高梁川は岡山県北西部、新見市千屋から多くの支流を集めながら倉敷市へ流れる一級河川で、流域住民の生活水として、また、水島臨海工業地帯の工場用水として重要な役割を果たしています。

 川下りの対象となるのは新見市石蟹から河口までです。上流は河本ダムの発電放水によってほぼ毎日、定時に水位が変わります。下見したときとずいぶん違うことがあるので注意が必要です。

 定番コースは石蟹から井倉洞まででしょう。JR伯備線石蟹駅北の橋の左岸からスタートします。





途中に瀬もありますが、何とかなります。



ゴールの井倉洞は鍾乳洞の観光地で周辺は井倉峡と呼ばれ、石灰岩のそそり立つ見事な景色です。井倉洞の岸壁の下はえぐれており、中に入るとトンネル潜りができる珍しい地形です。JR伯備線井倉駅は上陸し井倉の町を歩いて20分ほどのところにあります。

 井倉洞から下流は、流れが当たる岩壁はえぐれて流れを吸い込みますし、岩が多くコース取りに苦労する難コースです。岩が丸くないのでコースを誤ると引っ掛かり、沈します。道路に昇る階段が適当な間隔でありますので、ギブアップ可能です。絹掛の滝を過ぎ、鉄橋、道路橋の下の瀬は落差が大きく流れが正面の岩壁にあたるので、分流の右岸寄りの瀬を行きます。13:00頃から増水するので、国道から下見したときと下るときは瀬の勢いが違うと思います。

 こんなところが、下るときには岩壁に磔されることになります。


 瀬の下は小さな瀞場で、右岸にコンクリート工場があり、車で降りるとほどよい河原があります。
 左岸の石灰岩の岩壁は、水面付近がえぐれています。




 ここを起点に川遊びするカヤッカーは多いようです。瀞場の下の瀬は左右に分かれています。岩壁寄りのコースは狭く、隠れ岩があります。右が流れの素直な直線コースの瀬です。落差はありますが、分流しているため水量はありません。続く瀬が終わり瀞場に入ると要注意です。吊り網用に堰き止められたところで、流れが左端の狭い部分に集中しクラスVの瀬となっています。

 吊り網とは、高梁川の秋の風物です。鋼鉄製のかなり大きなものです。


じっくりスカウトして下るかポーテージを決めます。水量が多ければストレートの単純な瀬ですが、少ないときは滝のような落ち込みを見せます。ここも右岸に国道から降りる車道があります。



 このあたりから3kmほど下ると左岸にJR伯備線方谷駅がありますが上陸できる道はなさそうです。ここの瀬をライニングダウンせず下れるときは水が多い状態です。



下流の浅瀬は全て下れるでしょうが、瀬の中が岩だらけで引っ掛かり沈しやすいので、瀬を下るときのスピードを落とします。パドリングして突っ込むと急旋廻できず、岩に掛かります。地雷原のようなものですから、前の人のコースを見て、うまくいったらトレース、岩に掛かったら別のコースを行きましょう。方谷駅から3kmほどくだると右岸に酒屋が見えます。橋の手前、左岸は広い河原で車が入りますのでゴール、キャンプに最適です。



 ここから下は高梁市まで水量次第でしょう。高梁市を過ぎると支流の成羽川と合流し、水量が増え快適に下れます。

 成羽川も川下り可能です。巨大な網用に流れを堰きとめ急流を作っているところがあるので注意します。

 合流点から2kmほど下ると橋が見えます。左岸にJR伯備線備中広瀬駅があります。橋の左岸には弁当屋、その横に川まで降りる車道があり便利です。このあたりから総社市まで、車で入れる広い河原が続き、休日は多くの人がアウトドアを楽しんでいます。難しい瀬は無く、安心コースで急流もありますから、岩嫌いの方にはお勧めです。

 総社市美袋から6kmほど下り、JR伯備線豪渓駅近くの橋を過ぎると、総社市湛井堰の大きなBWです。マリンジェットをしている人もいます。堰の左岸にホットドッグの車があります。デラックス350円、他のは300円でしょうか。お気に入りです。
 湛井堰はくだれませんから、右岸の河原をゴールにします。広いBWには魚が多く、カヤックで近づくと水草の陰から飛び出して逃げていきます。

 湛井堰から下流は広い川幅の中を細く、太く流れ、酒津公園のあたりから倉敷市の西を通り、対岸がかすむ霞橋、水島大橋をくぐると瀬戸内海、左岸が水島、右岸が玉島の臨海工業地帯です。下流は通常くだりません。
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