sorry,Japanese only

平成21年10月31日

 

 第138号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 138号 目次

     冬の気配に

     支援者養成セミナー報告
          「服巻智子先生講演会」

     のびのびキャンプ報告会のお知らせ

     育てる会クリスマス会のご案内

     キッズルームのお知らせ

     AAO活動のご案内

     母の想いを語る会のお知らせ

     18歳の春親子療育クラブの報告とご案内

     OHAの会のご案内

     保護者対象連続講座の報告とご案内

     教師・保育士対象 即実践講座の報告とご案内

     サッカークラブ・水泳教室のお知らせ

     私のお薦め本コーナー
        『 おさんぽいってもいいよぉ〜

     近隣の講演会等のご案内

     お母さんコラム
        「公表、告知 娘は中学生になりました」
        「おかあちゃん、ニワトリさんを産んでください!」

     事務局&ぐんぐんだより

稲の刈り取りが終わった田んぼにポツンとコンバインが残されて、なんだか寂しそうに見えます。寒さにも少しずつ冬の気配が感じられる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしですか?
10月は、私にとっては忘れられない月になりました。
一つずつ紹介していきたいと思います。
今年度最大の企画である、服巻智子先生をお迎えしての講演会の第一回目が、10月25日に山陽新聞社本社ビル大会議室でありました。
会員も一人ひとりがんばって、担任の先生や知り合いにも声をかけて参加者を募りました。
新聞やラジオなど、多くのマスメディアのご協力も頂くことができました。その甲斐あって、当日はびっしり満席状態で先生をお迎えすることができました。
この場を借りまして、お礼申し上げます。
また、先生には、来年3月6日(土)に「高機能自閉症・アスペルガー症候群 中・高校・大学の支援 〜青年期を見据えて〜」と題しての講演会をお願いしておりますので、どうぞ次回にも、引き続きご参加いただけたらと思います。
9ページに講演会の報告を載せておりますので、どうぞご覧ください。
先生のお話の中で私が一番感じた事は、私たち親が頑張らなければ子どもを守ることは出来ないんだ・・・ということでした。
周囲の大人の対応が子どもたちの成長に大きく影響を与える事は、知ってはいましたが、親の一言、先生の一言で、子どもがどれほど傷つき自信をなくすか、また反対にやる気を起こして立ち直っていくかということを知る事が出来ました。
彼らがどれほど支援の要る子どもたちなのかを分かるように、例を示してお話くださいました。私たちとの違いを脳のPETの画像診断の写真を通して、示してくださいました。
様々なことを感じ取る部位が自閉症スペクトラムの子どもたちは、私たちとは全くちがうということが示されました。
「本当に何もかもが違うんだ」
本当に合点がいきました。
自閉症の文化を尊重するといわれても、本当には分かっていなかったように思います。
脳が違うという事を科学的に証明されると、何もかも分かってくるような気がしました。
「ああ〜、脳が違うんだ」
あのPETの画像は、以前にも見ていたし、知っていたのに、先生のお話は、判りやすく解説していただけるので、より意味の理解が進みました。
脳が違うんですもの、言って聞かせても指示が入らないのは、無理も無いですよね。
彼らの文化を尊重するという言葉の意味がはっきり理解できました。
何年勉強しても、すぐに忘れたり、間違って判断していたり、駄目な脳を持つ私ですが、頑張ってどんどん修正をしていきたいと思う講演会でした。
丁寧な具体的支援もたくさんたくさん教えていただきました。
不登校の支援については、普通の脳を持っている子どもたちに有効なやり方を、自閉症スペクトラムを持つ子どもたちに対して行うと、行きしぶりや不登校を助長してしまうとお話くださいました。自閉症の特性理解がここでも不可欠ですね。
ここには書ききれない内容で、中身の濃いすばらしい講演会でした。
次回も楽しみに先生をお迎えしたいと思います。

さて、忘れられない10月のお話Part2です。
NHKの取材のお話は、先月号に書きましたね。その放送が、10月15日と20日にありました。どんな内容になるのかなと、興味津々で見ました。
そこには、保護者もぐんぐんスタッフも一人ひとりが生き生きと楽しそうに、それぞれの個性を発揮して、登場していました。
主に赤磐ぐんぐんの療育を中心に取り上げた構成になっていました。育てる会の活動はもっともっとすごいんだけれど・・・と思いましたが、何しろ7分間の映像です。削っていかなければならなかったのでしょう。
私もところどころに登場していて、気恥ずかしく見ました。
「鳥羽さんが○○されました」
というように、ナレーションがありましたが、あの部分は、
「育てる会は、○○しました」
というように変えて欲しかったなぁ〜と思いました。私が、一人でやっているわけではないので、実に恥ずかしい。
皆さんの協力や想いがあって成り立つ育てる会です。皆で一緒に頑張っている会なので、とても困りました。
NHKの I さんによると、番組を作るときは、誰かを主役にする必要があるとの事でした。育てる会の保護者の皆さんスタッフの皆さん、ごめんなさいね。
2日間張り付きでカメラが回っていたのに、使われた映像は、「そこか〜い」という場面でした。
私が子どもたちの話をしていると、インタビューをしているディレクターの I さんが、泣き出してしまうという場面が何度かありました。
その涙を見ていると、私も思わず泣きそうになって、涙をこらえながらお話を続けているというような感じでした。当然私の顔は泣く寸前の顔ですよ。はっきりいっていつもの美人の鳥羽さんとは程遠く、顔がゆがんでいます。たぶん使われないだろうと思っていたら、そんなところが、2箇所も使われていました。
また、まったくカメラを意識していない時もあって、恥ずかしいなぁ〜と思います。でも、そんなときは、スタッフも同じくカメラを意識していなくて、いつもどおりの感じが良く出ていました。生き生きとお仕事していて、とってもステキな仕事場だという感じが伝わっていたように思います。自閉症の子どもたちを支援するという事は、こんなに楽しい仕事なんだという感じで伝わったかなと思います。
さて、この映像が、全国版で流れる事になりそうです。まだ、日時ははっきりしませんが、決まれば育てる会ホームページでお知らせしたいと思いますので、会報表紙に載せているページを時々みてくださいね。 
ところで、この赤磐ぐんぐんに来年度は、新たにスタッフを募集しています。
やりがいだけは保障します。療育スタッフの募集です。
療育スタッフは、常勤者と、パートの両方募集です。経験は不問。男女不問。ただし、明るく柔軟で、勉強熱心であることが条件です。
勤務や条件は相談に乗ります。来年4月からの勤務になります。

次なる10月の出来事、Part3は、蒜山高原国際マラソン大会(少し名前がオーバーですよね)で、私が初レースに挑戦したという話です。私が書くより、主人がブログで紹介してくれているのでそれを引用しましょう。
今年も恒例になった蒜山高原マラソンに参加してきました。
今回で4回目・・・NTN夢工房岡山の指導員の I さんに哲平が誘われてから毎年ですので、もう哲平も就労4年目ということですね。
これまた恒例になった、前日夜の大山高原ヴィラでの激励会も4回目、今年もおいしいお酒をいただきました。
哲平の入社以来親身にお世話になった、NTSのS前所長ご夫妻も参加していただき、本当にアットホームな家族ぐるみの激励会です。
いつもように、おいしい冷酒の差し入れもあり、すっかり出来上がってしましました(^_^.)
翌日は、爽やかな風の中スタートです。 I さんはお子さん2人と3kmの部、Mくんは5kmの部、去年はハーフの部にエントリーされたNTT本社のTさんは今年は自重して(?)10kmの部に参加です。
そして我が家、哲平はハーフの部、私は10kmの部、そしてなんと今年は妻がマラソンデビューで3kmの部にエントリーです。先日から、桃太郎夢クラブでも私と同じにこにこコースに入って練習はしているのですが・・・・やはり、観ているだけでなく、参加する方が楽しめる!いつもの妻の前向き、かつ無謀(?)な挑戦です。
相変わらずのすごい人数で、最初にスタートした5kmの部のMくん、スタートは拍手で送り出したのですが、ゴールは人波の中で見損ねてしまいました m(__)m
次はハーフの部のスタートです。哲平、いやに力が入っています。受付の時、ゼッケンの11番を見て、係りの人に「いい番号ね。1番になれるといいね」と言われたのを真に受けて「1番! 1番!!」と狙っているようです。
先日、倉敷で5時間走に参加したとき、試しに42kmを走ってみたのですが、その時少し足を痛めたようで本調子ではありません。(ちなみに、その時は途中で様子を見て少し歩いたりしたのですが、手元の時計で3時間20分ほどでした)なにより無事帰ってきてほしいのですが「無理するなよ」と言っても、そんな抽象的な指示ではわかる訳がないですね。誰か適当な方について走れればいいのですが、ちょっとすぐには見当たりません。
自分でペースを作って走ってくれることを信じて送り出します。
号砲1発、哲平がスタートダッシュで飛び出します。前の方で見ていた方に聞くと、沿道に出るところでは2位で駆け抜けたようです。ちょっとオーバーペースが心配です。
その後、すぐに10kmの部のスタートです。私はいつものように1時間が目標ですから、後ろのほうからゆっくりスタートです。これまた、すごい人です。スタートのピストルの音も聞こえないほどで、前が動きだしたので、それに合わせてゆっくりスタートラインを越えました。
沿道はススキが揺れて、心地よい風が吹いて気持ちがいいです。できれば向かい風ではなく、せめて横から・・・と思ったのですが、まあ帰りは追い風のはず、がまんしましょう。最初に走った時にはしんどかった急坂や、歩いてしまった折り返しを過ぎての坂道も、このペースならさほど苦しいとも思わず走りきれました。
月に2回ほどですが、桃太郎夢クラブで10kmほどはジョギングしているおかげでしょうか。
妻の3kmの部は、哲平や私が走っている間にスタートしてゴールしてしまうという時間設定でしたので、残念ながら妻の雄姿(?)は見えずじまいでした。それでも、トラックに帰ってきてからゴール前で2人ほど抜いたそうなので、がんばったようですね。
私はのんびり楽しく走って、目標にはわずかに届かず1時間1分1秒というピンゾロのタイムでのゴールでした。妻は21分47秒だったそうです。
後は哲平だけです。今日は、順位や記録よりも無事ゴールしてくれることを祈って待っています。
実業団や大学のランナーが私がゴールして間もなく、すごいスピードで帰ってきます。ハーフと10kmのスタート時間の差が10分でしたので、1時間10分少々というところでしょうか。
哲平がベストタイムを出した丸亀ハーフマラソンの時が1時間21分ほどでしたので、坂道のある今日のコースだともう少しかかるとは思いますが・・・次々とハーフの選手が帰ってきます。桃太郎夢クラブでご一緒させてもらっているバリバリコースの方もゴールされましたが、哲平の姿はまだ見えません。
少し心配になりかけた時、トラックに入る道を通る黄色い帽子が見えました。哲平です。
いつものように淡々と汗もかかずにマイペースで走っています。「哲平ガンバレ!」と声をかけても、ラストスパートするわけでもなく、そのままのペースでゴールです。
記録は1時間25分0秒、このコースで、今日の足の状態ではがんばりましたね。
「てっちゃん、最初ペース速過ぎ」桃夢の先輩からのアドバイスですが、やはりゴールまでを見通したペースというのは難しいのでしょう。こればかりは誰かについて走るか、自分の身体で覚えていくしかないのでしょうね。

       
ともあれ、家族3人、無事完走です。
気持ちのいい秋の風が吹きすぎていきます。
帰り道、カーステレオから流れてくる山口百恵の「いい日旅立ち」がぴったりの秋の一日でした。

                          (ブログ:「自閉の北斗星」より)
・・・というような感じで、私はがんばったのですよ。
走ることが、こんなに体に良いとは思わなかったですね。
身も心も引き締まった感じがするのは、気のせいかもしれませんが、体の動きが軽いのです。なんだかこの歳で、若くなった感じがするのですよ。
嬉しい!!
そういえば桃太郎夢クラブの面々も“後ろ姿”は皆若い!!
体が若いということは、気持ちも若くなるみたいです。みんな元気な前向きな人たちの集まりです。
そんな仲間に支えられて、3キロを完走する事が出来ました。
普段は、毎晩哲平とふたり、育てる会の事務局がある太陽の家の周りの道を、哲平は10周(5.5キロ)、私は4周(2.2キロ)、仲良く走っているのです。
いくつになってもやろうと思ったときに始めたらいいんですよね。
手遅れは無い。つくづくそう思います。
今から始めればいい。いつからでもいい。今がその時なんだと思えばいい。

私は、最近良く講演会に呼ばれます。
先日は、山口の徳山というところへ招かれて、出かけていきました。
そのお話が、Part4の話です。
講演会は、少し調子に乗って時間オーバーになって、新幹線に乗り遅れるというようなこともあったのですが、それはこっちへ置いておいて・・・。
お母さん達の感想の中に、「うちの子は、もう中学生なので・・・」とか、「もっと早くにお話を聴きたかった」というようなことを書かれている人がおられました。
どうしてそんなことを言われるのかは、思いは分かりますが、でも、それで諦めるのは、ちょっと違うんではないの・・・と言いたいです。
いつからだって間に合います。そりゃ〜、小さい頃に障害を発見して、対応策もキッチリ考えて障害特性に添った教育をするのが一番良いに決まっていますよ。でも、今そこにいるあなたのお子さんの人生は、まだまだ長く続いているのです。
今気が付いたのなら、今から始めたらいい。今が彼にとっての一番新しい日です。今そのことに気づいたのなら、今始めるのが一番の早期教育ではないでしょうか?
「ああ〜、もっと早く気づいてやればよかった」とそう思うその気持ちをこめて、丁寧な支援、彼にとって必要な支援を考えていけばいいのです。
私は、昔 ある先輩のお母さんにこんな事を教えていただきました。
「障害のある子は、ゆっくり成長するんよ。そして、一生成長しつづけるんよ。
だから、育てる楽しみは一生つづくんよ」
一生成長し続けてくれるのなら、いつからでも始めればいいのです。一生楽しく子育てをさせてもらえるなんて、幸せですよ。そう思います。
そんな講演会のお話はこれで終わりです。

さて、育てる会ではのびのびキャンプが、10月3〜4日にありました。詳しい報告は、参加者への報告会の後になるそうですが、先日代表特権で、ビデオを見せてもらいました。
子どもたちの活き活きした様子が、楽しくて、思わず笑う場面も数多くとてもいいキャンプだったことがわかりました。文科省の補助金をいただいて、いい事業をさせていただくことができました。
その中で、哲平たちのDグループは、お仕事班として、食事の配膳と片付け、お風呂の脱衣所の掃除やトイレ掃除など、色々なお仕事をさせていただいたようでした。
3人の高3以上の男の子たちのグループで、3人がいすに座っていると「3賢人」みたいでとてもステキでした。
こんな風に大人になればいいという見本のように見えて、ほほえましく、私は育てる会の子どもたちにこんな風に、穏やかな大人になって欲しいと思って、今まできたように思います。
さて、我が家のお話はこれくらいにして・・・(巻頭文が長すぎると事務局からクレームが度々ですが、それに負けずに書き続けている私です)
最後に一番大切なお知らせです。
来る12月5日(土)岡山ふれあいセンター大ホールにおいて、安倍陽子先生の講演会を行います。
安倍先生は「ふしぎだね!?自閉症のおともだち」「サポートの達人たち」などの本でご存知の方も多いと思いますが、私が先生に来ていただきたいと思った理由は、先生が長年子どもたちへの療育や親への相談にあたってこられた方だからです。私たちが今一番知りたいこと、それは自閉症の子どもたちへの具体的な対応ではないでしょうか?どうやって育てていけばいいのか、小さくてまだ障害が分からない段階のお子さんの早期発見。大きくなっていらっしゃるお子さんまで広く多くのお子さんに接し、支援をしてこられた先生だからこその視点でお話いただけると思います。
明るくて優しくてそして分かりやすくお話をしてくださる先生です。
「育てる会の講演は行って間違いがない」
「毎回素晴らしい先生方を呼んでくださるので、知らない先生でも絶対行きます」
そんな感想を寄せてくださる参加者が多く、主催する側としても嬉しい限りです。
私たちの講演会は主にTEACCHプログラムに学ぶというものが基本です。子どもたち一人一人に合わせた支援、つまりどのように子どもを支援していくかという視点で講演を行っております。
その昔、私の息子が小さかった頃、私がTEACCHに出会っていなければ、今の息子はいなかったと思えるのです。時には「TEACCHはちっともうまくいかない」と思って離れかけたこともありました。
けれど、その頃ゲーリー・メジボフ先生のお話を聞かせていただき、それをきっかけにもう一度TEACCHを学び直し、本格的に取り組み直した結果、今息子は安定した仕事と充実した余暇を持ち、生き生きした暮らしを送れるまでに成長したのです。もしあの時TEACCHを学ばずにいたとしたら・・・そう思うと怖いです。
あの頃の私と同じような方がきっといる。そんな人へ良い講演会を紹介したいというのが、私の育てる会代表としての使命と考えています。どうか12月5日の安倍陽子先生の講演会、ご期待ください。小さいお子さんから学齢期のお子さん、知的な遅れのある子から遅れの目立たない・またはない子まで、また保護者から園や学校の先生、支援者まで、多くの方に聴いていただきたい講演会です。どうぞ皆さんお誘い合わせの上お越しください。お待ちいたしております。チラシを同封しておりますのでどうぞお申込みください。また正会員の方は学校・園の管理職の先生にお渡しする招待券も同封しておりますので、お薦めください。
次のお知らせは「ぼくはうみがみたくなりました」の映画のお知らせです。赤磐市の中央公民館で東備福祉フェアの中のイベントとして無料上映を行うことが決定しました。小説の原作者で脚本・制作の山下久仁明さんも来岡され、講演をされます。
ステージを育てる会が任されていますので、多くの皆さまにもご参加いただけたらと思います。詳しいことは次回会報でもお知らせしますが、今回は映画の紹介(パンフレット)を同封しますので、よろしくお願いします。ちなみに映画も講演も無料です。ぜひご参加ください。
少しずつ冬へ向かう頃になり、寒がりの私はそろそろコタツがほしくなりました。皆さんインフルエンザに負けない強い身体と、世間の冷たい風に負けない強い意志を持って頑張りましょう!!それでは来月またお目にかかりましょう。
鳥羽 美千子

支援者養成セミナー 報告

10月25日(日)山陽新聞社本社ビル大会議室にて NPO法人それいゆ(佐賀)から服巻智子先生をお招きしての講演会を開催しました。
保護者・教職員・学生のそれぞれの立場から感想をいただきましたので紹介します。


【保護者からの感想】

10月25日、服巻先生の講演会に参加しました。
はじめに、佐賀県の取り組み・それいゆの取り組みの全体像をお話しされました。TEACCHが県の指針となっていることや、発達障害を持つ人が全人口の2割と想定して予算を組んでいることなど、本当にすすんでいる取り組みに驚きました。
次に脳の機能の面から、特性や対応法についてお話しくださいました。実験や調査を元にした科学的・具体的なお話しでとても興味深く、分かりやすかったです。自閉症の人の脳は、どの部位もそれ以外(LD・ADHD・ 定型発達)の人の脳と異なっているそうです。
自分が置かれている状況の理解がしにくい、自分が何に困っているか、何が辛いのか分からない。非言語生コミュニケーションも未熟だからニコニコしてしまう。周囲の人からのコミュニケーションの受け取り方も分からない・・・そこが困難なところであるというお話しに、混乱していても笑って走り回る我が子を思い浮かべながらなるほどなあ、と思いました。他にも、興味関心がないことに対して集中できないのは、わざとではなく、本当に脳が動かないからであること、社会性や対人関係に関することよりも感情の獲得が遅いこと、情報処理や思考回路が全く違うから、定型発達の人と同じ教え方はできないことなど、書ききれないくらい多くのことを説明してくださいました。
対応法については、
・ TEACCH(基礎となる支援。全年齢の人にもどのタイプの人にも有効)
・ PECS(コミュニケーションの開始法として)
・ コミック会話・ソーシャルストーリーズ(文字が読める人対象。
 コミック会話は視覚支援を用いた人とのコミュニケーション・会話支援。
 ソーシャルストーリーズは暗黙されている社会のルールを伝える方法)
・ The CAT−Kit(感情を自己コントロールできるようになる支援法。コミック会話が使える、発達年齢7歳以上が対象)
の組み合わせであると話されていました。一つ一つについてゆっくりお話を聞く機会があったらいいなと思いました。
度々行き渋りをする息子の親として、一番聞きたかったのは行き渋りに関することでした。
まず、学校での辛いことだらけの状況についても、子どもたちに代わって教えてくださいました。先生が話していることは、内容はもちろん、誰に向けたものであるのか分からないまま生活が流れ、同級生には偏見の目で見られて、嫌がることを先生に見つからないようにこっそりされて、辛いことがあっても周囲の人に伝えられず、感覚の特異性からいろいろな音に耐えられない・・・さらに、本人にとっては、周囲の人達はうまくいっている(ようにみえる)のに、自分だけうまくいかない、その理由も分からない辛さ・・・それでも学校へ行くことが当たり前とされているのです。
それから、二次的な障害として、うつやこだわり、反抗的・傲慢な態度が挙げられていました。反抗的・傲慢な態度にはついつい厳しい態度をとってしまっていましたが、それらも鬱の表れ、自覚のない悲しみの感情の表れだそうで、これからは本人の気持ちにもっと心を配って、寄り添っていきたいと思いました。
行き渋りとは、本人の自覚がない身体的な障害であり、理解や支援が足りていないことだと話しておられました。学校では特に対人関係の問題に対して徹底的な配慮が必要であるそうです。
家庭ではまず、自閉症の脳に対応した、心のリハビリが必要だとお話しくださいました。主な項目は以下の通りです。
・ 共感してほしい、認めてほしいという気持ちが強いので、「そう感じたんだね」と共感し、詳しい状況や理由を聞くのはその後にする。「それでいいんだよ」と認める。「普通」を押しつけない。
・ 学校に行くことを決して急がせない。「行かない」選択肢を提示する。行かない場合の活動内容や行き先(家でずっと過ごすこともすぐ習慣化してしまいやすいので)を考える。活動内容は話し合いながら、ゆっくりしたペースで進める。全部できなくても良しとする。
・ 本人のストレスに配慮する。ストレスを自覚できていないことがある。「行かなきゃ」と思うと余計にしんどくなる。思春期は体の変化が大きいのでストレスに弱くなる。
・ 視覚支援や構造化をきちんとする。休憩や意欲付けとなるものも提示しながら。
先生のお話を聞いて、「行かなくてもいいよ」と自信を持って伝えられそうです。また、先生に本人の辛さをなんとなく・・・ではなく、今までよりは具体的に代弁できそうな気がします。(本当は先生にもこのお話を聞いていただきたかったです) もちろん、本人の気持ちについてまだまだ分からないことがあるのですが、そこはゆっくり聞いていけたらいいかなと思っています。
他にいじめのお話しからは、
・ 自閉症を持つ人は試されていること、いじめられていることに気がつかないことがある。また、辛くてもルーティンに戻ってしまう。(今までと同じようにしてしまう。行き渋りでも同様のことが言える)拒否を示すことができない特性がある。
・ いじめを絶対許さない、見逃さないことを子どもたちに伝える。
・ 「ごめん」といって許される経験が少ないので、そういう手本を大人が見せる。謝り方を教える。
・ いじめられたときの相手への対応法(はっきりした声でやめてほしいと伝え、すぐ立ち去る。)や報告方法を子どもに教える。どうするべきか考え、リハーサルをする。
等のことを学ぶことができました。息子はまだいじめにはあっていないよう(たぶん)ですが、辛い思いをしていない今のうちに、先生が発行されているワークブックを使って一緒に考えておくべきだと思いました。
先生のお話ぶりはとっても暖かく、その一方、内容は濃くて、刺激的でした!「彼らには支援を生涯受け続ける根拠がある。支援の質・量は変わるけど、不必要になることはない」という先生の言葉が一番心に残りました。誰でも支援をもらって助け合って生きるのは普通のことだともおっしゃられていました。多くの人に知ってほしいことだと思いました。もっともっと先生のお話を聞きたいと思いました。3月のご講演も本当に楽しみです。何としてでも聞きに行きたいです! 服巻先生、ありがとうございました。
(Kママ)

【学校の先生からの感想】

現在特別支援学校に勤務しています。育てる会のセミナーはできるだけ都合をつけて参加するようにしていますが、特に今回の服巻先生の講演の内容は、現在の私のニーズに合うものではないかと思い、いつも以上に期待して参加しました。一日を使っての講演でしたが、時間があっという間に過ぎ、とても有意義な一日でした。
私が現在勤務している特別支援学校は服巻先生の今回のお話の対象となっていた高機能自閉症の生徒も多く在籍しています。彼らの多くは適切な自閉症支援を受けることができなかったために二次障害から不適応を起こし、いじめの対象になったり、不登校になったりという経過を経て特別支援学校に入学してきています。
また、午前中の講演の最後に紹介のあった重度な知的障害の方が一人で暮らされているお話で、学校は子どもたちにどんな役割を果たせるのか、また学校で子どもたちに適切な支援ができていたらもっといろいろな力をつけて社会に出ることができたのではないかという服巻先生が言われた学校が子どもたちに与える影響の大きさと責任に身が引き締まる思いがしました。
私が教員になった頃と比べると学校現場や社会でも自閉症に対する理解は随分進んできているように思います。
そんな中で一番理解が進んでいないのが、悲しいかな学校現場ではないかと感じることが多々あります。まだ視覚支援の必要性の有無が論議されたり、PECSに対する拒否感があったりするのが現実です。
「社会に出たらこんなことはしてもらえない」「世の中は甘くない」と一部の先生は言われますが、社会の方が自閉症の障害特性を理解した適切な支援が日常的に行われているという現実を認識しなければいけないと思います。
服巻先生が紹介された、ある子どもさんが学校に行くことを「戦場に行く」という表現され、日々そんな思いで学校に通っている子どもたちがいるという現実や、講演が終わった後の質問で、保護者の方が抱えられていた学校に対する不安な気持ちを私たちは真摯に受け止めなければいけないと思います。すぐには変わらないけれど、子どもたちに関わるすべての指導者が適切な支援ができるように、少しずつ理解者を増やし、子どもたちが安心して学校に通うことができるように、そして学校がしっかりと役割を果たせるように頑張っていきたいと思います。
講演を聞いた帰り道、「明日から私ができることは何かなぁ」と考えました。
自分自身は「プロだから自分の好みを押し付けないで、利用者のニーズに応じた対応を」という服巻先生の言葉に照らし合わせて日々の取り組みを見直したいと思います。そして、職場の今日参加されなかった方々には、服巻先生の3月に予定されている育てる会の講演会を、伝達ではなく直接参加して聞いてもらえるように呼びかけていきたいと思います。
(M先生)

【学生さんからの感想】

「最近、A児はクラスの子と遊ぶことができなくなったみたいで、以前と比べて休み時間には教室に帰ってくることが多くなってきたんです」と、インターンシップ先の先生から言われ、どうも私は腑に落ちないところがありました。
小学校低学年のA児は、発達障害をもっています。でも、まだ低学年・・・こんなに早くクラスの一部からはじかれ始めるものなのかと私は疑問に思いました。このことについて、服巻先生のセミナーに参加し、「ありえるんだ。いや、むしろ現実に起こっているんだ」と私は納得することができました。
これはほんの一例ですが、服巻先生のセミナーを通じて、私は多くのことを学ぶことができました。
その中で、最も参考になったのは次の三つです。
一つ目は、支援はずっと続けていかなければならないということについてです。自立支援というように、支援は自立するためにある。だから、自立すれば支援は不必要になるのではないかと私は単純に思いこんでいました。しかしそうではなく、支援の回数は少なくなっても、継続していくものであるということを知りました。
二つ目は、障害は一種の個性であり、みんな違ってみんないいという考え方に対する危険性についてです。大切なのは、発達障害をもつ子どもが特別な支援に値するだけのものをもっているということ。これを伝えないと、周囲の人(学校だと、クラスの子どもや保護者)の理解はより得にくくなるということでした。
三つ目は、いじめの対応についてです。この内容は驚きの連続でした。特に、教師の何気ない一言が、彼らにとって重くのしかかるストレスになったり、彼らの心に突き刺さる凶器になったり、彼らの人生に悪影響を与えてしまったりするという内容は、来年度から学校現場で教師をする私にとって衝撃的で、深く考えさせられました。
今回のセミナーを受講して、私は知ることの大切さを改めて実感しました。今後は、今回紹介された文献を読みすすめていくつもりです。セミナーに参加して本当に良かったです。
(Hさん)

【保護者からのアンケート】

・ 「普通」という言葉に随分振り回されて子育てしてきました。「子ども自身を見よう」と思いながら、やっぱり「普通にできるように」と思ってしまっている自分に気づき、反省しました。支援の中で自分らしく幸せに暮らせる、ということの大切さがよくわかりました。あっという間でビックリしました。分かりやすく聴きやすい内容でした。
・ それいゆでの実践の中で、前は大変だったお子さんが今は自分の持ち味を生かして生活されている具体例を見せてもらえたこと、どこに留意して接していけばいいか詳しく聴けたことが良かったです。佐賀県のような自閉症支援があったら、安心して生活できるなあと羨ましく思いました。自閉症児のことをよく考えて作られている仕組みだと思います。社会のスタンダードとして広がっていくといいと思います。
自分の子どもたちがおじいちゃんになっても安心して支援を受け続けられるように、学校や地域・行政に協力できるところはして、必要なことは働きかけていこうと思います。私は子どもの一番身近な親という立場なので、これから先、子どもにどういう一言をかけて助けていってあげられるかな・・・と考えてしまいました。理解しているようで、全然していなかったなと思いました。子どもの一番近くにいる私は「ずっと支援が必要である」「支援がいらなくならない」「支援するに値する障害である」という言葉が一番心に残りました。共感することを大切にしていこうと思います。
・ 科学的な脳機能の違いを教えていただき、驚きとともに納得がいきました。また私の子どもも二次障害に苦しんだことがあり、その時私は「なぜ?どうして?」と理解に苦しみましたが、先生のお話で、わが子の心の中が見えた気がしました。子どもの気持ちをもっともっと分かってやりたいと思いました。わが子もいつか不登校になるかも。思春期のことなど考えると不安になることもあります。それいゆのようなフリースクールが岡山にもあれば、親も子も救われるのに・・・と感じました。いじめに関しては、人ごとのように感じていましたが、子どもに少しずついじめについての話をしたり、子どもの様子ももっと観察しないといけないなと感じました。
・ ちょうど行き渋りの状態の子どもがいますので「心のリハビリ」について具体的にお話が聞けて良かったと思います。親はつい「普通」を押し付けようとしますが、本人にとってマイペースでゆっくり焦らず、毎日を過ごすことの方が大切なのだと改めて思いました。ありがとうございました。
・ すべてが良かったです!どうやってまとめて書いてよいか分かりません。現在幼稚園年中の息子が高機能自閉症です。幼稚園に入って自分のことを自分の言葉で語ることが出てきました。今までパニックに陥っていたその多くが「悲しみ」が要因であることを本人の口から語っています。「僕、大勢の人の声の中にいると『SAD』になるんよ」「やらなきゃいけんことは分かっているんだけど、やるのは全部難しい」・・・本人が語り始めた自分自身の脳の世界(?)にじっくり耳を傾けることを忘れないようにしたいと改めて思いました。
・ 服巻先生が自閉症や発達障害の子どもたちをとても愛しいと思いながら話をされていることがとても伝わり、親としても正しい知識と技術を身につけて対応していかないといけないと思いました。多様な生き方を認めてもらうためには、他の人の多様な生き方を認めなくてはいけないという言葉は、分かってはいたもののドキリとしました。定型の子どもの保護者に不満を持つこともありましたが、本当にその通りだと反省しました。
・ 自閉症者の脳の仕組みなど、今まで知らなかったことが分かって良かった。難しい話も噛み砕いて易しく解説してくださって良かった。行き渋りや友人への障害告知の話など、これから直面しそうな問題を具体的に話してもらえてよかった。障害の程度は違っても自閉症の親同士、手を組んでいこうという話。行政や学校を味方につけていくという話も参考になった。自閉症本人の気持ちに沿った分かりやすいお話でとても参考になった。何よりほめて育てていくこと、親がいつでも味方になることを子どもが成長しても大切にしていこうと思いました。
・ 支援の目標が成人期の安定的生活にあるということ。パニックが起こる理由は怒りだけでなく悲しみの感情の表れでもあるということが改めて分かって、ハッとし、家族との関係を見直すきっかけになりそうです。かなり無理をして参加したのですが、出席できたことを嬉しく思っています。とても内容の濃いお話で、メモを取るのに夢中で、あっという間の4時間でした。先生のお人柄にもっともっと触れていたい、名残り惜しい時間でした。自分にできることからどんどん動いて発信していきたいと思いました。先生の講演会を企画していただき、本当に感謝しています。ありがとうございました。
・ 具体的な実践に基づくお話だったので、分かりやすかったです。生活に追われ、暴言を吐くわが子に対して暴言で返してしまっています。親からのいじめとなっていることを再認識したので、自分の感情に左右されないように頑張っていこうと思いました。
・ わが子が実際に行き渋りをしていますが、本人の気持ちを聞きながら進めてきたことに、それでいいよと背中を押していただけたように思います。親として信頼されて、通訳者としての役割をすることを感じていますが、それでいいのですよね。とても力をいただけました。
・ 他県であっても素晴らしい支援をされているところがあるのが分かったこと。県の関係者の方もおられたので、岡山県でも進めてもらいたい。とても分かりやすく、しかも刺激的でした。
・ 科学的根拠に基づいた自閉症の特性のお話はとても理解しやすく、特性については知っていたものの、すぐ忘れがちなのですが、根拠についての説明があり、納得でき、より理解できたこと。会話ができるようになり、つい言葉だけで伝えてしまうことが増えていたのですが、初心にかえって、キチンと丁寧に視覚的に伝えていかないといけないなぁとカツが入りました。ゆっくりマイペースに丁寧に・・・ですね!

【教育関係者からのアンケート】

・ すべてがよかったです。学校現場にもスペシャリストがいります。今の学校現場は超多忙です。逃げているのではありません。十分な時間が本当にないんです。行政の支援を強く望みます。(小学校)
・ 一生を通じての支援がそれいゆの活動を聞くことによって、少しずつ見えてきたことが良かったです。また明日から頑張ろうという気持ちになりました。(養護学校)
・ それいゆ設立までの過程のお話。自閉症の特性の具体的なお話。学校での困難さとそのストレスから起きる行き渋りと、行き渋りに対応するお話。「心のリハビリ」と共感することの大切さ。いじめに立ち向かうお話・・・。長年の実践に裏打ちされた、具体的なお話がとても心に響きました。自分の学校の子どもたちのことを思い浮かべながら、話を聞かせていただきました。理解と共感を深めていけるように支援していこうと思います。ありがとうございました。(小学校)
・ 発達障害の特性とその支援が具体的なお話の中で深く入ってきました。そして本校の良さの再認識と課題の明確化ができました。服巻先生の素敵な笑顔の中から出てくるシビアな対応策などはすべて納得でき、行動して表したいと思いました。大変充実した機会を与えていただきまして、ありがとうございました。(管理職)
・ すべて良かったです。服巻先生というと「ソーシャルストーリーズ」の話を聞きたいと思っていたのですが、今日のお話もとても良かったです。担任している子どもたちの行動がなぜそうなるのかをきっかりと把握することができました。3月にもう一度講演があると聞きました。楽しみにしています。(小学校)

【その他の立場の方からのアンケート】

・ 実際のお話を交えながらの講演会で楽しく分かりやすかったです。具体的な方法もたくさんあったので、すぐに実施できるので良かった。先生のお話の進め方や伝え方がとても暖かい雰囲気でしたので、こちらの気持ちも暖かくなり、お話いただいた方法をすぐにでも実施していきたいと思いました。「暖かい支援」をモットーにしていきたいです。(看護師)
・ 具体例を多くお話していただいて、とても分かりやすかったです。現実の中での対応、そして事前の取り組みが大切であることを強く感じました。心の中にスーッと入ってきたように思います。(相談員)
・ 親・教師など、大人の接し方の大切さが学べました。親の理解の大切さ、先生は3カ月かけて勉強会をしていると聞いて勇気が出ました。目からウロコと言った感じで、とても良かったし、自分は保健師なので一生関わり続けていくことの大切差が分かりました。今関わっているのはその中の一時期でしかないこと、また診断を早期に受けて適切な支援が得られるように努めることを改めて感じました。(保健師)
・ たくさんの事例を見せていただき、いじめへの対応についても具体的に分かりやすく教えていただいて、とても勉強になりました。いつもながら服巻先生のテンポのよいお話には引き込まれてしまいます。ありがとうございました。(福祉施設)
・ 午前中に「発達障害」についての背景のお話をしっかりしていただいて、午後のお話がとても分かりやすくなりました。もっともっと勉強を重ねていきたいと思いました。(学生)

「のびのびキャンプ報告会」のお知らせ

先月に行ったのびのびキャンプの報告会を行います。
キャンプのビデオや写真を皆で見ながら和気あいあいと進めていきたいと思っています。
約1カ月半ぶりに、子どもたち・保護者さん・ボラさん、皆にお会いしたいと思っておりますので、ぜひご参加ください。
日 時  平成21年11月23日(月・祝日)13:00〜15:00
場 所  岡山県生涯学習センター 情報創作棟2階 大研修室
申込先  育てる会事務局(086-955-6758)へ18日(水)までに

    ※今回キャンプに参加していない保護者の方やボランティアさんでも、興味のある方はどうぞお申込みください。
     キャンプに参加していない子どもさんは申し訳ありませんが参加できませんのでご了承ください。

「クリスマス会」のご案内

もうすぐクリスマスの時期ですね♪
育てる会では今年もクリスマス会を行います。
日にちは12月20日(日)です。会場は東山公民館。
皆で工作したり、ケーキを食べたり、プレゼントをもらったり・・・。
本人だけでなく兄弟の参加も歓迎します。
詳しくは次回の会報にて。
どうぞお楽しみに♪

「キッズルーム」のお知らせ

「第3回キッズルーム」を11月29日(日)に行います!!
インフルエンザなんかに負けず、楽しい時間を過ごしましょう♪
日 時  平成21年11月29日(日)13:00〜15:00(12:50受付)
場 所  岡山大学津島キャンパス 清水記念体育館
対 象  育てる会正会員の本人とその兄弟(保護者同伴)
内 容  ☆学生ボランティアさんといっぱい遊んでもらえる
      ☆リトミックをしたり人形劇を見たり盛りだくさん
      ☆保護者はゆっくり親同士でお喋りしてOK
参加費  本人500円、兄弟400円(保険代・交通費・おやつ代など)
持ち物  体育館シューズ・飲み物・タオルなど
申込先  11月18日(水)までに育てる会事務局(086-955-6758)へ
         ※締切りを過ぎた場合でも定員に空きがあれば参加可能です。
          お問い合わせください。

「AAO活動」のご案内

第1回目AAO活動はどうでしたか?
お子さんの新たな一面を見ることができたり、活動の改善点が見えたりと、有意義な時間を過ごされたのではないかと思っています。
説明不足な点や準備不足な面があり、なにかとご迷惑をお掛けしております。申し訳ございません。お気付きの点がございましたら、遠慮なく連絡をください。

 ≪今後の活動予定≫

1) 日時:11月8日(日) 10時〜12時
   場所:岡山市立京山公民館 2階 第2講座室(保護者待機部屋)
                          料理講座室(子どもの活動に使って下さい)
2) 日時:12月13日(日) 13時〜15時
   場所:岡山市立京山公民館 1階 美術工芸室

  ※育てる会にて13時〜16時ごろまでの予定で講演&上映会があります。
   子どもがAAO活動に行っている間、親がこの催しに参加できるようにと時間を変更しました。
【講演】:山下 久仁明 氏 
【上映】:「ぼくはうみがみたくなりました」
          企画・原作・脚本 山下久仁明 
  ※講演&上映作品の詳しい内容については、同封チラシをご覧ください。
3) 日時:1月10日(日) 10時〜12時
    場所:岡山市立京山公民館 1階 美術工芸室(保護者待機部屋)
                         実技室(子どもの活動に使って下さい)
   ※実技室では、軽い運動、ボール遊びなどができます。利用方法の詳しい内容については、追って会報でお知らせいたします。
(AAO活動担当:K.K)

「母の想いを語る会」ご案内

日 時  平成21年11月16日(月)9:30〜12:00
場 所  育てる会事務局
対 象  育てる会正会員の保護者(母親限定)
参加費  300円(当日集金します)
内 容  鳥羽代表と一緒に悩みや相談、ちょっと嬉しかったお話などをしませんか?
      アットホームにのんびり行っています。お気軽にどうぞ。
申込先  11月11日(水)までに育てる会事務局へ

「18歳の春親子療育クラブ」報告とご案内

  ☆前回(10月9日)の勉強会から  〜サポートカードについて〜

今回みんなで、それぞれの名刺大のサポートカードを作成しました。
カードの表には、写真と生年月日や特徴(好きなこと・嫌いなこと・得意なことなど)を、裏にはサンプルの文章、またはその子に合わせた伝えたい内容を記入しました。
限られたスペースに、情報を記入するのは難しいのですが、それぞれの特性をよく考えた素敵なカードが、できあがったと思います。

  ☆次回(11月13日)のお知らせ

日時  平成21年11月13日(金) 10:00〜13:00
場所  きらめきプラザ2階 研修室
内容  1)武蔵博文先生(香川大学教育学部 教授)のお話
     2)グループワーク
        ・目的別のグループに分かれます。
        ・持ち寄ったものを見せ合いながら、意見交換をします。
        ・各自サポートブック(サポートシート)作りを進めます。
        ・武蔵先生に各グループを順に回って頂きます。
     3)質疑とまとめのお話
持参物
     1)前回作ったサポートカード
     2)今までに作ったサポートブックやサポートカード
     3)アンケート
          *わからないところは先生に質問したり、グループで相談したりしましょう。
     4)サポートブック、サポートシートの材料
          *パソコンでデータ作りをされる方は、電源は取れませんのでバッテリー使用でお願いします。
     5)本「思いっきり支援ツール」武藏博文・高畑庄蔵著 エンパワメント研究所を持っている方は、ご用意ください。
その他
○これまでに作ったものを持ち寄り、グループワークの時間に意見交換等を行い、サンプルとして展示したいと思っています。
  ご協力ください。
○グループ分けは前回と同じです。

  ★18歳の春親子療育クラブ 料理教室を開催します★

2月7日(日)に料理教室を開催します!対象は18歳の春 参加親子。
この機会に18歳の春を始めてみませんか?詳しくは同封のチラシをご覧ください。

「OHAの会」のご案内

OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
臨床心理士の利守先生が毎回暖かなアドバイスもしてくださいます。
初めての方の参加も大歓迎です。皆で子どもたちのことを考え合いましょう。
日 時  平成21年11月20日(金)10:00〜12:30
場 所  きらめきプラザ2階 研修室2(岡山市北区南方2-13-1)
対 象  知的障害を伴わない自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)を持つ
      子どものお母さん(育てる会正会員限定)
参加費  500円(当日集金)
持ち物  副読本「アスペルガー症候群の子育て200のヒント」
         ブレンダ・ボイド著、東京書籍、2100円
       (とても良い本なのでぜひご購入してください。一般書店で購入可能です)
内 容  皆で困っていることや心配なことを相談しあって、仲間作りをする。
アドバイザー ぐんぐんスタッフ・臨床心理士:利守愛子先生
申込み  11月13日締切 事務局まで 
※設営の関係上、毎回必ずお申し込みをお願いします。

「保護者対象 連続講座」の報告とご案内

先日10月23日(金)から、香川大学教育学部:坂井聡先生による「保護者対象連続講座」がスタートしました。
「ようやく話せるようになった子どもが嘘しか言わなかったらどう対応するか?」
「あまり言葉が理解できない子に対して、2つから1つだけを選ばせるときはどうするか?」などの質問にどきどきしたり、先生のお話に思わず笑ってしまったりしながらの、あっという間の3時間でした。
また、言葉やジェスチャーができない状態で意志を伝えることを体験したりして、うまく伝えられないことのもどかしさ、伝えられている内容が分からないことの困り感などを実感しました。
周囲に受け入れられない行動の多くは、要求・注目・拒否をうまく伝えられない結果であることが多く、原因でもある「何を伝えたかったのか」を考え、別の方法で伝えられるようにすることが大切とのことでした。
そこで、各家庭でコミュニケーションサンプルをとることが宿題になっています。どんな方法で何を伝えようとしているのかが記録をとってみるとよく分かります。うちの子はよくしゃべるのですが、拒否についてはあまり伝えられていないこと、適切な伝え方ができていないことが分かってきました。適切な伝え方ができるようにサポートするために、これからも勉強していきたいと思いました。坂井先生、ありがとうございました。
お子さんのインフルエンザなどで今回は欠席された方も多く少し残念でした。欠席の方にはDVDをお送りしておりますので、次回までに見ていただいて、第2回目一緒にスタートさせましょう!
途中入会を希望される方は、お早めに事務局へご連絡ください。
日 時  平成21年11月6日(金)9:30〜12:30
場 所  きらめきプラザ2階
内 容  保護者の方ができる、保護者にしかできない自閉症支援を学びます
参加費  全4回で正会員8000円・一般12000円
        (途中からの参加の方にはDVD貸出を行います)

「教師・保育士対象 即実践講座」の報告とご案内

10月23日(金)に、第五回の重松孝治先生による「即実践講座」が行われました。
今回のテーマは「自立課題の作成 〜見て分かる工夫に向けて〜」ということで、課題を作成する際にする工夫を学びました。
自立課題を作成する際に、「できるかできないか」だけでなく、「どの部分に躓いているか、どういう工夫があればできるようになるか」を考えて作る必要があるとお話されました。
私たちはついつい「自閉症には視覚的に分かるようにすればいいのよね?」と課題を提供してしまいがちです。「見て分かるようにしたからできるでしょ?」と写真を貼った具材を分けたり順番の矢印をつけたり・・・。でもそれが本当に本人に必要な支援なのか、できる部分にも手をかけすぎなのではないかと考える必要性、またその矢印や写真の意味を本当に理解しているかを見極める必要性もある。つまり、「評価」の大切さを教えていただきました。
実際の評価のやり方を聞いた後、ビデオを見ながらその子の理解の仕方を評価して、どういった課題でどういう工夫が必要かをグループで話し合いました。
今回も大変面白い講義で、時間ギリギリまで盛り上がりました。ありがとうございました。

 【参加者からのアンケート】

・ 先月に続いて視覚的構造化の内容について、具体例を示した説明を聞くことができて、分かりやすかった。指示書や見本・色分け・タイトルなどは日ごろ気をつけて工夫してきたが、「視覚的整理統合」の意味や正しいやり方はよくわかっていなかったことがあったことに気づかされた。何を学ばせたいのかを絞って、それに集中できるように支援することが大切であることを忘れず、自立課題の作成の工夫をしていきたい。(小学校教師)
・ 評価の方法や一つの課題の明瞭性・整理統合などがどの箇所かなど、分解して考えたことがなかったので、方法を知ることができて良かったです。(保育士)
・ 評価の大切さ・難しさを改めて感じました。子どもたちに無理をさせているのではないかと反省します。(保育士)
・ 視覚的に分かりやすくするには、絵や文字による指示を使うこと。作業する場合、スタートとゴールがよく分かると取り組める。自立するには、自分で準備して片付けができるようにしていくなどのことを学べたのが良かったです。(保育士)
・ 自立について、内容を理解して取り組むことで、分かっているのか分かっていないのか、子どもの様子を見ながら指導することが必要である。支援していく中で、本人が理解できたかということが必要であるなどを学べて良かった。(保育士)
・ 評価の大切さ。評価する時に大切にすることがよく分かった。日ごろの自立課題づくりで生かしていきたい。よく観察する目を養いたい。(養護学校教師)
・ スキルを評価し、どんなことがどのようにできるかを把握し、課題を考えていく難しさを知った。何ができ、何ができないのか。それをどのように援助すると分かるのかということを考える考え方が少し分かった。(保育士)
・ 自立課題の大切さを改めて認識しました。一人ひとりの子どもに合った自立課題を提供していけるようにしていきたいと思いました。(養護学校教師)
・ 自立課題についての再構造化のやり方について分かりました。変化することが苦手だと思っていましたが、分かるようにする変化は良いと分かりました。今日も楽しい講義をありがとうございました。(養護学校教師)
・ 評価から見えてきた課題を映像で見て、考えていくことで、実践に生かしていきやすかった。(療育機関)
・ 就労移行支援に若干関わっているので、今回の教材のビデオを拝見していて「あの教材ができるなら、あの仕事ができるなぁ」「あの仕事に取り組んでもらうためには、あの教材のあの部分を取り入れたらいいなぁ」と実感でき、面白かったです。(施設職員)
・ 課題でできたかどうかを見るのではなく、何ができていてどこが難しいのかを見極めるという視点に気づかせていただき、勉強になりました。またいかにその人に合わせて情報を知らせることが難しいかを考えさせられました。(保育士)

☆第六回☆ 平成21年11月13日(金)19:00〜20:45
      「コミュニケーションについて」
          南ふれあいセンター ふれあいホール
           岡山市南区福田690-1・・・岡山南警察署あたり(青江より少し南)
           前回欠席された方へは、地図を同封しております。
☆第七回☆ 平成21年12月11日(金)19:00〜20:45
           岡山県生涯学習センター 大研修室(情報創作棟2階)
             岡山市伊島町3-1-1 三学ぱる・・・池田動物園の隣
             烏城高校や児童館と同じ敷地内にあります。
☆第八回☆ 平成22年1月8日(金)19:00〜20:45
           会場は同上 岡山県生涯学習センター
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す人対象。ただし施設・福祉関係職員も可。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円
          途中からの参加も可能です。欠席回のDVDは貸出します。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成21年11月22日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 旧・岡山中央南小学校体育館(岡山市中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
       お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
       親リーダーはグループノート、ゴミ袋
      *雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきてください。
        保護者の方も忘れずにお持ちください。
      *欠席の方はサッカークラブ担当までご連絡ください。
(サッカークラブ担当:T)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成21年11月15日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市絵図町1-50)
      ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
 体験は1回2000円(保険代込み)です。
★欠席される方、ボランティアさんが必要な方は、必ず11月9日(月)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
★今年度の活動予定日
  12/20 1/17 2/21 3/21(毎月第三日曜)
(水泳担当:M&I)

お母さんコラム

以前の会報で、お子さんの障害告知・周囲への公表をされた、高機能自閉症のお子さんをお持ちのお母さんから、その後について書かれたコラムの原稿をいただきました。
不定期連載で掲載させていただこうと思いますのでご覧ください。


公表、告知 娘は中学生になりました。

あれから4年が過ぎようとしています。娘の公表、告知のコラムを覚えていただけているでしょうか?そのあとの経験を感謝の気持ちを込めてもう一度・・・
小学3年生の12月に、学年での公表と本人への告知を終え、3学期が穏やかに終わっていきました。しかし4年生へ向け情緒クラスの要望を県の方へ申請していましたが通らず、普通クラスに在籍し、母体のクラスの隣に娘のスペースを設置してもらい、支援の先生や校長・教頭・主任・養護の先生との1対1での活動が基本になりました。この4年間の中で今振り返ると担任の先生との関係作りに悩み葛藤した一年間だったように思います。
4年生の時の担任は教師生活○十年のベテランの方でしたが、先生の方から娘に近づいてくる感じではありませんでした。
3年生の時から支援についてもらっていた先生が側にいたということもあったかもしれませんが、どんなに普通クラスで優秀な先生、指導能力があると評価された先生であったとしても、自閉症の理解と支援をうまくできるか、気持ちがあるか伝わるかは別の問題だったということです。
そのため、運動会や山の学校・学習発表会など、見通しがつくように、いつどこで誰と活動するのかを事前に教えてほしいと伝えても、練習の段階になっても教えてもらえず 「まだ決まっていない。当日どうなるかわからない」 「他の子どもたちの活動も成功させなければいけませんから」 と言われ、また行事が成功した後は 「あんなに支援しなくても○○ちゃん大丈夫ですよ」 と今度は言われ、どう話せばいいの?と切ない想いの連続だったように思います。
ただ私自身も気持ちのゆとりがなく、先生に対しかなり攻撃的であったと反省する部分もあったと思います。担任の先生も人間であり、説明下手、ストレートだったでしょう。4年生終了まで親子共々、先生との距離が縮まることは残念ですがありませんでした。でも、今までの担任の先生の中では育てる会のセミナーによく参加していただきました。その時に受け入れられなかった先生の言動も、今の私には保護者としての学びの時間であり、まず5年生へのスタート時には担任もしくは交流の先生と娘との距離を新学期が始まる前に縮めておくことが私の仕事だと強く感じました。
友達との関係は3年生の時から支えてくれていた子どもたちやそれ以外の子たちが数人、給食時間や休み時間、行事活動の練習に合わせ、娘の部屋に顔を出してくれましたし、この支援は小学校卒業するまで娘の状態に合わせて継続していきました。
また、この時期娘の登校は皆の視線がつらいため、私が車で登校時間をずらして送り、下校は私の仕事の関係もあり、週に1〜2回支援の先生にお願いし、あとの3〜4回は家族にて対応していました。また感覚的・聴覚的・視覚的・味覚的な問題が徐々に表面化したのもこのころで、先生方や周りの子どもたちに理解を求める日々となりました。 (・・・続く・・・)
(チェリーママ)

チェリーママさん、ありがとうございます。
以前の会報で本人への告知への準備・周りへの公表に悩み考え、そして本人への愛情を中心に据えて行われたお母さん。育てる会会報でその様子をコラムに書いてくださり、それを読んだ保護者から「たくさんの勇気をもらいました」「涙が出ました」と大きな反響がありました。続きをまたお願いしたいと思いますのでお楽しみに。

今回はコラムが二つあります。こちらはいつものIママさんからいただきました。


「おかあちゃん、ニワトリさんを産んでください!」

2009年小4の夏休みが終わる日、Aが私に言った言葉です。一瞬 「!?私もう産めません」と答えてしまいました(笑)
すると、Aは「ちがうんよ。鶏のぬいぐるみを誕生日プレゼントに買ってくださいということです」「あー、そういうことね」と安堵する私でした。
この夏、彼と一緒に小学校の鶏の餌やりに通った日々。7月から毎朝、放課後児童クラブに出かける前に行ってきた3羽の鶏の世話を思い出しました。
「18歳の春」の勉強会で、武蔵先生からいつも言われます。「課題の小分けをして振り返ってみましょう」と。特に夏休み半ばから「これは×だな。これは△だ。なんとか○にする方法はないかな」と意識するようになりました。
まず私が考えたのは「△」の「先生、鍵を貸してください」と職員室の横からAに声をかけさせることでした。
グラウンドから階段をのぼり、戸口から声をかけることは、彼にとっては勇気がいるらしく、しかも「先生」と声かけするのは最初難しいようでした。そこで入口近くで「レベル3くらいの声で『先生』と大きな声で呼ぶんよ」と教えました。そして、できたら相手の先生に「『先生』と大きな声で言えましたね」と賛同を求めて褒めてもらうようにしました。
すると8月の初旬には、私が階段の下で見守るだけで、大きな声で「先生」と呼びかけることができるようになりました。夏休みですから、いろんな先生が来られていて、しかもどことなくゆとりが感じられて、それがAにも安心感を与えてくれていたのも大きかったようです。
さらに8月中旬ごろになると「鶏の餌やりに来ました。鍵を貸してください」などと、長文を話して私を驚かせてくれました。周りで聞いていた先生からも具体的に褒めてもらいました。
毎日Aが「先生」と呼びかけるたびに、教頭先生や主幹の先生や担任のY先生などは「おはようございます。Aくんは何が必要ですか?」と問いかけて、Aが言葉を出すのを待ってくださいました。そのことがこのような彼の言葉を引き出してくれたのだと思います。
振り返ってみて、コミュニケーションの力を育てるのに必要なのは、「うまくいく経験を継続すること」「安心感があること」「時間的なゆとりがあること」「本人の興味のある活動であること」などたくさんあることに気づかされました。
しかも当初は×だった「鍵を開ける」ことにも、気づけば自発的に挑戦し始め、休み中には自分で開けるようになりました。一つのうまくいくことを何回も自分でできたと実感したら、自分から他のことにも挑戦できるんだとAの姿に感激しました。「夏休みスケジュール表」には、餌やりした日に「鶏シール」を貼っていきましたが、この頑張りシールも夏の終わりにはズラーっと並んでいたのは言うまでもありません。「きっと友達にも認めてもらえるだろう」と思いました。
さて、2学期の初め「夏休みの思い出」に彼が描いたのはやはり鶏の絵でした。「黒い雌鶏を描くよ」と見事な鶏を描いて、後に「あっ、金色の雄鶏も描くよ」「金網も描くんだ」と張り切って描いたそうで、美術の先生にこのことをお話したら「遠近感を認識して表そうとしている成長です。すごいね」と言ってもらい、これもそれも大きな収穫であり、感動しました。
最近彼が口癖のように言うのが「結婚記念日にしてください」です。Aの誕生日の2月が「結婚記念日」なのだそうです。黒の雌鶏はクリスマスプレゼントにもらい、雄鶏は2月の誕生日にプレゼントされたら「結婚させる」ということらしいのです。「結婚記念日」なんてどこで覚えてきたのでしょう?私はAが生まれてきてくれ、しかも自閉症と診断されたことで、たくさんの人々に助けられてこのような感動を味わうことができていることに改めて幸せを感じました。
しみじみと「A、お母ちゃんのところに生まれてきてくれてありがとう」と言うと、なんとAは「どういたしまして」と答えたのです!この言葉にジワーッとまたまた心がホカホカと暖かくなりました。
(Iママ)

事務局&ぐんぐんだより

10月も終わり。今月は新型インフルエンザに振り回された一か月でした。学校によっては「学級閉鎖」に留まらず「学校閉鎖」になったところもあったようで・・・。子どもの方が重症化しやすいと聞きます。怖いですね。十分気をつけたいと思います。
さて、11月にはのびのびキャンプ報告会があります。楽しかったキャンプからもう1か月が経ちました。嬉しい感想や体験談などがいろいろと寄せられています。11月23日の報告会では、ビデオや写真を見ながら楽しかった想い出を皆で語り合ったりしたいなと思っています。今年のキャンプには参加できなかったけど興味はある!という保護者の方・ボラさんは良かったら参加してください。(参加費はいりませんよ♪)来年はまたたくさんの子どもたちとボラさんで楽しいキャンプにしたいと思います。ぜひご参加ください。
今年も残りあと2か月。12月は安倍先生の講演会もあり、「ぼくうみ」の上映会もあります。私は一足先に11月10日に神戸での上映会へお邪魔しようと思っています。また次回の会報でどんな映画だったか紹介しようと思いますので、お楽しみに。

 ★育てる会所蔵の書籍、借りられますよ★

育てる会正会員になっておられる方々の特典として、「本の貸し出しサービス」を行っております。一冊100円、貸出期間は2週間です。
お金がたまったら、また次の本を買って増やしていきます。どんどん借りてくださいね。
普通の本屋さんにも自閉症関係の本はあるけれど、どの本がいいかよく分からないってことありませんか?そんな皆さんのための貸出本サービスです。
平日10時〜17時の事務局の空いている時間にお越しください。会議などで留守の場合もありますので、必ず一本お電話をお願いします。
トチタロさんのお薦め本の書籍や、課題集、身辺自立の本、TEACCHの本、ソーシャルスキルを高めるための本などなど、種類も多数です。どうぞお気軽に見にいらしてくださいね♪

 ★育てる会賛助会員 入会のお願い★

育てる会の活動を応援・支援してくださる「賛助会員」さんを募集しています。
自閉症児の子どもと関わりのある方・親戚・知人・先生・地域の方などなど誰でも入会できます♪(名簿などは作成・配布いたしません)
2009年9月現在 373名の賛助会員の方がいらっしゃいます。
年会費 3000円(入会月から一年間有効)
入会方法 中国銀行 赤磐(あかいわ)支店 普通口座 1369120の「育てる会」名義の通帳へご入金ください。
ご入金されたら、入会された方のお名前・ご住所・電話番号を電話・FAX・郵送でご連絡ください。
(育てる会:松田紗代)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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