要約 プロセッサ作業のあらまし


 高性能林業機械の中心的存在のプロセッサ。
 高い作業能力はコストダウンの切り札といわれていますが、その導入はなかな か進みません。この冊子はこれから導入しようとする事業体や、既に導入してい る事業体の方々にプロセッサを有効に活用していただくためにまとめました。

プロセッサ導入の長所と短所  

こんなにすばらしい能力を持っています
非常に大きな作業能率
 集材さえ出来れば、1日に100m の丸太を生産することが出来ます。
安全快適な作業環境
 トビもチェンソーも要りません。エアコンの効いた快適なキャビンで作業。
 材の滑落や転倒による怪我の心配のない安全な作業です。
作業の進み具合や生産量の把握もおてのもの。
 コンピュータ作業記録付きの機種ならば、樹種別、径級別、材長別などの細かい記録が取れ、集計されてプリントできます。
 
しかし、・・・・・・
高価な機械です
 必要な付属品をあわせると、2千万円以上になります。交換部品や消耗品も相当の金額になります。また、修理や点検を依頼すると高くつきます。
造材するためには、集材しなければいけません。
 プロセッサを休み無く働かせるための時間当たり20mもの全木材を集材するには、大規模な架線でも追いつきません。集材を先行させたりするなど合理的な作業の工夫が必要です。
 また、大量の材を処理するには広い土場やトラックの積み込み場所が必要です。
 大量の枝や端材の処理も考える必要があります。
オペレーターや作業の管理者は高度な能力が要求されます。
 プロセッサの場合は、オペレーターの能力が作業能率を大きく左右します。木を見る目、メカの知識など幅広く要求されます。そして、作業全体を合理的に計画しないと、せっかくの能力を活用できません。
営業部門はしっかりしていますか。
 どんなに現場を効率よくこなしても、年間の作業量が確保できなければ機械化の意味はありません。事業の基本は営業活動です。

プロセッサを活用するための費用
 一般的な使用を想定した試算では図のように年間960万円程度がかかると思われます。
 
 プロセッサを導入することによって、作業員約2人分の人件費に相当する経費がかかるのです。つまり、同じ作業量でもこれだけの合理化ができればプロセッサを用いた快適な作業環境が実現します。

プロセッサはどのくらい働くのか
1時間に10m程度の造材は簡単にやってのけます。ただし、それに見合う集材が必要です。

プロセッサの能力の心配より、伐倒〜集材〜造材〜運材という全体の効率をいかに上げるかが一番の問題です。