平成14年1月30日
第 45 号
NPO 岡山県自閉症児を育てる会
目次
おじいちゃん、おばあちゃん
自閉症児のための木工教室
第7回AAOのご案内
第5回キッズルームのご案内
勉強会のお知らせ
「OHAの会」
「つくしんぼの会」
「ゆりかご講座」
サッカークラブからのお知らせ
2月度水泳教室のお知らせ
「久々の水泳教室に参加して」
私のお薦め本コーナー
「ぼくのアスペルガー症候群」
「自閉症治療の到達点」
近隣の講演会のご案内
事務局だより・掲示板
What's P kun / たまごん
今年の冬は寒いです。
ここ山陽町は岡山の中でも特に暖かで、例年ですと朝は寒くてもお昼にはファンヒーターのスイッチを切っても充分暖かく過ごせます。ところが今年の冬は、1日中暖房機のお世話にならないとすごせません。
「それは年のせいでは?」『そんなことはない!』
皆さんお元気ですか?
何やかやと忙しい自閉症児を抱えた年末年始、いかが過ごされましたか?
我が家のお正月は実家に帰るのが慣わし。
『帰ってこんでもええよ』
正月前に電話をすると必ず母はこう言います。
かわいいむすめ(??)や孫の顔を見るより、迎える準備やその間の騒々しさがめんどうくさいのかもしれません。
でもそんなことは無視して帰る私。本当は帰って来て欲しいと思っているに違いない。
だからなんと言われようと私は帰るのです。
私の両親にとって、哲平が障害児だという事は、大きなショックでした。
障害のある孫を持った戸惑いや悲しみは、私達親が感じてきた以上のものがあるのかもしれません。私の親は、はじめ哲平の障害を認めようとしませんでした。
『自閉症は一生治らない障害なのよ。』
私がいくら言っても
「そんな事があるものか、親がそんなこと言ってどうするんや。しっかりせんと!」
歳をとっているから余計頑固に言い張りました。
認めたくない、否定したい。その気持ちは私にもあったから良く分かります。
『どうしてこんな子ができたのだろう。』
『なんで私だけがこんなめにあわなければならないのだろう。』
やり場の無い悔しさや悲しみ。それまで肩で風きって歩いてきたような私でした。人生最大の挫折感。
それは私だけでなく夫の父母、実家の両親にも同じく大きな衝撃でした。
夫の両親は、早くから自閉症についての勉強もしてくれました。たくさん夫が買ってくる本を読み、心配はしながらも、理解は早かったように思います。ところが私の両親はなかなか納得してくれません。
まわりの理解がないと、親は孤立します。一番近い父や母だけでもわかってほしい、支えて欲しい。理解がないと子育ては孤独です。認めないだけではなく、時には「お前の育て方のせいではないか?」そんな風に言う父母さえあると聞きます。(わたしの親はそんなこといいませんでしたが…)
長い年月を経て、両親も今ではとても良い理解者になってくれています。
最近では、哲平が前にも増してかわいくてならないようです。
哲平は実家へ帰っても、我が家でするのと同じように、お手伝いをします。食器洗いや掃除機をかけます。父親(おじいちゃん)が大喜びでお小遣いを与えます。
食器洗いは20円。これが我が家の相場です。
ところが甘いおじいちゃんは、なんと1,000円もやってしまいました。哲平は、ありがたく頂戴したそうですが、こんなことをしてもらっては困ります。何しろ相場が崩れては後々私が困ります。
父にはあんなに心配した障害のある孫の成長が嬉しくてならないのでしょう。
去年吉田先生にお願いして好評だった「おじいちゃん、おばあちゃんのための自閉症講演会」をまた企画しょうというような話も持ち上がっています。どうぞ皆さんご期待ください。
おじいちゃんおばあちゃんの障害受容は、なかなか厳しいものでしょう。その為の講演会です。
今回はご自身も自閉症児の母であり、そして現在孫を持つおばあちゃんでもある今田恒子さんが、お話をしてくださる予定です。詳しい事が決まったら、会報にてお知らせいたしますからどうぞ、ご両親をお誘いください。
大きくなった自閉症の親である今田さんから、お話を頂く事で皆さんのご両親が元気になって前向きになってくださる事を信じています。
寒い冬ですが、時には木枯らしの中、子どもと一緒に冬野を歩いてみませんか?
今日もビックリするほどきれいな夕焼けに出会えた私です。
障害児との生活は冬野を歩いているようだと思える時期もありました。でも、時々出会うこんなきれいな夕焼けのように、幸せを感じる瞬間があります。子どもと生活しているからこそ味わえる喜びを私たちは知っています。
悲しみや痛みを知っているからこそ喜びを感じる心も敏感です。少しを喜べる私たちは、誰より幸せをたくさん感じられる人になっているのではありませんか?
哲平が障害児ではなく普通に大きくなっていたら、こんな自分ではなかった事でしょう。今の私が私は好きです。
さあ、今日も忙しい朝が始まります。
元気を出してがんばろう!!
(鳥羽美千子)
第7回 AAOのご案内
寒いですね。
今年の冬は、冬らしい冬ですね。
1月2日、米子から岡山に帰るために米子道に入りました。
入り口でタイヤチェックを受け、江府でチェーンをすることになり、蒜山で吹雪に遭いました。遭難するかと思うぐらい吹雪いていました。
久々の大雪に、大変な状況にもかかわらずちょっとうれしくなりました。
ふと我が子を見ると、一生懸命何かをしている・・・。
ぎょ!雪を食しているではありませんか。確かにおいしそうに見えます。
でも、大気はしっかり汚染されているわけで、食すなんてとんでもない!
幸い丈夫な胃袋の彼は、おなかを壊すこと無く岡山に帰り着きました。
さて、今年度最後のAAOです。
1年の締めくくりです。しっかり計画をたて取り組みましょう。
午後、『ありがとうの会』を開きます。
ゴール地点は京山公民館にしてください。ゴールに向かってエイ・エイ・オ〜!
日 時:2月24日(日)10:00〜12:00 (12:00〜15:00 ありがとうの会)
集合場所:京山公民館2F講座室
子どもは、それぞれの活動場所、活動後の集合場所は京山公民館へ
※ 調理室の申し込みは2月14日までに(定員になりしだい締め切り)
親の勉強会:1年間の反省会 (2月の当番さんよろしくお願いいたします)
ありがとうの会
AAOのあと京山公民館(2F講座室)で行います。
1年間の活動を支えてくださったボランティアさんに感謝の言葉を伝えましょう。
がんばった子どもをほめましょう。 もちろんお母さんも労って〜。
追伸(担当のつぶやき)
AAOも取り組み始めて2年が過ぎようとしています。
AAOこそボランティアさんがいなくてはできない活動だとしみじみ考えます。
障害があっても、街にでられる。
自閉症だって、公共の乗り物でどこへでもいける。
あたりまえのことを、あたりまえにできる基本的な権利は持っているはず。
でも、今のままでは使えない。
社会で生活するための、ルールが分かっていないから。
だから、そこへたどり着くために、まず今できる範囲で練習をしようじゃないか。
でも、親とできたってあまり意味がない。
そこで、ボランティアさんにお願いしよう・・・で始まったのでした。
初年度は、もしも担当のボラさんが欠席だった場合、代わりのボラさんに入ってもらおうと、サポート制をとっていました。
でも、それでは子どもに混乱があるのに別の人でするという二重の不安がありました。しかも、活動は7回しかありません。別の人に代わると、活動の中で子ども達が目標へ向かって積み重ねていきにくくなります。
その反省を活かして、今年度はサポート制をやめて、別の日に変更制を取り入れました。
これは、効果抜群です。
同じボランティアさんで、子どもも落ち着いて活動できたようです。
ただ、これにはまだ考えるべきことがありました。
それは、今年度の反省とあわせて来年度へ活かしたいと思います。
ここで、AAOのボランティアさんにいいお話です。
我が子のAAOの成果〜!パチパチパチ〜!!
先日、学校の連絡ノートが終わったので新しいのを買わなければならなくなりました。
朝、110円を封筒に入れて、「今日は連絡ノートを買います」と言いながら渡しました。私は、いつも通り学校の横の公園まで送り子どもが学校に入るのを見届けて家に帰りました。
前回まで、購買へは先生と一緒に行っていました。
今日もそうだと思っていました。学校から帰ってきた子どもの連絡ノートを早速チェック。
バインダーの中に新しいノートがありました。今日の宿題などちゃんと書いています。
先生からの連絡は前までのノートに書かれていました。
読んでびっくり。子どもは自分一人で朝買っていたようです。ちゃんと購買の先生にお金を払っていました。
「お金を払う」「物を受け取る」これは、ずっとAAOで練習してきたことでした。まだまだうまくはできていません。
でも、練習の成果は確実にあるということが分かりました。
AAOはそれぞれの子どもの能力にあわせてできる活動です。将来の姿を想像して、今できることは何か、何をさせたらいいか、自由に計画できるのです。
こんないい活動はありません。
親の準備はめんどうくさかったり、「なにをさせたらいいのか」が思いつかない場合はしんどかったりするかもしれませんが、我が子のことです。
人任せにしない活動が一つくらいあってもいいのではないでしょうか。
集団での活動はたくさんあります。もちろん集団の活動も必要です。
でも、今の子どものレベルに合っていない活動ではスキルアップは計れないと思いませんか。
時間はたっぷりあるようで、あっという間に通過してしまうということを先輩お母さんからよく聞きます。
「育てる会」の柱となる考えの「いちにんまえ」を現実にするために、時間を有効に使いましょう。
ほんとうにボランティアさんありがとうございます。
来年度もぜひぜひぜひぜひボランティアの参加よろしくお願いいたします。
この活動は子どもの将来だけでなく、ボランティアさんの将来にも絶対役立つものだと思います。
どうぞ活動の中で技を磨いてください。
ボランティアは貧しいとできない。そう思うのです。
貧しいとは、物質的なことではなく、精神的なことです。
ボランティアをしようという人には豊かな心で接することが備わっていると感じます。
ちょうど、キャンプファイヤーでキャンドルを持ってあらわれた女神様が、みんなのキャンドルに灯をともしてまわるように。
灯は決してチャッカマンで点けてまわったりではなく、女神様が動かずにみんながわれ先にと争って点けてもらったりでもなく、一人に点けて「後はあなたがやっといて」なんて事でもなく、あくまで女神様が女神様の判断で女神様のキャンドルでもって点けてまわるのです。
灯をともすときに、向かい合い初めてみんなそれぞれ持っているキャンドルが違うことに気づいたりします。
「あら、この子のキャンドルはずいぶん点きが悪いわ」などど思いながら火を点けているうちに女神様のキャンドルの灯が消えてしまうかもしれません。
そうです、ここなんです。
心の豊かさは、この灯が消えないということ。チャッカマンのように、派手で便利よくはないけれど静かにいつまでも灯っている灯。
ここで卒業していくボランティアさん、そんな灯を心に持って、社会に出てくださいね。そして、自閉症というキャンドルは灯がつきにくいかもしれませんが、つくまで付き合ってくださいね。キャンドルを逆さに持っていたら、そっと直してやってくださいね。
最後の活動とか、もうすぐ卒業して「育てる会」から飛び立っていく人のこととか考えてちょっとしみじみしてしまいました。
(AAO担当:K.H)
第5回 キッズルームのご案内
1月はじゃんけんゲームに挑戦してゴキブリから人間になった子供たち(参加者にしかわからない(^。^))いろいろ可能性の広がるキッズになってきたなぁと担当としてはうれしく感じています。
トライアルの小さい教材に少しずつですが、子供たちが興味を示している時間が増えているように感じます。どう子供と取り組んでいけばいいのかを考えながら関わっていきたいものです。
産声をあげて二年、本年度最後のキッズルームです。
最終学年の学生さんと子供たちが会えるのはもしかしたら最後かなっ・・・と思うと少しさびしいキッズですが、ちょっと覗いてみてください。きっと今度も元気に走り回っている子供の笑顔いっぱいの会です。
日時 2月23日 第4土曜日 14:00〜16:00
場所 生涯学習センター 体育館ホール
正面入口の交流棟を抜けた右手が体育館です。
階段を上った二階が体育館の入口になります。迷子にならないように来て下さいね。
二月の出欠の締め切り2月9日です。欠席の方も確実に連絡ください。
当日予定 14:00 受付開始
トライアルタイム
14:45 全体あいさつ
リトミック 全身運動
15:15 休憩
15:25 ボードビル
15:45 スカイバルーン
16:00 終わりのあいさつ
最終受付は14:30です。
トライアルをいっぱい楽しみたい方は14:00から受付開始します。お楽しみに・・・・
(キッズルーム:担当)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は目次と巻頭文などだけにさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「案内板・伝言板」にまた特にみなさんにお伝えしたい記事だけは「育てる会
ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、賛助会員に申し込みをお願いします。
郵送料節約のため、目標賛助会員
340名です!(500通の会報発送で障害者団体割引の第3種郵便の資格がとれます。
応援よろしくお願いします。)
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。