北大西洋航路客船                      
ユナイテッド・ステーツ    ユナイテッド・ステーツ・ラインズ
       (アメリカ)
   就航 1952年
          
    53329 総トン
          
    全長 301.8m
          
    全幅 31.0m
           
    エンジン 
     ギヤード・タービン
         4セット
     220000 馬力
          
    推進器 
     スクリュー4軸
           
    速力 33 ノット
            
    乗客定員  1928
     1等     871
     キャビン  508
     ツーリスト 549

 

    大きい,あるいは速い大西洋航路定期船を持つことは,長い間国家の地位の象徴だと考えられてきた。そしてそうした考え方は,第二次大戦後もまだ幅を利かせていた。そんな中,アメリカの客船はずっとヨーロッパの船の二番手に甘んじてきたが,アメリカ人所有の船を他のどの船よりも断然まさるものにしたいという情熱の炎は,何人かの造船技師の心の中でまだ燃えていたのである。そしてその炎を一番激しく燃やしていたのが,ウィリアム・フランシス・ギブスだった。

  彼は倦むことなくその大目的を追求し,最後には彼のスーパー船を後援してくれるところを見つけることになる。ユナイテッド・ステーツ・ラインズがそのような船を欲しがり,またアメリカ政府がその建造と運用への助成金を出すことに賛同してくれた。さらにギブスは,有事の際にはこの船が高速の軍隊輸送船になることを,その筋の人々に説いてまわった。そうして建造コストのうちの大きな額を,アメリカ海軍から手に入れることができたのである。全建造費はおよそ 7800万ドルに達したが,これは同じサイズの従来船の2倍の額であった。

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・・・・・・・ (ボイラー室,タービン室,補機室の3室からなる)以上のグループが,それだけで独立した一つの単位を形成し,前側すなわち外側のスクリューを駆動した。そして同様の3室からなるグループが,後ろ側すなわち内側のスクリューを駆動する。こうした設計にすることで,各グループは互いに独立して機能でき,どちらかのグループが損害を被って機能しなくなった場合でも,船は残った2つのスクリューだけでまだ走ることができ,なお26ノットの速力を出せたのである。全体の装置は基本的に航空母艦「ミッドウェー」級に搭載されたものと同じであった。

 試運転結果も長い間秘密にされた。しかしその内容は,53,329総トンのこの船が全開出力 241,785軸馬力で走った時,20ノットの風に向かって 38.32ノットの平均速力を出したというものであった。最大速力は42ノットを越え,これは「ブルーリボン」を奪取した際の東航 35.59ノット,西航 34.51ノットさえ巡航速力に見えてしまうほどのものである。常用航海では29〜30ノットに抑えられ,そうした通常状態においては,機関は約半分の能力で運転された。間違いなくこの「ビッグU」は,機関に関する限り他の船とは別格の抜きん出た存在だった。 

                         

                           (「豪華客船スピード競争の物語」 ユナイテッド・ステーツ号の部分より抜粋)

 
                       

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