摂食・嚥下障害のための身体的所見

摂食・嚥下障害のための身体的所見  
a)一般所見
 #高血圧(不安定な血圧),頻脈,皮膚乾燥,るいそう
 #経管栄養,胃瘻の存在
b)神経学的所見
  ・意識状態:#遷延性の軽度意識障害
  ・高次脳機能:#感情失禁,注意障害,行動リズム障害
  ・下部脳神経(主な感覚機能,運動機能)
    三叉神経(5):顔面と舌体部の感覚,咀嚼筋群,顎舌骨筋,顎二腹筋前腹
       #開口時の下顎の麻痺側偏位
    顔面神経(7):顔面筋群,顎二腹筋後腹,舌前2/3の味覚
       #鼻唇溝の消失,口唇の閉鎖不全
    舌咽神経(9):舌根部の味覚,感覚
    迷走神経(10):舌根後部の感覚,内喉頭筋群,口蓋筋群,咽頭収縮筋群,食道筋
       #嗄声(反回神経麻痺)
        #軟口蓋の挙上障害・健側偏位,カーテン徴候(咽頭収縮筋麻痺),gag 反射消失
     舌下神経(12):内舌筋群など
        #舌突出時の麻痺側偏位
     構音:#麻痺性構音障害,失調性構音障害
     声質:#湿性
嗄声(wet hoarseness)
c)その他の身体所見
  ・頸部の関節可動域(上位頸椎):#上位頸椎屈曲制限(chin down 制限)
  ・運動機能:#四肢・体幹の麻痺,失調
d)口腔内歯科的所見
  ・歯と歯肉:#う蝕,残根,歯肉の腫脹・出血
  ・義歯:#紛失,不適合
  ・口腔衛生:#食物残渣停滞,舌苔,唾液分泌低下,口腔内感覚過敏
e)嚥下機能観察
  ・喉頭挙上の観察,頸部聴診
  ・反復唾液嚥下テスト
  ・水飲みテスト
f)食事観察
 #切迫的摂食,感情失禁
 #疲労,意識障害
 #環境,介助者の問題


#は主たる所見を示す

 才籐栄一 : 老年者の摂食・嚥下障害の評価法と訓練の実際.歯界展望,91(3),649-656,1998.より