2.プロセッサとは?

 プロセッサとは一般に伐倒された材の枝払いを行い、所定の長さに玉切りするための林業機械とされている。また、これに伐倒するための機能を備えたものはハーベスタと呼ばれ区別されているが、これを伐倒機能を用いずプロセッサとして用いることも多い。
 基本的な機械の構成は、ベースマシンとして土木作業用のパワーショベルを用い、掘削用バケットの替わりに枝払い、玉切り機能を持つ作業ユニットを装着し、本体の油圧ポンプで作動させるものが多い。
 ア)標準的な仕様
 ・ベースマシン
 土木作業用のパワーショベルをそのまま用い、油圧配管などの改造を行って作業ユニットを架装することが多い。それ以外ではフォワーダを用いるもの、トラックを用いるものも少数ある。
また、最近では土木用パワーショベルの流用でなく林業用の特別仕様のものも販売されている。これは車体下部を切り株から保護したり、運転席を材の衝突から守るためのガード等を取り付けたり、クローラを強化したりしたものである。このほか最初から作業ユニットを工場で架装し、ベースマシンと一体で販売するものもある。
 機体の大きさは、掘削バケット容量0.45m3、機体重量11t程度のものが一般的である。これは、作業ユニットの必要とする油量、油圧に見合うエンジンを持つこと、材と作業ユニットをブームに取り付けて安定する本体重量が必要とされるからである。
 しかし、幅の狭い作業道へ進入したり、幅の狭い林道を運搬車で搬入する必要から掘削バケット容量0.25m3、機体重量7t程度のものも開発され、間伐あるいは小径木用として用いられることもある。また、大径木用として掘削バケット容量0.70m3、機体重量15t程度のものが用いられることも多くなった。
 ・作業ユニット
 一般的なものは、1あるいは2組のグリップで材を掴み、チェーンを巻いたゴムタイヤで挟みながら材を送るとともに測尺し、材の外周を囲むナイフで枝を払い、チェンソーで材を切断する構造となっている。
 材を送る装置には、これ以外に鉄のスパイクあるいは溝つきのローラや爪のついたチェーンを用いるものもある。材の切断もチェーンソーでなく丸鋸を用いるものもある。ほとんどの機種がコンピュータでコントロールされ、測尺から作業記録まで各種の作業が自動化されたものもあり、作業者の負担の軽減をはかっている。