東京都歯科医師会による口腔ケアアセスメント票 
                           
  
 MDS-HC方式などのアセスメント手法で口腔内に問題があると判定された場合に,その問題点をより詳細に把握するために作成されている。項目は非常に詳細で,歯科関係者の使用を前提とし,記載マニュアルに従い,該当する項目にチェックを入れるようになっている。



口腔ケアアセスメント票

T.口腔内の問題
 A 口腔疾患状況

硬組織
  1.歯痛
  2.歯の動揺
  3.歯の破折
  4.充填物脱離
軟組織 歯・歯周組織 粘膜
  5.歯肉の痛み,傷,腫れ,出血,変色がある
  6.歯垢・歯石
  7.舌の痛み,傷,腫れ,出血,変色(舌苔など)がある
  8.口腔粘膜の痛み,傷,はれ,出血,変色がある
顎関節
  9.顎関節痛
 10.開閉口障害
 11.関節雑音
顔貌
 12.表情が乏しい
 13.口唇が閉じない
 14.片麻痺がある
 15.痙攣や不随意運動がある


 B 口腔機能

食物摂食
  1.好き嫌いがはっきりしている
  2.食事の時に嬉しそうにして食べる           
食事時のむせとせき
  3.ない
  4.ときどきある
  5.常にある
食物摂取時の姿勢
  6.食卓にすわって食べる
  7.ベッド等を起こして食べる
  8.寝たままで食べる
補食
  9.食べ物をこぼさない
 10.食べ物がこぼれてしまう
咀嚼
 11.普通にかめる
 12.やわらかいものならかめる
 13.ほとんどかめない
嚥下
 14.普通に飲み込む
 15.飲みにくい
 16.嚥下できない
味覚
 17.味がわかる
 18.味がわからない
唾液の分泌
 19.口腔内が乾いている
 20.口腔内が湿潤である
 21.流唾がある
発音
 22.明瞭である
 23.何とかできる
 24.不明瞭である


U.口腔衛生状態の問題
 A 口腔内清掃状況

  1.歯垢・歯石や食渣がついている
  2.義歯の内,外面に食渣がついている
  3.口臭がある

 B 口腔清掃

  1.毎食後している
  2.一日一回している
  3.全然していない


 C 歯磨き

  1.ほぼ自分でできる
  2.部分的には自分でできる
  3.自分でみがけない


 D ぶくぶくうがい

  1.自分でできる
  2.水を含む程度はする
  3.水を含むこともできない


V.義歯の問題
 A 義歯の有無

義歯の有無
  1.あり
  2.なし

 B 義歯の使用状況

  1.常時使用
  2.食事の時にのみ使用
  3.不使用

 C 義歯の具合

  1.よくかめる
  2.かむと痛いところがある
  3.うまくかめない
  4.装着が困難

 D 義歯の着脱について

  1.自分でできる
  2.介助が必要
  3.自分ではできない

 E 義歯の清掃について

  1.自分でできる
  2.介助が必要
  3.できない

 F 保管

  1.管理できる
  2.介助が必要
  3.できない

 G 義歯の安定剤

  1.使用している
  2.使用していない


W.栄養及び食事

栄養状態
  1.良好
  2.普通
  3.不良
栄養摂取方法
  4.経口
  5.経管
  6.経静脈内
回数
  7.2回
  8.3回
  9.4回以上
食事時間
 10.30分以内
 11.30分以上
食事形態
 12.普通食
 13.きざみ食
 14.軟食
 15.流動食
食事量
 16.増加した
 17.変化なし
 18.減少した
食事介助
 19.自立できる
 20.みまもりが必要 
 21.一部介助
 22.全介助

X.口腔管理
 A 口腔管理

本人 
  1.希望する
  2.希望しない
介護者
  1.希望する
  2.希望しない

 B 通院

  1.可能
  2.条件により可能
  3.不可能

 C 最近の歯科受診

  1.  年  月 頃
  2.歯科医院名
  3.主な治療内容


記入者   氏名
        役職 




   口腔ケアアセスメント票による口腔問題領域の選定表

食物摂取についての検討 咀 嚼 ・ 嚥下機能の検討 口腔清掃についての検討 口腔内状態の検討 発音機能の検討 口腔 ケ アを妨げる要因の検討
口腔ケアアセスメント
T 1・2・3・4 (硬組織) . . . .
5・6・7・8 (軟組織など) . . . .
9・10・11 (顎関節) . . . .
12・13・14・15 (顔貌) . . . .
4・5 (食事時のむせとせき) . . . .
(食事摂取時の姿勢) . . . .
10 (補食) . . . . .
12・13 (咀嚼) . . . .
15・16 (嚥下) . . . .
18 (味覚) . . . . .
19・21 (唾液の分泌) . . .
23・24 (発音) . . . . .
U 1・2・3 (口腔内清掃状態) . . . .
2・3 (口腔清掃) . . . .
2・3 (歯磨き) . . . . .
2・3 (ぶくぶくうがい) . . . . .
V (義歯の有無) . . . .
(義歯の使用状態) . . . .
2・3・4 (義歯の具合) . . . .
2・3 (義歯の着脱) . . . .
2・3 (義歯の清掃) . . . .
2・3 (保管) . . . . .
(義歯の安定剤) . . . .
W . (栄養状態) . . . .
5・6 (栄養摂取方法) . . . .
11 (食事時間) . . .
13・14・15 (食事形態) . . . .
18 (食事量) . . .
20・21・22 (食事介助) . . .
X . (口腔管理) . . . . .
2・3 (通院) . . . . . .

口腔ケアアセスメント票記載マニュアル

T.口腔内の問題
 A 口腔疾患状況
  硬組織 
   1.歯痛
     ・自発痛,温・冷水痛,咬合痛等の自覚症状がある場合
   2.歯の動揺 
     ・中等度以上の動揺のある場合
   3.歯の破折
     ・う蝕や歯冠の一部に欠損がある場合
   4.充填物脱離
     ・歯冠修復物の脱離を含む
  軟組織 歯・歯周組織粘膜
   5.歯肉の痛み,傷,出血,変色がある
     ・薬物性の歯肉増殖(Ca拮抗剤,ニフェジピン等)にも観察する
   6.歯垢・歯石
     ・歯周疾患等に著しく影響を及ぼすと思われる程度の歯垢・歯石が付着している場合 
   7.舌の痛み,傷,腫れ,出血,変色(舌苔など)がある
   8.口腔粘膜の痛み,傷,腫れ,出血,変色がある
  顎関節
   9.顎関節痛 
     ・自発痛,開・閉口時痛について観察する
  10.開・閉口障害
     ・補食に影響のある程度の開口障害のある場合
      関節脱臼による開口障害についても観察する
  11.関節雑音
     ・関節雑音の有無について観察する 
  顔貌
  12.表情が乏しい
     ・喜怒哀楽の表出がみられるかどうかを観察する
  13.口唇が閉じない
     ・口唇の閉鎖に持続性があるかどうかを観察する
  14.片麻痺がある
     ・運動・感覚神経の麻痺について観察する
  15.痙攣や不随運動がある

 B 口腔機能
  1〜18までは主として介護者への聞き取りを参考に記載する  
  食物摂取
   1.好き嫌いがはっきりしている
   2.食事のときに嬉しそうにして食べる
  食事のむせとせき
   3.ない
   4.時々ある
   5.常にある
     ・むせとせきのどちらか一方でもあれば記載する
  食物摂取時の姿勢
   6.食卓にすわって食べる
   7.ベッド等を起こして食べる
   8.寝たままで食べる
  補食
   9.食べ物をこぼさない
  10.食べ物がこぼれてしまう
  咀嚼
  11.普通にかめる
  12.やわらかいものならかめる
  13.ほとんどかめない
  嚥下
  14.普通に飲み込む
  15.飲みにくい
  16.嚥下できない
     ・飲み物を飲むとむせる等を観察する
  味覚
  17.味がわかる
  18.味がわからない
  唾液の分泌
  19.口腔内が乾いている
  20.口腔内が湿潤である
  21.流唾がある
     ・老化による感覚低下,薬物(利尿剤,抗うつ剤,抗ヒスタミン剤,抗パーキンソン剤等)の副作用,
      口唇の筋機能,嚥下障害による流唾等の影響を観察する
  発音
  22.明瞭である
  23.何とか理解できる
  24.不明瞭である
     ・介護者とのコミュニケーションができるかどうかを考慮する

U.口腔衛生状態の問題
 A 口腔内清掃状況
   1.歯垢,歯石や食渣がついている
   2.義歯の内,外面に食渣がついている
   3.口臭がある
     ・口腔内の残存歯牙の有無にかかわらず,口腔内をきれいに保ち快適さを得ることは大切な習慣である。
      歯垢・歯石の沈着の有無,片麻痺等がある場合は疾患側の汚れ,また,口臭等の有無を注意して
      観察する。
 B 口腔清掃
   1.毎食後している
   2.1日1回している
   3.全然していない
     ・口腔ケアは自立の為にも,可能な限り療養者自身に歯ブラシを持たせることである。
      また,療養者本人だけでなく介護する家族,それに係わる人達等の口腔ケアに対する意識を高める
      必要がある。
      特に3.を選択した場合,介護者等に対する口腔ケアの必要性を十分説明する必要がある。
 C 歯磨き
   1.ほぼ自分でできる
   2.部分的には自分でできる
   3.自分でできない
     ・本人の持つ機能を維持し,継続して口腔ケアができるような環境の整備と生活習慣としての
      採り入れが重要である。
      特に,2.3.を選択した場合,介護者の実施がどの程度行われているか知る必要がある。
      また,正しい歯磨きの方法等の理解をしてもらう必要もある。
 D ぶくぶくうがい
   1.自分でできる
   2.水を含む程度はする
   3.水を含むこともできない
     ・2.3.を選択した場合,口腔領域及び周囲筋の障害がどの様なものか観察する

V.義歯の問題
 A 義歯の有無
   1.あり
   2.なし
     ・1.の義歯があり,は義歯が使用可能,不可能に拘わらず所有していることをいう
      2.義歯なし,は義歯を必要とする,しないに拘わらず持っていないことをいう
 B 義歯の使用状況
   1.常時使用
   2.食事の時にのみ使用
   3.不使用
     ・義歯に対する異和感があり,使用状況が好ましくない場合には,2.3.を選択する
 C 義歯の具合
   1.良くかめる
   2.かむと痛いところがある
   3.うまくかめない
   4.装着が困難
     ・古い義歯,咬み合わせの部分の擦り減り,上下の咬み合わせ等が悪い場合には2.3.の問題が
      起こりうる為,十分観察する
 D 義歯の着脱について
   1.自分でできる
   2.介助が必要
   3.自分ではできない
     ・「義歯が所定の位置になかなか入らない」「義歯の取り外しが自分でできない」
      「義歯がはずれやすい」等の状況を観察する 
      また,感覚障害によるものもあるので注意が必要
 E 義歯の清掃について
   1.自分でできる
   2.介助が必要
   3.自分ではできない
     ・長い間使用した義歯は,義歯そのものが汚れている場合がほとんどである。
      義歯の内面の汚れ,白い斑点状の固まり等があるかどうか十分に観察する
 F 保管
   1.管理できる
   2.介助が必要
   3.できない
 G 義歯の安定剤
   1.使用している
   2.使用していない
     ・1.を選択した場合,安定剤の種類(例えばポリグリップ等)又はティッシュペーパー等を
      使用していればそれらを聞き取る
      また,2.を選択した場合,義歯が安定して使用されているか否かを観察する

W.栄養及び食事
 A 栄養状態
   1.良好
   2.普通
   3.不良
     ・身体計測,血液生化学的検査結果等から判断するが,主治医,訪問看護婦等からの
      医療情報を参考にする
      特に,低タンパク血症,脱水に注意する
 B 栄養摂取方法
   4.経口
     ・経口摂取ができている
   5.経管
     ・経鼻胃管,胃瘻,空腸瘻等の場合
   6.経静脈内
     ・中心静脈栄養,末梢静脈栄養の場合
 C 回数
   7.2回
   8.3回
   9.4回以上
     ・食事回数,栄養回数を選択する
 D 食事時間
  10.30分以内
  11.30分以上
     ・経口摂取の場合の食事にかかる時間を選択する
 E 食事形態
  12.普通食
  13.きざみ食
  14.軟食
  15.流動食
     ・普段の食形態を選択する(主菜,副菜どちらでも該当すれば選択する)
 F 食事量
  16.増加した
  17.変化なし
  18.減少した
     ・最近1週間の食事量の変化を選択
 G 食事介助
  19.自立できる
  20.みまもりが必要
  21.一部介助
  22.全介助  


「かかりつけ歯科医意見書及び口腔ケアアセスメント票の記載マニュアル」 東京都歯科医師会 平成11年3月 より