入試ミス
富山大元部長 懲戒免職に
隠ぺい工作 元人文学部長も停職
山形大学長は辞職
金沢大は10人懲戒
(日本経済新聞2001年7月17日14版38面)
【見出し】
文部科学省によると、入試ミスを隠ぺいした富山大は16日、隠ぺいを提案した元学生部長を懲戒免職に、元人文学部長を停職12ヶ月とするなど教員、職員計18人を懲戒処分とする方針を決めた。
一方、山形大工学部の入試判定ミスでは同大が、29人を減給、33人を戒告とする懲戒処分方針を発表し、成沢郁夫学長は辞職、副学長、工学部長ら5人が役職を辞すことを表明した。
【本文抜粋】
同様の入試ミスのあった金沢大も同日、10人を減給や戒告の懲戒処分とする方針を決めた。
文科省によると入試ミスで関係者を懲戒処分とするのは初めて。
(以下略)
【ツッコミ】
この記事の隣には外務省の不祥事。
こうなったら他の省庁に「外交部門」を分散して、外務省は廃止したらどうでしょう?
どうせ環境問題にしろ通商問題にしろ、他の省庁も外国との折衝が日常茶飯なのですから、実質的に「外交」は外務省でもこなせるでしょう。
サミット関連も内閣府がやっちゃえばイイし。
……ああ、そうか。
外務省がやってることは、多かれ少なかれ他の省庁もやってるかも。
ということは、どこに仕事を移しても「サヤの中抜き」はいつまでたってもなくならない?
それはともかく、大学ミスに話を戻しましょう。
似たような不祥事が3つもあると、各大学の具体的な不祥事がゴチャ混ぜになってきます。
「懲戒免職」「停職12ヶ月」と最も厳しい処分を選択する富山大学の場合、97年、98年の入試で配点プログラムのミスから本来合格だった16人が不合格判定になってしまいました。
これに対して当時の責任者である学生部長の能登谷久公、人文学部長の鈴木敏昭の両氏が中心になって「(判定ミスは)なかったことに」してしまい、それが今年になってバレたわけです。
受験生としては「なかったことに」されてはタマったものじゃありません。
能登谷氏の懲戒免職、鈴木氏の停職は当然の処分でしょう。
山形大のケースは一連の入試ミス発覚の発端となった事件で、富山大と同様配点プログラムのミスから合否判定ミスが発生しました。
過去5年間の「被害者」は3大学最多の400人以上。
学長の成沢郁夫氏が引責の辞職、副学長・工学部長など5名も役職を辞任となる模様です。
結局同大学の教職員処分は「減給」「戒告」「訓告」あわせて130名にのぼるようです。
金沢大のケースも配点プログラムのミスによるもので、6人が不合格処分となっていました。
山形大の大規模なミスを受けて「ひょっとしたら」と調査した結果発覚したもののようです。
関係者10人に対して減給や戒告といった処分が下される模様です。
さて、これら3大学のミスに対する取り組みについてどうなっているのか、それぞれのホームページを見てみました。
さすがに山形大学は「骨身にしみている」というか、ほぼ毎日のペースで進捗状況を公開している様子です。
これに対して金沢大学の調査報告は6月18日と7月6日の2回分だけ、富山大学はお詫びや釈明ばかりで対策の経過報告は一切なし。
しかもその「お詫び・釈明」に関しても6月28日付け文章が最新というモノです。
7月17日現在でこの件に関する更新情報はありません。
対応に追われて更新するヒマもないのであれば、多少なりとも理由があるのですが、「停電のお知らせ」はしっかり7月17日付け情報としてアップされています。
つまり、イジろうと思えばいつでもイジれるわけで、この意味から金沢、富山の両大学はホームページでの情報公開で判断する限り、今回の不祥事をそれほど深刻に認識していないと判断せざるを得ないでしょう。
これほど対人感受性の鈍い面々が講義する大学で、将来有用な人材が育つのでしょうか?
川田工業 東大
建築現場向け人間型ロボ
(日本経済新聞2001年7月17日14版13面)
【本文抜粋】
鉄骨、橋りょう大手の川田工業は16日、東京大学と共同で人間型ロボット「isamu(イサム)」を開発したと発表した。
建築現場などで人間と協力して働いたり、介護やリハビリテーションを支援したりするロボットとして実用化を目指す。
(以下略)
【ツッコミ】
13日付けの本コーナーで「変身ロボット」を取り上げました。
あのロボットは「キャタピラから脚へ変身」というものでしたが、今回のロボットは全身形状化した人間型ロボットです。
川田工業のホームページでこれも動く映像が見られるのかな?と思ってアクセスしてみましたが、写真と仕様説明文だけでした。
ですから特にリンクは張りません。
基本的な仕様は「身長」150cm弱、「体重」55kg。
ロボットのくせに「軽量」なのはアルミ板で製作されたためのようです。
写真を見ると「天空の城ラピュタ」のロボットに似ているとも言えます。
主な特徴としては時速2kmで歩き、25cm程度の段差は昇降できる、カメラ、マイク、スピーカーが内蔵されていて、ロボットを通して遠隔地の人と会話できる、というものです。
無線経由でインターネットに接続して、遠隔地からジョイスティックで操作するタイプのロボットのようです。
おぉ!これで空を飛べば「鉄人28号」!
あなたも正太郎君になれる!……というわけではありませんが……。
今後の利用として建築現場での協力作業や介護支援などが想定されているようです。
「介護支援」というのは日常家事の補助程度を想定しているのでしょうか。
寝たきりの要介護者を移動させるのなんかはかなりのパワーを必要とするため、ロボットとしては現在自動車メーカーの工場などでおなじみの、いかにも機械然としたタイプの方が適材でしょう。
やっぱり「人間型」ですから、精神的な「パートナー」としての位置付けを期待しているのではないでしょうか。
というわけで、この記事を取り上げたのはただこれだけの興味に過ぎないのです。
主要企業、今期2.6%減益へ
(日本経済新聞2001年7月17日13版5面)
【本文】
第一生命保険は16日、主要259社の今年度の連結経常利益が2.6%減少するとの見通しを発表した。
非製造業は3.9%の増益となるが製造業が6.0%の減益となるためだ。
【ツッコミ】
記事そのものは以上が全文です。
そして、この記事を読んだ最初の感想はもちろん、「じゃあ、あんたのところはどうなのよ?」というものです。
そこで調べてみました。
第一生命の経常利益の推移は次のとおりです。
平成9年 328億円
平成10年 1133億円(前年比245%増)
平成11年 4578億円(前年比304%増)
平成12年 3243億円(前年比29%減)
企業の連結経常損益と保険会社の経常損益、しかも企業については今年度見通しで第一生命の場合は前年度実績という違いはありますが、数字を見た限り「あんたのところに言われたかないよ」という気分になっちゃいます。
実際、主力商品の「堂堂人生」は契約高が伸びていますが、既存商品の解約が進んでトータルの保険料収入はマイナスの状態です。
しかも、FPの間でも「堂堂人生は大した商品性があるわけじゃない」という意見が広がりつつあるため、以前のような急拡大にはブレーキがかかりそうです。
たしかにソルベンシーマージン比率は680%と、比較的安全といえる第一生命ですが、今後の流れを考慮すると「他人の見通しより自分のところの戦略をきちんと立てるのが先ではないのでは……?