(2001. 3. 25 「岡山保険医新聞」より)
その後の医師連盟問題
1、岡山県医連は、入会拒否可能
「明示の意志」は、入会しない旨の文書で届出を
先日、協会メーリングリストで岡山県医師連盟の規約改定が問題視された。
日く「せっかく任意加入になったのに、また逆戻りか」「自民党を支持する連盟には入会したくない」というもの。(協会紙3・10号にも掲載)
その後もいくつかのご意見が寄せられ、これらの意見が県医師会長にも届くところとなり、小谷秀成県医師会長からも詳しい説明が寄せられた。
小谷会長の説明はおおよそ次の通りである。「医師連盟は自民党を支える会ではないことを了承して欲しい。診療報酬と政治問題は不可分の問題であるので、医師連盟は必要である。医師連盟は与党を支えるが野党ともきちんと話し合いを持っている。
医師連盟は、これまで任意加入であったが、加入率が低く、資金調達が難しくなった。これでは支障を来たすので、今回の規約改定を行った。医師連盟への加入率はA会員で七割程度であり、全国的にみても、中四国でみても非常に低い。『明示の意志に反する場合』とは平たく言えば「入りたくなければ入らなくても良い」という意味である」
協会事務局の『明示の意志に反する場合』という質問にも「入会したくない旨、一筆書いて届ければ、そのように処理する」とのお答えであった。
それでも残る疑問 改定規約の有効性
最大の問題は、規約改定の有効性である。「連盟が『医師会員をもって構成する』と決めることはおかしい」という声が寄せられている。「他団体の会員をうちの会員だ」と勝手に決めるのはおかしいということだ。任意加入の医師連盟が他団体である医師会の会員を連盟規約に明記したから連盟の会員にするなどということは論理的にも、規約的にもあり得ない話である。「連盟の趣旨に賛同する医師会員をもって構成する」が、やはり正しい。
2、医師会の選挙活動は国会でも問題視
3月16日の参院厚生労働委員会でも、医師会の選拳活動が問題視された。
KSD問題の審議の中で、富山県医師会が特別会費決算報告の中で905万円余の自民党費を支出していること、広島県医師会が医師会長と連盟会長の連名肩書きで1万円の特別会費の納入を告知していること、石川県医師会が自民党入党申込書を県医師会総務課へ送付するようにしていることが、KSDと同じではないかと追及されたものである。
これに対して、坂口厚生労働大臣は「医師会と医師連盟は区別すべき」、伊藤医療政策局長は「医師会がやっているような誤解を与える」と答えている。
これは、医師会と医師連盟を明確に区分するように求めたものである。
3、日歯連盟訴訟で問われていること
公判の始まった日歯連盟訴訟(鹿児島地裁)では、日歯連盟からの退会の自由を求める原告に対して、日歯は「日歯と日歯連盟は一体であり、日歯連盟からだけの退会は認めない」と回答している。
公益法人である医師会・歯科医師会と政治団体である連盟が一体であることは国会でも問題視された。公益のために補助金等の優遇を受けている団体が、政治団体と一体であったり、ましてや自分の利害のために特定政党の支援を行ったりすることが批判を受けるのは世の常識であろう。それ故に、KSD問題がこれほどもめているのである。
岡山県医連においても、連盟会員の実数をはるかに上回る人数分の会費を日医連に納入したと報告されている。これは「ユウレイ会員」づくりではないのだろうか。
(K)
(2001. 4. 10 「岡山保険医新聞」より)
続・その後の医師連盟問題
医師会役員の会員から『苦言』
「連盟批判は会員の総意ではない」と
前号掲載の「その後の医師連盟問題」と題する記事に対して、医師会役員である会員から次のような苦言をいただいた。
「連盟問題のキャンペーンは会員の総意か?
小谷県医会長の説明もちゃんと書いてくれていて良いが、このような偏ったキャンペーンには怒りを感じる。これ以上続けられるなら同志を募って協会を退会する。会員の総意かどうかアンケートを採って欲しい。
医師会と連盟は別団体だが、便宜的に一緒にやっている。診療報酬にしても、医師会や連盟の力で引き上げられているのであって、保険医協会のお陰ではない。
連盟は自民党ではない。公明党にも金を出している。政権政党が事を決めるのだから政権政党をやる。共産党が政権を執れば同じようにする。
岡山は連盟への入会率が低く七割ぐらいだ。金にも困っている。連盟の上納金は決まっていて、会員が少なければ負担が増え、会費を上げなければならなくなる。広島は1万円の会費徴収で叩かれたが、岡山は蓄えから出した。
こういう現状の下で、連盟をたたくことはないだろう」というものでした。
事務局からは、「3月25日の記事は、これまでに協会のメーリングリストや寄せられた声を紹介し、国会で問題になったこと、日歯連盟訴訟での争点など事実などを紹介したもの。先生のご意見は寄稿していただきたい」とお願いしたが、寄縞は承諾いただけなかった。
また、「医師会と連盟と自民党を区別すべきではないか」、「岡山だけでなく、大阪でも入会率は低い」、「武見後援会でも10%台の県がいくつもある」ことをお話しした。これについても「岡山も低い」と言われていた。
*純くんのコメント:赤字は純くんによる。自民党が野党になっても支持をしていたではないですか。今度の参議院の推薦候補者でも自民ばかりです。公明と自民とどこが違うというのですか?上納金に関しても、そんなことをしているから、自民党からなめられるし、医師会員からはおかしいといわれるんです。集まった会員の分だけ、上納するのが筋(スジ)というものでしょう。
弁護士の政治連盟は、所属政党を問わずに、弁護士出身の代議士に政治資金を渡しているようですが、医師連盟にはそういった発想はないのでしょうか?医師の発言権を強めるのならば、そうすべきでしょう。自民党の政策は、医療・福祉は切り捨ての対象ですから、医者はハッピーになれないのです。
結局は自民党一本槍、これが矛盾の根源なのです。