1. はじめに


 全国的に最近の高性能林業機械の普及はめざましく、岡山県においても小型タワーヤーダをはじめとする高性能林業機械の導入が進みつつあります。

 高性能林業機械といっても車両系のものから架線系のものまで多くの種類があり、各地域の実状に合わせて最適なシステムを確立しようと、全国的な規模の大型プロジェクト研究「地域に適合した林業機械作業システム研究」(H4〜H8)がスタートしました。

 岡山県林業試験場でもこれに参画して調査研究を進めているが、この手引き書にはこの研究のうち、本県で比較的早くから導入が進みシステムとして本格的に稼働している「小型タワーヤーダシステム」についての調査研究の成果と、他県のデータ等をもとに導入あるいは活用の参考となるようまとめました。

 今まで多くの調査事例が公表され高性能林業機械を利用した作業の功程が明らかになりつつありますが「m3/人・日」という漠然とした数値が並ぶだけでした。これは機械の性能や特性を客観的に表したものですが、これを元に作業班を編成し機械を導入して作業を進めようと考えても具体的なイメージが浮かんでこないのが実状ではないでしょうか。そこで、とりまとめにあたっては、なるべく具体的な事業実施の参考となるように、各種の調査結果を用いて機械システム導入の参考となるマニュアルを作成しようと考えました。

 高性能林業機械の導入に関するアンケート調査結果(詳細は研究報告第11号)でも、情報の不足がもっとも指摘された点でした。そこで、なるべく現場で必要とする情報を盛り込むよう心がけてこれを作成したので、ぜひ活用してください。

 データも少なく多くの推定値を使わざるを得なかったが、導入の一助、あるいは合理的な機械作業システム運用の資料になれば幸いです。これからも現場からのデータを多く集め、今後もより良い情報を提供しようと考えているので、みなさんのご批評、ご意見をお願いいたします。


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