平成14年7月29日

第51号
NPO 岡山県自閉症児を育てる会
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目次
さあ、夏休みです
河島セミナー事前勉強会 報告
自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー(河島セミナー)の案内
第20回 岡山県人権・同和教育研究大会への展示参加について
AAO活動のご案内
第2回 キッズルームのお知らせ
「おじいちゃん・おばあちゃんのための講演会」に参加して
「我が子の身辺自立」 五右衛門
勉強会のお知らせ
OHAの会
つくしんぼの会
ゆりかご講座サッカークラブからのお知らせ
水泳教室からのお知らせ
女の子の会からのお知らせ私のお薦め本コーナー
「自閉症のTEACCH実践」近隣の講演会のご案内
掲示板
事務局だより4コマ漫画 「8月編」 たんぽぽ
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この前ゴールデンウィークだと思ったのに、もう夏休みがやってきました。
40日だなんて、本当に長い休みです。あーどうしましょう。
皆さんはどうやって過ごされますか?
暑さに負けて、親子で煮える事がないように、スケジュールをたてるといいかもしれませんね。親子で向き合ういいチャンスです。克服したい事に挑戦ですよ。
それにしても、皆さんは休みの間の食事をどうされていますか?
偏食があったりすると、どうしても子どもが食べられるものに偏って作ってしまいがちですよね。こんなとき給食が本当にありがたく感じます。
私などついつい手抜きでマクド○ルドに行ったりとか、ほ○ほ○弁当買ったりとかしてしまいます。でも、これこそ克服のチャンスなのです。・・と書きましたが、実を言いますと我が子はすっかり偏食を克服しているのです。
克服できたきっかけは一昨年の冬でした。方法などを書きますと長くなりますので、今までのようにエピソード形式で書くことは省略させていただきますが、そのきっかけのおかげで今では納豆以外、なんでも食べられるようになりました。
生野菜は特に苦手でしたが、トマトもレタスもキャベツもブロッコリーもオクラもなんでもOKです。マヨネーズが苦手でしたがそれも大丈夫です。ドレッシングも嫌いでしたが、なんてことなくなりました。
偏食がなくなると、本当に暮らしやすくなります。自宅以外で食事をするときもへっちゃらです。むしろ食べ過ぎに注意が必要になっています。
でも、「食べないから食べられるものだけを出す、だからますます食べられない」という悪循環を断ち切るのは、本当に難しいです。実際、難しかったです。
親子の間で、一度は「これだけは譲らないよ」というバトルが必要でしょう。
「ダメよ」といいながら許される状況があるならば「ダメよ」はダメではないのです。
「ダメ」「いけません」など禁止の言葉を使う場合、注意が必要なのではないでしょうか。
何はともあれ、夏休みを有意義に過ごしましょう。
2学期は行事がたくさんあります。
運動会の練習で、変更もたくさんあります。それに備えるには、夏休みの過ごし方にかかっているといってもいいくらいです。
できるだけ規則正しく生活しましょう。
といっても、お母さんの方がだらんとなってしまって、子どもはいつも通りかもしれませんね。
そして、毎日のスケジュールの中に歩く事もお忘れなく。
療育の基本は歩く事だと私自身は信じているのです。
(文責:K.H)
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自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー
「自閉症児を育てる ―その家庭教育―」
講師:トモニ療育センター所長 河島 淳子先生
教師と保護者が共に学び合い、学校と家庭での連携の中、自閉症児が豊かに生きていけるようにという願いの込められたこの講演会。ぜひ、学校、園の先生をお誘い合わせの上、多数ご参加いただきたいと思っております。
≪日 時≫ 平成14年8月24日(土)10:00〜16:00
8月25日(日)10:00〜16:00
(二日目は、療育についての個人的な質疑となりますので会員・賛助会員限定とさせていただきます)
≪内 容≫ 24日 10:00〜12:00 【第1部
】
正しい理解・適切な療育への総論 (幼児期からの取り組み)
13:00〜16:00 【第2部
】
年齢に合わせた自閉症児の自立への具体的な支援を考える(思春期を見通して)
コミニュケーションシーンの再現・質疑応答
25日 10:00〜12:00 【第1部 】
トモニ療育センターの療育について
学習の進め方・算数指導時のビデオなど
13:00〜16:00 【第2部 】質疑応答など
≪場 所≫ 岡山ふれあいセンター 小ホール(岡山市桑野715-2 TEL 086-274-5151)
≪主 催≫ NPO法人岡山県自閉症児を育てる会
≪後 援≫ 岡山県教育委員会、岡山市県教育委員会
≪参加費≫ 一般 3,500円、 学生 1,000円 (8月24日(土)のみ)
会員・賛助会員 一日のみ参加 2,500円 ・ 二日共参加 4,000円
弁当500円 (注文される方は、参加費と共に振り込んでください。 尚、飲み物等は、各自ご用意ください。)
定員 150名に達しましたので、今回のセミナーの申込は締め切りさせていただきました。自閉症児が自立して、豊かな人生を歩んでいくことを支援していこうというためのセミナーに、こんなにも大勢の方が参加していただいて、本当に感謝しています。
河島淳子先生 紹介
笠岡市生まれ。
昭和41年岡山大学医学部卒業、小児科医師、高知県立中央病院小児科勤務後、第三子が自閉症の為、家庭療育に専念する。
自閉症児の母親たちと「わかば会」結成、わかば共同作業所を設立、顧問に就任。
1997年に法人化し、理事長に就任。
トモニ療育センター所長としても活動を展開する。
その療育活動の様子は、療育センター発行「ともに」(現在5号まで発行)各号によって紹介されている。
『精神科医の子育て論』服部祥子著(新潮選著)で、その家庭療育が詳しく紹介されている。
自閉症児を育てる親、教育者の要望により、全国各地で療育セミナーを展開中。
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6月30日におこなわれた「おじいちゃんおばあちゃんの講演会」に参加されたお祖母様から感想をいだきましたのでご紹介します。
今田さんの講演を拝聴して K
6月30日、梅雨空の中、岡山ふれあいセンターにおいて第二回おじいちゃんおばあちゃんのための講演会を開いてくださいました。
講師は今田恒子さんとおっしゃる、36歳の自閉症のお子さんをお持ちのお母さんであり、又二人のお孫さんもいらっしゃるおばあちゃんで、私とほとんど年の変わらない小柄で優しい女性でした。
「良かったのかなあ この人生」と題してお話してくださいました。
世間にまだよく知られてなく、重度な障害であるがゆえに今のように受け入れてくれる保育園もなければ幼稚園もない時代、あの小柄な体で息子さんと共にこんなに壮絶な体験をされたのだろうと思うと、私たちの子育てはなんと楽であったろうと思いました。
子育てしたと大きな顔をしていられない恥ずかしさを感じました。
決して大きな声で語られませんでしたが、話される一言一言に障害を持つ子どもを育てていく大変さが良くわかり、涙なしで聞くことができませんでした。
1時間30分も話をしてくださいましたが、私にはそのことをこの文章の中に書き表す事ができません。
自閉症児を育てた事のない私には頭の中でわかったようなことを言っても、本当の大変さは分かっていないような気がします。
孫と一緒に暮らしていればもう少し力になれるような気がします。
今田さんの息子さんは、社会人としてお勤めされておられるとの事、私たちも少し安心しました。64歳になられた今も、あれしよう、これもしようと頑張る今田さんに負けられないという気持ちがしました。
自閉症のお孫さんをお持ちのおじいちゃん、おばあちゃん、私たちにも何かできることがあると思います。
娘さんや息子さん、お嫁さんを少しでも助けてあげましょう。
又、一度どこかへ集まって話し合いましょう。
お孫さんと一緒にカレーパーティーなどいかがでしょうか。
きっと楽しい日になると思いますよ。
会報をご覧のおじいちゃん、おばあちゃん、がんばりましょう。
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我が子の身辺自立
ペンネーム 五右衛門
我が家の息子は今年小学1年生になりました。少しずつ言葉も話せるようになり、理解力も付いてきたように思います。しかしいつの間にか「あやつり人形」の様になり、私に指示を出されて従うだけの形になってしまっていることが多くなっていることに気付きました。これではいけないと思い1年前ぐらいから河島先生の「ともに」の本やTEACCHの資料を参考に実践しようとしましたが、自分にはとても高度すぎて無理、やり遂げられそうにないと言うのが実感でした。けれど参考にしたこの2つの資料でとても大切だと感じたのは親も子供も最後まであきらめないことが重要だということです。
我が子の場合身辺自立が出来ておらず、トイレや入浴、着替えなど常に介助が必要でしたが信念を持って指導をすることによって出来るようになりました。
まずトイレについて
● 4才ぐらいではトイレで用は足せず、紙パンツでする。
トイレに行くことは嫌がらない。
父や兄が用を足すとき一緒にトイレに行き仕方を見させる。
決まった時間や出かける前にはトイレに誘う。
● 5才半になりトイレで排尿が出来るようになる。
昼間は布パンツをはかせる。布パンツでは排尿を我慢して漏らさない。
我慢しているようだとトイレに誘う。
最初は我慢しているときに泣きながらトイレに行き、たまたま排尿ができた。
(この時は便器に座り漏らしたようなものであった)
立って排尿する練習をする。おちんちんを持って周りを汚さない訓練を続ける。
● 6才2ヶ月になりトイレで排便も出来るようになる。
(拭くことは介助が必要)
親が排便に行くときも連れて行き、視覚から覚えさせる。
毎日のリズムで排便の時間に(食後)トイレに誘う。
嫌がらずトイレに座っていたが、ついにウン良く出てしまう。
● 6歳半になりトイレについては一人で全て出来るようになる。
4ヶ月間排便時はトイレのドアを開けたまま入り、終わると声をかけさせて拭いてやっていたが、紙の巻き取り方や拭き方を数を数えながらリズムに乗せて覚えさせる。
トイレに行っている時に電話で話していて介助できないとき、「自分で出来るよね。紙をくるくる巻いてね」と声掛けすると自分で拭いて出てきていた。
今では毎日「トイレ行って来ます!」「ウンコ行って来ます」と元気に声を出し一人で行けるようになりました。
まだ排尿時にはズボンとパンツを膝まで全て降ろし、お尻丸出しです。
今後はこれも直して行かねばなりません。
つぎは入浴です
● 5才まで洗うのも体を拭くのも親まかせ。
● 5歳半ぐらいから体や髪の洗い方、体の拭き方を数を数えながらリズムに乗せて覚えさせた。
● 6才になり多少の介助をしながらも一通り出来るようになった。
● 6才3ヶ月 一人で入浴出来るよう、お風呂での順番を紙に書き一人で出来るよう訓練した。
(例 1.服を脱ぐ 2.お風呂のふたを取る 3.お湯に入って10数える・・・)
入浴前に紙を一緒に読み上げてから入浴させたが浴槽で遊びなかなか出てこない。親が適切なタイミングで声掛けをすることが必要だった。
● 6歳半 有る程度自分で出来るようになり一人で入浴させることを決意し、入浴時に「一人で入れるよね」と声をかけ順番の紙を読み上げてから入らせてみた。
そのまま入らせていると全て自分でぶつぶつと「1.服を脱ぐ」・・・と順番を言いながら入浴を済ませお風呂から出てくることが出来た。
まだお風呂で遊ぶ時間が長く声掛けを適時必要としている。着替えが用意されていなくても一人で用意し着替えることが出来るようになった。
最近では翌日に着る服の準備も自分で出来るようになってきています。
お風呂のふたを、お湯が入っていると自分で閉めることがまだ出来ないので、怖がらずに自分で閉めることが出来るようになることが今後の課題です。
入浴に関しては本人にとってトイレよりも難易度が高く、順番が解らなくパニックになったり、一人で洗うことを嫌がったり(特に髪を洗い流す時)自信を付けるのに苦労しました。
我が子の身辺自立が出来るよう努力してきましたが、私達が考えていたよりはるかに早く当初の目標を達成出来ました。
それにはやはり子供達に対応するための情報と親の信念が必要です。
「ともに」の本は非常に参考になりましたが、今後はより多くセミナー等に参加し子供に対しての考えや接し方、家族の協力、訓練の方法などをもっと学んでいきたいと思います。教える側が子供と同じように感情で流されていては進歩出来ませんし、その速度も速めることが出来ません。
今回の実践に当たって注意したことは
でした。
今回の訓練に当たり本人との衝突、家族の意見の相違、挫折しそうになったことなど問題はたくさんありました。本人も大変だったでしょうが達成することにより自信も付き、指示待ちでなく自発的に自分のことが出来るようになり、何より親の私が楽になりました。
今後も子供の特徴を活かし手伝いや、学習を伸ばして行けたらと思います。
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「案内板・伝言板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事だけは「育てる会
ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費
3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。