2000年1月委員会との懇談


     ==== 委員会との懇談 概要 ====

     2000年1月31日
    「S市の今後の障害児教育の充実について」
     S学園保護者、教育委員会、S学園職員(一部)、H中学校教頭およびH先生による懇談会    
     
     S学園小中廃止問題から就学まで・・・・
     保護者は、これまでの疑問点や問題点を指摘するとともに今後のあり方を問う。
     教育委員会の回答は、ほぼこれまでと同じ内容で、具体的なものはほとんどありませんで
    した。 しかし、委員会の考え方がわかるだけでなく、今後の問題点も見えてくるような内容
    でした。
     
     以下は、2000年1月31日に開かれた懇談会でのメモです。




教育委員会課長 あいさつ
S学園の派遣特殊学級について
本年度をもって解消して、地元へということになった。
不安な点もあるかも・・・・
就学の時期、
今度就学の子どもさんは、地域の学校へということ、
継続と新設のお願いを県へしていっている。
具体的就学について、新設要望しているところは遅くなる。
3月にならざるをえない。
就学通知について、法的には1月末となっているが、
(各校の障害児学級の)継続、新設を県へお願いしているので、ご許しください。
忘れているわけではない。

文書で市長さんへいただいている点(1999年9月21日に市長、教育次長に出した『保護者からの意見』の文書の意)について、
『障害児教育に対し、なぜ広域的取り組みをしないのですか。』について・・・・
養護学校的なものをなぜしないのか・・・・
養護学校的なものを広域で・・・・児童生徒の数や予算面の点で困難であった。
学区外のこともやっているので、近隣の町村で難しい場合、教育に関しては、否定するものでない。
『学園が移転・改築をしても今まで通り、広域的に受け入れて頂けますか。』
移転後も従来通りと聞いている。
『学園の中学部が廃止になれば、必要に応じ、H中学校へ特殊学級が新設されるのでしょうか。また、希望があれば重度の子も受け入れて頂けますか。』
必要に応じ、就学する子どもさんがいれば、新設要望をする。しているところです。
重度の子どもさんも基本的には受け入れる。
検討ができる仕組みにしている。
『学校の受け入れが難しい場合、また学校に馴染めなかった子供の対応をどう考えられていますか。』
施設、子どもの状態によるのか・・・・
個に応じて、対応していくこと。
・・・・市内7000人・・・・学校に行けない子どもさんについても、個々にやっていっている。
(そのような)事象が出たときに、個々に・・・・。
『高年部は、移転・改築しても残るのでしょうか。』
残ると聞いている。
『各学校から学園に来てもらって、学園の子供を見て頂き理解してほしいです。そういう、機会をつくって頂きたいです。(健常児にとっても、良い教育になるのではないでしょうか。)』
ご意見の通り。
H小、H中との交流、S高校、また、ある小学校は年間の行事の中でしているところもある。
『保育園・幼稚園にも障害をもった子供を受け入れて頂きたいです。障害児に対する知識を高める状況をつくって頂きたいです。』
ご指摘のとおり。
保育園については、コメントできない。
幼稚園は、園長先生の返事によってできるしくみになっているが、
条件を出すこともあるかもしれない。
保護者に一緒に(ついてきてもらう)というケースもあるかもしれない。
『今まで学園でやってきたものは、学園の小・中学部が廃止になっても継続されるのでしょうか。 (例えば、夏休みの問題)』
小中は、夏休みは40日・・・・基本的には、学校と同じ流れになる。
『障害児の学童保育をつくって頂きたいです。(学童レスパイト)』
私どもでは、コメントを控えさせていただきたい。
保護者会長 保護者の意見の4番目、学校になじめなかったときの対応・・・・
ここだったら(この地域の学区は、かなり遠い)N養護学校・・・・
通う通学方法を具体的に考えているのか・・・・
教育委員会課長 昨年、県へバスのことは、お願いした経緯がある。
これも難しいということ。
ここまでバスが来てくれたらいいなあという話もありますが、
まだいい返事はもらっていません。
市が動かすことについては、また別。
決められた路線で、そこまでという方法でやられていると思う。
いい返事ができる状態にはなっていない。
現時点では、市でということにはなっていない。
今のところ、できる限り地元でという話になっていて、
市長さんはじめ・・・・(地元の学校に子どもを受け入れる)
となっているので・・・・
保護者K 数が増えたら市でということもあるか。
教育委員会課長 まず、県へお願いしてから。
どこへ就学するかによって、通学方法について、県へ要望していく。
保護者K 県がダメだったとき、地元という・・・・
確実にできるんですか?
教育委員会課長 要望中です。
 
保護者K 3月まで待てと言われるのは、保護者にとってはこく。
教育委員会課長 N中の保護者の話も聞いている。
県ができなかったら、子どもさんがいるので努力はします。
何年か前とはうんと変わってきている。
教育委員会課長 6年間の間があいている。取り組みが難しかった。
バスがすぐ来るということにはならなかった。
市で踏み込んだ議論はできてない。
3月下旬だろうと思われます。
今年、3月下旬になってできた(県が新設を認めた)というケースもあった。
H先生 継続、新設の申請を県にしていただいていると聞きますが、
もし、県ができないと言ったとき、どうされますか?
例えば、H中で障害児学級の工事を始めていただいていますが、
教室ができて、もし、県がしないと言ったときどうされますか?
教育委員会課長 H中は、要望中です。教室も市で用意している。
できなかったら困る。
市の方でどこまでできるかというのは答えづらい。
1つの学級に1人の先生1人の子どもさんという要望がたくさん出ている。
限られた教員の数・・・・県ができなかったら市でどこまでやるべきか・・・・
もっと他の教育の方法をした方がベストか。
どっちがいいかはわからない・・・・いいのかどうかわからない。
H先生 (希望どおり)全部できるとは思いませんが・・・・
県がしなかったとき、市でどこまでできるのか・・・・
教育委員会課長 県がしなかったら市でするとは言えない。
個々でやらないと成り立たないケースが出たときは・・・・
市の方でも検討しなければならないと考える。
いい方向にいかなかったら、市でも対応していく。
全部可能という、すべての希望にはそいかねる・・・・。
保護者会長 複数担任を望んでいる。
先生1人というのは、親から見ても大変。
学校は教育の場なので、臨時の先生でなく・・・・。
教育委員会課長 複数担任については、いろんなケースが考えられるし、より望ましい。
できてなかったことをしていこう。
受け入れをする。
まず担任・・・・複数(にするということは)市の甲斐性になってくる。
学級があって、正式の担任がいるところへ市でつけるか・・・・
まず、ないところへ(学級を)つくるという方が先。第一義です。
保護者K 各学校の設備、トイレの手すり、車椅子の入れる幅。
トイレは、まず、基本。
手すり、段差をなくすこと。
教育委員会課長 まったくそのとおり。
実態に応じて、一部対応していっている。
十分ではないが。
トイレについて、検討していかなければならない。
保護者K 手すりぐらいは、すぐにつけれるんじゃないですか?
教育委員会課長 各学校からの要望・・・・については、
優先順位をつけてやっていっていることだけど、
これまで、できてなかったら・・・・
声が出てなかったのか、無視していたのか・・・・。
H中の改修にトイレも・・・・ということができている。
トイレも、90゜につけるという・・・・
頭になかったが、斜めにつければ・・・・県から指導があった・・・・
介護がしやすい。
保護者K 使う側の意見を聞いてほしい。
教育委員会課長 子どもさんに対して、保護者の関わりは人によって違う。
介護をしている場合やそうでない場合など・・・・。
保護者K 介護者が入れるスペースは、つくっていていいんではないか。
教育委員会課長 手すりの問題や
指導していく中で必要なこと、
子どもたちと一緒にやっていく中で必要なことについては、
機会を見たり、予算編成のときに取り入れていかなければならない。
保護者会長 保護者の意見の6番目の・・・・学園に来てみてほしい。
何校か交流はあるが、もう一律に学校から学園に来てほしいという気持ちも含まれる。
保育園、幼稚園へ、今も希望があれば交流はしているが、
今は遊びに行っているだけ、
知識や受け入れる態勢ができてない。行っても疲れるだけ。
そういう状態をつくらないと行く気にはなれない。
教育長さんは、学園の小中が廃止される・・・・それ以上のものをしていくと言われた。
しかし、今までの答えでは、これまでやっていることと変わらない。
教育委員会課長 教育長の言われたことの気持ちはわかりかねます。
学園でしていた以上のものをめざす・・・・
教育委員会として、ここでしていた学校教育について言っている。
学園にいて、福祉と一緒にいてよさがあった点
(派遣学級が福祉施設の中に同居していたことによるメリット)については、
(今後は)福祉については言えない。
(考えに)ズレがありますね。
こうやって、話をしていてわかった。
申し訳ない気持ちがします。
幼稚園、教員が勉強すること。
(受け入れは)今の人数配置では難しい。
したがって、(幼稚園の)園長が「どうぞ」と言えてない。
委員会ができてない。
人を増やしていく以外ないが、できてない。
保護者T 市長さんが話をしたとき、市が養護学校に金を使うよりも、
人に金を使う方がいいと思いませんかと言われた。
市が・・・・(子どもが)2人希望して、(1クラスで)一緒にできないとき、
県が人を配置できなかったら、市の方でも考えてみていただきたい。
昨年、拠点校方式という話になったが・・・・
地域でという話になったので、拠点校として充実はしないんですよね。
拠点校が整っているから、そっちへ行けとは言わないですよね。
教育委員会課長 拠点校というよりも、ない学校へは、
できるものならそれぞれの学校へ・・・・。
今、基本的にそういう形で要望していっている。
可能でないとき、市の方でするということもあるし、
近くにありますよという場合もあるし、
事情によって、学区外を希望する場合は、否定するものでない。
保護者T 地域でやってくれるということですよね。
教育委員会課長 100%にならない場合もあるかもしれないが、
そういう方向でやっていく。
過去には、「どうぞ」という方法でやってきた点もあったが、
今はご存知のような方向へ・・・・。
保護者会長さんの交流を一律にということですが、重要なことであるのでやるようには言える。
ただ、たくさんの教育の内容があるので、どこを重点としていくか、どうかは・・・・。
自分の学校に障害児学級がある場合は、その中でということもあるし、
ないところがやっていることも・・・・。
保護者会長 派遣学級がなくなって、学校とのつながりがなくなるのでは?
教育委員会課長 そういう心配はあると思いますが、
新しい学園がどういうものなのかわかりませんが、
どういう交流ができるか考えていかなければならない。
福祉については、学校では、積極的に取り入れる方向にある。
総合学習の中にも例示されている。
福祉、人権、環境へ目がいっている。重要な内容・・・・。
保護者会長 広域的とりくみを話し合って、難しかった?
教育委員会課長 報道もされたように、
(広域的とりくみを)言ってくださった(町の)話もありましたが、
学校をつくるんですから、人数、
どれを基準に言っているのか、
30人では、県はつくるとは言わない。
理念としては、やらないといけないが、現実としてできるのかどうか。
県も難しいですよという話、
ある町からやればいいがという話はあったが、理念と具体化は難しいのではないか。
理念としては、あればいい。
近くに養護学校があればいいと思う。否定はしない。
しかし、市で受け入れていくということになった。
保護者K H小は?
教育委員会課長 本年度、学校に・・・・そこで学ばせたいという子、保護者がいなかった。
子どもさんがおられて、要望があれば、今同様にとりくんでいる。
部屋がないというところもある。
必要度に応じてやっていっている。
どこも大変な状況・・・・。
新しくつくるとき、バリアフリーは当然やっていくこと。
保護者K 年度途中でも、できるのかな?
教育委員会課長 基本的には、来年度(次年度)予算要望して、
やりとりして決まっていく。
直す方もたくさん出ているので・・・・。
個々具体の話について、学園の先生方と話してもらってもいいし、
委員会というふうにも遠慮なく言っていただいていい。
H先生 しつこいようですが、先ほどと同じことなんですが・・・・
保護者の方からも言われたように・・・・
(教育委員会課長がH先生の話をさえぎって)
教育委員会課長 子どもさんが学校へ行ったら学校の先生がいる。
職員みんなでやっていく。
全力をあげてやっていく。
みあう、それ以上の気持ちでやっていく。
お金、人、施設も大事だが、先生方も一生懸命やっていく。
これだけのことをしましょうとなかなか言えない。
(学園の保護者の方が地元の障害児学級を)見学もしたり、
失望もしたり、よかったと思ったり・・・・と聞いている。
年々高まってきていることは事実。
幼稚園では、子どもたちが思い思いに動いていることが多い。力量が問われる。
ここから先は、個々の話になって具体的になる。
これが最後とは思っていない。
今後も(話し合いは)やぶさかでない。