引っ越し時の不用品
回収・販売で提携
日通とブックアイランド
(日本経済新聞2001年4月30日13版13面)
【本文】
日本通運と中古品リサイクルチェーンのブックアイランド(東京・江戸川、田中初彦社長)は、引っ越し時に不用となった書籍・CD、雑貨などを回収、買い取って販売する事業を始める。
従来は日通が顧客から依頼されて廃棄していたが、再生可能な品が多いことからリサイクル販売することにした。
5月14日からスタートする予定。
日通は全国の支店から引っ越し利用客に不用品として廃棄を依頼された品を、ブックアイランドの物流センター(前橋市)に宅配便の着払いで送付する。
ブックアイランドでは利用できる品を選別し、買い取った上で60店ある自社店舗で販売する。
買い取り金は顧客に銀行振り込みなどで返金する仕組み。
ブックアイランドは事前の調査で「点数で2割程度再利用できれば採算は合う」(田中社長)とみている。
品目は書籍、音楽CD、ゲームソフトと雑貨で始め、順次家電、家具類にも広げる考え。
日通は自費で処理していた廃棄物を減らせる上に宅配便取扱数を増やせ、ブックアイランドは安定した仕入れ先を確保できる。
両社では当初月数百件程度、引っ越しシーズンとなる秋には同1000件の取り扱いを見込んでいる。
【ツッコミ】
転勤やマイホームの購入などで引っ越しをする場合、意外に「新居に持って行かないモノ」が多いことに気づきます。
私が自宅の建て替えで経験した例を紹介すると、まず家具類です。
住宅を新築したら「この際中身も新しくするか」ということで、テーブルからタンスからほとんどすべてを買い替えました。
次に目についたのが弟の本やCD。
もう目を通すことも聴くこともないということで、これもポイ。
で、こういったものはどう処分したかというと、そのまま室内に残して家屋とともに取り壊しました。
あぁ、もったいない。
とはいえ、リサイクルショップに持ち込んだりフリーマーケットに出したりするのもめんどくさい。
というわけで、今回の記事が目についたわけです。
現在、宅配&引っ越しサービスではヤマト運輸よりも日通の方が評判がいいという噂を耳にします。
単なる価格競争力だけではなく、梱包などのサービスソフトの面でも優位性があるからでしょうか。
それはともかく、5月中旬から日通が古本チェーンのブックアイランドと提携して不用品を回収・リサイクルするとのこと。
日通としては今まで自社負担だった廃棄コストが軽減され、ブックアイランドとしては安定的な仕入れルートが確保できる。
しかも顧客としては今までどおり不用品を引き取ってもらった上に、うまくいけば買い取り料金がバックされて臨時収入に結びつくことも期待できる。
まさに逆大岡裁きの「三方一両得」かもしれません。
当初の引き取り対象は書籍・CD・ゲームソフトと、現在ブックアイランド本体で取り扱っている商品に限定されるようですが、将来的には家電や家具も引き取り対象になるようです。
引っ越し客としてはこっちの方がかさばるモノだけに、できるだけ早く取り扱いを開始してほしいものですね。
特に家電リサイクル法による有料回収4種については、特にニーズが高いと思います。