールして
レフェリーが阻止すること。
・捉えた脚を離さない、押し引きする、転ばせる、溜めてからの打撃
・捉えた脚を離したが、相手が体勢を崩してディフェンス出来ない時



４−４）ローブロー

ローブローは、故意でなければ出来るだけ流すが、「ファイト」を
コールしても直ちに動けない場合、選手が倒れこんでしまった場合
などは、リカバリー時間を取ることが出来る。

リカバリーの手順は以下のとおり。

�@本部にタイムストップの合図をし、相手選手を遠い側のニュートラル
　コーナーへ行かせる。

�A本部に対して「ローブローによる中断」の説明をする。

　⇒本部がアナウンスする

�B選手が歩けるようであれば自分のコーナーへ連れて行く。
　動けなければその場で待機。

�C選手の回復後、タイムストップを解除して試合を再開する。



４−５）反則

ルールに明記されている反則は、 　ヒジ、顔面へのヒザ、投げ技、関節技、サバ折り、 　サミング、バッティング、ローブロー、背面および倒れた相手への攻撃




偶然の反則行為により試合続行不可能となった場合、 １R終了より前であれば無効試合（ノーコンテスト）、 ２R開始以降は反則が発生した時点までの判定となる。 ※ルールは上記のとおりだが、実際の運用では試合順を後にずらして 　再開することも可。


以下は遅延行為として反則（注意・警告・減点・失格）の対象とする。
・リングに上がった時点での防具不備（各種パッド、ヘッドギア、
　マウスピース）
・ラウンド中にマウスピースを故意に吐き出す

注意・警告・減点・失格の手順は以下のとおり。

�@本部にタイムストップの合図をし、相手選手を遠い側のニュートラル
　コーナーへ行かせる。

�A本部に対して説明をする。
　「組み付き行為に対して口頭注意」、
　「故意のバッティングにより減点」など

　⇒本部がアナウンスする

　※『なぜ試合を中断しているか』の周知をしてもらう

�B反則した選手に対して注意・警告・減点・失格を行なう。
　「後頭部への攻撃は反則。次に同じ反則をしたら失格」 など。
　『何がいけなかったのか』『繰り返すとどうなるか』を具体的に
　注意し、選手本人に理解させる。

�C減点する場合はイエローカード、失格の場合はレッドカードをジャッジ
　３名に示す。

�Dタイムストップを解除して試合を再開する。

ただし、軽微な反則については、タイムストップを掛けずその場で注意を
してもよい。




４−６）防具のズレ

ヘッドギア、グローブ、各種パッドがズレた時やマウスピースが外れた
時の直しは、原則としてレフェリーは行なわず、タイムストップを掛けて
セコンドに直させる。
この際、選手とセコンドに「次からは遅延行為となる」ことを警告し、
しっかり直させること。



４−７）ドクターチェック

選手が怪我をした時のドクターチェックの手順は以下のとおり。

�@本部にタイムストップの合図をし、相手選手をドクター席から遠い側の
　ニュートラルコーナーへ行かせる。

�Aニュートラルコーナーにドクターを呼び、怪我をした選手を見せる。
　怪我の程度によっては、状態を確認させるためにセコンド１名を
　呼んでもよいが、選手への作戦の指示等はさせないこと。

�B判定の要因になるので、怪我が有効打によるものか、反則による
　ものかをジャッジ３名に知らせる。

�C続行可能の場合、タイムストップを解除して試合を再開する。

※ドクターチェックは本来、自分で判断が付かない時にドクターの医学的
　助言を仰ぐものなので、レフェリー自ら続行不可能と判断した時は
　ドクターチェックをせずに試合を止める。

※ただしアマチュアなので、試合を止めるほどではないと思っても
　大事をとるという意味でドクターチェックを行なうのはかまわない。



４−８）インターバル

インターバル中にリングインできるセコンドは１名のみ。
インターバルは30秒しかないので、無理に選手に声を掛ける必要はない
が、反則の注意等があれば速やかに行なう。

「セコンドアウト」のアナウンス後、リング上に物が残っていないか、
コーナーが水浸しになっていないかを確認し、問題があればセコンドに
指示をして直させる。

マウスピースが必要な試合では、セコンドアウト後に必ずチェックする
こと。



４−９）審議

ローブローが当たったかどうか等、レフェリーが死角で見えておらず
判断できない時、タイムストップを掛けて各ジャッジに尋ねることが
できる。

ただし、「ダウン」をコールしてカウントを始めた後で、選手や
セコンドのアピールによりダウンカウントを中断して審議するのは
不可。選手が立ってダウンカウントを止めてから、改めてタイムストップ
して審議を行ない、ローブローであればダウンを取り消す。

※審議の結果ローブローでなく有効打だった場合に、ダウンカウントを
　不正に止めたことになるため。

その他、必要があればジャッジ３名をリング中央に召集し審議を行なう
ことができる。

５．試合終了

５−１）K.O.、T.K.O.の場合

�@負けた選手の処置をドクターに任せた後、勝った選手をリング中央に
　呼んで手を上げる。
　なるべく本部のアナウンスにタイミングを合わせること。

�Aジャッジ３名からジャッジペーパーを回収し、本部に渡す。

�B両選手が退場したのを確認してからリングを下りる。



５−２）判定の場合

�@いったんニュートラルコーナーに戻る。

�Aジャッジ３名からジャッジペーパーを回収し、本部に渡す。

　ジャッジペーパーについては以下をざっと確認し、不備があれば
　その場で直させる。
　・ジャッジ本人の記名があるか
　・明らかな計算違いがないか
　・蹴り本数や反則の減点を取っているか
　・勝った選手の名前に○が付いているか（引分けの場合は△）

�B両選手をリング中央に呼び、本部のアナウンスに合わせて勝った選手の
　手を上げる。
　ジャッジ２名の支持が確定したタイミングで手を上げてよい。

　※引分けで延長戦の場合は、選手を各コーナーに戻らせ、ヘッドギア、
　　マウスピース等の準備が出来しだい速やかに延長ラウンドを開始
　　する。

�C両選手に挨拶（選手同士、相手コーナー）を促す。

�D両選手が退場したのを確認してからリングを下りる。

６．ジャッジについて

【ジャッジペーパーの記入例】




６−１）判定方法

10点法により以下の３段階とするが、できるだけ 10−10 は避ける。

10−10 … 互角の場合
10−9　… 若干の優勢勝ちの場合
10−8　… ダウンまたはそれに近い状態の明らかな勝ちの場合

※両選手にダウンがあった場合は 10−10 に戻り、その後差がつけば
　10−9、10−8 となる

※ジュニアＢ・Ｃクラスでは蹴り本数の減点がないかに留意すること。



６−２）判定基準

判定の優先順位は以下のとおり。

�@ダウン
�Aダメージ
�Bクリーンエフェクティブヒット（有効打、強く正確な攻撃）
�Cアグレッシブシップ（積極性、手数）
�Dディフェンス
�Eリングゼネラルシップ（主導権）

※組んだ状態から同体で両者が倒れた時は、上に乗っている方が優勢と
　いうことはなく、基本的には差を付けない。「相手は倒れた、自分は
　立っている、すぐに闘える」という状態のみプラスの評価に繋がる。
　ただし、同体で倒れた後立ち上がるのが遅い場合などはマイナスの
　評価としてよい。



６−３）延長Ｒ

�@マスト判定で必ず点差を付ける（10−9 または 10−8）
�Aその上で、反則や蹴り本数の未達があればそこから減点する。
　したがって優勢の選手に減点があった場合に限り、9−9 の
　引分けとなる。

※延長Ｒは全試合で 60秒だが、ジュニアＢ・Ｃクラスの蹴り本数規定は
　引き続き適用される。





６−４）その他

・試合中は、試合の勝敗を左右する発言（ダウンorスリップ、ローブロー
　or有効打 など）はしないこと。
　死角で見えなかったレフェリーから聞かれた時のみ、見解を述べる
　ことができる。

・勝敗を直接左右しない内容で、レフェリーが気付いていない危険等に
　ついては何時でも発言してよい（選手の用具不備、リングの異常、
　セコンドによるタオル投入など）。
　また、セコンドのマナー違反等についても随時口頭で注意を行なって
　よい。

・試合中は節度のある態度で。他者と喋ったり、頬杖を突いたりしない。

・試合結果のアナウンスが終わるまでは離席しないこと。
　（なるべく、次のジャッジが来たのを確認してから離席する）