ッドデッキ

「日曜大工体験記」


 「ねえ、お父さん、こんな雑誌に載っているようなウッドデッキ作れないかな」という家族の何気ない一言から我が家の日曜大工物語は始まりました。 ガーデニングブームとかできれいな庭の写真には必ず木製のデッキがあり、家族がくつろいでいる様子が写っています。

◎出てくるは外材ばかりなり
 そこで、日頃影の薄いお父さんとしてはここで名誉挽回とばかり張り切って、本屋さんやインターネットで資料をあさりはじめました。ところが、出てくるものは「ツーバイフォー」、「レッドシダー」などアメリカ流の工法に材料ばかり。どこにも「スギ」、「ヒノキ」なんて出てきません。通信販売の組立キットの商品も県産材なんか目にすることはありません。 さあ、日頃スギやヒノキのために働いているつもりのお父さん頭にきた。そこで、材木屋さんに電話をかけまくったのですが、「あんたどこの業者さん、うちは小売りはせんよ」とか,なかなか相手にしてもらえません。「お父さん、いつもスギやヒノキの話をしとるのに、材料を売ってくれんなんておかしいね」

◎あったぞ地元のスギ
 そこで、以前子供たちを相手にした「森林教室」の講師を頼まれたとき熱心に世話をしていただいた「新見木青会(事務局:宮永製材所、新見市)」の宮永さんに相談してみたところ、「実はうちでも試作品を作ったりしてるんですよ、スギは防腐塗料の吸収もいいし是非作ってみてください。」とのご返事、早速利用可能な規格を聞き、簡単な設計にかかりました。

◎工法はアメリカ流
 材料は県産でも、工法は素人でも出来る最新のものでやることにしました。「ほぞ」などは使わず、「コーススレッド」という長いねじ釘を電動ドライバーでねじ込んで固定する方法をとりました。これはやり直しや修理が簡単なこと、強度が高いことが特徴です。これ以外は電動丸鋸、水準器、その他の手工具少々です。

◎こんなに材木を使うの! 
 トラックで来た木材を見て、「うわー、こんなに材木を使うの」とびっくり。二十四平方bのデッキに二立方bの木材を使いました。二b×十a×三aの板二百三十枚、三bで九a角の柱二十本を使用。

◎家族で働くなんて久しぶり
 いろいろな資料を基に、材料は多くても簡単な工法を選んだので、息子や妻も即戦力。はじめはおっかなびっくりだったのが最後には電動工具を使う様子が頼もしく見えるようになってきました。 

◎がんばれ県産材
 工具や塗料などの発達で本格的な日曜大工が楽しめるようになりました。しかし、カタログなどに出てくるのは外材ばかりで県産材の姿は見えません。また、ホームセンターの材木は一般の建築用の製材品の数倍もするなど、まだまだ木材は身近ではないようです。今回、家族で木工をしてみて、木に親しむことが木造離れを防ぎ、本当の需要拡大につながると実感しました。川上から川下までと言いますが、メーカーや工務店だけに働きかけないで直接消費者とつながる接点を充実させないといけないのではと実感しました。 ウッドデッキで県産材の需要拡大に貢献したいお父さん、ご相談は筆者まで。