高性能林業機械による間伐の現状
 最近は森林を林業のみではなく環境面から評価する動きが大きくなり、良質な木材を生産するという目的以外に環境保全の役割が大きくなってきたため、間伐により人工林を健全な状態に保つという必要性が高くなってきました。しかし、従来の間伐法では機械化には限界があり、また作業者の労働負担も大きいことなどが間伐がなかなか推進できない要因ともなっています。

 岡山県で主に用いられている間伐作業方法

 1:人力伐倒→人力造材→小型運材車あるいはフォワーダによる集運材
 2:人力伐倒→小型タワーヤーダ全木集材→人力造材
 3:人力伐倒→林内人力造材→小型タワーヤーダ集材
 4:人力伐倒→小型タワーヤーダ全木集材→プロセッサ造材

*集材についてはスイングヤーダやウインチ付きグラップルローダ等も用いられている。1 の方法が県内の森林組合や林家で広く用いられています。
2、3 の方法は西粟倉村森林組合、加茂森林組合などタワーヤーダ所有の作業班(右写真)が実施しています。
4 は林試で試験的に実施。この集材を作業路を開設しウインチ付きグラップルローダを用いて実施しているのが美甘村の向井林業です。
林業機械の保有状況
 高性能林業機械がもてはやされていますが、平成11年現在で、グラップルソーを含めた高性能林業機械は68台です。
 これに対して、集材機は614台、小型運材車(林内作業車)は1,338台で圧倒的多数であり、これを有効に活用しなければ間伐の推進はあり得ないと思います。

 狭い作業道あるいは緩傾斜の林内で作業でき、価格も手ごろです。積載量が少なく、走行速度が遅いため大型機械に比べて能率は低いのですが、小規模な間伐地には適した機械です。作業路が整備されると能率が高くなるのは大型機械と同じです。