4.プロセッサ導入

 ア)機種選定の重要性
 どう使いこなすか・・・自分たちの技量もしっかりと把握しておく
 貨物輸送用のトラックのように多くのメーカーが多くの機種を販売しているものでも、積載物の種類、積載量などいくつかの基本的な性能で機種を選択すればどの機種を選んでもそれほど間違いがないといわれている。
 ところが、プロセッサの場合は機種によって性能も得意とする作業も違い、機種選定が非常に重要とされている。これは、機械の性能そのものが発展途上であり、使用条件の異なる外国製品から国産品まで性能や構造、作動原理まで異なった製品が販売されているからである。
 これまでの県内での導入に当たっての機種選定では、それぞれの事業体が機械の試用を行ったり、デモではなく実際の現場の視察を行うなど大変な努力をしている。このような努力と併せて導入する事業体がどのようにその機械を活用するのかをしっかり把握し自分たちにあった機械を選ばなくてはならない。
 また、機種選びの中で直接的な性能ばかりではなく、メンテナンス性などその後の維持管理や稼働率の確保に直接影響する事柄もしっかり考慮しなければならない。また、そのためにはメンテナンスに精通するよう作業員の資質向上のための努力が欠かせない。
 また、現在のプロセッサは完成された機械ではなく発展途上の機械であるということも考慮し、その機械のどの特性に重点を置くかなど使う方の資質が試されるといっても過言ではない。
 
 イ)具体的な機種選定の方法
 ・情報収集
 林業機械の専門技術員(林業試験場)は最新の機種などの情報を持っているので、ここに相談しアドバイスを受けること。現場視察の情報なども得られるので活用したい。
 また、メーカーや代理店のセールスマンとも接触をし、情報を得ること。
 林業関係の雑誌「機械化林業」なども情報源として活用する。
 ・現地視察
 「百聞は一見にしかず」のたとえどおり、必ず自分たち(必ず実際の作業をする人)が直接見て確かめる。メーカー主催のデモではなかなか本当の作業能力を見ることはできないので注意を要する。特にこれまでの経験では、本当の能力を発揮していない機種が多く作業能力を測る目安とは考えてはいけない。構造やその他の情報収集の機会と考えるべきである。
 また、ある程度候補が絞られてきたら、ただの通り一遍の視察ではなく一定の期間実際の作業員が研修をかねて、その機械を利用している事業体で仕事をしてみると実体がよくわかる。
 ・試用
 経費や現場設定の点からなかなか難しいが、ぜひ事業的に試用してみるべきである。
ただし、機械を本当に使いこなすだけの実力がないと機械本来の能力を発揮させることができないし、多くの機種を比較検討できないのが欠点である。