未来日誌(卓球)
おおっ、なんだありゃ。
私がラケットを両手で持ち、野山を素振りしながら走っていると、「未来日誌(卓球)」と書いてある段ボール箱を発見した。
つまんねえいたずら、と思いながらその段ボールに入ってみることにした。中には昔のテレビについていた、チャンネルを変えるつまみがある。どこにあったんだ、今時こんなもんと思いつつそのつまみをひねったそのとき!
マジックで書かれた画面が写り、突然ニュースが流れてきたのです。
そこで見てきた、未来の卓球を皆様にもお教えいたします。
2004年
「こんにちはニュース+4です。卓球の福原 愛ちゃんが中学生にして、全日本のタイトルを取りました。いやーすごいですねえ。」
「これってどれくらいすごいことなんですか?」
「ドライブの打ち方でカットの球が打てるぐらいすごいです。」
「そっちのほうが、すげーだろ。」
2008年
「こんにちは。ニュース天国のお時間です。卓球の話題を一つ。」
「この度卓球の更なるカラー化に向けて、ラバーやピン球の色はなんでも良いということになりました。」
「そうですか、カラフルでいいですねえ。」
「しかし、細かい規定もあります。片面のラバーが黄色の時、片面のラバーはオレンジ色や山吹色は禁止で、片面が緑の場合は、黄緑やビリジアンは禁止などなどです。また、試合前はピン球がどの色で行われるのかをちゃんと調べてから参加してください。ユニフォームも注意が必要です。」
「ややこしいことになりましたね。」
2011年
「こんにちは。ニュース万歳のお時間となりました。卓球界に衝撃です。来年4月から、卓球のボールが大きくなり、今度は一気に倍増の80mmになるとのことです。これが新ボールです。」
「大きいですね。ソフトボールぐらいですか。」
「これで更にラリーが続きそうだということです。」
「台は大きくならないんですか?」
「今のところその予定はないそうです。」
「ラーメンじゃないんだから、倍にすればいいってもんじゃないと思いますが・・・・」
2015年
「こんにちは。ニュースの山のお時間です。まずは卓球の話題から。」
「今、空前の卓球ブームとなっていますが、このほど日本の国技として、相撲のかわりに認定されることが、ほぼ決定的となりました。しかし、この決定に相撲協会が猛反発しています。相撲協会の意見を尊重し、土俵の上で卓球をすることも視野に入れているとのことです。」
「やはり、そうなれば試合の前に塩をまくのですかね?」
「台の上に塩をまいたらやりにくいでしょうね。」
2019年
「こんにちは。ニュースなやつらの時間です。ユニークな卓球ゲーム誕生です。その名も卓球おたく。」
「どんなゲームなんですか?」
「まずこの専用のマットを使います。テレビに矢印がでますから、音楽にあわせて画面の矢印どうりに、マットを踏んでください。続けて上手く踏むと、スマッシュやドライブが打てます。」
「卓球全然関係ないじゃないですか。」
「そこがユニークなんですよ。」
2022年
「こんにちは。ニュースでポンのお時間です。なんと福原 愛ちゃんの子供が、小学生5年生で全日本を取りました。愛ちゃんの最年少全日本タイトル記録を4年も更新しました。」
「これはびっくりですねえ。」
「ちなみに愛ちゃんは28歳。来年現役復帰を発表したそうです。親子対決が楽しみになってきましたね。」
「愛ちゃん、若すぎないですか?」
2028年
「こんにちは。ニュース再発見のお時間です。卓球界に激震です。なんと来年2月から卓球のボールが40cmになることが、本日の理事会で承認されたもようです。」
「これは驚きですね。」
「この決定に伴い、各メーカーでは1mを越えるラケットを開発するとのことです。これはけっこう体力が必要になると思われます。」
「台の大きさは変わらないんですか?」
「今のところその予定はないとのことです。」
「馬鹿じゃないの!」
私が見たこの未来は、はたして真実なのでしょうか・・・・・・・?