「電子ナンバー」走行中 読み取り

車検情報、電波で発信

ITS普及へ公開実験

(日経新聞2001年1月18日付13版38面)

【本文】

 車の情報を電波で瞬時に読み取ります――。

国土交通省は17日、自動車の電子ナンバープレート「スマートプレート」の実証実験を、愛知県額田町の自動車部品会社のテストコースで報道陣に公開した。

 電子ナンバープレートは、ナンバーや車体の大きさ、車種といった車検情報などを記録したICチップをプレートに取り付ける。

道路上に設置したアンテナを使ってプレートの情報を読み取る仕組み。

同省は3年後をメドに実用技術を確立したい考えで、高度道路交通システム(ITS)の普及に向けたインフラと位置付けている。

 実験では、電子プレートを付けた乗用車やバスが地上6mに取り付けたアンテナの下に止まったり、時速20−40kmで通過。

車がアンテナの下にくると、瞬時に、車両登録番号や車名、最大積載量、大きさなどの情報がパソコン画面に表示された。

時速60kmの実験では、「使用車種規制(NOx)適合車」との表示も。

 実用化後は時速140kmまで対応できるようにするという。

同省は、高速走行でも電子ナンバープレートを導入することで、物流の最適化や都心交通のコントロール、公共交通機関の運行支援に役立てる。

また駐車場の料金集受システムへ乗りようなど、民間での活用も見込む。

 実証実験は同省の外郭団体がデンソーに委託し、実施。

2001年度以降は複数台並んで走行した場合の動作確認やデータ改ざん防止策など、ソフト面の検討を進める。

 

【ツッコミ】

 キャッシュカードも磁気プレートからICチップ内蔵へ変換を進める予定とかで、いろいろ電子化が進むこの世の中。

「ナンバープレート」も電子化するんですね。

記事では写真が掲載されていて「国土交通省が公開した電子ナンバープレート」とあり、実験車(たぶんトヨタクラウンマジェスタ。たかが実験にこんな高級車を使わなくても……)に装着したプレートは現行と同サイズの様子で、現在「ひらがな」の識別記号が書かれている場所にチップが埋めこまれている。

ナンバーが「TE ST」となっているので「10進法の数字から26進法のアルファベットになるのか?」と思ったら、よく見ると「TEST(テスト)」つまりあくまで「見本」という意味。

なんておバカな私……。

 

 さて、「ITSのインフラ」「物流の最適化」「公共交通機関の運行支援」「駐車場の料金収受システムへの利用」といったことを想定するようですが、それだけで終わるはずないでしょう。

 何しろIC内蔵です。磁気ストライプよりも収録情報はケタ違いに多い。

そこに「車検証に書いてあること」だけ記憶させるなんて、ポテンシャルと使用方法が釣り合わない。

リミッターを切ったGTRでマラソンの先導車をするようなモンです。

140km/hでも読み取り可能にするよう目指すそうですから、こりゃ当然「オービス」を兼ねるでしょう。

写真だけで違反車を特定するより、電子ナンバーだとあちこちで「この車は私○○が所有しております」と名乗って走り回る方が検挙しやすい。

 

 「車検情報」ということは、当然「車検履歴」も含まれるんじゃないでしょうか。

健康保険証もIC化によって「診療記録」を共有化が想定されているくらいですから、整備不良かどうかの記録くらい入れてきそうです。

 

 民間への開放も進めるようですから、たとえばタクシーや運送会社なんかで乗務員の手書き記録をICナンバーに記録させる、なんてことも可能かも。

 車そのもののエンジン回転やタイヤ回転なんかで路程を記録するのか、あるいは道路にチップを埋め込んでそこから外部状況を読み取るのか分かりませんが、そんなことも可能となればドライバーの事務負担は軽減される半面、改ざんによる「サボり」もできなくなるかも(そんなヤツいないって?)。

 

 いずれにしろ、結構な投資となるはずですから、ぜひ有効に活用してもらいたいですね。

交通状況のコントロールは環境への負荷軽減につながります。

個人的には、プライバシーの問題もありますが、交通犯罪への利用も認めていいんじゃないでしょうか。

特にひき逃げとか集団暴走行為の減少に寄与すれば、国民の支持も得られると思います。