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膿瘍・蜂窩織炎(フレグモーネ)
 主にケンカの傷により起こる膿がたまる病気で、小さなケンカ傷ほど発症の危険性が大きい。

傷口からバイ菌が入ると腫れや膿みなどの症状となり、皮下組織が化膿してしまう急性の化膿性疾患。
のうよう
膿瘍は、皮膚や皮下組織(皮膚のすぐ下の組織)に膿がたまってその部分が熱をもち、痛みを伴う感染症です。
ほうかしきえん
蜂窩織炎(フレグモーネ)は、筋肉内に侵入するなど、広がりやすいく正常組織との境界が不明瞭になります。
猫のケンカによる傷(咬み傷や引っ掻き傷)は、高い確率で腫れたり膿んだりします。
猫の皮膚は、とても丈夫ですし良く伸び、毛も生えているので、咬まれても傷が何処かわかりません。
また、長くて鋭い歯で咬むので、皮膚に深く突き刺さるために喧嘩をした直後はどこを咬まれたか、傷ついているのか分からないまま傷口が塞がっていたり、治すために舐めたせいで毛が蓋になって塞がってしまい膿みやすくなるのです。
一見したところ、傷なんか無いように見えますが、足を引きずっていたり、触られるのをいやがったり、食欲が落ちたりして変だなと思っていると、皮膚から血うみが出てきて気づくことはよくあります。
 【原因】
歯や爪などが皮膚に深く突き刺さると、口の中や皮膚表面の細菌が皮膚の中に侵入します。
傷口はふさがっても侵入した細菌は2〜3日経つと、皮膚の下が化膿してきます。
これらの細菌の多くは嫌気性菌といって空気が嫌いな細菌類です。
ブドウ球菌属の細菌やレンサ球菌属の細菌が多いようです。

 【症状】
最初に出る症状は、皮膚の痛みです。患部を触られるのを嫌がったり、うなったり、ギャーと悲鳴をあげたりします。逃げようとしたり、足を引きずって歩くこともあります。
化膿がひどくなると、腫れ上がり、熱っぽくなるので、食欲や元気がなくなり、おとなしくなることもあります。
皮膚の下で細菌が増え、体が細菌と戦って膿ができるまでに5日前後かかるので、そのまま放置すれば、ケガをして1週間から10日余りで皮膚がやぶれ膿が出てきます。

その後、猫が自ら傷口をなめ、うまくいけば、自然治癒することもあるが、増殖した細菌が猫の体内に入り、胸膜炎などを起こす場合もあります。また、患部近くの骨にまで細菌感染が広がって骨膜炎を起こし、治療のため、断脚ということもあります。

膿瘍になりやすいのは、猫の首の周りや肩から前脚にかけての部位です。
蜂窩織炎は体のどこにでも生じますが、特にかかりやすい部位は皮膚のたるみが少ない脚です。

早期に膿を排泄すると症状も軽くすみますが、開口が遅れるほど多量の膿瘍を形成して重症になります。
皮膚が厚い猫は、お尻全体に膿瘍がまわって皮膚が埋まるまでに数ヶ月を要する事もあります。
また頭頂部は皮下組織が薄いために治るまでに時間がかかります。
 【診断】
多くは触診で診断可能です。
あまりハッキリしない場合、腫れている部位を切り取って膿があるかどうかを調べます。
刺し傷を見つけたら対になる傷がないかどうかを探して、両方とも平等に治療しないと、きれいに直らないことがあります。
 【治療】
早期に発見して、早めの治療を行なえば、2〜3日で症状はたいてい治ります。
症状が初期の段階で、それほど化膿がひどくなければ、抗生物質を投与するだけで治ります。
しかし化膿がひどい場合は、皮膚を切開して膿をきれいに除去し、消毒します。
膿を出した後は、普通は抗生物質を使う必要はありませんが、感染症が広がっている場合などは、抗生物質を投与することもあります。

皮膚が腐り、肉が崩れていれば、壊死した部位をすべて切除します。そして傷口を開放状態にしたまま、ガーゼと包帯で患部を覆い、化膿止めに抗生物質を投与しながら、肉が盛り上がり、皮膚が再生するのを気長に待たなければいけません。また、高栄養食を摂取させ治癒力を高めるためることも必要。

もし適切な治療を行っても順調に回復しない場合は、すでに猫白血病ウイルス(FeLV)猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染していて、免疫力が低下している恐れもあります。
 【予防】
猫同士のケンカを避けるため、室内飼いにする。
また、戸外から帰宅した時、どこかにケンカ傷がないか、いつもよくチェックする。
もし、ケガをしていても発見が早ければひどい膿瘍にならず治り方も早い。

(2007年3月18日掲載)

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