●視力は人間の10分の1しかない |
- 湾曲した角膜と、部厚くて大きい水晶体のために猫の焦点距離は短く、視覚人よりずっと広くなります。
猫は2~6mぐらい先のものが、一番よく見えるようです。(人の視力に置き換えると0.2くらい)
猫は調節する毛様体筋が軟弱なために調節能力があまりよくなく、すぐ目の前のものを見るのは得意ではありませんが、まず目で確認しようとするため近くで物音がするとそちらに顔を向けます。
動かないものだとよく見えるのは10~20mくらいで、それ以上離れていると、ぼんやりとしか形がわかりません。そのかわり動くものに対しては敏感で、50メートル先でも動いてさえいれば暗くても反応します。
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●視野が広く、距離や高さも正確につかめる |
- 正面を向いて左右どの範囲まで見えるかの全体視野が、人間は210度くらいですが、猫は280度もあり、斜め後ろにいる獲物もしっかり見えているのです。また、猫のような肉食動物は、顔の前面に目がついているので、両目の視野が重なる部分(両眼視野)が広く、距離感を正確につかむのに役立ちます。
【猫の視野】
全体視野:約280度
両目視野:約130度 |
【犬の視野】
全体視野:約250~290度
両目視野:約80~110度 |
【人間の視野】
全体視野:約210度
両目視野:約120度 |
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ちなみに、馬のような草食動物は、面長で目が側面に付いている単眼視で、左右の目で別々の物が見え周囲の敵を見つけるに役立つ目になっています。サルなどの類人猿は、枝から枝へ移る必要があるために距離をはかる両眼視野が発達しています。
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●猫は色を識別する能力が低い |
- 猫の見ている世界は、白黒ではなく赤と緑がうっすらと判別できる程度のようで、色の判別は苦手。
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●瞬膜が目をガードする |
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猫のまつげは上にしかありません。
そのかわり、猫の目頭寄りのまぶたの内側に瞬膜という薄い膜があります。(白色でふちが黒)第3のまぶたともいわれています。
普段は目頭や目尻の奥に少し見えるだけで、まぶたを閉じると同時に左右から瞬膜が出て目を覆い眼球を保護しています。 |
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目を閉じるときや左右に動かすと白い瞬膜を見ることができます。
左の画像のように眠っている猫の目をあけてみると、瞬膜が出ているのを確認することもできます。(白目はちょっと怖いよ)
寝ている時に白目をむいているように見えるこがあるのは瞬膜です。(白目の真ん中の黒い部分は瞳ではなく瞬膜のふちです) |
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我が家の猫は右の瞬膜が少し欠けている。(生まれつきでも病気でもない)
瞬膜といっても黒いふちの部分で、ケンカで引っかかれたのかもしれないと思うが原因はわからない。数年になるが支障はないようだ。
(左の画像はわかりやすいように眠りかけに撮ったもの) |
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目を覚ましたばかりの時に、瞬膜が少し出たままになっていることもありますが、時間がたてば引っ込みます。また、眠りかけて目を細めているときにも瞬膜は出ます。
しかし、それ以外で瞬膜が目の中央に広がっている場合は、具合が悪い(脱水が原因や目の病気のほか神経系の異常)ことがあるので病院で診てもらいましょう。(片目や両目の瞬膜の露出は病気) |
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(2005年12月23日 瞬膜を修正追加掲載) |