穴吹川は四国三郎吉野川の支流で、四国一の水質を誇る清流です。

 穴吹川は少し濁り、水嵩が増しています。川を見ながら上流に進みます。
ブルービラ穴吹から下流はイカダ下りのコースで難所といえば岩の間をすり抜ける瀬と堰くらいのものです。
 増水で迫力を増した瀬を徒歩で偵察します。コースが見えます。クラスVでしょうか。何とかなりそうです。せっかくですのでもっと上流に向います。川に降りる道はあまりありません。いくらでもあるそうですが、つり竿もって降りる山道はカヤックもって降りる気になりません。

 白人の瀬に車で降りることのできる道がありました。


 それから上に行きながらバスの時間をみると、とって返してギリギリです。あわてて白人の瀬に舟を降ろし、下流のゴールへ向います。バスの時間を考えて、あまり下へは行けません。


天神の瀬あたりをゴールにしようと走っているとバスが向こうからやってきます。上流のバス停で見た時間より早いのは当然ですが、大失敗です。覆水盆に帰らず。あきらめて河口に向います。


 ふれあい広場をゴールに決めて、車を置いて、徒歩でトボトボ歩きます。駅まで行ってタクシー探して、なんて考えて旧穴吹橋のモニュメントをくぐったところに運良くタクシーが来ます。ラッキーです。
 白人神社まで2600円、バスを逃したつけは高くついたような、土地の運転手さんの詳しい観光ガイド、とくに昭和51年の洪水時の水位記録板(車の左上岩壁の白いプレート)と住民減少のことなどが聞けて安くついたような。


 神社にお参りし、飲み物を買って、出発しようとしたときに老婦人が声を掛けてきました。
「あんたがたは、この間の増水のときに舟で下っていった人かな?」
「いいえ、違います」
「そうか、実はこの間、増水しているとき、ここに舟を浮かべて遊んでいる二人連れがいたが、まさかと思ったら何と下って行ったので、今度会ったら注意してやろうと思って声を掛けた」
「ま、この程度の水なら下ってもいいが、無茶をするもんじゃない」
とのことです。
 先程、タクシーの中の説明で深い谷底を流れる川が道路の上3-4mも溢れたとのこと、普段は水深1mもない川ですが、剣山に降った雨を殆ど集める川なので増水時はどんなことになるのか想像もつきません。
 老婦人に心配かけたのはだれかわかりませんが、恐らく皆さん心当たりがありませんか。
 かくいう私も増水したから穴吹川にいるわけで、大雨で増水した濁流を漕いで2時間で30km近く下ったというヒンシュクものの経験もあります。
もちろん、安全と判断できるコースなのですが、川下りなどしたことのない人には危険な遊びとしか見えないようです。
 1999年の吉野川ラフティング事件で考え方を改めたのですが、安全な川を十分な装備で下っていても、カヤックが濁流に流されていると通報されれば、救助され事件になります。
沈でもしたら即遭難事件でしょう。
自己責任での判断に基づく川下りの上に、その川の流域における常識を配慮した行動が求められるということです。
 さて、スタートしてからは快適な流れが続き、クラスU、Vの瀬が続きます。
道から見えたコースが多く、降りて偵察した瀬は1箇所だけでした。


 少しビビッてチキンルートを通ります。急流には鮎師がいないので助かります。緊張と弛緩が交互に音連れます。緊張はまさに瀬の音が連れて来ます。濁っていても清流穴吹川です。普通の清流よりは透明です。
 万一のとき国道に上がれる場所がないのが恐いところですが、イカダ下りのスタート地点を過ぎると上陸地点も多く、緊張する瀬も殆どなくなります。
 後半はゆったりした気分で流れに乗って進みます。


 堰を越えるとゴールのふれあい広場です。途中休憩したわりには早くついてしまいました。
 これから、川に沿って国道492号線を南へ登ります。穴吹川の源流探しです。
 細い国道を苦労して進むと剣峡の素晴らしい景色があります。
 激流下り可能に見えますが、万一沈したらリカバーできそうにありません。誰か開拓者が開拓し、紹介されてから下ることとします。


 どんどん山を登り、木屋平村で特製ソバの夕食をいただきました。有名な祖谷ソバと同じ太い太い緬です。ソバというよりソバガキを食べているようなソバです。堪能しました。
 ライフジャケット、マスク、シュノーケルを着けてミニミニキャニオニングでしょうか。泳ぎ下るにもいい川です。

 喉が乾いて飲むビールのうまいこと、Happy!

 河原には多くのキャンパーがいます。
 上流には温泉もあるし、町営貸別荘もあります。
 子連れ川遊びに最適です。

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